電気 計算 法 シリーズ
本 書 の全 部 また は一 部 を無 断 で複 写 複 製(コ ピー)す る こ とは,著 作 権 法 上 で の例 外 を除 き,禁 じ られ てい ます。 小 局 は,著 者 か ら複写 に係 る 権 ...
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電気 計算 法 シリーズ
本 書 の全 部 また は一 部 を無 断 で複 写 複 製(コ ピー)す る こ とは,著 作 権 法 上 で の例 外 を除 き,禁 じ られ てい ます。 小 局 は,著 者 か ら複写 に係 る 権 利 の管 理 につ き委 託 を受 け て い ます の で,本 書 か らの複 写 を希 望 され る場合 は,必 ず小 局(03‐5280‐3422)宛 ご連 絡 くだ さ い。
序 文 電 気 ・電 子 の 学 習 を進 め る上 で,計 算 力 の 養 成 は 必 要 不 可 欠 な もの で あ る.多 くの例 題 や 問題 を解 くこ とに よ り,計 算 力 の 上 げ る こ とが 電 気 ・電 子 に 関 す る知 識 習 得 の 早 道 で あ る と考 え る. 本 電 気 計 算 法 シ リー ズ は,初 め て 電気 系 科 目を 学 ぶ 読 者 を対 象 と し,特 別 な知 識 が な く と も読 み 進 め られ る よ う に,平 易 か つ て い ね い な解 説 に努 め,企
画 ・編
集 した もの で あ る.「 電 気 理 論 」,「電 気 回 路 」,「デ ィ ジ タ ル 回 路 」 の 各 分 野 よ り 基 本 重 要 事 項 を厳 選 し,例 題 ・問題 を解 き な が ら理 解 を深 め られ る よ うに 構 成 し た.具 体 的 に は,各 項 目を4ペ ー ジ単 位 と し,解 説(1ペ 演 習 問 題(1ペ
ー ジ)の 構 成 と して,各
題 を用 意 した.ま
た,本
ー ジ),例 題(2ペ
ー ジ),
章 末 に は 理 解 度 を確 認 す るた め の 章 末 問
シ リー ズ の ね らい よ り,略 解 は用 い ず に解 を 導 く手 順 を
明 らか にす る 詳 しい解 説 を全 問 に付 し た の で,計 算 手 順 の 理 解 に お い て も役 立 つ で あ ろ う. 著 者 陣 は,教 育 現 場 や 企 業 に お け る実 践 指 導 に尽 力 を注 い で きた 実 績 と ノ ウ ハ ウ を有 す る ベ テ ラ ン達 で あ り,「 か ゆ い と こ ろ に 手 が 届 く本 」 を 目指 して 執 筆 し て 頂 い た.電 気,電 の 学 生,電
子,情 報 系 の 学 生 の み な らず,電 気 の 入 門書 と して,他 学 科
験 な どの 資 格 取 得 を 目指 す 方 な ど に幅 広 く活 用 さ れ る こ と を待 望 す る
しだ い で あ る. 最 後 に,本 企 画 を実 現 す る に あ た り,度 重 な る打 ち 合 わせ と多 大 な る ご尽 力 を 頂 い た 東 京 電 機 大 学 出 版 局 植 村 八 潮 氏,石
沢 岳 彦 氏 に深 く感 謝 申 し上 げ る.
2003年1月
浅川毅
は じめ に 電 気 ・電 子 系 の学 習 を進 め る上 で電 気 回路 の 計 算 は,そ の 基 礎 ・基 本 とな る も の で す.本
書 は,電 気 回路 に つ い て,こ れ か ら学 ぼ う とす る学 生,初
テ キ ス トと して,ま
級技術 者の
た,教 科 書 な どで 学 習 した 事 項 を さ ら に確 実 な もの とす る サ
ブ テ キ ス トと し て,よ
り効 果 的 に 実 力 が 付 け られ る よ うに 執 筆 ・編 集 した もの で
す. 電 気 回 路 の 学 習 は,理 論 式 と具 体 的 な現 象 との 関 係,理
論 式 の表 す 意 味,理 論
式 の取 り扱 い,理 論 式 を用 い た計 算 の 仕 方 な ど,そ れ ぞ れ を 理 解 す る 必 要 が あ り ます. 本 書 の構 成 は,「 第1章 章 磁 気 回 路 」,「第5章
電 気 の基 礎 」,「第2章 電 磁 力 」,「第6章
静 電 気 」,「第3章
磁 気 」,「第4
電 磁 誘 導 」 の6つ の 章 か らな ります.
電 気 回 路 を 学 ぶ 上 で のSI単 位 や 数 値 の 指 数 表 示 か ら電 磁 気 学 の 各 現 象 ま で,広 範 囲 に わ た り詳 し く取 り上 げ て い ます. 章 を構 成 す る各 節 は4ペ ー ジで ま とめ て あ り ます.各 節 の 初 め の ペ ー ジ で,そ の 節 で 学 習 す る 内 容 を解 説 し,理 論 式 と具 体 的 な現 象 との 関 係,理 味 な ど を説 明 し ま した.2∼3ペ
論 式 の表 す 意
ー ジで は多 くの例 題 を設 け て 理 論 式 の 取 り扱 い,
理 論 式 を用 い た 計 算 の 仕 方 な ど を理 解 で きる よ う に し ま した.最 後 の ペ ー ジ で は 練 習 問 題 を設 け て 実 力 が はか れ る よ う に し ま した.ま 題 も設 け,さ
た,各 章 の最 後 に は章 末 問
ら に学 習 の 習 得 が は か れ る よ うに 配慮 し ま した.
本 書 を活 用 して 繰 り返 した く さん の 問 題 を解 く こ と で,電 気 回路 の 基 礎 ・基 本 をマ ス ター さ れ る こ とを 期 待 しま す. 終 わ りに、 本 書 を 出 版 す る に あ た り多 大 な ご尽 力 をい た だ い た監 修 者 浅 川 毅 氏 お よ び東 京 電 機 大 学 出版 局 の 植 村 八 潮 氏,石
沢 岳 彦 氏 に深 く感 謝 申 し上 げ ます.
2003年1月
著者 しるす
目 第1章
次
電気 の基礎
1
1.1 記 号 と 単 位
2
1.2 電 圧 と電 流 の 関係
6
1.3 電 流 と 熱 の 関 係
10
1.4 導 体 の 抵 抗
14
1.5 測 定 範 囲 の拡 大
18
章末問題
第2章
22
静電気
23
2.1 ク ー ロ ン の 法 則 と 電 界
24
2.2 電 荷 に 働 く 力
28
2.3 電 気 力 線 と 電 束,電
位
32
2.4 静 電 容 量 と エ ネ ル ギ ー
36
2.5 コ ン デ ン サ の 接 続
40
2.6 コ ン デ ン サ の 電 荷 と 電 位
44
章 末問題
第3章 磁気
48
49
3.1 ク ー ロ ン の 法 則 と磁 界
50
3.2 磁 力 線 と磁 束
54
3.3 電 流 に よ る磁 界1
58
3.4 電 流 に よ る 磁 界2
62
章 末 問 題
66
第4章 磁気 回路
67
4.1 磁 気 回 路 の オ ー ム の 法 則
68
4.2 環 状 鉄 心 の磁 気 回 路
72
4.3 エ ア ギ ャ ッ プ が あ る 磁 気 回 路
76
4.4 磁 化 曲 線 と ヒ ス テ リ シ ス 損
80
章 末 問 題
第5章 電磁力
84
85
5.1 電 磁 力 の 作 用 と方 向
86
5.2 方 形 コ イ ル に 働 く力
90
5.3 平 行 導体 間 に働 く力
94
5.4 磁 界 中 の 導 体 の 運 動
98
章 末 問 題
第6章 電磁 誘導
102
103
6.1 電 磁 誘 導1
104
6.2 電 磁 誘 導2
108
6.3 自 己 イ ン ダ ク タ ン ス
112
6.4 相 互 イ ン ダ ク タ ン ス
116
6.5 イ ン ダ ク タ ン ス の 接 続 エ ネ ル ギ ー
120
章 末 問 題
124
練習問題 ・章末問題の解答 125 索
引
152
キーワー ド
SI単 位,オ
ー ム の 法 則,ジ
ュ ー ル の 法 則,電力,
電 力 量,導 体 の 抵 抗,抵 抗 率,導 分 流 器,倍 率 器
電率,抵
抗 温 度 係 数,
(a) SI基 本 単 位 電 気 磁 気 学 で扱 う 単 位 に は,SI単
位 系 を 用 い る.SI単
位 系 は,基
本 単 位 と組
立 単 位 か らな り,こ れ に10の 整 数 乗 倍 を 表 す 接 頭 語 を付 け て 表 す. SI基 本 単 位 に は 長 さ(メ ー トル:m),質 電 流(ア ンペ ア:A),熱 ン デ ラ:cd)の7種
量(キ ロ グ ラ ム:kg),時
力 学 温 度(ケ ル ビ ン:K),物
間(秒:s),
質 量(モ ル:mol),光
度(カ
類 が あ り,多 くの 組 立 単 位 を つ くる と きの 基 本 と な る .
(b) 固 有 の名 称 を も つSI組 立 単位 法 則 や 定 義 に基 づ い て 基 本 単 位 の 組 合 せ で表 す 単 位 を組 立 単 位 と い い,組 立 単 位 の 一 部 に は,表1・1の
よ うに 固有 の 名 称 が 与 え られ て い る もの が あ る. 表1・1 固 有 の名 称 を もつSI組 立単 位
(c) 接
頭
語
10の 整 数 乗 倍 を表 す 接 頭 語 を表1・2に 示 す(合
成 した もの は 用 い な い*).
表1・2 SI単 位 の10の 整 数乗 倍 を表 す接 頭 語
* た と え ば,10-12を
表 す 場 合,μμ は 用 い ず,pを
用 い る.
例題 1.1
電 気 お よび磁気 に関す る量 とそ の記 号(こ れ と同 じ内容 を表す
単 位 記 号 を含 む)の 組 合 せ と して,誤
量
単位 記号
(1)電 界 の 強 さ
V/m
(2)磁
束 T
(3)電 力 量
W・s
(4)磁 気 抵 抗
H-1
(5)電
C/s
解
っ て い る もの は 次 の うち どれ か.
流
(1)電 界 の 強 さ は,〔V/m〕(ボ
密 度 の 単 位 テ ス ラ で,磁 〔W・s〕(ワ
ッ ト秒)で
(5)電 荷C(ク
ル ト毎 メ ー ト ル)で
束 の 単位 は あ る.(4)の
〔Wb〕(ウ
ェ ー バ)で
磁 気 抵 抗 は,〔H-1〕(毎
ー ロ ン)は,A・sで
定 義 さ れ る の で,電
あ る.(2)のTは,磁 あ る.(3)の ヘ ン リ ー)で 流A(ア
正 し い.
ン ペ ア)は,
〔C/s〕 と な り正 し い.
例題 1.2
束
電 力 量 は,
答(2)
電 圧 の 単 位 〔V〕 と 同 じ内 容 を表す単 位 と して,正
しい の は 次 の
う ち どれ か. (1)N/C
(2)J/s
(3)N・m
(4)J/C
解 電 圧 の 単 位 〔V〕をSI組 立 単 位 を用 い て,次
(磁 界 の 強 さ の 定 義 か ら 〔V/m〕=〔W/A・m〕
別解 圧)か
(5)A・s
の よ う に 変 形 す る.
→ 〔V・A〕=〔W〕
と な る)
第2章 で 学 習 す る静 電 エ ネ ル ギ ー の 式W=(1/2)QV(Q:電 ら
と な り,〔V〕=〔J/C〕
で あ る か ら(4)が
正 解 で あ る.
答(4)
荷,V:電
例題
1.3
次 の()に
適 切 な数 値 を入 れ よ.
(1) (2) (3) (4)
解 (1) ① ② (2)
③ ④
(3)
⑤ ⑥
(4)
⑦ ⑧
答 ①3
例題
②−3
③50
④4
⑤−4
⑥3
⑦−1
⑧2
④3
⑤−3
⑥2
1.4
次 の()に
適 切 な 数 値 を入 れ よ.
(1) (2)
解 (1) (2) 答 ①3
②−3
③7
題
練 習問 1.1 電気 お よび磁 気 に関す る量 とその 記号(こ れ と同 じ内容 を表 す 単位 記 号 を含 む) の組合 せ として,誤 ってい る ものは次 の うち どれか. 量
単位 記号
(1)電
圧
(2)電
力
J/C
J/s
(3)磁 界 の 強 さ
A/m
(4)コ
ンダ クタ ンス
(5)静
電容 量
Ω C/V
1.2 次 の 単 位 の な か で,エ (1)A/m
(2)V/m
1.3 次 の 単 位 の な か で,エ (1)V・A
1.4
次 の()に
(2)C・V
ネルギ ーの単位 (3)N・m
ネルギ ーの単位 (3)W・s
〔J〕と同 じ内 容 を表 す 単 位 は ど れ か. (4)Wb/m2
〔J〕と異 な る 内 容 を 表 す 単 位 は どれ か. (4)N・m
(5)H・A2
適 切 な 数 値 を 入 れ よ.
(1) 0.05GV=(
)MV
(2) 2000pF=(
(3) 345mA=(
)A
(4) 0.02kΩ=(
(5) 20×10-7A=(
)μA
(7) 300kV=3×10( )V (9) 6mA×5kΩ=(
(5)W
)Ω
(6) (20/1000)A=2×10( )A (8) 3V/5mA=(
)V
)μF
(10) 6V/3kΩ=(
)kΩ )mA
(a) オ ー ムの 法則 図1・1に お い て,抵 抗R〔 Ω〕に 流 れ る 電 流I〔A〕 は 電圧V〔V〕 に比 例 し,抵 抗 Rに反 比 例 す る.こ れ を オ ー ム の 法 則 とい い,次 式 の よ うに 表 され る.ま 抗Rの
逆 数Gを
た,抵
コ ン ダ ク タ ン ス とい い,単 位 は ジ ー メ ンス 〔S〕で 表 す.
(1・1)
(b) 抵抗 の直列接続
図1・1
図1・2の よ う に抵 抗 が 直 列 接 続 され た 回路 で は,次 の よ うな特 徴 が あ る. ● 合 成 抵 抗R=R1+R2+R3+…+Rn
(1・2)
● 各 抵 抗 に 流 れ る 電 流 は 同 じ で あ る. ● 電 圧 比V1:V2:V3:…:Vn=R1:R2:R3:…:Rn
(1・3)
●V=V1+V2+V3+…+Vn
(1・4)
図1・2
(c) 抵 抗 の 並 列 接 続 図1・3の よ う な抵 抗 が並 列接 続 され た 回路 で は,次 の よ うな特 徴 が あ る. ●抵 抗2個 の場 合の合 成抵 抗Rは,2個
の抵 抗 の和(R1+R2)分 の積(R1・R2)で あ る. (1・5)
●抵 抗3個 以上 の場 合の合成抵抗Rは (1・6)
●各 抵 抗 の電 圧 は等 しい. ●各 抵 抗 に 流 れ る 電 流 は,I=I1+I2+I3+…+Inで,各
図1・3
電 流 は 次 式 の よ う に な る. (1・7)
例題 1.5 解
5kΩ の抵 抗 に30Vの
抵 抗5kΩ
は,5×103Ω
電 圧 を加 える と,流 れ る電 流 は何 〔mA〕 か.
に 換 算 し て 計 算 す る.式(1・1)よ
り
答 6mA
例題
1.6 図1・4の
回 路 で,E=12V,
R1=15kΩ,R2=25kΩ 何
〔mA〕
の と き,電
流Iは
か.
図1・4
解
合 成 抵 抗Rを
計 算 して,オ ー ムの 法 則 よ り電 流Iを 求 め る.式(1.2)よ
り
答 0.3mA
例題
1.7 図1・5の
R1=3Ω,R2=6Ω
回 路 で,E=12V,
の と き,電
流I,I1,I2
は そ れ ぞ れ 何 〔A〕か.
図1・5
解
電 流I1,I2は,そ
れ ぞ れ オ ー ム の法 則 か ら求 め られ る.
した が っ て,I=I1+I2=4+2=6A
別解 算 す る.
合 成 抵 抗Rを
答 I=6A
I1=4A I2=2A
計 算 して,電 流Iを 求 め て か ら,電 流I1,I2を
分流比 で計
1.8
I1,I2は
分 流 比 を 用 い て 計 算 す る.
二つ の抵 抗 間の分流 比 を求める ときは を求 め る と きは
例題
図1・6の
回 路 で,E=12V,
R1=9Ω,R2=30Ω,R3=70Ω 電 流I1,I2,I3は
の と き, そ れ ぞ れ何
〔mA〕
か.
図1・6
解 合 成 抵 抗Rを
し た が っ て,電
電 流I2とI3は,抵
計 算 して,電 流I1を 求 め る.
流I1は
抗R2とR3の
分 流 比 か ら求 め る.
答 I1=400mA
I2=280mA
I3=120mA
練習 問 題 1.5 図1・7∼ 図1・10の 回 路 のab間
の 合 成 抵 抗 を 求 め よ.
図1・7
図1・8
図1・9
図1・10
1.6 図1・11の 回 路 で,電
流 計 の 値 が2Aを
示 した.こ
の と きの 電 圧 計 の 指 示 値 は い く
らか.
1.7 図1・12の 回 路 で,R=10Ω た.電
源 電 圧E〔V〕
の と きI=5Aで
あ り,R=8Ω
に した と きI=6Aで
の 値 は い く らか.
図1・11
図1・12
あっ
(a) 熱 エ ネ ル ギ ー 図1・13の よ う に,抵 抗R〔 Ω〕に 電 流I〔A〕 が 流 れ る と,ジ
ュ ー ル 熱 とい う熱
エ ネ ル ギ ー が 発 生 す る.こ れ を ジ ュ ー ル の 法 則 とい い,電 流 が 流 れ た時 間 をt〔s〕 とす る と,熱 エ ネ ル ギ ーQは 次 式 の よ う に表 さ れ る.熱
エ ネ ル ギ ー の 単 位 は,ジ
ュ ー ル 〔J〕が 用 い ら れ る. (1・8) 図1・13
M〔kg〕 の 物 体 の 温 度 をT〔 ℃ 〕だ け上 昇 さ せ る た め に 必 要 な 熱 エ ネ ル ギ ーQ 〔J〕は,物
体 の 比 熱 をC〔J/kg・ ℃ 〕 と す る と,次
式 の よ う に 表 さ れ る. (1・9)
水 の 比 熱 は4.19×103J/㎏
・ ℃ で あ る.
した が っ て,水 の温 度 を上 昇 させ るの に必 要 な熱 エ ネル ギーQは 次式 の よ うに なる. (1・10)
(b) 電
力
電 気 回 路 に お け る単 位 時 間 当 た りの 電 気 エ ネ ル ギ ー の量 を電 力 と い い,そ の 大 き さPは 次 式 で 表 さ れ る.電 力 の 単 位 に は ワ ッ ト 〔W〕が 用 い ら れ,こ れ は 〔J/s〕 と 同 じ単 位 で あ る. と同 じ単 位)
(c) 電
力
(1・11)
量
あ る 電 力 に よ る 一 定 時 間 内 の 電 気 エ ネ ル ギ ー の 総 量 を電 力 量 とい う.電 力 量 Wは,次
式 の よ う に電 力 と時 間 の 積 で 表 され る. (1・12)
電 力 量 の 単 位 に は,時 間tに 秒 〔s〕 を 用 い た ワ ッ ト秒 〔W・s〕(〔J〕 と同 じ単 位) や 時 間tに 時 〔h〕を用 い て1000倍
した キ ロ ワ ッ ト時 〔kW・h〕 が 用 い られ る.
題
例題
1.9
20Ω の 抵 抗 に5Aの
電 流 を20分
間流 した.こ
の場合 の熱エ ネ ル
ギ ー 〔J〕は い く らか.
解
20分 間 を秒 に換 算 して 熱 エ ネ ル ギ ー を計 算 す る.式(1・8)よ
り
答
例
1.10
10℃ の 水10kgを80℃
まで 上 昇 させ る の に 必 要 な熱 エ ネ ル ギ ー
〔J〕は い く らか.
解
水 の温 度 を10℃ か ら80℃ ま で 上 昇 させ る こ と よ り,80−10=70℃
を上 昇 させ る熱 エ ネ ル ギ ー を計 算 す る.式(1・10)よ
の温 度
り
答
例題 1.11
500Wの
電 熱 器 を用 い て,20℃
る の に 必 要 な 時 間 は何 解
の水10kgを100℃
ま で 上 昇 させ
〔 分 〕 か.
20℃ の 水5kgを100℃
ま で 上 昇 させ る の に 必 要 な熱 エ ネ ル ギ ー は,式
(1・10)よ り
(1) 500Wの
電 熱 器 をt 〔s〕 用 い た と き に発 生 す る 熱 エ ネ ル ギ ー は,式(1・12)よ
り
(2) 式(1)と(2)は
同 じ大 き さ で あ る こ とか ら
し た が っ て,時
間t(s〕 は
3352sを60で
割 っ て,分
に換 算 す る と
分
余 り52秒
答
55分52秒
(55.9分)
例題
解
1.12
100Vで0.6Aの 式(1・11)よ
電流 が 流 れ て い る 電 球 の 電力 〔W〕 は い く らか.
り
答
例題 解
1.13 100V,500Wの
式(1・11)よ
電 熱 器 が あ る.電
熱 器 の 抵 抗 は い く ら か.
り
答
例題 解
1.14
100V,1kWの 100V,1kWか
電 熱 器 を90Vで
使 用 し た と きの 電 力 は何 〔W〕 か.
ら電 熱 器 の抵 抗 を求 め て,そ
の電 力 を計 算 す る.(1・11)よ
の 抵 抗 を90Vで
使 用 した と き
り
答
例題
1.15
あ る家 庭 で60Wの
(1) 1日 間 の 電 力 量
解 (1) 60Wの
電球4個 を毎 日1時 間30分 ず つ30日 間使用 した.
〔W・s〕 と,(2)30日
電 球4個
で60×4=240W,1時
間の電力 量
間30分
〔kW・h〕
は秒 に換 算 して 計 算 す
る.
答 (2) 30日
間の電力量
は い く ら か.
〔kW・h〕 は
答
練習問 題 1.8 5Ω の 抵 抗 に100Vの
電 圧 を1時 間 通 電 した 場 合,発 生 す る 熱 エ ネ ル ギ ー は 何 〔kJ〕
か.
1.9 15℃ の 水5kgを80℃
に す る の に 必 要 な 熱 エ ネ ル ギ ー は 何 〔J〕か.
こ の 熱 エ ネ ル ギ ー を500Wの
電 熱 器 を用 い て 発 生 さ せ る に は,ど
の く ら い の 時 間 〔s〕
通 電 す れ ば よい か.
1.10 何
20Ω の 抵 抗 に10Aの
〔J〕か.ま
た,こ
電 流 を10分
間 流 し た.こ
の 熱 エ ネ ル ギ ー で20℃
の 水5㎏
の と き発 生 す る 熱 エ ネ ル ギ ー は
を加 熱 す る と,水 の温 度 は 何 〔 ℃〕
に な る か.
1.11
1kW・hは
何
〔J〕か.
1.12
電 熱 器 に よ っ て,43kgの
水 を20℃
抵 抗R〔 Ω〕に 電 圧V〔V〕
を 加 え る と,電 流I〔A〕 が 流 れ,P〔W〕
上 昇 させ る の に 必 要 な電 力 量 〔kW・h〕 は い
く らか.
1.13
され る 場 合,電
流I〔A〕 を示 す 式 と し て誤 っ て い る も の は どれ か.
(1)
(2)
1.14
図1・14の
(3)
回 路 で,6Ω
(4) の抵 抗 で消 費
さ れ る 電 力 〔W〕 は い く らか.
図1・14
の電 力が 消 費
(a) 電 線 の 抵 抗 導 体 の 抵 抗 は そ の 長 さ に比 例 し,断 面積 に反 比 例 す る.図1.15に をl〔m〕,断
示 す よ う に,導 体 の 長 さ
面 積 をA〔m2〕
とす る と,抵 抗R
〔 Ω〕は,次 式 の よ う に な る. (1・13)
こ こ で,比
例 定 数 ρを 抵 抗 率 とい い,物
図1・15
質 の 固 有 な 定 数 で あ る.単
位 には
〔 Ω・m〕 を用 い る. 電線 の 断積
は,〔mm2〕
の単位 で 示 され る た め,抵抗
に 〔 Ω・mm2/m〕 を使 う
場 合 もあ る.こ の二 つ の単位 で表 され た抵 抗 率 の 間 に は,次 の よ うな関 係 が あ る. (1・14)
抵抗 率 ρ 〔 Ω ・m〕 の 逆 数 を導 電 率 σとい い,単 位 は 〔S/m〕 を 使 う. (1・15)
(b) 温 度 に よ る 抵 抗 の変 化 物 質 の抵 抗 は,温 度 に よ って 変化 す る.そ の変 化 の 割 合 は抵抗 温 度係 数 に よ って 決 ま り,金 属 の場 合,そ の値 は正(+)で,温
度 の 上 昇 とと もに抵 抗 は増 加 す る.
T1〔 ℃ 〕に お け る 抵 抗 をR1〔 Ω〕,抵 抗 温 度 係 数 を α1〔℃-1〕とす る と,T2〔 ℃ 〕 にお け る抵 抗R2〔 Ω〕は,次 の よ うに表 され る. (1・16)
た とえ ば,軟 銅 線 のT1〔 ℃ 〕に お け る 抵抗 温 度 係 数 α1は,次 の よ うに な る.
(1・17)
し た が っ て,T2〔
℃ 〕 の と き の 軟 銅 線 の 抵 抗R2〔
Ω〕 は,次
の よ う に 表 さ れ る.
(1・18)
例題
1.16 抵 抗 率 ρ 〔Ω ・mm2/m〕,太
さ(直
径)D〔mm〕,長
さl〔m〕
の銅 線
の抵 抗 〔Ω〕を表 す 式 は どれ か. (2)
(1)
解
(4)
(3)
円 の 面 積 は,π ×(半 径)2で あ る.直 径 がDな
の で,半 径 はD/2,式(1・13)よ
り
答
例題
1.17 断 面 積2.0mm2,長
た だ し,軟
解
さ120mの
銅 線 の 抵 抗 率 は,0.017Ω
抵 抗 率 の単位 が 〔 Ω ・mm2/m〕
(1・13)よ
軟 銅 線 の 抵 抗 値 〔Ω〕 は い く ら か.
・mm2/mと
な の で,断
す る.
面 積 は 〔mm2〕
で 計 算 す る.式
り
答
例題
1.18 直 径1.6mm,長
さ40mの
銅 線 の 抵 抗 率 は,1.69×10-8Ω
解
銅 線 の 抵 抗 値 〔Ω〕は い く ら か.た
・mと す る.
抵 抗率 の単位 が 〔 Ω ・m〕 な の で,断
直 径 をDと す る と,式(1・13)よ
だ し,
面 積Aは
〔m2〕 で 計 算 す る.電 線 の
り
答
例題
1.19
銅 線 の 抵 抗 が20℃
か.た
解
だ し,銅
20℃
の20℃
の と き に5Ω で あ っ た.90℃
で は何 Ω にな る
に お け る 抵 抗 温 度 係 数 は,3.93×10-3℃-1と
の と き の 抵 抗 をR20,90℃
の と き の 抵 抗 をR90と
す る.
す る と,式(1・16)
よ り
答
例題
1.20
20℃ の と き50Ω の 銅 線 が,あ
は い く ら か.た
解
式(1・16)か
だ し,銅
る 温 度 で60Ω に な っ た.温 度 上 昇
の 抵 抗 温 度 係 数 は,3.93×10-3℃-1と
ら温 度 上 昇 を求 め る(T2−T1)の
す る.
式 に 変 形 す る.
答
例題
1.21 銅 線 の 抵 抗 を 測 っ た ら,20℃
た.銅 線 の20℃ 解
式(1・16)か
で5200Ω,30℃
で5400Ω
にお け る 抵 抗 温 度 係 数 は い く らか. ら,抵 抗 温 度 係 数 α1を求 め る式 に変 形 す る.
答
で あっ
練 習 問題 1.15 か.ま
1.16
電 線 の 長 さ を2倍,断 た,長
さ を2倍,直
直 径2.6mmの
面 積 を1/2倍
に す る と,電 線 の 抵 抗 は も と の 何 倍 に な る
径 を1/2倍 にす る と,電 線 の 抵 抗 は も と の 何 倍 に な る か.
ア ル ミ ニ ウ ム 線 の 抵 抗 は,長
線 の 抵 抗 の 何 倍 か.た
さ が 同 じで,直
だ し,軟 銅 の 導 電 率 は100%,ア
径 が2.0mmの
軟銅
ル ミ ニ ウ ム の 導 電 率 は60%と
す る.
1.17
直 径2.6mm,長
さ20mの
銅 電 線 と抵 抗 値 が ほ ぼ 等 し い銅 電 線 は どれ か.
た だ し,a:導
線 の 太 さ,b:導
(1) a:直
径 1.6mm(約2.0mm2)
(2) a:断
b:40m
面 積 5.5mm2
(3) a:直
b:20m
径 3.2mm(約8mm2)
(4) a:断
1.18
線 の 長 さ を示 す.
b:10m
面 積 8mm2
b:20m
直 径D〔mm〕,長
て い る も の は どれ か.(許
さl〔m〕 の 電 線 の 抵 抗 と 許 容 電 流 に 関 す る 記 述 と し て,誤
っ
容 電 流 と は,電 線 に流 し て よ い 最 大 の 電 流 値 を い う).
(1) 抵 抗 はlに 比 例 す る (2) 抵 抗 はD2に
反 比例 す る
(3) 周 囲 温 度 が 上 昇 す る と,許 容 電 流 は 大 き くな る (4) Dが
1.19
大 き くな る と,許 容 電 流 も大 き く な る
コ イ ル の 抵 抗 を20℃
で 測 っ た ら0.64Ω で,加
熱 後 の コ イ ル の 温 度 は い く らか.た
だ し,20℃
熱 後 測 っ た ら0.72Ω で あ っ た.加
の コ イ ル の 抵 抗 温 度 係 数 を3.93×10-3
℃-1と す る.
1.20
20℃ の と き5Ω の 軟 銅 線 は,30℃
で は何
〔 Ω〕 か.
(a) 分
流
器
電 流 計 の 測 定 範 囲 を拡 大 す るた め に,電 流 計 に並 列 に接 続 す る抵 抗 を分 流 器 と い う.図1・16に
示 す よ う に,電 流 計 に流 れ る 電 流 をIa〔A〕,電 流 計 の 内 部 抵 抗
をra〔 Ω〕,分 流 器 に 流 れ る 電 流 をIs〔A〕,全 体 に流 れ る 電 流 をI〔A〕 とす る と,分 流 器 の 抵 抗 Rs〔 Ω〕は,次 の よ うに 表 さ れ る.
(1・19)
こ こ に,mは
分 流 器 の 倍 率 とい い,電
定 で きる か を表 す もの で,次
図1・16
流 計 に流 れ る 電 流Iaの 何 倍 の 電 流 が 測
の よ う に表 さ れ る.
(1・20)
(b) 倍
率
器
電圧 計の測定範 囲を拡大す るために,電 圧計 に直列に接続す る抵抗 を倍率器 とい う.図1・17に
示 す よ うに,電 圧 計 に加 え る
電 圧 をVυ 〔V〕,電圧 計 の 内部 抵 抗 をrυ〔 Ω〕, 分 流 器 に加 わ る 電圧 をVm〔V〕,全 をV〔V〕
体 の 電圧
とす る と,倍 率 器 の抵 抗Rm〔 Ω〕
は,次 の よ うに表 され る. 図1・17
(1.21) こ こ に,mは
倍 率 器 の 倍 率 とい い,電
圧 計 に 加 わ る電 圧Vυ の何 倍 の 電 圧 が 測
定 で き るか を表 す もの で,次 の よ うに 表 され る.
(1・22)
例題
1.22
内 部 抵 抗0.21Ω,最
て10Aを 解
大 目盛2.5Aの
電 流 計 が あ る.分 流 器 を用 い
測 定 す る に は,分 流 器 の 抵 抗Rsの 値 を何 〔 Ω〕にす れ ば よい か.
分 流 器 の 公 式 を 用 い て 計 算 す る.電流計
定 した い 電 流Iは10Aで
し た が っ て,分
あ る か ら,倍 率mは
流 器 の 抵 抗Rsは,式(1・19)よ
に流 して よ い 電 流Iaは2.5A,測
式(1・20)よ
り
り
答 別解 電 気 回路 の 計 算 か ら答 を求 め る.例 題 を回 路 図 で表 す と,図1・18の う に な る.
分 流 器Rsの 値 を求 め る に は,Rsに Rsに 加 わ る電 圧Vsは,電
加 わ る電 圧 と流 れ る 電 流 が わか れ ば よい.
流 計 の端 子電 圧 にな る.し たが っ て
分流器 に流 れ る電流Isは
よ っ てRsは 図1・18
例題
1.23
最 大 目盛20mA,内
して 接 続 した 場 合,測 解
部 抵 抗9Ω の 電 流 計 に1Ω の 抵 抗 を分 流 器 と
定 で きる電 流 の 最 大 値 は い く らか.
分 流 器 の 倍 率mは,式(1・20)よ
し た が っ て,I=mIa=10×20=200
り
答
よ
例題
1.24
内 部 抵 抗100kΩ,最
大 目盛100Vの
電 圧 計 が あ る.倍 率 器 を用 い て
500Vの 電 圧 を測 定 す るに は,倍 率 器 の抵 抗Rmの 値 は い く らにす れ ば よ い か. 解
倍 率 器 の 公 式 を用 い て 計 算 す る.電 圧 計に 加 え て よ い 電 圧Vυ は100V,測
定 した い 電圧Vは500Vで
あ る か ら,倍 率mは
式(1・22)よ
り
した が っ て,倍 率 器 の 抵 抗Rmは
答 別解 電 気 回 路 の 計算 か ら答 を求 め る. 例 題 を回 路 図 で表 す と,図1・19の 倍 率 器Rmの
値 を求 め る に は,Rmに
よ う に な る. 加 わる
電 圧 と流 れ る電 流 が わ か れ ば よい. Rmに
流 れ る 電 流Iυ は,電
圧 計 に流 れ る
電 流 に な る. した が っ て
倍率器 に加わ る電圧Vmは
よ っ てRmは
図1・19
練習 問題 1.21
内 部 抵 抗0.03Ω,定
(1)
格 電 流10Aの
電 流 計 を40Aま
(2)
で 測 定 で き る よ う に した い.
(3)
(4)
図1・20
正 し い接 続 方 法 は 図1・20の
1.22
内 部 抵 抗10kΩ,定
(1)
う ち どれ か.
格 電 圧150Vの
電 圧 計 を450Vま
(2)
で 測 定 で き る よ う に し た い.
(3)
(4)
図1・21
正 しい 接 続 方 法 は 図1・21の
うち どれ か.
1.23 最大 指示 値150Vの
電圧 計 を用 い て600Vの
電圧 を測 定す るため に15kΩ の倍 率
器 を用 い た.こ の電圧 計 の内部 抵抗 はい くらか.
1.24
内 部 抵 抗100kΩ,最
した 場 合,測
1.25
大 目盛100Vの
電 圧 計 に300kΩ
の 抵 抗 を 倍 率 器 と し て接 続
定 で き る 電 圧 の 最 大 値 は い く ら か.
5Ω の 抵 抗 に10Aの
続 す る とす れ ば,分
電 流 が 流 れ て い る.こ
の 電 流 を2Aに
流 器 の 抵 抗 は い く ら にす れ ば よい か.
す る た め に分 流 器 を接
第1章 章末問題 ●1. SI単 位 系 の 単 位Tと
同 じ内容 を表 す 組 合 せ 単 位 と して,正
しい もの は次 の
う ち ど れ か.
(1)
(2)
● 2. 図1・22の
(3)
回 路 で,抵
抗Rの
(4)
(5)
値 は い く ら か.
図1・22
●3. 6Ω と2Ω の 抵 抗 を並 列 に接 続 して150Vの に な る か.ま た,20時
● 4. A,Bの2本 Bは
電 源 に接 続 す る と電 力 は い く ら
間 で は電 力 量 は い く らか.
の 同 材 質 の 銅 線 が あ る.Aは
直 径3.2mm,長
さ200mで
●5. 断 面 積2mm2,長
さ1.6mの
あ る.Aの
直 径1.6mm,長
抵 抗 はBの
さ100mで
あ り,
抵 抗 の 何 倍 か.
ア ル ミ線 の 抵 抗 が2.2×10-2Ω
で あ っ た.ア
ル
で は 何 Ω に な る か.た
だ
ミ ニ ウ ム の 抵 抗 率 は い く ら か.
●6. 銅 線 の 抵 抗 が20℃ し,銅
の20℃
の と き の1.5Ω
で あ っ た.70℃
に お け る 抵 抗 温 度 係 数 は,3.93×10-3℃-1と
● 7. 内部 抵 抗5Ω,最
大 指 示 値300mAの
す る.
電 流 計 に1.25Ω の 分 流 器 を取 り付 け た
と き,測 定 で きる 最 大 電 流 は い く らか.
● 8. 最 大 指 示 値150Vの
電 圧 計 を 用 い て450Vの
電 圧 を測 定 す る た め に 用 い た
倍 率 器 は50Ω で あ っ た.こ の 電 圧 計 の 内 部 抵 抗 は い く らか.
第 2 章
静電気 真 空 中 に 電 荷 が 存 在 す る と,そ の 周 りに い ろ い ろ な静 電 現 象 が 現 れ る. こ の章 で は,電 荷 間 に働 く静 電 力,電 荷 に よ る電 界 の 強 さや電 位, 静電 容 量 や 静 電 エ ネル ギー,コ
ンデ ンサ の 接 続 や 蓄 え られ る電 荷 ・電
位 な ど,静 電 気 に関 す るい ろい ろ な性 質 や作 用 につ い て 学 習 す る.
キー ワー ド
ク ー ロ ン の 法 則,電 界 の 強 さ,電 気 力 線,電 束, 電 束 密度,電
位,静
コ ンデ ン サ の 接 続
電 容 量,静
電 エ ネ ル ギ ー,
(a) クー ロ ン の 法 則 図2・1に 示 す よ うに,二 つ の電 荷 の 間 には,同 種 の場合 は反発 力,異 種 の場 合 は吸引力 が 働 く.こ の 力 を静 電力 とい い,静 電 力 は両 電荷 の積 に比 例 し, 距 離 の2乗 に反比 例 す る.こ れ を静 電気 に 関す る ク ー ロ ンの法 則 とい う.二 つの 電荷 をそれ ぞれQ1,Q2 〔C〕,電荷 間 の距離 をr〔m〕とす る と,静 電力F〔N〕 (ニュー トン)は,次 式 の よ うに表 され る. (2・1)
図2・1
定 数1/(4π ε)の 中 の εを誘 電 率 とい い,物 質 に よ っ て異 な る.誘 電 率 は,次 の よ うに,真 空 中 の 誘 電 率 ε0を基 準 に比 誘 電 率εrとの積 で 表 され る. (2・2) 真 空 中 の 誘 電 率 ε0は,8.854×10-12F/m(フ 真 空 中 で は1(空
気 中 で は ほ ぼ1)で
あ る.し
ァ ラ ド毎 メ ー トル),比
誘 電 率εrは,
た が っ て,式(2・1)は,真
空 中で は
次 式 の よ う に な る. (2・3)
(b) 電 界 の 強 さ 静 電 力 が 働 く空 間 を電 界 と い う.電 界 中 に1Cの 正 の 電 荷 を 置 い た と き,こ れ に 働 く静 電 力 の 大 き さ と 向 き を総 称 して,そ の 電 界 の 強 さ と い う. 図2・2に 示 す よ う に,真
空 中 に 置 か れ たQ〔C〕
の 電 荷 か らr〔m〕 離 れ た点 の 電 界 の強 さEは (2・4)
図2・2
で表 さ れ,単 位 に は 〔V/m〕が 用 い られ る.ま た,電 界 の 強 さE〔V/m〕
の 中 に電
荷Q〔C〕 を 置 け ば,こ れ に働 く静 電 力F〔N〕 は,次 式 の よ う に な る. (2・5)
題
例題
2.1
真 空 中 に3μCと4μCの
電 荷 が20cm離
れ て 置 か れ て い る.こ
の
と き,両 電 荷 間 に働 く力 は い く らか. 解
式(2・3)よ
り,3μC=3×10-6C,4μC=4×10-6C,20cm=0.2mに
換 算 して
答
例題 2.2
空 気 中 に置 か れ た4μCと5μCの
電 荷 の 間 に,18Nの
静電力 が あ
る.電 荷 間の 距 離 はい く らか,
解
式(2・3)よ
り,〔 μC〕 は 〔C〕に 換 算 し て
した が って
答
例
2.3
解
式(2・2)よ
比 誘 電 率 が6で あ る 絶 縁 材 料 の誘 電 率 はい く らか. り,真
空 中の誘電
ε0=8.854×10-12で
あ るか ら
答
例題
2.4
例 題2.3の 物 質 の 中 で,10mCと20mCの
電 荷 が5mm離
れ て置
か れ て い る.電 荷 間 に働 く静 電 力 はい く らか. 解
εr
式(2・1)よ
り
=6,ε0=8.854×10-12F/m,Q1=10×10-6C,Q2=20×10-6,r=5×10-3mを して
代 入
答
例題
2.5
5μCの 電 荷 を空 気 中 に置 い た と き,こ れ か ら3m離
れ た点 の 電 界
の 強 さ は い く ら か.
解
式(2・4)よ
り
答
例題
2.6 5×103V/mの
電 界 の 中 に,4μCの
電 荷 を 置 く と,い
く らの 静 電 力
を受 け る か.
解
式(2・5)よ
り
答
例題
2.7
あ る電 界 の 中 に 置 か れ た2μCの 電 荷 に 働 く静 電 力 が0.6Nで
た.電
解
界 の 大 き さ は い く ら か.
式(2・5)よ
り
答
あっ
練習問 題 2.1 次 の(
)に 適 切 な 用 語 を入 れ よ.
静 電 気 に 関 す る ク ー ロ ン の 法 則 で は,静 例 し,距 (④),異
離 の(③)に
反 比 例 す る.二
種 の 電 荷 の 間 で は(⑤)が
静 電 力 が 働 く空 間 を(⑥)と
2.2 真 空 中 にQ1=4μCお
電 力 は 二 つ の 電 荷 の(①)の(②)に つ の 電 荷 間 に 働 く力 は,同
比
種 の電 荷 の 間で は
働 く.
い う.
よ びQ2=5μCの
二 つ の 点 電 荷 が40cm離
れ て あ る と き,二
つ
の 点 電 荷 の 間 に働 く力 の 大 き さ は い く らか.
2.3
真 空 中 に10μCと20μCの
間 に 働 く静 電 力 が45Nで
点 電 荷 が,あ
あ る と き,両
る距 離 を離 し て 置 か れ て い る.こ
れ らに
電 荷 間 の 距 離 は い く らか.
2.4 比誘 電率 が4で あ る絶縁 材料 の誘 電率 はい くらか.
2.5 比 誘 電 率 が2.2の 絶 縁 油 の 中 に,20μCと50μCの
電 荷 を60cm離
して 置 い た.両
電 荷 間 に 働 く力 は い く ら か.
2.6 空 気 中 で0.5Cの
2.7 20kV/mの
2.8
点 電 荷 か ら1m離
電 界 中 に4×10-4Cの
図2・3に 示 す よ う に,空
い た と き,中 点Mに
れ た 点 の 電 界 の 強 さ は い く ら か.
電 荷 が あ る.電 荷 に働 く力 は い く らか.
気 中 でQ1=2.4μC,Q2=−4.8μCの
お け る 電 界 の 大 き さ と向 き を求 め よ.
図2・3
電 荷 を40cm離
して置
(a) 直 線 上 の 電 荷 に よ る 静 電 力 図2・4に
示 す よ う な 直 線 上 の 点a,b,cに,Q1,Q2,Q3〔C〕
す る 場 合,点bの
電 荷Q2に
電 荷Q1,Q2に
よ る 静 電 力Fabは,式(2・1)よ
の正電荷 が存在
働 く力 を 求 め る. り
(2・6)
同 じ く,電 荷Q2Q3に
よ る静 電力Fbcは (2・7)
し た が っ て,点bに 点a側
と な り,大
お け る 静 電 力 の 向 き はFab>Fbcな
き さF〔N〕
は,次
図2・4
ら 点c側,Fab<Fbcな
ら
式 の よ う に な る. (2・8)
(b) 正 三 角 形 状 に お け る静 電 力 図2・5に 示 す よ うな1辺 の 長 さがr〔m〕 の正 三 角 形 状 に配 置 され た3点a,b,cの 各 点 に そ れ ぞ れQ〔C〕 の正 電荷 を置 くと き,各 電 荷 に働 く力 の 大 き さは,ベ
クト
ル の 和 か ら求 め る.各 電荷 に働 く静 電 力 は,電 荷 間 が 正 三 角 形 状 に配 置 され て い る た め す べ て 等 しい.た 静 電 力Fabは,次
とえ ば,ab間
に働 く
式 の よ う に な る.
(2・9) ac間 に 働 く静 電 力Facも 点aに
同 様 の 大 き さ で あ る.
働 く 静 電 力Faは,FabとFacの
ベ ク ト
ル 和 で 求 め る. FabとFacの
角 度 は60°
で あ る の で,Faは
次 式 の よ う に な る. (2・10)
図2・5
例題
2.8 図2・6の
よ う に,真
空 中
の 直 線 上 に,点a,b,cに40μC, 80μCお
よ び100μCの
と き,b点
正 電荷 を置 く
に 働 く力 の 大 き さ と 向 き
を 求 め よ.た
だ し,ab間
は40cm, 図2・6
bc間
解
は50cmと
す る.
ab間 の電 荷 に よ る静 電 力Fabは,反
bc間 の 電荷 に よる静 電 力Fbcは,反
発 力 で次 の よ うに 求 ま る.
発 力 で 次 の よ う に求 まる.
点bに 働 く静 電 力Fbは
力 の 向 き は,図2・7の
よ う に な る.
答 108N,点bか
例題
向 き
2.9
真 空 中 に,1辺
cが あ る.い
ま,点a,b,cに
荷 に働 く力 の 大 きさ
解
らaの
図2・7
の 長 さが2mの
そ れ ぞ れ1×10-4Cの
点 電 荷 を 置 く と き,各
〔N〕 は い く ら か.
二 つ の 電 荷 間 に働 く静 電 力 は,次
点a,b,cで
正 三 角形 状 に配 置 され た3点a,b,
の よ うに な る.
は,こ の 大 き さの 二 つ 力 が60° の 角 度 で 合 成 され るの で
答
点電
例題 2.10
真 空 中 に お い て,図2・8の
よ う な 三 角 形 の 頂 点a,b,cに,そ れ ぞ れ20μC,−20μC,20μCの が あ る.点cに
電荷
働 く力 の 大 き さ と 向
き を 求 め よ. 図2・8
解
ac,bc間
の で,次
の 距 離r〔cm〕
は,ab間
の 長 さ が20〔cm〕
で,45°
の角度 があ る
の よ う に 求 ま る.
ac間 の 電荷 に よ る静 電力 は 反 発 力 で,大
き さ は次 の よ う に な る.
bc間 の 電 荷 に よ る 静 電 力 は吸 引 力 で,大
き さ は 同様 で あ る.こ れ を図 示 す る と,
図2・9の よ う に な る.
図2・9
二 つ の 静 電 力 の合 成F0は,Fと
の 角 度 が45° で あ る の で,次
式 の よ う に求 ま
る.
答 254.6N,向
き はabに 水 平 に 右 方 向
練習 問題 2.9 図2・10の き,点bに
よ う に,点a,b,cに,そ
れ ぞ れ−10μC,20μC,30μCの
働 く力 を 求 め よ.た だ し,点a,b,cは,真
電荷 を置 くと
空 中 の 直 線 上 に あ る もの とす る.
図2・10
2.10
図2・11の
か れ て い る.い 間 の 距 離xは
よ う に,点aに−2×10-5C,点bに8×10-5Cの
ま,点pに2×10-5Cの
い く らか.た
電 荷 を 置 い た ら,点pに
だ し,3点p,a,bは,真
電 荷 が3mの
距 離 に置
働 く力 は 零 で あ っ た.pa
空 中 の 直 線 上 に あ る も の と す る.
図2・11
2.11 れ80μCの
図2・12に 示 す よ う に,空 電 荷 を 置 い た 場 合,点aの
気 中 で1辺
が2mの
正 三 角 形 の 頂 点a,b,cに
電 荷 に働 く力 を求 め よ.
図2・12
それ ぞ
(a) 電 気 力 線 と電 束 電 気 力 線 とは,静
電 力 が 働 く方 向 を仮 想 した 線 をい い,電 界 の 強 さがE〔V/m〕
の 点 の 電 気 力 線 の 密 度 をE〔 本/m2〕 と定 義 して い る. した が っ て,図2・13の
よ う に,電 界 の 強 さE〔V/m〕
の 点 で,面 積A〔m2〕
を
貫 く電気 力線 の数Nは (2・11) ま た,Q〔C」 数Nは,球
の 電 荷 か ら出 る 電 気 力 線 の
の 表 面 積A=4πr2〔m2〕,球
の 電 界 の 強 さE=Q/(4πεr2)〔V/m〕
面上
よ り
(2・12)
電 気 力 線 は,式(2・12)よ
り,Q〔C〕
図2・13
の 電 荷 か らQ/ε 〔 本 〕出 る仮 想 的 な作 用 線
で あ り,電 荷 の 置 か れ た εの 値 に よ っ て 本 数 が 変 わ る.そ れ に対 して,電 束 とは, 電 気 力 線 の 数 の ε倍 を単 位 とす る量 で,Q〔C〕
の 電 荷 か らQ〔 本 〕の 電 束 が 出 る
と考 え,電 束 の単 位 は 〔C〕を用 い る. 電 束 に垂 直 な単位 面積(1m2)を 貫 く電 束 を電 束密 度 といい,単 位 は 〔C/m2〕 を用 い る. 電 荷Q〔C〕 か ら半 径r〔m〕 の 球 面 の 電 束 密 度D〔C/m2〕 電 界 の 強 さEと 電 東 密 度Dの
は,次 式 の よ う に な り,
関係 が 得 られ る,
(2・13)
(b) 電
位
電位 とは,+1Cの
電 荷 を 電 界 の 強 さが 零 の 点 か らあ る 点 ま で 移 動 させ る の に
必 要 な 仕 事 〔J/C〕をい い,単 位 に は 〔V〕を用 い る. 電 荷Q〔C〕 か らr〔m〕 離 れ た 点 の 電 位V〔V〕 は,次 式 の よ う に な る.ε は,電 荷 の置 か れ た 物 質 の 誘 電率 で,ε=εrε0であ る. (2・14)
例題
2.11
E=0.5V/mの
電 界 と直 交 す る 断 面40cm2を
通 る電 気 力 線 の 数 は
い く ら か.
解
式(2・11)よ
り,断
面40cm2は40×10-4m2と
し て 計 算 す る. 答 2×10-3本
例題
2.12
電 界 と直 交 す る4cm2の
面 に0.08本
の電 気力 線 が通 って い る と
き,こ の 点 の 電 界 の 強 さ は い く らか.
解
式(2・11)よ
り,4cm2の
面 は4×10-4m2と
し て 計 算 す る.
答 200V/m
例題 解
2.13
真 空 中 に お い て,5μCの 電 荷 か ら出 る 電 気 力 線 の 数 は い く らか.
式(2・12)よ
り,真
空 中 な の で ε0を用 い て 計 算 す る.
答 5.65×105本
例題 解
真 空 中 にお い て,5μCの
電 束 の定 義 か ら,5μCの
例題 解
2.14
電 荷 か ら 出 る 電 束 は い く らか.
電 荷 か ら は5μCの 電 束 が 出 る.
答 5μC
2.15
真 空 中 で,電 界 の 強 さが5×103V/mの
式(2・13)よ
点 の電 束 密 度 はい く らか.
り
答 4.43×10-8C/m2
例題
2.16 空 気 中 で,0.4cm2の
き,電 束 密 度 は い く らか.ま
解
電 束 密 度Dは,単
面 に 垂 直 に8×10-12Cの
電束が通 ってい ると
た,そ の 点 の 電界 の 強 さ は い くら か.
位 面 積 当 り の 電 束 で あ る か ら,0.4cm2=0.4×10-4m2と
し
て
答 2×10-7C/m2
電界 の強 さEは
答 2.26×104V/m
例題
2.17
電 界 の 強 さが 零 の 点 か ら あ る 点 に,+5Cの
電 荷 を運 ぶ の に20J
の エ ネ ル ギ ー が 必 要 で あ る とす れ ば,こ の 点 の 電 位 は い く らか.
解
電 位 と は,+1C当
ら移 動 させ る の に,W〔J〕 は,次
りの 仕 事 をい う.Q〔C〕
の 電 荷 を 電 界 の 強 さが 零 の 点 か
の エ ネ ル ギ ーが 必 要 で あ っ た とす れ ば,そ の 点 の 電位
式 の よ う に な る.
答 4V
例題 解
2.18
真 空 中 で,5μCの
式(2・14)よ
電 荷 か ら5m離
れ た点 の 電 位 は い くらか.
り
答 9×103V
練 習問題 2.12
20V/mの
電 界 と直 交 す る50cm2を
2.13
誘 電 率10の
2.14
空 気 中 で,電
電 界 内 で,6μCの
空 気 中 で,電
2.16
比 誘 電 率10の
点 電 荷 か ら 出 る 電 気 力 線 の 数 は い く らか.
界 と直 交 す る20cm2の
こ の 点 の 電 界 の 強 さ は い く らか.ま
2.15
通 る 電 気 力 線 の 数 は い く らか.
面 に0.12本
た,電
界 の 強 さが4×103V/mの
電 界 内 に0.5Cの
の 電 気 力 線 が 通 っ て い る と き,
束 密 度 は い く らか.
点 の 電 束 密 度 は い く ら か.
点 電 荷 が あ る.こ
れ か ら10cm離
れた 点 の電束
密 度 は い く らか.
2.17
比 誘 電 率10の
電 界 内 で,0.4cm2の
き,電 束 密 度 は い く らか.ま
2.18
空 気 中 で,10μCの
2.19
空 気 中 に0.2μCの
た,そ
面 に 垂 直 に8×10-12Cの
電束 が通 っ てい る と
の 点 の 電 界 の 強 さ は い く らか.
電 荷 か ら50cm離
電 荷 が あ る.そ
れ た 点 の 電 位 は い く らか.
こ か ら1m離
れ た 点aと2m離
れ た 点bと の 電
位 差 は い く らか.
2.20 っ た.こ
2.21
5Cの
正 電 荷 を 無 限 遠 方 か ら電 界 内 の あ る 点 に も っ て く る た め の 仕 事 が2Jで
あ
の 点 の 電 位 は い く ら か.
+3Vの
電 位 の 点 か ら−5Vの 電 位 の 点 ま で12.5Cの
きの 仕 事 〔J〕は い く らか.
正 電 荷 を移 動 させ た.こ
のと
(a) 静 電 容 量 誘 電体 中の導 体 に生 じる電 荷Q〔C〕 と電位V〔V〕 の 間 には,次 式 の よ うに比 例 関係 が成 り立つ.こ の と きの比 例 定 数Cを 静 電容 量 といい,単 位 は フ ァラ ド 〔F〕 を用 い る. (2・15)
(b) 球 状導体の静電 容量 図2・14に 示 す よ う な導 体 球 の 表 面 に 電荷Q〔C〕 に放 射 さ れ る.こ
を与 え る と,電 気 力 線 は一 様
れ は 導 体 の 中 心 に電 荷 が あ る と
き と 同様 な 電 気 力 線 の 分 布 で あ る.よ っ て 中心 か ら 半 径r〔m〕 の 点 の 電 位V〔V〕
は 式(2・14)を
用 い,
導 体 球 の 静 電 容 量C〔F〕 は,次 式 の よ うに な る.
(2・16)
図2・14
(c) 平 行板金属間 の静電容量 図2・15に 示 す よ う な面 積A〔m2〕 でl〔m〕 離 した 平 行 板 金 属 問 に,+Q〔C〕 と−Q 〔C〕の 電荷 が 与 え られ た 場 合,金 属 板 間 は平 等 電界 とな る.金 属 板 間 の 電 束 は 電荷 Q〔C〕と等 しい の で,電 束 密 度DはD=Q/A〔C/m2〕 E=D/ε=Q/(εA)と
と な る.し た が っ て,電 界Eは,
な る.
金 属 板 間の 電 位V〔V〕 は,V=Elで,金
属 板 間の 静 電 容 量C〔F〕 は ,次 式 の よ
う に な る.
(2・17)
(d) 静 電 エ ネル ギ ー 静 電 容 量C〔F〕 の コ ンデ ンサ に,電 圧V〔V〕 を加 え る と コ ン デ ンサ に は,次 式 の よ う なエ ネ ル ギ ーW〔J〕 が 蓄 え られ る.
図2・15
(2・18)
例題 解
2.19
地 球 を半径6350kmの
球体 と考 え た と き,そ の 静電 容 量 は い くらか.
地 球 の周 囲 は 空 気(も し くは真 空)な の で,式(2・16)の 誘 電率 はε0を用 い て 答 706μF
[注] 静 電 容 量 の 単 位 フ ァ ラ ドは,非 も1Fに
は ほ ど 遠 い.通
100万 分 の1の
例題
常 に 大 きい 単 位 で あ る.地
常 は フ ァ ラ ドの 単 位 は,100万
球 を 球 状 導 体 と考 え て
分 の1の
〔 μF〕,さ ら に そ の
〔pF〕 な ど の 単 位 が 用 い られ る.
2.20
静 電 容 量10μFの
コ ンデ ンサ に300Vの
電 圧 を加 え た と き,コ
ン
デ ンサ に蓄 え られ る 電 気 量 は い く らか.
解
式(2・15)よ
り 答 3×10-3C
例題
2.21
平 行 板 金 属 に1000Vの
え られ た.平
電 圧 を加 え た ら,4×10-3Cの
行 板 金 属 の 静 電 容 量 は い く らか.ま
た,コ
電気量 が蓄
ンデ ンサ に 蓄 え ら
れ る エ ネ ル ギ ー は い く らか.
解
式(2・15)よ
り
答 4μF 式(2・18)よ
り
答 2J
例題
2.22
空 気 中 で,面 積 が40cm2の2枚
の 金 属 板 を5mmの
間隔 で平行 に
置 い た と き,こ の コ ンデ ンサ の静 電 容 量 は い く らか.
解
面 積40cm2は40×10-4m2,5mmは5×10-3mと
して,式(2・17)よ
り計算 す る
答 7.08pF
例題
2.23 図2・16の
よ う に,面
平 行 板 コ ン デ ン サ に,比
積0.1m2の
誘 電 率 ε1=2,ε2=4
の2種
類 の 誘 電 体 が,そ
れ ぞ れ2mm,
4mmの
厚 さ で 挿 入 さ れ て い る.ε1側
とε2側
の 静 電 容 量 は い く ら か. 図2・16
解
こ の よ うな2種 類 の 誘 電 体 が 挿 入 さ れ て
い る コ ン デ ン サ の 場 合,図2・17の 側 の コ ン デ ン サC1と
よ う に,ε1
ε2側 の コ ン デ ン サC2が
直 列 に 接 続 さ れ て い る と 考 え る. 式(2・17)よ
り,C1,C2の
コ ンデ ンサ の 静 電
容 量 は,そ れ ぞ れ 次 の よ う に 求 ま る. 図2・17
答 885.4pF
答 885.4pF [注] 図2・17の Cは,次
よ う にC1とC2の
式 の よ う に な る.(公
二 つ の コ ン デ ンサ が 直 列 に な っ た 場 合 の 合 成 静 電 容 量 式 は2.5節
参 照)
練習 問題 2.22
空 気 中 に お い て,直
径60cmの
2.23
20μFの 静 電 容 量 を も つ コ ン デ ンサ に500Vの
蓄 え られ る 電 気 量 は い く らか.ま
2.24
コ ンデ ンサ に25Vの
サ の 静 電 容 量 は い く らか.ま
2.25
空 気 中 で,2枚
量 を測 っ た ら10pFで
2.26
図2・18の
た,コ
た,コ
ン デ ンサ に
電 荷 が 蓄 え ら れ た.こ
の コンデ ン
ンデ ンサ に 蓄 え られ る エ ネ ル ギ ー は い く ら か.
の 金 属 板 を5mmの
よ う に,面
電 圧 を加 え た と き,コ
ンデ ンサ に 蓄 え られ る エ ネ ル ギ ー は い く らか.
電 圧 を加 え た ら,1mCの
あ っ た.こ
属 板 間 に比 誘 電 率3の
球 導 体 の 静 電 容 量 は い く らか.
間 隔 で 平 行 に お き,こ
の コ ン デ ンサ の 静 電 容
の金 属 板 の 面 積 は い く らか.
積20cm2の2枚
の 金 属 板 を平 行 に1cmの
誘 電 体 を挿 入 した.静
間 隔 に お き,金
電 容 量 は い く ら か.
図2・18
2.27
図2・19の
よ う に,面
2種 類 の 誘 電 体 が,い
積40cm2の
ず れ も4mmの
平 行 板 コ ンデ ンサ に,比
厚 さ で 挿 入 さ れ て い る.こ
量 は い く らか.
図2・19
誘 電 率 ε1=2,ε2=6の の コ ン デ ンサ の 静 電 容
(a) コ ンデ ン サ の 直 列 接 続 図2・20の よ うな コ ンデ ンサが 直 列 接 続 され た回 路 で は,次 の よ うな特 徴 が あ る. ●コ ン デ ンサ が2個C1,C2の (C1+C2)分
の 積(C1・C2)で
場 合 の 合 成 静 電 容 量Cは,2個
の コンデ ンサの和
あ る.
(2・19)
●コ ン デ ンサ3個 以 上 の 場 合 の 合 成 静 電 容 量Cは (2・20)
●各 コ ンデ ンサ の 電荷(Q)は
図2・20
等 しい.
●電 圧 比
(2・21)
●
(2・22)
(b) コ ンデ ン サ の 並 列 接 続 図2・21の よう な コ ンデ ンサ が 並列 接 続 され た 回路 で は,次 の よ うな特 徴 が あ る.
●合成静電 容量
(2・23)
●各 コ ンデ ンサ の 電 圧 は 等 しい. ●全 体 の 電 荷
(2・24) (2・25)
図2・21
例題
2.24
静 電 容 量 が2μFと8μFの
二 つ の コ ン デ ンサ が あ る.直
列 と並 列
に接 続 した 場 合 の 静 電 容 量 は い くらか.
解
直 列 接 続 の 場 合,式(2・19)よ
り
答 1.6μF 並 列 接 続 の 場 合,式(2・23)よ
り
答 10μF
例題
2.25 図2・22に
お い て,C1=1μF,
C2=2μF,C3=3μF,C4=6μFで
あ る.合
成
静 電 容 量 は い く ら か.
図2・22
解
合 成 静 電 容 量 の 計 算 は,μFの
な る.コ
ン デ ン サC3とC4の
単 位 の ま まで 計 算 す る.よ
合 成 静 電 容 量C34は,式(2・19)よ
C39とC2は
並 列 接 続 な の で,合
成 静 電 容 量C0は,式(2・23)よ
C0とC1は
直 列 接 続 な の で,合
成 静 電 容 量Cは,次
っ て,答
も μFに
り
り
の よ うに な る.
答 0.8μF
例題
2.26 図2・23の
回 路 に お い て,E=200V,
C1=30μF,C2=15μFで
あ る.次
の 間 に 答 え よ.
(1) 合 成 静 電 容 量 を求 め よ. (2) コ ンデ ンサ に 蓄 え られ る電 荷Qを (3) 電 圧V1,V2を
解
求 め よ. 図2・23
求 め よ.
(1)式(2・19)よ
り
答 10μF (2) Q=CVよ
り
答 2mC (3) コ ンデ ン サ の 直 列 接 続 で は,C1とC2の し た が っ て,V1,V2は,Q=CVよ
電 荷 は 等 し く,(2)で 求 め たQに
り
答
V1=66.7V
V2=133.3V
例題 2.27 図2・24の
回 路 に お い て,
E=200V,C1=30μF,C2=15μFで
あ る.
各 コ ン デ ン サ に 蓄 え ら れ る 電 荷Q1と Q2,お
よ び 全 体 の 電 荷Qを
求 め よ. 図2・24
解
各 コ ン デ ン サ に 蓄 え ら れ る 電 荷Q1とQ2は,Q=CVよ
全 体 の 電 荷Qは,Q1とQ2を
り
加 え た もの で あ る.
答 Q1=6mC
Q2=3mC
Q3=9mC
な る.
練 習問題 2.28 30μFの コンデ ンサ を3個 直列 に接続 した場合 と並 列 に した場合 の合 成 静電容 量 は い くらか.
2.29
2.30
図2・25∼ 図2・28の 各 回路 の 合 成 静 電 容 量 を 求 め よ.
図2・29の
コ ン デ ン サC3に
図2・25
図2・26
図2・27
図2・28
回 路 に お い て,E=100V,C1=30μF,C2=20μF,C3=10μFで 蓄 え ら れ る 電 荷 は い く ら か.
図2・29
2.31 あ る.コ
図2・30の
あ る.
図2・30
回 路 に お い て,E=90V,C1=6μF,C2=3μF,C3=3μF,C4=1.5μFで
ン デ ン サC3に
蓄 え ら れ る エ ネ ル ギ ー は い く ら か.
(a) コ ンデ ン サ の 直 列 回 路 図2・31は,コ
ンデ ンサ の 直 列 接 続 を抵 抗 の 場 合 と比 較 した もの で あ る.
●コ ンデ ンサ の 直 列 接 続 で は,C1とC2の ●各 電 圧 は,Q=CVの
式 か ら求 め る .
●全 体 の 電 荷Qは,合
成 静 電 容 量Cを
電荷 は等 し く,そ れ が全 体 の電 荷 に な る.
求 め て ,Q=CVか
●合 成 静 電 容 量 は,抵 抗 の 場 合 と逆 で ,和(C1+C2)分
(a)抵 抗 の場 合
ら計 算 す る. の積(C1・C2)に な る.
(b)コ ンデ ンサ の場 合 図2・31 直列 回 路
(b) コ ンデ ン サ の 並 列 回 路 図2・32は,コ
ンデ ンサ の 直 列 接 続 を抵 抗 の場 合 と比 較 した も の で あ る.
● コ ン デ ンサ の 並 列 接 続 で は,C1とC2の ●各 電 荷 は,Q=CVか ●合 成 静 電 容 量Cは,抵
電 圧 は等 し く,電 荷 が 異 な る.
ら求 め,各 電 荷 の 合 計 が 全 体 の 電 荷Qに 抗 の 場 合 と逆 で,C1+C2に
●合 成 静 電 容 量Cは,C=Q/Vか
なる.
な る.
ら求 め て もよ い.
(a)抵 抗 の 場 合
(b)コ ンデ ンサ の場 合 図2・32 並 列 接 続
例題
2.28 図2・33(a)の
続 し て 直 流 電 源Eで し て,図(b)の 電 圧Vは
よ う に,2個
充 電 す る.次
よ う に,同
い く ら か.た
の コ ン デ ン サC1お
に,こ
よ びC2を
直 列 に接
れ ら の コ ン デ ン サ を 電 源 か ら切 り 離
じ極 性 の 端 子 ど う し を 並 列 接 続 す る と,そ
だ し,C1=2μF,C2=3μF,E=100Vと
の端 子
す る.
(b)
(a) 図2・33
解
図(a)の
C1とC2に
図(b)の
と き,合 成 静 電 容 量Cは
蓄 え られ る電 荷Qは
と き,電 荷Q蓄
2倍 のQに
え られ た コ ンデ ンサ を2個 並 列 に した の で,総 電 荷 量 は
な る.
合成 静電容量Cは
した が っ て,コ
ンデ ンサ の端 子 電 圧Vは
答 48V
例題
2.29
電 圧150Vに
れ て い な いC2=3μFの 続 し た と き,コ
充 電 さ れ たC1=6μFの
コ ンデ ンサ と ま っ た く充 電 さ
コ ン デ ン サ が あ る.こ れ らの コ ン デ ンサ を並 列 に 接
ンデ ンサ の 端 子 電 圧 と こ れ らの コ ンデ ン サ に 蓄 え ら れ る 全
静 電 エ ネ ル ギ ー はい く らか.
解
150Vの
電 圧 で,コ
ンデ ンサC1に 蓄 え られ た 電 荷 は
2個 の コ ンデ ンサ を並 列 に した と きの 合 成 静 電 容 量Cは
2個 並 列 に した ときの総 電 荷 量 は,C1に 蓄 え られ た 電荷Qだ
け なの で,端 子 電圧Vは
全 静 電 エ ネ ル ギ ーWは
答 100V
例題
0.045J
2.30 C1=1μF,C2=2μFの2個
の コ ン デ ン サ が あ り,各
か け る こ との で きる 最 大 電 圧 は と も に500Vで
あ る.こ
コ ンデ ンサ に
の2個 の コ ンデ ンサ
を直 列 に接 続 した と き,全 体 にか け る こ との で きる 最 大 電 圧 は い くらか.
解
C1お よ びC2に 蓄 え る こ とが で き る電 荷Q1お
電 荷Q1とQ2を
比 較 す る と,Q1の
よびQ2は
ほ う が 小 さ い の で,コ
列 に接 続 した と き共 通 して 加 え られ る電 荷 の 最 大 は,C1側
ン デ ン サC1とC2を
の 電 荷Q1が
直
限度 とな
る. し た が っ て,電
荷Q1が
加 え ら れ た と きの コ ン デ ン サC1とC2の
端 子 電 圧 をV1,
V2と す れ ば,全 体 に か か る 電 圧Vは
答 750V
練習 問題 2.32
図2・34の
っ た.ス
イ ッチSを
回 路 で,ス
イ ッチSを
開 い た 状 態 で は 端 子a,b間
閉 じた 状 態 に お け る端 子a,b間
た だ し,C1=0.6μF,C2=1μF,C0=0.3μFと
す る.ま
の 電 圧 は15Vで
あ
の 電 圧 は い く らか. た,ス
イ ッ チSを 閉 じ る 前 のC0の
電 荷 は 零 とす る.
図2・34
2.33
1000Vの
電 圧 で 充 電 し た と き2Jの
の 電 圧 で 充 電 した と き1Jの 1000Vの
エ ネ ル ギ ー を 蓄 え る コ ン デ ン サC1と500V
エ ネ ル ギ ー を蓄 え る コ ンデ ンサC2を
電 圧 を 加 え た 場 合,二
直列 に接続 して両 端 に
つ の コ ン デ ン サ に 蓄 え られ る エ ネ ル ギ ー の 総 和 は い く
ら か.
2.34 し,次
図3・35の
回 路 で,初
に ス イ ッチSをb側
ン サCの
め に ス イ ッ チSをa側
に 閉 じた ら コ ンデ ンサCの
値 は い く らか.
図2・35
に 閉 じて80μFの 端 子 電 圧 が40Vで
コンデ ンサ を充電 あ っ た.コ
ンデ
第2章 章末問題 1. 真 空 中 にQ1=10μCお て い る と き,二
よ びQ2=20μCの
二 つ の 点 電 荷 が50cm離
れ て置 か れ
つ の 点 電 荷 に 働 く力 は い く ら か.
2. 空 気 中 に5μCの 点 電 荷 が あ る と き,こ れ か ら3mの 大 き さは い く らか.ま
距 離 にある点の電 界の
た,こ の 点 の電 位 は い くらか.
3. 空気 中 で,8μCの
点 電荷 か らで て い る 電 気 力 線 の 数 と電 束 は い く らか.
4. 静 電 容 量2mFの
コ ン デ ンサ を 充 電 し,そ の 電 荷 をあ る 抵 抗 を通 して す べ
て放 電 させ た と ころ,抵 抗 で 消 費 さ れ た エ ネル ギ ー は10Jで す る 直前,コ
ンデ ンサ に蓄 え られ て い た電 荷 は い く らか.
5. 図2・36の 隔6mmの 厚 さ2mmお
よ う に,電
極 面 積0.1m2,電
平 行 平 板 コ ン デ ン サ に,比 よ び 比 誘 電 率 ε2=4,厚
コ ン デ ン サ に12Vの
極 間
誘 電 率 ε1=2, さ4mmの2種
類 の 誘 電 体 が 電 極 と 平 行 に 挿 入 さ れ て い る.こ
の
直 流 電 圧 を 印 加 し た と き,蓄
え ら れ る 電 荷 は い く ら か.
6. 図3・37の C2=5μF,C3=15μFの く ら か.ま
あ っ た.放 電 を 開始
た,各
図2・36
回 路 で,E=12V,C1=5μF, と き,ab間
の静電 容量 はい
コ ン デ ン サ に 蓄 え られ る 電 荷 は
い く らか.
図2・37
第 3 章
磁 気 磁 力 が 働 く空 間 を磁 界 とい う.磁 界 は磁 極 に よっ て 生 じる場 合 と, 電 流 に よ っ て生 じる場 合 が あ る.こ の 章 で は,磁 極 間 に働 くク ー ロ ン の 法 則,磁 極 に よ る磁 界,磁
力 線 と磁 束,電 流 に よ る磁 界 につ い
て学 習 す る.
キー ワ ー ド
ク ー ロ ンの 法 則,磁 度,ア
界 の 強 さ,磁 力 線,磁 束,磁
ンペ アの 右 ね じの 法 則,ビ
円 形 コ イ ル の磁 界,直
オ・ サ バ ール の 法 則,
線 状 導 体 の磁 界,円
磁 界,環 状 コ イル の 磁 界
束密
筒 コ イル の
(a) ク ー ロ ン の 法 則
図3・1に 示 す よ うに,二 つ の磁 極 の 間 に は,同 種 の場 合 は反 発 力,異 種 の 場 合 は吸 引 力 が働 く.こ の 力 を磁 気 力 また は 磁 力 とい い,磁 力 は両 磁 極 の強 さ の積 に比 例 し,距 離 の2乗 に反 比 例 す る.こ れ を磁 気 に 関 す る ク ー ロ ン の 法 則 と い う.二 磁 極 間 の 距 離 をr〔m〕
と す る と,磁
図3・1
つ の 磁 極 の 強 さ を そ れ ぞ れm1,m2〔Wb〕,
力F〔N〕
は,次
式 の よ う に 表 さ れ る.
(3・1)
定 数1/(4πμ)の中 の μを透 磁 率 とい い,物
質 に よ っ て 異 な る.透 磁 率 は,次 の
よ う に,真 空 中 の 透 磁 率 μ0を基準 に比 透 磁
μrとの 積 で表 され る.
真 空 中 の 透 磁 率 μ0は,4π
透 磁 率 μrは,真
(3・2)
で は ほ ぼ1)で
あ る.し
×10-7〔H/m〕,比
た が っ て,式(3・1)は,真
空 中 で は1(空
気 中
空 中 で は 次 式 の よ う に な る.
(3・3)
(b) 磁 界 の強 さ 磁 力 が 働 く空 間 を磁 界 とい う.磁 界 中 に1Wbの
正 の磁 極 を 置 い た と き,こ れ
に 働 く磁 力 の大 き さ と向 き を総 称 して,そ の 磁 界 の 強 さ とい う. 図3・2に 示 す よ う に,真
空 中 に 置 か れ たm〔Wb〕
の磁 極 か らr〔m〕 離 れ た 点 の磁 界 の 強 さHは
(3・4) で 表 さ れ,単
位 に は,〔A/m〕
ま た,磁 界 の 強 さH〔A/m〕
が 用 い ら れ る.
の 中 に 点磁 極m〔Wb〕
図3・2
を置 け ば,こ
れ に働 く磁 力
F〔N〕 は,次 式 の よ うに な る. (3・5)
例題
3.1
真 空 中 に3×10-6Wbと4×10-6Wbの
磁 極 が20cm離
れて置 かれて
い る.こ の と き,両 磁 極 間 に働 く磁 力 は い くらか.
解
式(3・3)よ
り,20cm=0.2mに
換 算 して
答 18.99×10-6N
例題
3.2
空 気 中 に 置 か れ た4×10-3Wbと5×10-3Wbの
磁 極 の 間 に,18Nの
磁 力 が あ る.磁 極 間 の 距 離 は い く らか.
解
式(3・3)よ
り
した が っ て 答 0.265m
例題
3.3
真 空 中 に 同 じ強 さの 磁 極 を 互 い に40cm離
間 に1.2Nの
解
式(3・3)よ
力 が 働 い た.磁
して 置 い た と き,磁 極
極 の 強 さ は い く ら か.
り,40cmは0.4mに
換 算 して
した が っ て 答 1.74×10-3Wb
例題 3.4 解
比 透 磁 率 が300で
式(3・2)よ
り,真
あ るニ ッ ケ ル の 透 磁 率 は い く らか.
空 中 の 透 磁 率 μ0=4π ×10-7で あ る か ら 答
3.77×10-4H/m
例題 3.5 10mm離
解
例 題3.4の
物 質 の 中 で,10×10-3Wbと20×10-3Wbの
磁 極 が
れ て 置 か れ て い る.磁 極 間 に働 く磁 力 は い く らか.
式(3・1)よ
り
を代 入 して
答 422N
例題
3.6
5Wbの
磁 極 を空 気 中 に置 い た と き,こ れ か ら3m離
れ た 点 の磁 界
の 強 さ は い く らか.
解
式(3・4)か
ら
答 3.52×104A/m
例題
3.7 5×103A/mの
磁 界 の 中 に,4×10-3Wbの
磁 極 を 置 く と,い
く らの
力 を受 け る か.
解
式(3・5)よ
り
答 20N
例題
3.8
あ る磁 界 の 中 に 置 か れ た2Wbの
磁 極 に働 く磁 力 が0.6Nで
あっ
た,磁 界 の 大 き さ は い くらか.
解
式(3・5)よ
り
答 0.3A/m
練 習問 題 3.1 次 の()に
適 切 な 用 語 を入 れ よ.
磁 気 に 関 す る ク ー ロ ン の 法 則 で は,磁 力 は 二 つ の 磁 極 の(①)の(②)に 距 離 の(③)に
比 例 し,
反 比 例 す る.二 つ の 磁 極 間 に 働 く力 は,同 種 の 磁 極 の 間 で は(④),
異 種 の 磁 極 の 間 で は(⑤)が
3.2 真 空 中 にm1=4μWbお
働 く.磁 力 が 働 く空 間 を(⑥)と
よ びm2=5μWbの
い う.
二 つ の 点 磁 極 が40cm離
れ て あ る と き,
二 つ の 点 磁 極 の 間 に働 く力 の 大 き さ はい くら か.
3.3 真 空 中 に10μWbと20μWbの に 間 に 働 く磁 力 が45Nで
点 磁 極 が,あ
る距 離 を 離 し て 置 か れ て い る.こ
れら
あ る と き,両 磁 極 間 の 距 離 は い く らか.
3.4 比 透磁 率が400で あ る物 質の透 磁率 はい くらか.
3.5 空 気 中 で0.5Wbの
3.6 20A/mの
点 磁 極 か ら1m離
磁 界 中 に4×10-2Wbの
3.7 図3・3に 示 す よ う に,空 で あ る と き,点pの
れ た 点 の磁 界 の 強 さ は い く らか.
磁 極 が あ る.磁 極 に 働 く力 は い く らか.
気 中 に長 さ20cmの
磁 界 の 大 き さ と 向 き を 求 め よ.
図3・3
棒 磁 石 が あ る.磁
極 の 強 さ が4mWb
(a) 磁
力
線
磁 力 線 と は,磁 力 が 働 く方 向 を仮 想 した 線 を い い,磁
界 の 強 さがH〔A/m〕
の
点 の 磁 力 線 の 密 度 をH〔 本/m2〕 と定 義 して い る. した が っ て,図3・4の く磁 力 線 の 数Nは,次
よ うに,磁 界 の 強 さH〔A/m〕
の点 で,面 積A〔m2〕 を貫
式 の ようにな る (3・6)
ま た,m〔Wb〕 Nは,球
の 磁 極 か ら出 る 磁 力 線 の 数
の 表 面 積A=4πr2〔m2〕,球
界 の 強 さH=m/(4π
μr2)〔A/m〕
面 上の磁 よ り,次
式の 図3・4
よ う に な る.
(3・7)
(b) 磁 束 と磁 束 密 度 磁 力 線 は,式(3・7)よ
り,m〔Wb〕
の磁 極 か らm/μ 〔 本 〕出 る仮 想 的 な作 用 線
で あ り,磁 極 の 置 か れ た μの 値 に よ っ て 本 数 が 変 わ る. そ れ に対 して,磁 束 とは,磁 力 線 の 数 の μ倍 を単 位 とす る 量 で,m〔Wb〕
の磁 極 か
らm〔 本 〕の 磁 束 が 出 る と考 え る.磁 束 は記 号 φで 表 し,単 位 に は 〔Wb〕 を用 い る. 磁 束 に 垂 直 な 単 位 面 積(1m2)を
貫 く磁 束 を磁 束 密 度 とい い,単 位 は テ ス ラ 〔T〕
ま た は 〔Wb/m2〕 を 用 い る.面 積A〔m2〕 を磁 束 φ〔Wb〕 が 貫 く場 合,磁
束 密 度B
〔T〕は 次 式 の よ うに な る. (3・8)
ま た,磁 極m〔Wb〕
か ら半 径r〔m〕 の 球 面 の磁 束 密 度B〔T〕 は,次 式 の よ う に
な り,磁 界 の 強 さHと
電 束 密 度Bの
関 係 が 得 られ る. (3・9)
例
例題
3.9
H=0.5A/mの
磁 界 と 直 交 す る 断 面40cm2を
通 る磁力 線 の数 はい
く ら か.
解
式(3・6)よ
り,断
面40cm2は40×10-4m2と
し て 計 算 す る. 答 2×10-3本
題
3.10
磁 界 と直 交 す る4cm2の
面 に12本 の 磁 力 線 が 通 っ て い る と き,こ
の 点 の磁 界 の 強 さは い く らか.
解
式(3・6)よ
り,4cm2の
面 は4×10-4m2と
し て 計 算 す る.
答 3×104A/m
題 解
3.11
真 空 中 に お い て,5μWbの
式(3・7)よ
り,真
磁 極 か ら出 る磁 力 線 の 数 はい く らか.
空 中 な の で μ0を 用 い て 計 算 す る.
答 3.98本
例題
3.12
真 空 中 に お い て,5μWbの
解 磁 束 の 定 義 か ら,5μWbの 例題
磁 極 か ら出 る磁 束 は い く らか.
磁 極 か らは5μWbの
磁 束 が 出 る. 答 5μWb
3.13 例 題3.12の
磁 束 が,0.2cm2の
面 を 垂 直 に 貫 く と き,磁
束 密度 は
い く らか.
解
式(3・8)よ
り,0.2cmは0.2×10-4mと
して
答 0.25T
例題
3.14 磁 束 と 直 交 す る0.4cm2の
面 の 磁 束 密 度 が0.5Tで
あ る.こ
の面 の
磁 束 は い く らか.
解
式(3・8)よ
り
φ=BA=0.5×0.4×10-4=2×10-5
答2×10-5Wb
例題 例題 解
3.15
真空 中 で,磁 界 の 強 さが5×103A/mの
式(3・9)よ
点 の磁 束 密 度 は い く らか.
り
答 6.28×10-3T
例題
3.16
比 透 磁 率900の
鉄 に お い て,磁 界 の 強 さが5×103A/mの
点 の磁 束
密 度 は い くらか.
解
式(3・9)よ
り 答 5.65T
例
3.17
空 気 中 で,0.4cm2の
面 に垂 直 に8×10-6Wbの
と き,磁 束 密 度 は い く らか.ま た,そ
解
磁 束 密 度Bは,式(3・8)よ
磁 束が通 ってい る
の 点 の 磁 界 の 強 さ は い くらか.
り,単 位 面 積 当 りの磁 束 で あ る か ら
と して
答 0.2T
磁 界 の 強 さHは,式(3・9)を
変 形 して
答 1.59×105A/m 3.18
3Wbの
磁 極 を真 空 中 に置 い た と き,こ れ か ら10cm離
れ た 点 の磁
束 密 度 はい く らか.
解
式(3・4)よ
式(3・9)よ
り,磁
り,磁
界の強 さは
束密度 は 答 23.9T
練習問 題 3.8 次 の(
)に 適 切 な用 語 を入 れ よ.
磁 力 線 と は,(①)が
働 く方 向 を 仮 想 し た 線 を い い,(②)がH〔A/m〕
力 線 の(③)をH〔
本/m2〕 と 定 義 し て い る.
真 空 中 で,m〔Wb〕
の 磁 極 か ら 出 る 磁 力 線 の 数 は,(④)で
磁 力 線 は,(⑤)の 磁 束 は,m〔Wb〕
置 か れ た(⑥)の
の点 の磁
あ る.
値 に よ っ て 本 数 が 変 わ る.
の 磁 極 か ら(⑦)本
の 磁 束 が 出 る と考 え,単
位 に は(⑧)を
用 い る.
3.9 次 の磁気 に関す る物理 量 の単位 記号 を答 えよ. (1) 磁 束 密 度 … …(
)
(2) 磁
力 … … …(
)
(3) 磁 極 の 強 さ …(
)
(4) 磁 界 の 強 さ …(
)
(5) 透 磁 率 … … …(
)
3.10
20A/mの
磁 界 と直 交 す る50cm2の
3.11
透 磁 率1000の
3.12
空 気 中 で,磁
場 所 を通 る磁 力 線 の 数 は い く ら か.
磁 界 内 で,6μWbの
磁 極 か ら 出 る 磁 力 線 の 数 は い く ら か.
界 と 直 交 す る20cm2の
の 点 の磁 界 の 強 さ は い く らか.ま
3.13
空 気 中 で,磁
3.14
比 透 磁 率1000の
た,磁
面 に0.12本
の 磁 力 線 が 通 っ て い る と き,こ
束 密 度 は い く らか.
界 の 強 さ が4×103A/mの
磁 界 内 に0.5Wbの
点 の磁 束 密 度 は い く ら か.
磁 極 が あ る.こ れ か ら10cm離
れ た点 の磁束
密 度 は い く らか.
3.15
比 誘 電 率900の
磁 界 内 で,0.4cm2の
と き,磁 束 密 度 は い く らか.ま
た,そ
面 に垂 直 に8×10-6Wbの
の 点 の 磁 界 の 強 さ は い く らか.
磁 束が 通 っ てい る
(a) ア ン ペ ア の 右 ね じの 法 則 図3・5の よ う に,導 線 に電 流 が流 れ る と,そ の 周 りに 磁 界 が 生 じ る.電 流 の 向 き と磁 界 の 向 き との 関係 は,右 ね じが 進 む 向 き と,右 ね じが 回 る 向 き と の 関係 に 一 致 す る .こ れ を ア ンペ ア の右 ね じの 法 則 とい う. 電 流 の 向 き を 表 す 場 合,図3・6の く る場 合 は,矢
よ う な矢 の 向 き で表 す.電 流 が 手 前 に流 れ て
を前 か ら見 た 場 合 の 記 号 と して,〓(ド
流 れ て い く場 合 は,矢
を後 ろか ら見 た 場 合 の 記 号 と して〓(ク ロス)を 用 い る.
磁 界 の 向 き と磁 極(N極,S極)と 「N極 か ら出 て,S極
ッ ト),電 流 が 向 こ うへ
の 関係 は,図3・7の
よ うに,磁 界 の 方 向 は
に入 る」 向 き とな る。
図3・5
図3・6
図3・7
(b) ビ オ ・ サ バー ル の 法則 図3・8の よ う に,導 線 に 電 流Iが 矢 印 の 方 向 に 流 れ て い る と き,点Pに
は,ア
ンペ ア の右 ね じの 法 則 か ら紙 面 に垂 直 の 方 向 に磁 界 が で き る.こ の と き,導 体 上 の 任 意 の 点Oの
微 小 な 長 さΔl〔m〕 の 部 分 に 流 れ る電 流I〔A〕 に よ っ て,点Oか
ら θ方 向 にr〔m〕 離 れ た点Pに な磁 界 の 大 き さΔH〔A/m〕
で き る微 小
は,次 式 で表 さ
れ る. こ れ を ビ オ ・サ バー ル の 法 則 とい う. (3・10)
図3・8
例題 題
3.19
図3・9お よ び 図3・10の よ うな 向 き に電 流 が 流 れ た 場 合 の 磁 界 の
向 きを矢 印で図示せ よ.
図3・9
解
図3・9は,ア
図3・10
ン ペ ア の 右 ね じ の 法 則 か ら磁 界 の 向 き は,図3・11の
方 向 に な る.図3・10の
よ う に 電 線 を コ イ ル に して,こ
同 様 に磁 界 の 向 き は,図3.12の
よ う な 方 向 に な る.ア
ような
れ に 電 流 を流 した 場 合 も ンペ ア の 右 ね じの 法 則 は,
「電 流 」 と 「磁 界 」 とい う言 葉 を入 れ換 え て も成 り立 ち,電 流 と磁 界 は た が い に 直 角 方 向 と な る.
図3・11
例
図3・12
3.20
図3・13の よ う な半 径r〔m〕 の 円形 コ イ ル に電 流I〔A〕 を 流 した
と き,コ イ ルの 中心 点Pに で き る磁 界 の 大 き さH〔A/m〕
図3・13
を求 め よ.
解
ビオ ・サ バ ー ル の 法 則 を用 い て,磁 界 の 大 き さ を求 め る.
図3・14の
よ う に,円
形 コ イ ル の 任 意 の 点Oの
微 小 な 長 さΔl〔m〕 の 部 分 に流
れ る電 流I〔A〕 に よ っ て,そ
こ か ら θ方 向 にr〔m〕 離 れ た 点Pに
界 の 大 き さΔH〔A/m〕
オ ・サ バー ル の法 則 か ら,次 式 で 表 さ れ る.
こ こ で,Δlと
は,ビ
コ イ ル の 中 心 点Pと
で き る微 小 な磁
の 角 度 θは90゜ で,sin90゜=1と
コ イ ル の 任 意 の 微 小 部 分Δlと 中 心 点Pと
の 距 離 は,す
べ てr〔m〕
な る.ま
た,
で あ る.
図3・14
し た が っ て,コ さHは,次
イ ル の 各Δlに よ っ て,コ
イ ル の 中 心 点Pに
生 じ る磁 界 の 大 き
式 の よ う に な る.
Δl 1∼Δlnま
で の 合 計 は,コ
イ ル の 円 周2πrと
な る の で,上
式 は次式 の ように
な る.
答
[注] コ イ ル の 巻 数 がN回
の と き は,上 式 がN倍
さ れ,次
式 の よ う に な る.
練 習問 題 3.16
図3・15お
よ び 図3・16の よ う な 向 き に 電 流 が 流 れ た と き の 磁 界 の 向 き を 図 示 せ
よ.
図3・16
図3・15
3.17
図3・17の
よ う なU字
形 の 鉄 心 に コ イ ル が 巻 い て あ る.二
つ の コイル を直列 に
して 図 の よ う な 極 性 に な る よ う に 電 源 を接 続 せ よ.
図3・17
3.18
半 径6cm,巻
数200回
の 円 形 コ イ ル に6Aの
電 流 を 流 し た と き,コ
イ ルの 中心
に 生 じ る 磁 界 の 大 き さ は い く らか.
3.19
直 径10cm,巻
数100回
の 円 形 コ イ ル に30mAの
電 流 を 流 した と き,コ
イ ルの
円 形 コ イ ル の 中 心 の 磁 界 の 大 き さ を3000A/mに
する
中 心 に 生 じ る 磁 界 の 大 き さは い く ら か.
3.20
巻 数300回,直
た め に は,コ
3.21 2000A/mで
径20cmの
イ ル に何Aの
巻 数400回
電 流 を流 せ ば よ い か.
の 円 形 コ イ ル に5Aの
あ っ た.こ
電 流 を 流 し た と き,中
の コ イ ル の 平 均 半 径 は い く ら か.
心 の磁 界 の 大 きさが
(a)ア ン ペ ア の 周 回 路 の 法 則 図3・18の よ うに,導 体 に電 流 が流 れ る と,導 体 を囲 む周 囲 にア ンペ アの右 ね じの法 則 に よる磁 界 が生 じる.こ の とき,磁 界 の強 さ と磁界 に沿 った長 さの積 は,そ の1周 し た閉 曲線 の中 に含 まれ る電流 の和 に等 しい.こ れ をア ンペ アの周 回路 の法則 とい う. 電流1〔A〕 の流 れ る導 体 を囲 む 閉 回路(閉 曲線)上 の微 小 長 さをΔl〔m〕,そ の 点 の磁界 の大 き さをΔH〔A/m〕
とすれ ば,磁 界 と電 流 との 間に は,次 式が 成 り立 つ.
とす れば
こ こ で,〓
(3・11)
図3・18
(b)磁 界 の 求 め 方 図3・19の よ う な直 線 状 導 体 に 電 流I〔A〕 が流 れ た と き,半 径r〔m〕 の 円周 上 の磁 界 の 大 きさH〔A/m〕 とな る,し た が っ て,ア こ こ で,閉
を求 め て み る.こ
の場 合,磁
界 は 電流 を 中 心 とす る 円
ンペ アの 周 回路 に よ り,式(3・11)が
回 路 の 長 さl〔m〕
成 り立 つ.
は 半 径r
の 円 の 円 周 に な る の で,式(3・11)よ
り
(3・12)
と な る.し
た が っ て,磁
界 の 大 き さH
は,次 式 の よ うに な る
(3・13)
図3・19
例題
3.21
1本 の 直 線 状 導 体 に6.28Aの
5cm離
解 解
電 流 を 流 し た と き,こ の 導 体 か ら
れ た 点 の磁 界 の 大 きさ は い く らか.
直 線 状 導 体 に よ る 磁 界 の 大 き さ は,式(3・13)よ
り,5cmは5×10-2mと
して
答 20A/m
例
3.22
図3・20の よ う な極 め て 長 い 円 筒 コ イ ル が あ る.こ の コ イ ル に電
流I〔A〕 を流 した と き,コ イ ル 内 部 の 磁 界 の 大 き さ は い く らか.た だ し,コ イ ル の1m当
りの 巻 数 をNと
す る.
図3・20
コ イ ル 内 部 の 磁 界 は,ア
ンペ ア の 右 ね じの 法 則 に よ り,図3・21の
矢印の
方 向 に 生 じ,そ の大 き さは ど こ で も同 じで あ る.こ れ を平 等 磁 界 とい い,コ
イル
内 の縦 方 向 の磁 界 お よび コ イ ル の外 側 の 磁 界 の大 き さ は零 とみ なせ る. こ こ で,図
の よ う なabcdの
は め て み る.ab間
閉 回 路 に つ い て,ア
の 磁 界 の 大 き さ はHで
界 の 大 き さ は 零 で,長
ンペ ア の 周 回路 の 法 則 をあ て
長 さ はl〔m〕,bc間,cd間,da間
さ は そ れ ぞ れa〔m〕,l〔m〕,a〔m〕
路 の 中 の 電 流 の 総 和 はNlIと
な る.し
と な る.ま
た が って
が 成 り立 ち,磁 界 の 大 き さHは
と な る.
答 NI 図3・21
の磁 た,閉
回
例題3.23 図3・22の
よ う な 環 状 コ イ ル が あ る.こ
の コ イ ル に 電 流I〔A〕
を
流 した と き,コ イ ル 内 部 の 磁 界 の大 き さ はい く らか.た だ し,コ イル の全 巻 数 をN回,環
の 平 均 半 径 をr〔m〕 とす る.
図3・22
解
コ イ ル 内 部 の磁 界 は,ア
ンペ ア の 右 ね じの 法 則 に よ り,図3・23の
矢 印の
方 向 に 生 じ,コ イ ル の 外 側 の磁 界 は零 とな る. こ こで,磁 界 の 生 じる コ イ ル の 円周 上 を 閉 回 路 と して,ア
ンペ ア の 周 回路 の法
則 を あ て はめ てみ る. コ イ ル 内 の 磁 界 の 大 き さ をH〔A/m〕
とす る と,磁 界 に 沿 っ た長 さはl〔m〕 は,
l =2πrと な る.ま た,閉 回路 の 中 の電 流 の総 和 はNIと な る.し たが っ て
が 成 り立 ち,磁 界 の大 き さHは,次
式 の よ うに な る.
答
図3・23
練習 問題 3.22
1本 の 直 線 状 導 体 に100Aの
電 流 が 流 れ て い る.こ
の 導 体 か ら10cm離
れ た点の
磁 界 の 大 き さ は い く らか.
3.23
1本 の 直 線 状 導 体 に40Aの
の磁 界 の 大 き さが100A/mで
3.24
1cm当
電 流 が 流 れ て い る と き,こ
あ っ た.直
り の 巻 数 が10回
の 導 体 か ら離 れ た あ る 点
線 状 導 体 と の 距 離 は い く らか.
の 円 筒 コ イ ル が あ る.こ
の コ イ ル に10Aの
電 流 を流 し
た と き,内 部 の 磁 界 の 大 き さ は い く らか.
3.25 100A/mで
3.26
非 常 に 長 い 円 筒 コ イ ル に5Aの あ っ た.コ
イ ル内 の磁 界 の大 きさが
りの 巻 数 は い く らか.
非 常 に 長 い 円 筒 コ イ ル に 電 流 を 流 した ら,コ
で あ っ た.1cm当
3.27
イ ル の1cm当
電 流 を流 した と き,コ
イ ル 内 の 磁 界 の 大 き さ が200A/m
り の 巻 数 が5回 の と き,流 れ た 電 流 は い く らか.
真 空 中 に 図 の よ う な 空 心 の 環 状 コイ ル が あ る.巻 数N=1000回,電
とす る と き,中
心Oか
ら コ イ ル の 平 均 半 径r=40cmの
流I=200mA
円 周 上 の 磁 界 の 大 き さ と磁 束 密
度 は い く ら か.
図3・24
3.28 500A/mに
平 均 半 径20cm,巻 す る に は,コ
数500回
の 環 状 コ イ ル が あ る.コ
イ ル に 流 す 電 流 は い く ら か.
イル 内の磁 界 の大 き さを
第3章 章末問題 1. 真 空 中 に10mWbと20mWbの
点 磁 極 を10cm離
し て 置 い た と き ,二
つの
点 磁 極 間 に 働 く力 は い く ら か.
2. 真 空 中 で,1Wbの
3. 図3・24に 4mWbで
点 磁 極 か ら10cm離
示 す よ う に,空
あ る と き,点pの
れ た 点 の磁 界 の 大 き さ は い く らか .
気 中 に 長 さ20cmの
棒 磁 石 が あ る .磁
極 の 強 さが
磁 界 の 大 き さ と 向 き を 求 め よ.
図3・25
4. 真 空 中 で,磁 界 の 大 き さが200A/mの
5. 真 空 中 で,10cm2の は い く ら か.ま
た,そ
6. 半 径10cm,巻
面 に 垂 直 に2μWbの
点 の磁 束 密 度 はい く らか .
磁 束が 通って いる とき
,磁
束密 度
電 流 を 流 し た と き,コ
イ ルの
電 流 を 流 した と き,こ こか ら5cm離
れた点
の 点 の 磁 界 の 強 さ は い く らか .
数300回
の 円 形 コ イ ル に2Aの
中 心 に 生 じ る 磁 界 の 大 き さ は い く ら か.
7. 非 常 に 長 い1本 の電 線 に20Aの の 磁 界 の 大 き さ は い く らか.
8. 1cm当
りの 巻 数 が8回 の 円 筒 コ イ ル に10Aの
界 の 大 きさ は い く らか.
電 流 を 流 した と き,内 部 の 磁
第 4 章
磁気回路 第1章 で,電 気 回路 の オー ムの 法 則 につ い て 学 習 した が,磁 気 回路 にお い て も 同様 な 考 え方 を適 用 す る こ とが で き る.こ の 章 で は,基 本 と な る 磁 気 回 路 の オ ー ム の 法則 につ い て学 習 し,磁 気 回 路 に お け る起 磁 力,磁
束,磁 気 抵 抗 な どの 取 り扱 い 方 や,磁 気 回 路 の性 質 を
学 習 す る.
キ ー ワー ド
磁 気 回 路 の オ ー ム の 法 則,起 磁力,磁 環 状 鉄 心,エ B‐ H曲 線,保
ア ギ ャ ップ,ヒ 磁力
気 抵 抗,
ス テ リシ ス ル ープ,
図4・1の よ う に,鉄 心 に コ イ ル をN回
巻 い て 電 流I〔A〕 を流 す と,鉄 心 に磁 束
φ 〔Wb〕が 生 じる.こ の磁 束 の 通 る 閉 回 路 を磁 気 回 路 とい う. 磁 束 φは,電
流Iと コイ ル の 巻 数Nと
の 積(こ れ を起 磁 力Fm〔A〕
と い う)に 比
例 し,次 式 の よ う な 関係 が 成 り立 つ.
(4・1)
比 例 定 数Rmは
磁 気 抵 抗 とい い,単
位 に 〔H-1〕を用 い る.こ
の 関係 を磁 気
回 路 の オ ー ムの 法 則 とい う. 磁 気 抵 抗Rmは,磁
束 の 通 りに く さ
を 表 す の もの で,磁 気 回路(磁 い う)の
路 とも
長 さl〔m〕 に比 例 し,鉄 心 の
断 面 積A〔m2〕
に 反 比 例 して,次
図4・1
式の
よ うに 表 さ れ る.
(4・2)
μ は 透 磁 率 で,μ=μrμ0〔H/m〕,μ0=4π 図4・1の
磁 気 回 路 で,磁
法 則 か ら,Hl=NIが
×10-7〔H/m〕
で あ る.
気 回 路 内 の 磁 界 の 強 さ を 求 め る.ア
成 り 立 ち,磁
界 の 強 さH〔A/m〕
は,次
ンペ ア の 周 回 路 の
式 の よ う に な り,磁
気 回 路 の 単 位 長 さ 当 り の 起 磁 力 で 表 さ れ る.
(4・3)
磁 界 の 強 さHが
わ か れ ば,磁
束 密 度Bに 磁 気 回路 の 断 面積Aを
束 密 度Bは,B=μHか
ら求 ま り,磁 束 φは,磁
乗 じて,次 式 の よ う に も求 め られ る. (4・4)
解
例題 解
4.1
巻 数200回
起 磁 力Fm=NIよ
の コイ ル に,電流5Aを
流 した と きの起 磁 力 は い く らか.
り 答 1000A
例題
4.2
起 磁 力200Aの
磁 気 回路 で,2×10-6Wbの
磁 束 が 生 じ て い る.こ
の 回路 の磁 気 抵 抗 は い く らか.
解
式(4・1)よ
り
答 1×1O8H-1
例題
4.3
磁 気 抵 抗 が2×106H-1の
磁 気 回 路 に,500Aの
起磁 力 を加 えた ら
生 じる磁 束 は い く らか.
解
式(4・1)よ
り
答 250×10-6Wb
例題
4.4 鉄 心 の 断 面 積A=25cm2,磁
束 φ=10×10-6Wbな
ら ば,磁
束密度
B〔T〕は い く ら か.
解
磁 束 密 度Bは,単
位 面 積 当 りの磁 束 で あ るか ら
答 4×10-3T
例題
4.5 断 面 積A=4cm2,長
さl=40cm,透
磁 率 μ=5×10-3H/mの
磁気 回
路 が あ る.こ の 回 路 の磁 気 抵 抗Rm〔H-1〕 は い く らか. 式(4・2)よ
り,4cm2=4×10-4m2,40cm=40×10-2mと
して
答 2×105H-1
例題
4.6
コ イ ル の 巻 数200回,長
さ20cmの
磁 気 回路 に2Aの
電流 を流 し
た と き,磁 気 回路 内 の磁 界 の 大 き さ はい く らか.
解
式(4・3)よ
り,20cm=20×10-2mと
して
答 2000A/m
例題
4.7
次 の よ う な磁 気 回 路 に10Aの
電 流 を流 し た と き,生
じ る磁 束 は
い くら か. 鉄 心 の 透 磁 率 μ=12.56×10-5H/m,断
面 積A=25cm2,長
さl=1m
コ イ ル の 巻 数N=200回
解
式(4・4)よ
り φ=BA=μHAで
あ る か ら,式(4・3)のHを
代 入 して
答 6.28×10-4Wb
別解
式(4・2)よ
り,磁
気抵抗 は
式(4・1)の 磁 気 回路 の オ ー ムの 法 則 よ り
例題
4.8 磁 束 密 度T=0.5T,長
気 回 路 に,2×10-4Wbの
解
式(4・4)よ
さl=20cm,透
磁 率 μ=12.56×10-5H/mの
磁
磁 束 が 生 じて い る.こ の 回 路 の 断面 積 はい く らか.
り
答 4cm2
練
習問 題
4.1 磁 気 回 路 にお け る磁 気 抵 抗 に 関 す る 次 の 記 述 の う ち,誤 (1) 磁 気 抵 抗 は,次
磁気抵抗
っ て い る もの は ど れ か.
の 式 で 表 さ れ る.
=起磁力 /磁束
(2) 磁 気 抵 抗 は,磁 路 の 断 面 積 に 比 例 す る. (3) 磁 気 抵 抗 は,比 透 磁 率 に反 比 例 す る. (4) 磁 気 抵 抗 は,磁 路 の 長 さ に 比 例 す る. (5) 磁 気 抵 抗 の 単 位 は,〔H-1〕
4.2
巻 数100回
で あ る.
の コ イ ル に250Aの
起 磁 力 を発 生 させ る に は,何
〔A〕 の 電 流 を流 せ
ば よい か.
4.3 鉄 心 に コイ ル を 巻 い た 磁 気 回 路 に3×10-4Wbの く と,磁 束 が3×10-6Wbに
変 わ っ た.鉄
磁 束 が 生 じ て い る.鉄
心 を取 り除
心 の 比 透 磁 率 は い く らか.
4.4 磁 気 回 路 の 鉄 心 の 断 面 積 がA=30cm2で,12×10-6Wbの
磁 束 が 生 じて い る.磁 束
密 度 は い く ら か.
4.5
鉄 心 の 比 透 磁 率 μr=500,断
面 積A=25cm2,長
さl=50cmの
磁気 回路 の磁気 抵抗
は い く らか.
4.6
前問 の 磁 気 回 路 に お い て,コ
と き,生
イ ル の 巻 数N=200回
で10Aの
電 流 を 流 し た.こ
の
じ る磁 束 は い く ら か.
4.7
コ イ ル の 巻 数N=1000回,磁
10Aの
電 流 を 流 した.磁
路 の 長 さl=1m,比
束 密 度 は い く らか.
透 磁 率 μr=100の
磁 気 回路 に
図4・2の よ うな 環 状 鉄 心 に コ イ ル を 巻 い た場 合 の 磁 気 回路 つ い て は,次 の よ う な計 算 式 に な る.
図4・2
●磁 路 の 長 さ
●磁 路 の断面積 ●起 磁 力 ●磁 界 の 強 さ
●磁束 密度
●磁
束
●磁気抵抗
(4・5) (4・6) (4・7)
(4・8)
(4・9)
(4・10)
(4・11)
解
例題
4.9
図4・2の 磁 気 回 路 に お い て,回 路 に 生 じる磁 束 φ〔Wb〕 お よ び磁
気 抵 抗 を 求 め よ.た
だ し,比
の 半 径r=5mm,コ
イ ル の 巻 数N=1000回,電
磁 気 回 路 の 起 磁 力Fm〔A〕
透 磁 率 μr=500,環
磁 界 の 強 さH〔A/m〕
流I=10Aで
は,式(4・7)よ
磁 路 の 長 さl〔m〕 は,環 状 鉄 心 の 半 径Rを
し た が っ て,磁
路
あ る.
り
用 い て 円 周 を求 め る.式(4・5)よ
り
は,単 位 長 さ長 さ当 りの 起 磁 力 で あ る の で,式(4・8)よ
り
磁 界 が 求 ま れ ば 磁 束 密 度B〔T〕 は,式(4・9)よ
磁 路 の 断 面 積A〔m2〕
状 鉄 心 の 半 径R=30cm,磁
は,磁
路 の 半 径rを
束 φ 〔Wb〕 は,式(4・10)よ
り
用 い て,式(4・6)よ
り
り
磁 気 回 路 の オ ー ム の 法 則 で,磁 束 と起 磁 力 を用 い て磁 気 抵 抗 を求 め る.式(4・11) より
答 磁 束 φ=2.62×10-4Wb
磁 気 抵 抗Rm=3.82×107H-1
例題
4.10 図4・3の
よ う な 環 状 コ イ ル に 生 じ る 磁 束 を2×10-3Wbに
磁 路 の 断 面 積 を い く ら に す れ ば よ い か.た 磁 路 の 長 さ1=1m,コ
イ ル の 巻 数N=1000回,電
し た い.
だ し,透 磁 率 μ=12.56×10-5H/m, 流I=10Aで
あ る.
図4・3
解
磁 気 回路 の オ ー ム の法 則 を用 い て,コ
φ 〔Wb〕 か ら磁 気 抵 抗Rmを 式(4・11)よ
イ ル の 巻 数N回,電
流I〔A〕,磁 束
〔H-1〕求 め る.
り
磁 気 抵 抗 は,磁 路 の 長 さl〔m〕 に比 例 し,断 面積A〔m2〕 に反 比 例 す る こ とか ら, 式(4・11)を
用 い て 断 面 積Aを 求 め る.
答
別解
磁 束 密 度B〔T〕 を求 め て,φ=BAか
らAを 求 め る.
15.9cm2
練習 問題 4.8 図4・4の よ う な環 状 コ イ ル が あ る.コ た だ し,コ イ ル の 巻 数N=500回,磁 I =25Aと
イ ル 内 の 磁 界 の 大 き さ は い く ら か.
路 の 長 さl=40cm,比
透 磁 率 μr=500,電
流
す る.
図4・4
4.9
図4・5の よ う な 環 状 コ イ ル が あ る.コ
イ ル に 電 流I〔mA〕
磁 束 密 度Bが12.56×10-3Tで
あ っ た.コ
コ イ ル の 巻 数N=1000回,磁
路 の 長 さl=40cm,比
イ ル に 流 した 電 流I〔mA〕
図4・5
を流 す と,鉄 心 を 貫 く は い く らか.た
透 磁 率 μr=500と
す る.
だ し,
図4・6の よ う な鉄 心 に コ イ ル を巻 い た磁 気 回 路 に お い て,磁 路 にエ ア ギ ャ ッ プ が あ る場 合,鉄
心 部 分 の磁 気 抵 抗Rm1と,エ
ア ギ ャ ップ の 部 分 の 磁 気 抵 抗Rm2と
の 直 列 接 続 回路 と考 え る こ とが で きる.
図4・6
鉄 心 の 部 分 の 磁 路 の 長 さ はl1〔m〕,エ
ア ギ ャ ッ プ の 部 分 の 磁 路 の 長 さ はl2〔m〕
な の で,磁
は,そ
気 抵 抗Rm1〔H-1〕, Rm2〔H-1〕
れ ぞ れ 次 式 の よ う に な る.
(4・12)
(4・13)
した が っ て,磁 気 回 路 に生 じる磁 束 φ〔Wb〕 は,磁 気 回 路 の オ ー ム の 法 則 よ り, 次 式 の よ う に な る. (4・14)
ま た,磁 束 密 度B〔T〕 は,次 式 の よ うに な る. (4・15)
例題
4.11 図4・7の
よ う な 磁 路 の 長 さ が40cmの
が あ る 環 状 コ イ ル に お い て,回 B〔T〕
を 求 め よ.た
だ し,磁
イ ル の 巻 数N=200回,電
う ち,2mmの
エ ア ギ ャプ
路 に 生 じ る 磁 束 φ 〔Wb〕,お
よび 磁 束 密 度
路 の 断 面 積A=3cm2,比
流I=2Aと
透 磁 率 μr=1000,コ
す る.
図4・7
解
鉄 心 部 分 の 磁 路 の 長 さl1は,l1=39.8cm,エ
l2=2mmで
あ る か ら,鉄
心 部 分 の 磁 気 抵 抗Rm1,お
抵 抗Rm2は,式(4・12),(4・13)よ
し た が っ て,回
り,次
り,次
よび エ ア ギ ャ ップ部 分 の磁 気
式 の よ う に な る.
路 に 生 じ る 磁 束 φは,式(4・14)か
磁 束 密 度Bは,式(4・15)よ
ア ギ ャ ッ プ の 磁 路 の 長 さl2は,
ら,次
式 の よ う に な る.
式 の よ う に な る.
答 φ=6.28×10-5Wb
B=0.209T
例題
4.12
図4・8の よ う な磁 気 回 路 に お い て,コ
した い.コ イ ル に何Aの
イ ル の 磁 束 密 度 を0.8Tに
電 流 を流 した らよ い か.
図4・8
解
磁 気 回 路 に 生 じ る磁 束 φ 〔Wb〕 は,磁 束 密 度B〔T〕 が わ か っ て い る の で,
φ=BAか
ら求 め る こ とが で きる.そ
路 の オ ー ム の法 則NI=Rmφ
して,磁 気 抵 抗Rm〔H-1〕
か ら電 流I〔A〕 を求 め る.
鉄 心 の 部 分 の 磁 路 の 長 さl1〔m〕 は,l1=2π し た が っ て,磁
を求 め て,磁 気 回
気 抵 抗Rmは,次
×(10×10-2)−10-3=0.627m
式 の よ う に な る.
磁束 φは
磁 気 回路 の オー ム の 法 則 よ り
答 5.18A
練 習 問題 4.10
図4・9の 磁 気 回 路 の 磁 気 抵 抗 を 求 め よ.
図4・9
4.11
前問
で,μr=1000,l1=40cm,l2=1mm,A=3cm2の
と き,磁
気 抵抗 の値 はい
エ ア ギ ャ ッ プ が あ る 比 透 磁 率2000,磁
路の 平均 の 長
れ に 巻 数N=10の
電 流 を 流 した
く ら に な る か.
4.12
図4・10の
さ200mmの と き,エ
よ う な1mmの
環 状 鉄 心 が あ る.こ
コ イ ル を 巻 き,5Aの
ア ギ ャ ッ プ に お け る 磁 束 密 度 〔T〕の 値 は い く らか.た
び エ ア ギ ャ ッ プ に お け る 磁 束 の 広 が りは な い も の と す る.
図4・10
だ し,磁
束の 漏 れお よ
磁 化 曲 線 は,B‐H曲
線 と もい い,磁 界 の 強 さH〔A/m〕
係 を 表 した も の で あ る.磁 磁 界 の 強 さHと
束 密 度Bと
の 間 に は,B=μHの
係 が あ り,真 空 中 で は,BとHは 例 す る.し か し,鉄 は,BとHは
と磁 束 密 度B〔T〕 の 関
関 正比
な どの強磁性 体 で
比 例 せ ず,Bの
増加 が少
な く な り飽 和 して し ま う性 質 が あ る. つ ま り,透 磁 率 μの 値 は,Hの っ て 変 化 す る.図4.11は,磁
値によ 化 曲線 の
図4・11
例 で あ る. 磁 化 曲 線 に お い て 磁 界 の 強 さH を,−Hm≦H≦Hmの る と,そ
範 囲で変化 させ
れ に 対 応 す る 磁 束 密 度B
は,−Bm≦B≦Bmの
範 囲 で 変 化 し,図
4・12よ う な ル ー プ を 描 く.こ の ル ー プ を ヒス テ リ シ ス ル ー プ とい う. ヒ ス テ リ シ ス ル ー プ で,H=0の の 磁 束 密 度Brを 残 留 磁 気,残
とき
留磁気 を
零 に す る た め 反 対 方 向 に 加 え た磁 界 の 強 さHcを 保 磁 力 とい う.
図4・12
永 久 磁 石 の 材 料 に は,残 留磁 気 が 大 き く保 磁 力 も大 きい も の,電 磁 石 の材 料 に は,保 磁 力 が 小 さ い もの が 用 い られ る. 鉄 心 な どに 交 流 電 流 を流 して,磁 界 の 方 向 を周 期 的 に 変 化 させ る と,鉄 心 中 に 熱 が 生 じて温 度 が 上 昇 す る.こ の 熱 に よ る損 出 を ヒ ス テ リ シ ス損 とい い,そ の 大 き さ は ヒ ス テ リ シ ス ル ー プ の面 積 に比 例 す る.
例題
4.13
図4・13は,磁
性 体 の 磁 化 曲 線 の 例 で あ る.(1)∼(4)に
答 え よ.
(1) 最 大 の 磁 束 密 度 は い く らか. (2) 残 留 磁 気 は い く らか. (3) 保 磁 力 は い く らか. (4) 閉 ル ー プ の 面 積 は何 を 意 味 す るか.
図4・13
解
(1) 最 大 の磁 束密 度Bmaxは,磁 化 曲線 が 飽 和 した と きの磁 束 密 度 で あ るか ら 答 0.4T
(2) 残 留 磁 気Brは,磁
界 の 強 さHが
零 に な っ た と きの 磁 束 密 度 で あ る か ら,
縦 軸 の 目盛 りか ら 答 0.3T
(3) 保 磁 力Hcは,磁
束 密 度 を 零 にす る た め の 磁 界 の 強 さで あ るか ら,横 軸 の
目盛 りか ら 答 2000A/m (4) ヒ ス テ リ シ ス ル ー プ の 面 積 は,ヒ
ス テ リ シ ス 損 に 比 例 し て い る.
答 ヒ ス テ リ シス 損
例題
4.14 図4・14の
よ う な 磁 化 曲 線 に お い て,H=2000A/mの
率 と比 透 磁 率 を求 め よ.ま た,こ の磁 気 回路 に,コ
イ ル を100回
と き の透 磁
の材 料 で作 っ た 長 さ25cm,断
巻 い て,5Aの
面 積6cm2
電 流 を流 した と き,回 路 に生
じる磁 束 は い く らか.
図4・14
解
H=2000A/mの
と き の 磁 束 密 度Bは,グ
ラ フ か らB=1
.5Tで
あ る.
B=μHより
μ=μ rμ0よ
り
コ イ ル 内 の磁 界 の 強 さH〔A/m〕
H=2000A/mの し た が っ て,コ
は
と き の 磁 束 密 度B〔T〕
は,磁
化 曲 線 よ りB=1
イ ル に 生 じ る 磁 束 φ 〔Wb〕 は,φ=BAよ
答 μ=7.5×10-4H/m
.5Tで あ る.
り
μr=597
φ=9×10-4Wb
練習 問 題 4.13
次 の(
)に 適 切 な 用 語 を 入 れ よ.
磁 界 の強 さHと 磁 束密 度Bと の関係 を表す 曲線 を(①)と
いい,こ の 曲線 は(②)
と も呼 ばれ る. 真 空 中 で は,BとHは で あ る.し う.つ
の 関係 は(③)で,透
か し,強 磁 性 体 な ど で は比 例 せ ず,Hの
ま り透 磁 率 μの 値 は,(⑥)に
4.14
図4・15は,強
れ(ア)お 体 は(ウ)に
磁 率 μ0の値 は(④)〔H/m〕
で一定
増 加 に よ っ てBは(⑤)し
て しま
よ っ て 変 化 す る.
磁 性 体 の ヒ ス テ リ シ ス ル ー プ を示 す.図
よ び(イ)の 適 し,Brも
大 き さ を 表 す.一 大 き い が,Hcが
般 に,Brが
中 のBr,Hcは,そ
大 き くてHcの
大 き い 強 磁 性 体 は(エ)に
れぞ
小 さい 強 磁 性 適 す る.
図4・15
上 記 の記 述 中の空 白箇 所(ア)(イ)(ウ)お
よび(エ)に
記 入す る語句 と し
て,正 しい もの を組 み合 わせ た のは次 の うち どれか.
ア イ ウ エ
(1) 保 磁 力
磁 化 力 電 磁 石 永久磁石
(2) 残留磁気
保 磁 力 電 磁 石 永久磁石
(3) 保 磁 力
残留磁気 永久磁石 電 磁 石
(4) 残留磁気
保 磁 力 永久磁石 電 磁 石
(5) 平均磁束密度 磁 化 力 電 磁 石 永久磁石
第4章 章末問題 1. あ る磁 気 回 路 に お い て,巻 0.5Wbの
磁 束 が 生 じた.こ
2. 比 透 磁 率 μr=800,断
数100回
の コ イ ル に3Aの
電 流 を 流 した ら,
の磁 気 回 路 の 磁 気 抵抗 はい く らか.
面 積10cm2,磁
路 の 長 さ80cmの
磁気 回路 の磁気抵抗
は い く ら か.
3. 断 面 積5cm2の
磁 気 回路 に,1000Aの
起 磁 力 を加 え た ら,1Tの
磁 束密度が
生 じた.こ の 回 路 の 磁 気 抵 抗 は い く らか.
4. コイ ル の巻 数200回,磁
路 の 長 さ1m,比
透 磁 率500の
磁 気 回路 に5Aの
電
流 を流 した.磁 束 密 度 は い く らか.
5. 図4・16の の 長 さ1m,エ
よ う な 磁 気 回 路 に お い て,比 ア ギ ャ ッ プ1mmで
透 磁 率1000,断
あ る.(1)∼(4)に
面 積10cm2,磁
路
答 え よ.
(1) 鉄 心 の磁 気 抵 抗 は い くらか. (2) エ ア ギ ヤ ップ の 磁 気 抵 抗 は い く らか. (3) 磁 気 回路 全 体 の 磁 気 抵 抗 は い く らか. (4) 鉄 心 に コイ ル を200回 巻 い て,2Aの
図4・16
電 流 を流 した.生
じる磁 束 はい くらか.
第 5 章
電磁力 磁 界 中 にあ る導 体 に電流 が 流 れ る と,導 体に 力 が働 く.こ の章 で は, 磁 界 中に あ る導 体 に働 く電 磁 力,方 の力,磁
形 コ イ ル の トル ク,平 行 導 体間
界 中 の 導 体 の運 動 につ いて 学 習 す る.
キー ワー ド
フ レ ミ ン グの 左 手 の 法 則,電 磁力, トル ク,仕 事
磁 界 中 の導 体 に電 流 が流 れ る と力 が働 く.こ の 力 を電 磁 力 とい い,そ の 大 き さ と 向 きは,磁
束 密 度 の 大 き さ と向 き,電 流 の 大 き さ と向 きに よ っ て 変 わ る .
電 磁 力 の 向 き を見 つ け る 方 法 と して,フ レ ミ ング の左 手 の 法 則 が あ る.こ れ は, 図5・1の よ うに,「左 手 の 親 指 ・人 差 し指 ・中 指 を互 い に 直 角 に な る よ う に 開 き,人 差 し指 を磁 界 の 向 き に,中 指 を電 流 の 向 き に 向 け る と,親 指 の 向 きが 力 の 向 きに な る」 とい う も の で あ る.こ の 法 則 を,図5・2の 場 合 に あ て はめ て み る と,電 磁 力 は 上 向 き とな る.
図5・2 図5・1
電磁 力 の 大 き さF〔N〕 は,図5・3の 合,次
式 の よ う に な る.B〔T〕
よ うに,導 体 を磁 界 と直 角 方 向 に 置 い た場
は 磁 束 密 度,I〔A〕
は 導 体 に流 れ る電 流,l〔m〕
は 導 体 の 長 さ で あ る. (5・1)
図5・4の よ う に,導 体 を磁 界 の 向 きに 対 して θの 角 度 で 置 い た場 合 は,次 式 の よ う に な る. (5・2)
図5・3
図5・4
題
例題
5.1 図5・5お
よ び 図5・6で,電
磁 力 の 方 向 を 矢 印 で 示 せ.
図5・6
図5・5
解
フ レ ミ ング の 左 手 の 法 則 を あ て は め る と,そ れ ぞ れ 図5・7お よび 図5・8の
よ う な方 向 に な る.
図5・7 図5・8
例
5.2
磁 束 密 度1.2Tの
に お き,導 体 に5Aの
解
磁 界 中 に,長
さ30cmの
導 体 を磁 界 と 直 角 方 向
電 流 を 流 した.導 体 に働 く力 は い く らか.
導体 が磁 界 と直 角 方 向 に お か れ た 場 合 の 電磁 力 は,式(5・1)よ
り 答 1.8N
例題
5.3
磁 束 密 度0.8Tの
磁 界 中 に,磁 界 と直 角 方 向 に お い た 電 線 が あ る.
これ に5Aの 電 流 を流 した ら電 線 に1.2Nの 力 が働 い た.電 線 の 長 さは い く らか.
解
式(5・1)よ
り
答 30cm
例
例題
5.4
磁 束 密 度1.5Tの
に お い た と き,1.2Nの
磁 界 中 に,長
さ20cmの
導 体 を磁 界 と直 角 方 向
力 が 働 い た.導 体 に 流 れ た 電 流 は何Aか.
解 式(5・1)よ
例題
り
答 4A
5.5
磁 束 密 度2Tの
に お き,導 体 に5Aの
磁 界 中 に,長
さ20cmの
導 体 を磁 界 と30° の 方 向
電 流 を流 した.導 体 に働 く力 は い く らか.
解 導 体 が磁 界 と角 度 を もっ て お か れ た 場 合 の 電磁 力 は,式(5・2)よ
り 答 1N
例題
5.6
磁 束 密 度2Tの
に お い た と き,2.4Nの
磁 界 中 に,長
さ30cmの
導 体 を 磁 界 と45° の 方 向
力 が 働 い た.導 体 に流 れ た 電 流 は何Aか.
解 式(5・2)よ
例題
り
答 5.65A
5.7
磁 束密 度1.2Tの 磁 界 中 に,磁 界 の方 向 と30° の角 度 で お い た電 線が
あ る.こ れ に3Aの 電 流 を流 した ら4.5Nの 力 が働 い た.電 線 の長 さ はい く らか.
解
式(5・2)よ
り
答 25cm
題
5.8
あ る電束 密 度 の磁 界 中 に,長 さ20㎝
の 導体 を磁 界 と45°の方 向 にお
き,導 体 に5Aの 電 流 を流 した ら2Nの 力 が 働 い た.磁 界 の磁 束 密 度 は い くらか.
解
式(5・2)よ
り
答 2.83T
練習 問 題 5.1 次 の(
)に 適 切 な用 語 を 入 れ よ.
左 手 の 親 指 ・人 差 し 指 ・中 指 を 互 い に 直 角 に 開 き,(①)を の 向 き に 向 け る と,(③)は
5.2
磁 束 密 度1.5Tの
10Aの
電 流 を 流 した.導
力 の 向 き に な る.こ
磁 界 中 に,長
5.5
い う.
導 体 を 磁 界 と直 角 方 向 に お き,導 体 に
空 気 中 に,長
さ30cmの
導 体 を磁 界 の 方 向 と60°り の 角度 で
電 流 を流 し た.導 体 に 働 く電 磁 力 は い く らか.
5.4 磁 束 密 度0.5Tの と き,1.5Nの
指 を(②)
体 に 働 く力 は い く らか.
5.3 磁 界 の 強 さ1000A/mの お き,導 体 に5Aの
さ30cmの
れ を(④)と
磁 界 の 向 き,中
磁 界 中 に,長
力 が 働 い た.導
さ20cmの
体 に流 し た 電 流 は い く らか.
図5・9の よ う に磁 束 密 度B=0.5Tの
に 対 し て30° の 角 度 に お き,こ 位 長 さ当 り に働 く力F〔N/m〕
導 体 を磁 界 の 方 向 と30° の 角 度 で お い た
一 様 な 磁 界 の 中 に 直 線 状 の 導 体 を磁 界 の 方 向
れ にI=100Aの
直 流 電 流 を流 し た.こ
の と き,導
体 の単
は い く らか.
図5・9
5.6 磁 束 密 度12Tの 5Aの
磁 界 中 に,磁
電 流 を 流 した ら電 線 に17N
界 の 方 向 と45° の 角 度 で お い た 電 線 が あ る.こ
の 力 が 働 い た.電
線 の 長 さ は い く らか.
れに
5.2 方 形 コ イ ル に働 く力 図5・10(a)の を流 した 場合,①
よ う に,磁 束密 度B〔T〕 の磁 界 中 に おか れ た 方形 コイ ルに 電流I〔A〕 と③ の部 分 に は,前 節 で学 習 した よう に,互 い に逆 向 きの 次式 の よ
う な力 が働 く.ま た,② と④ の部 分 は導 体 が磁 界 の向 き と水 平 な ため 力 は働 か ない. (5・3)
方 形 コ イ ル に 生 じ る 回 転 力 す な わ ち トル ク は,「 力 ×腕 の 長 さ」 で あ る.し が っ て,方 場 合,次
形 コ イ ル の ① と ③ に よ っ て 生 じ る トル クT〔N・m〕
た
は,図5・10(b)の
の よ う に な る.
(5・4)
コ イ ル の 巻 数 をN,コ
イ ル の 面 積A=ab〔m2〕
と し た と き は,次
の よ うに 表 さ
れ る. (5・5)
コ イ ル が 図5・10(c)の
よ う に,θ だ け 傾 い て い る 場 合 の トル クTは (5・6)
になる
(a)
(b)
(c) 図5・10
解
例題
5.9 磁 束 密 度0.5Tの
水 平 に お か れ,2Aの
磁 界 中 に,長
さ30cm,幅20cmの
方 形 コイルが
電 流 が 流 れ て い る.コ イ ル に働 く トル ク はい く らか.
方 形 コ イ ル に 働 く トル クT〔N・m〕
は,式(5・4)よ
り 答 0.06N・m
例題
5.10 磁 束 密 度1.5Tの
ル が 水 平 に お か れ,3Aの
解
磁 界 中 に,面 積A=0.04m2,巻
数N=200の
方 形 コイ
電 流 が 流 れ て い る.コ イ ル に働 く トル クは い く らか.
方 形 コ イ ル に 働 く トル クT〔N・m〕
は,式(5・5)よ
り 答 36N・m
例題
5.11 図5・11の
よ う に,方
30° 傾 い て お か れ て い る.コ 5Aの
電 流 を 流 す と,コ
形 コ イ ル が 磁 束 密 度0.5Tの
イ ル の 面 積A=80cm2,巻
磁 界 に 対 して
数200で,コ
イル に
イ ル に 働 く トル ク は い く ら か.
図5・11
解
式(5・6)よ
り,80cm2=80×10-4m2と
して
答 3.46N
例題
5.12
長 さ30cm,幅20cm,巻
に お き,こ れ に2Aの
数10の
電 流 を流 した.コ
方 形 コ イ ル を磁 界 の 方 向 と水 平
イ ル に3N・mの
トル ク が 働 くよ うに
す る に は磁 束 密 度 は い く らか.
解
式(5・5)よ
り
答 2.5T
例題
5.13 磁 束 密 度1.5Tの
磁 界 中 に,面
を あ る 角 度 に傾 け て お き,4Aの
積60cm2,巻
数100の
電 流 を流 した ら1.8N・mの
方形 コイル
トル ク が 生 じた.
コイ ル の傾 き は何 度 か.
解
式(5・5)よ
cosθ=0.5よ
り
り
答 60°
例題
5.14
き,こ
磁 束 密 度0.5Tの れ に2Aの
電 流 を 流 し た ら2N・mの
10cm,幅8cmと
解
式(5・5)よ
磁 界 中 に,方 形 コ イ ル を磁 界 の 方 向 と水 平 に お ト ル ク が 生 じ た.コ
イ ルの長 さ
す れ ば 巻 数 は い く ら か.
り
答 250回
練習 問題 5.7 磁 束 密 度0.2Tの
磁 界 中 に,長
の 電 流 が 流 れ て い る.コ
5.8 前問 で,コ
5.9
巻 数 が100回,面
と す る と,ト
積 が20cm2の
方 形 コ イ ル が 磁 束 密 度5×10-2Tの イ ル に10Aの
長 さ20cm,幅10cmの
流 を流 した.コ
束 密 度0.5Tの
磁 界 中 に,こ
5.12
前問 で,コ
5.13
磁 束 密 度5×10-2Tの
の
イ ル に 働 く トル ク は い く らか.
磁 界 に 対 し て30° 傾 け て お か れ て い る.コ 電 流 を流 す と き,生
イ
じ る トル ク は い く ら か.
方 形 コ イ ル を磁 界 の 方 向 と水 平 に お き,こ れ に5Aの
イ ル に0.25N・mの
電
トル クが 働 く よ う にす る に は 磁 束 密 度 は い く らか.
イ ル の 巻 数 が10回
角 度 に 傾 け て お き,20Aの
ル ク は い く らか.
コ イ ル が あ る.磁
電 流 を流 す と き,コ
ル の 長 さ3cm,幅2cmで,コ
5.11
方 形 コ イ ル が 水 平 に お か れ,5A
イ ル に働 く トル ク は い く らか.
イ ル の 巻 数 を50回
コ イ ル を お き,2.5Aの
5.10
さ5cm,幅4cmの
の 場 合,磁
磁 界 中 に,面
束 密 度 は い くら か.
積40cm2,巻
電 流 を流 し た ら2√2N・mの
数1000回
の方 形 コイ ル をあ る
トル ク が 生 じ た.こ
の と きの コ
イ ル の 傾 き は い く ら か.
5.14
磁 束 密 度0.2Tの
磁 界 中 に,方
の 電 流 を 流 し た ら,0.4N・mの
形 コ イ ル を磁 界 の 方 向 と水 平 に お き,こ れ に10A
トル ク が 生 じた.コ
イ ル の 面 積 が40cm2と
す れ ば,巻
は い く らか.
5.15
前問 で,コ
イ ル が 磁 界 の 方 向 に対 して60° 傾 い て い た と き,巻 数 は い く らか.
数
図5・12の よ う に,平 行 に お か れ た2本 の 導 体 に 同 じ方 向 に 電 流 が 流 れ た 場 合, 吸 引 力 が 生 じる.① の 導 体 に電 流I1〔A〕 が流 れ た 場 合,r〔m〕 の 磁 界 の大 き さH〔A/m〕 磁 界 の 向 き は,ア
は,式(3・13)よ
り,H=I1/(2πr)で
離れた導体② の点 あ る.
ンペ ア の 右 ね じの法 則 よ り,導 体 ② を手 前 か ら奥 へ 貫 く方 向
で あ る.こ の 地 点 で,導 体 ② に は電 流I2が 流 れ て い る の で,フ
レ ミ ン グの 左 手 の
法 則 を適 用 す れ ば,電 磁 力 は 導体 ① の 方 向 に働 き,吸 引 力 と な る. 導 体 ② に1m当
りに 働 く電 磁 力F〔N/m〕
μ0=4π×10-7〔H/m〕,導
は,こ
の 地 点 の 磁 束 密 度B=μ0H,
体 ② に流 れ る 電 流I2と して,式(5・1)を
利 用 して (5・7)
とな る.図5・13は,2本
の 導 体 に 逆 向 きの 電 流 が 流 れ た 場 合 で,力
発 力 と な り,電 磁 力 の大 き さ は,式(5・7)と
図5・12
同 じで あ る.
図5・13
図5・14の よ う に導 体 が 配 置 さ れ た 場 合,力 大 き さ と向 き を考 え,ベ
の 向 き は反
の大 き さ と向 きは,導 体 間 の力 の
ク トル の 合 成 か ら求 め る.
図5・14
例題
5.15
10cmの
間 隔 で 平 行 に 並 ん だ2本 の 電 線 に,そ
を 同 方 向 に 流 した.電 線1m当
解
れ ぞ れ50Aの
電流
りに働 く力 の 向 き と大 き さ は い くらか.
2本 の 電 線 間 に働 く力 の 向 きは,吸
引 力 とな る.力
の大 き さ は,式(5・7)
よ り
答 吸 引 力 で 大 き さ は5×10-3N/m
例題
5.16
5cmの
こ の 電 線1m当
解
式(5・7)よ
間 隔 で平行 に並 ん だ2本 の 電線 に 同 じ電流 が 流 れ てい る とき,
り に働 く力 は,0.01N/mで
り,I1,I2は
あ る.流
等 し い の で,こ
れ て い る 電 流 の 値 は い く ら か.
れ をIと
して
答 50A
例題
5.17
2本 の 平 行 に並 ん だ 電 線 に100Aの
当 り に 働 く力 が0.2N/mで
解
式(5・7)よ
あ っ た.電
電 流 を流 した ら,電 線 間 に1m
線 間 の 距 離 は い く ら か.
り
答 1cm
例題
5.18
0.01Nで
10cmの あ っ た.一
間 隔 で平 行 に並 ん だ2本 の 電 線 間 に1m当 方 の 電 線 に流 れ る電 流 が50Aの
場 合,も
りに 働 く力 が う一方の電 線
に流 れ る電 流 の 値 は い く らか.
解
式(5・7)よ
り
答 100A
例題
5.19
図5・15の
よ う に,平
行 に並 ん だ3本 の 電 線 に 電 流 が 流 れ て い る
と き,電 線bに 働 く力 の 大 き さ と方 向 を求 め よ.
図5・15
解
電 線ab間
に 働 く力Fabは,式(5・7)よ
り,次
式 の よ う に な る.
abの 各 電 線 に流 れ る 電 流 の 向 きは,同 方 向 な の で 吸 引 力 とな る. 同様 に,電 線bc間 に 働 く力Fbcは,次
式 の よ うに な る.
bcの 各 電 線 に流 れ る 電 流 の 向 き は,逆 方 向 な の で 反 発 力 とな る.し たが って,図 5・16の よ うに,電 線bに は電線aの 向 きに力 が働 き,そ の 大 き さ はF〔N/m〕
は次式
の よ うに な る.
図5・16
答 力 の 向 き は電 線a側 で,0.06N/m
練習 問題 5.16
平 行 に 並 ん だ2本
の 電 線 が あ る.そ
方 向 に 流 れ て い る と き,電 線1m当
5.17
10cmの
が0.01N/mで
5.19
とに2×10-4N/mの
平 行 に 並 ん だ2本 あ っ た.電
図5・17の
電 線 に20Aの
電 流が 同
り に働 く力 の 向 き と大 き さ は い く ら か.
間 隔 で 平 行 に並 ん だ2本 の 電 線 が あ る.こ
し た と こ ろ 電 線1mご
5.18
の 間 隔 が5cmで,各
力 が 働 い た.流
の 電 線 に50Aの
の2本
の 電 線 に 同 じ電 流 を流
した 電 流 は い く らか.
電 流 を 流 し た ら,電
線 間 に1m当
りに 働 く力
線 間 の 距 離 は い く らか.
よ う に,平
行 に 並 ん だ3本 の 電 線 に 電 流 が 流 れ て い る と き,電 線bに
働 く力 の 大 き さ と方 向 を 求 め よ.
図5・17
5.20
図5・18の
よ う に,1m間
の 電 流 が 流 れ て い る.導 体aの1m当
隔 に お か れ た3本 の 平 行 導 体a,b,cに りに 働 く力 は い く ら か.
図5・18
そ れ ぞ れ100A
図5・19の よ う に,磁 束 密 度B〔T〕 の 平 等 磁 界 中 に,長
さl〔m〕 の 導 体 を磁 界
と垂 直 にお き,こ れ に電 流I〔A〕 を 流 す と,導 体 に働 く力F〔N〕 は 次 式 の よ う に な る. (5・8)
こ の 力 に よ っ て,導 仕 事W〔J〕
は,次
体 が 点abか
ら 点a'b'にx〔m〕
移 動 し た と き,力Fに
よ る
式 の よ う に な る. (5・9)
式(5・9)で,Blxは,導 で,φ=Blx〔Wb〕
体 がx〔m〕
と す る と,次
動 い た と き,横
切 っ た磁 束 の 総 数 で あ る の
式 の よ う に な る. (5・10)
導 体 がx〔m〕 移 動 す る の に 要 した 時 間 をt〔s〕 とす る と,単 位 時 間 当 り の 仕 事 P〔W〕 は,式(5・9)よ
り,次 式 の よ うに な る.
(5・11)
こ こ で,υ
〔m/s〕 は,導
〔W〕 は,式(5・10)よ
り,次
体 の 移 動 速 度 で あ る.ま
た,単
位 時 間 当 り の 仕 事P
式 の よ う に も 表 さ れ る.
(5・12)
図5・19
解
例題
5.20
磁 束 密 度4×10-2Tの
導 体 を お き,20Aの
磁 界 中 に,磁 界 の 方 向 と直 角 に 長 さ5cmの
電 流 を流 した.こ
の 導 体 が 電 磁 力 の 方 向 に20cm運
動
す る と き に な され る仕 事 は い く らか.
解
式(5・9)を
20×10-2mに
用 い て 計 算 す る.た
だ し,長
さ5cm=5×10-2m,20cm=
単 位 を 換 算 す る. 答 8×10-3J
例題
5.21
磁 束 密 度0.2Tの
磁 界 中 に,5Aの
電 流 が 流 れ て い る 長 さ10cmの
導 体 を磁 界 の 方 向 と直 角 に 置 き,毎 秒8cmの
速 さ で動 か す の に必 要 な単 位
時 間 当 りの 仕 事 は い く らか.
解
式(5・11)を
用 い て 計 算 す る.た
だ し,10cm=0.1m,8cm/s=0.08m/sに
単 位 を換 算 す る. 答 8×10-3W
例題
5.22
磁 束 密 度1.5Tの
体 をお き,こ れ に8Aの
電 流 を 流 した.こ
導 体 に 単 位 時 間 当 り9.6Wの
解
式(5・11)よ
り,速
磁 界 中 に,磁 界 の 方 向 と直 角 に長 さ40cmの
導
の と き に 生 じる 電 磁 力 に よ っ て,
仕 事 が な され た.導 体 の 移 動 速 度 は い く らか.
度υ 〔m/s〕を 計 算 す る.た
だ し,長
さ40cm=40×10-2m
に単 位 を換 算 す る.
答 2m/s
例題
5.23
20Aの
電 流 が 流 れ て い る 導体 が5×10-2Wbの
磁 束 を 切 っ た と き,
な され た仕 事 は い くらか. 式(5・10)よ
り
答 1J
解
例題
5.24
あ る 導 体 が 運 動 して4×10-3Wbの
磁 束 を切 っ た と き,0.2Jの
仕
事 が な さ れ た.導 体 に流 れ て い た 電 流 は い く らか.
解
式(5・10)よ
り,電
流I〔A〕
を 計 算 す る.
答 50A
例題
5.25
磁 束 密 度0.5Tの 磁 界 中 に,磁 界 の 方 向 と直 角 に長 さ20cmの
を お き,こ れ に30Aの 向 に2m動
解
導体
電 流 を流 した.こ の と き生 じる電磁 力 に よっ て,力 の方
か した と きの仕 事 が2Jで あ っ た.導 体 を動 か した 時 間 は い く らか.
式(5・11)よ
り,時
間t〔s〕 を 計 算 す る.
答 3s
例題
5.26
10Aの
電 流 が 流 れ て い る導 体 が0.1秒 間 に4×10-2Wbの
磁 束 を切
っ た.単 位 時 間 当 りの 仕 事 は い くらか.
解
式(5・12)よ
り
答 4W
例題
5.27
10Aの 電 流 が 流 れ て い る 導 体 が 磁 界 中 を移 動 し て5秒 間 に50Jの
仕 事 を した.単 位 時 間 当 りの 仕 事 と交 差 した磁 束 は い くらか. 単 位 時 間 当 りの 仕 事P〔W〕
交 差 し た 磁 束 φ 〔Wb〕 は,式(5・12)よ
は,式(5・11)よ
り
り
答 10W
5Wb
練習 問題 5.21
磁 束 密 度0.2Tの
の 電 流 を 流 した.こ
磁 界 中 に,磁
界 の 方 向 と直 角 に長 さ10cmの
の 導 体 が 電 磁 力 の 方 向 に30cm運
導 体 を お き,10A
動 す る と きに な さ れ る仕 事 は い く
らか.
5.22 20Aの
磁 束 密 度4×10-2Tの
磁 界 中 に,磁
界 の 方 向 と直 角 に 長 さ20cmの
導 体 を お き,
電 流 を流 し た.こ の 導 体 が 電 磁 力 の 方 向 に移 動 した と き の 仕 事 が0.08Jで
あ っ た.
導 体 の 移 動 距 離 は い く らか.
5.23 15Aの
電 流 が 流 れ て い る導 体 が4×10-2Wbの
磁 束 を切 っ た と き,な
され た仕 事
は い く らか.
5.24
あ る 導 体 が 運 動 して3×10-2Wbの
磁 束 を切 っ た と き,0.45Jの
仕 事 が な さ れ た.
導 体 に 流 れ て い た 電 流 は い く らか.
5.25
磁 束 密 度0.5Tの
の 電 流 を流 し た と き,5秒
磁 界 中 に,磁 間 に2m動
界 の 方 向 と 直 角 に長 さ10cmの い た.こ
導 体 を お き,20A
の と きの 単 位 時 間 当 りの 仕 事 は い く らか.
5.26 20A流 れ てい る導体 が磁 界 中 を動 い て5秒 間 に100Jの 仕 事 を した.単 位 時 間当 りの仕 事 と導体 と交差 した磁 束 はい くらか.
5.27
磁 束 密 度0.5Tの
の 導 体 に2Aの 力 は い くら か.
磁 界 中 に,磁
電 流 を 流 して,50cm/sの
界 の 方 向 と 直 角 に 長 さ5cmの
導 体 を お い た.こ
速 さで 磁 界 と 直 角 方 向 に 動 か す 場 合 に 必 要 な 電
1
第5章 章末問題 . 図5・20で,矢
印 の 方 向 の 電 磁 力 を 発 生 させ る に は,導 体 に ど の よ う な 電
流 を流 した ら よい か.
図5・20
2. 磁 束 密 度0.5Tの 磁 界 中 に,長 お き,導 体 に10Aの
3. 磁 束 密 度1.5の お い た と き,1.5Nの
さ20cmの
導 体 を磁 界 の 方 向 と30゜ の 角 度 で
電 流 を流 した.導 体 に働 く力 は い くらか.
磁 界 中 に,長
さ20cmの
力 が 働 い た.導
4. 方 形 コ イ ル が 磁 束 密 度1.5Tの イ ル の 長 さ10cm,幅8cmで,コ
導 体 を 磁 界 の 方 向 と30゜ の 角 度 で
体 に 流 し た 電 流 は い く ら か.
磁 界 に 対 し て60゜ 傾 け て お か れ て い る.コ
イ ル に10Aの
電 流 を 流 す と き,生
じ る トル ク は
い く ら か.
5. 磁 束 密 度0.5Tの
磁 界 中 に,巻
数10回,面
対 し て60゜ 傾 け て お い た と き,0.1N・mの
積20cm2の
トル ク が 生 じ た.コ
方形 コ イ ル を磁 界 に イ ル に 流 した電 流
は い く ら か.
6. 図5・21の
よ う に,平
行 に並 ん だ3本 の 電 線 に 電 流 が 流 れ て い る と き,電
線bに 作 用 す る 力 の 大 き さは い く らか.
図5・21
第6章
キ ー ワード
フ レ ミン グ の 右 手 の法 則,レ
ン ツ の 法則,
自己 イ ン ダ ク タ ン ス,相 互 イ ン ダ ク タ ンス, 電磁 エネルギ ー
コイ ル を 貫 く磁 束 が 変 化 す る こ とに よっ て,起 と い い,そ
電 力 が 発 生 す る現 象 を電 磁 誘 導
れ に よ っ て 生 じる起 電 力 を誘 導 起 電 力 とい う.
図6・1の よ う に,コ
イ ル を貫 く磁 束 を変 化 させ る と,発 生 す る 誘 導 起 電 力 の大
き さ は,「 コ イ ル を貫 く磁 束 の 時 間 的 に 変 化 す る量△ φ/△tと,コ イ ル の巻 数Nの 積 に 比 例 す る 」.こ れ を フ ァラ デ ー の 法 則 とい い,誘 導 起 電 力e〔V〕 は,次 式 の よ う に 表 され る.
(6・1)
図6・1
誘 導 起 電 力 の 向 きは,レ よ る電 流 の つ くる 磁 束 が,も で,式(6・1)で,マ
ンツ の 法 則 か ら求 め ら れ る.こ
れ は,「 誘 導 起 電 力 に
との磁 束 の 増 減 を妨 げ る 向 き に生 ず る」 とい う もの
イ ナ ス がつ くの は こ の た め で あ る.
図6・2の よ う に,コ
イ ル に磁 石 を 近 づ け た 場 合,誘
る磁 石 の磁 束 を妨 げ る 向 き」 に発 生 す る た め,矢
図6・2
導 起 電 力 は,「 近 づ い て く
印 の よ うな 向 き とな る.
例
題
6.1
図6・3(a),(b)の
よ う に,コ
イ ル に対 して 磁 石 を 矢 印 の 方 向 に 動
か した場 合,誘 導 起 電 力 の 向 きは ど う な る か,矢 印 を記 入 せ よ.
(a)
(b) 図6・3
解
レ ン ツ の 法 則 か ら,図6・4の
よ う に な る.
(a)
(b) 図6・4
例題
6.2
巻 数200回
か ら0.12Wbに
解
式(6・1)よ
の コ イ ル に 発 生 し て い る磁 束 が,0.2秒
変化 した.こ
間 に0.02Wb
の と き発 生 す る 誘 導 起 電 力 は い くらか.
り
誘 導 起 電力 の 大 き さは,正 負 に 関係 な く絶 対 値 を求 め れ ば よい. 答100V
例題
6.3
コ イ ル を 貫 く磁 束 が0.3秒 間 に0.03Wbか
と き,100Vの
解
誘 導起 電 力 が 発 生 した.コ
式(6・1)の 絶 対 値 か ら巻 数Nを
ら0.15Wbに
変 化 した
イ ル の 巻 数 は い く らか.
求 め る式 に 変 形 す る.
答 250回
例題
6.4 巻 数50回
間 ,cd間
の コ イ ル に,図6・5の
よ う な 磁 束 を 加 え た.ab間,bc
に お け る誘 導 起 電 力 は い く らか.
図6・5
解
図6・5か
で0Wbか
ら,毎
ら6Wbに
同様 に,bc間
秒 変 化 す る 磁 束 を 読 み と る.ab間
は,0.1秒
か ら0.4秒
間
磁 束 が 変 化 して い るの で,誘 導 起 電 力e1〔V〕 は
の 誘 導 起 電 力e2〔V〕,cd間
の 誘 導 起 電 力e3〔V〕 は,次 式 の よ う
に な る.
答 ab間1000V
bc間0V
cd間3000V
練 習 問題 6.1 次 の(
)に 適 切 な 用 語 を入 れ よ.
コ イ ル を 貫 い て い る(①)が この 現 象 を(③)と も と の(⑤)の
6.2
巻 数30回
い い,そ
変 化 す る と コ イ ル の 両 端 に は,(②)が の 向 き は(④)の
発 生 す る.
法 則 に よ っ て 求 ま る.そ の 法 則 で は,
増 減 を妨 げ る 向 き に(⑥)は
生 じる.
の コ イ ル を貫 通 し て い る 磁 束 が0.1秒
間 に1Wbの
割 合 で 変 化 す る と き,
コ イ ル に 発 生 す る 起 電 力 は い く らか.
6.3
巻 数100回
の コ イ ル に,図6・6の
よ う な 磁 束 を加 え た.ab間,
cd間,de間
で発
生 す る 誘 導 起 電 力 は い く ら か.
図6・6
6.4
コ イ ル を貫 く磁 束 が2秒
間 に0.05Wb変
化 し た と き,5Vの
誘 導 起 電 力 が 発 生 した.
コ イ ル の 巻 数 は い く ら か.
6.5 巻 数200回 200Vの
の コ イ ル に 発 生 して い る 磁 束 が0.02Wbか
ら0.06Wbに
変 化 し た と き,
誘 導 起 電 力 が 生 じた.磁 束 が 変 化 した 時 間 は い く らか.
6.6 巻 数50回 い く らか.
の コ イ ル で,0.5秒
の 間 に40Vの
誘 導 起 電 力 が 発 生 し た.磁
束の 変化 は
磁 界 中 に あ る 導 体 が 磁 束 を切 る よ う に動 く と,誘 導 起 電 力 を生 じる.そ の 大 き さ と向 き は,磁 束 密 度 の 大 き さ と向 き,導 体 の動 く速 度 と向 き に よ っ て変 わ る. 誘 導 起 電 力 の 向 きを見 つ け る方 法 と して,フ れ は,図6・7の
レ ミ ン グ の右 手 の 法 則 が あ る.こ
よ う に,「 右 手 の 親 指 ・人 差 し指 ・中 指 を 互 い に 直 角 に な る よ う に
開 き,人 差 し指 を磁 界 の 向 き に,親 指 を導 体 の運 動 方 向 に 向 け る と,中 指 の 向 き が 導 体 に生 じる 起 電 力 の 向 きに な る」 とい う もの で あ る.こ
の 法 則 を,図6・8の
場 合 に あ て は め て み る と,矢 印 の よ うな 起 電 力 の 向 き と な る.
図6・8
図6・7
誘 導 起 電 力 の大 き さe〔V〕 は,図6.9の した場 合,次
式 の よ うに な る.B〔T〕
よ うに,導 体 が 磁 界 と 直 角 方 向 に運 動
は 磁 束 密 度,υ 〔m/s〕は 導 体 の移 動 速 度,l
〔m〕は 導 体 の 長 さ で あ る.
(6.2)
図6・9
図6・10の よ う に,導
図6・10
体 が 磁 界 の 向 きに対 して θの 角 度 で 運 動 す る 場 合 は,次
式 の よ う に な る. (6・3)
例題
6.5 図6・11お
よ び 図6・12で,誘
導 起 電 力 の 向 き を〓
図6・11
解
で 示 せ.
図6・12
フ レ ミ ング の 右 手 の 法 則 を あ て は め る と,そ れ ぞ れ 図6・13お よ び 図6・14
の よ うな 向 きに な る.
図6・14
図6・13
例題 6.6 に50m/sの
磁 束 密 度1.2Tの
解
磁 界 中 で,長
さ30cmの
導 体 が 磁 界 と直 角 方 向
速 度 で 運 動 して い る と き,導 体 に生 じる起 電 力 は い く らか.
導 体 が 磁 界 と直 角 の 方 向 に運 動 した場 合 の 起 電 力 は,式(6・2)よ
り 答 18V
例題
6.7
磁 束 密 度1.5Tの
に 運 動 した と き,6Vの
解
式(6・2)か
ら,導
磁 界 中 で,長
さ20cmの
導 体 が 磁 界 と直 角 方 向
起 電 力 が 生 じた.導 体 の 速 度 は い く らか. 体 の 速 度υ 〔m/s〕 を 求 め る 式 に 変 形 す る.
答 20m/s
例題 6.8 に15m/sの
磁 束 密 度2Tの
解
磁 界 中 で,長
さ20cmの
導 体 が 磁 界 と30゜ の方 向
速 度 で運 動 して い る と き,導 体 に生 じる 超 電 力 は い く らか.
導 体 が 磁 界 と角 度 を もっ て お か れ た場 合 の 電 磁 力 は,式(6・3)よ
り
答 3V
例題 6.9
磁 束 密 度2Tの
に運 動 した と き,3√2Vの
解
式(6・3)か
ら,導
磁 界 中 で,長
さ30cmの
導 体 が 磁 界 と45゜ の方 向
起 電 力 が 生 じた.導 体 の 速 度 は い く らか.
体 の 速 度υ 〔m/s〕 を 求 め る 式 に 変 形 す る.
答 10m/s
例題 6.10 に10m/sの
あ る磁 束 密 度 の磁 界 中 で,長
さ20cmの
速 度 で 移 動 した と き,導 体 に1.5Vの
導 体 が 磁 界 と30゜ の 方 向 起 電 力 が 生 じた.磁 界 の 磁
束 密 度 は い く らか.
解
式(6・3)か
ら,磁 束 密 度B〔T〕 を求 め る 式 に変 形 す る. 答 1.5T
練習 問 題 6.7 次の()に
適 切 な用語 を入 れ よ.
右 手 の 親 指 ・人 差 し指 ・ 中 指 を互 い に 直 角 に 開 き,(①)を の 運 動 方 向 に 向 け る と,(③)は
6.8 図6・15で,図(a)は
磁 界 の 向 き,親 指 を(②)
起 電 力 の 向 き に な る.こ れ を(④)と
磁 石 の 極 性 を,図(b)は
い う.
導 体 の 運 動 方 向 を 記 入 せ よ.
(b)
(a) 図6・15
6.9 磁 束 密 度1.5Tの 運 動 して い る.導
磁 界 中 で,長
さ30cmの
導 体 が 磁 界 と 直 角 方 向 に10m/sの
体 に 生 じ る起 電 力 は い く らか.
6.10
磁 界 の 強 さ1000A/mの
15m/sの
速 度 で 運 動 し て い る.導 体 に 生 じる 起 電 力 は い く らか.
6.11
磁 束 密 度0.5Tの
き,1.5Vの
6.12
速度 で
磁 界 中 で,長
起 電 力 が 生 じた.導
磁 束 密 度1.2Tの
空 気 中 で,長
さ20cmの
さ30cmの
導 体 が 磁 界 と60゜ の 方 向 に
導 体 を 磁 界 と30゜ の 方 向 に 運 動 した と
体 の 速 度 は い く らか.
磁 界 中 で,磁
界 と30゜ の 方 向 に15m/sで
1.8Vの 起 電 力 が 生 じて い る.導 体 の 長 さ は い く らか.
運 動 してい る導 体 に
図6・16の よ う に,コ
イ ル に流 れ る電 流 がΔt時 間 にΔIだ け 変 化 す る と,コ イ
ル に 生 じる 磁 束 もΔφ変 化 して,式(6・1)(p.104)の た.磁
よ うな 誘 導 起 電 力 が 発 生 し
束 の 変化 は,電 流 の 変 化 に比 例 す る の で,比 例 定 数 をLと
して,誘 導 起 電
力 は次 式 の よ うに 表 す こ と もで き る.
(6.4) 上 式 で,比 例 定 数Lを
自己 イ ンダ ク タ ンス と い い,単 位 は ヘ ン リー 〔H〕 を用
い る.マ イ ナス の符 号 は,起 電 力 の 向 きが 逆 に な る とい う意 味 で あ る.こ の よ う に,コ
イ ル に流 れ る 電 流 が 変 化 す る と,コ イ ル 自 身 に 誘 導 起 電 力 が発 生 す る現 象
を 自己 誘 導 とい う.
図6・16
式(6・1)と
式(6・4)は,同
じ 誘 導 起 電 力 を 求 め る 式 で 等 し い.し
たが って
磁 気 抵 抗 が 一 定 な ら ば,Δ φ/ΔI=φ/Iの関係 か ら,自 己 イ ン ダ ク タ ンスL〔H〕 は,次 式 の よ う に表 され る.
(6.5)
題
例
6.11 自 己 イ ン ダ ク タ ン ス が5mHの
流 れ た.コ
コ イ ル に,0.2秒
間 に6Aの
電流が
イ ル に 発 生 す る 誘 導 起 電 力 は い く らか.
解 式(6・4)よ
り
誘 導 起 電力 の 大 き さ は,正 負 に 関係 な く絶 対 値 を 求 め れ ば よ い. 答 0.15V
例題 6.12
コイ ル に流 れ る電 流 が0.4秒 間 に2Aか
イル に10Vの
解
ら10Aに
変 化 した と き,コ
誘 導起 電力 が 発 生 した.コ イル の 自己 イ ンダ ク タ ンス は い くらか.
式(6・4)の 絶 対 値 か ら 自己 イ ン ダ ク タ ンスLを 求 め る式 に 変 形 す る.
答
例題 6.13
図6・17の
流 が50Aの
よ う な コ イ ル で,電
と き0.02Wbの
コ イ ル の 巻 数 が500回
0.5H
磁 束 を 生 じ た.
で あ れ ば,自
己イ ン
ダ ク タ ン ス は い く ら か.
図6・17
解
式(6・5)よ
り
答 0.2H
題
例
6.14 図6・18の
よ う な 環 状 コ イ ル の 自 己 イ ン ダ ク タ ン ス は い く ら か.
図6・18
解
環 状 コ イ ル に電 流I〔A〕 が 流 れ た と き に 生 じ る磁 束 φ〔Wb〕 は,第4章
磁 気 回 路 の 式(4・10)よ
こ れ を 式(6・5)に
の
り
代 入 し て,自
己 イ ン ダ ク タ ン スLは,次
式 の よ うに な る.
答
例題 6.15 か.円
解
極 め て 長 い 円筒 コイ ル の1m当
筒 の 半 径 をr〔m〕
図6・19の
さH=NIを
りの 自己 イ ン ダ ク タ ンス は い くら
と す る.
よ う な 円 筒 コ イ ル 内 の 磁 束 は,第3章
の例 題3.22の
用 い て,次 式 の よ う に な る
こ れ を 式(6・5)に
代 入 し て,自
己 イ ン ダ ク タ ン スLは,次
式 の よ
う に な る.
答 μπr2N2
図6・19
磁界 の大 き
練習 問 題 6.13
自 己 イ ン ダ ク タ ン ス が0.1Hの
cd間,de間
コ イ ル に,図6.20の
よ う な 電 流 を 流 し た.ab間,
で 発 生 す る 誘 導 起 電 力 は い く ら か.
図6・20
6.14
コ イ ル に流 す 電 流 を15ms間
生 した.コ
6.15
に40A変
化 させ た ら,コ
イ ル に20Vの
起 電 力 が発
イ ル の 自己 イ ン ダ ク タ ンス は い く らか.
巻 数 が200回
の コ イ ル に10Aの
電 流 を流 した ら,0.05Wbの
磁 束 が 生 じた.コ
イ ル の 自己 イ ン ダ ク タ ンス は い く らか.
6.16
自己 イ ン ダ ク タ ン ス が0.5Hの
ら,100Vの
6.17
誘 導 起 電 力 が 発 生 し た.電
巻 数 が2000回
己 イ ン ダ ク タ ン ス は い く らか.
6.18
環 状 コ イ ル に お い て,コ
6.19 で,空
透 磁 率 μr=1000で
空 気 中 に,1cm当 心 の 場 合,自
ら6Aに
変 化 した
流 が 変 化 し た 時 間 は い く らか.
の 環 状 コ イ ル が あ る.断
場 合,自
N=1000回,比
コ イ ル に流 れ る 電 流 が,2Aか
面 積4cm2,磁
イ ル の 断 面 積A=4cm2,磁 あ る.コ
りの 巻 数 が10回
路 の 長 さ30cmで
空心 の
路 の 長 さl=30cm,巻
イ ル の 自 己 イ ン ダ ク タ ンス は い く ら か.
の 円 筒 コ イ ル が あ る.コ
己 イ ン ダ ク タ ン ス は い く らか.
イ ル の 半 径 が2cm
数
図6・21の
よ う に,A,B二
つ の コ イ ル が 巻 か れ て い る と き,コ イ ルAに
る 電 流I1〔A〕 をΔt時 間 にΔI1だ け変 化 さ せ る と,コ イ ルBに
流れ
次 式 の よ う な誘 導
起 電 力e2〔V〕 が 発 生 す る.
(6・6)
磁 束 の 変 化 は,電
流 の 変 化 に 比 例 す る の で,比
例 定 数 をMと
して,誘 導 起 電
力 は次 式 の よ う に表 す こ と もで きる.
(6・7)
上式 で,比 例 定 数Mを 相 互 イ ンダクタンス とい い,単 位 は 自己 インダク タンス と同様 に ヘ ンリー 〔H〕を用 いる.マ イナス の符号 は,起 電 力 の向 きが 逆 にな る とい う意 味で ある. この ように,二 つ の コ イル間の磁 束に よって起 電 力が生 じる現 象 を相 互 誘導 とい う. 式(6・6)と
式(6・7)は,同
じ誘 導 起 電 力 を 求 め る式 で 等 しい.し た が って
磁 気 抵 抗 が 一 定 な らば,Δ φ/ΔI1=φ/I1の 関係 か ら,相 互 イ ン ダ ク タ ン スM〔H〕 は,次 式 の よ う に表 され る.
(6・8)
二 つ の コ イ ル の 自 己 イ ン ダ ク タ ンスL1, L2と 相 互 イ ン ダ ク タ ンスMの
間 に は,次
式 の よ う な 関 係 が あ る. (6・9)
上 式 で,二
つ の コ イ ル 間 に 漏 れ磁 束 が あ る 場 合 は,結
図6・21
合 係 数k(0<k≦1)を
用 い て,次 式 の よ う に な る. (6・10)
解
例題
6.16 二 つ の コ イ ルAとBが
あ り,相
る.コ イ ル A の電 流 が0.2秒 間 に5A変
互 イ ン ダ ク タ ン スMは0.5Hで
あ
化 した と き,コ イ ルBに 誘 導 され る起
電 力 は い く らか.
解
式(6・7)よ
り
誘 導 起 電 力 の 大 き さは,正 負 に 関係 な く絶 対 値 を求 め れ ば よい. 答 12.5V
例題
6.17
二 つ の コイ ルAとBが
化 した と き,コ イ ルBに10Vの
あ る.コ イ ルAの
電 流 が0.3秒 間 に15A変
誘 導 起 電力 が 発 生 した.相 互 イ ン ダ ク タ ンス
はい く らか. 式(6・7)の 絶 対 値 か ら相 互 イ ン ダ ク タ ンスMを
求 め る 式 に変 形 す る.
答 0.2H
例題
6.18 図6・22に
の 電 流 が20Aの
お い て,コ
と き,0.05Wbの
イ ルA 磁 束が
生 じ た.相 互 イ ン ダ ク タ ン ス は い く ら か.
図6・22
解
式(6・8)よ
り
答 0.5H
例題
6.19
20mH,コ
二 つ の コ イ ルAとBが イ ルBの
ス は い く ら か.ま
解
式(6・9)よ
式(6・10)よ
あ る.コ
イ ルAの
自 己 イ ン ダ ク タ ン ス が80mHの た,漏
れ 磁 束 が あ り,結
自 己 イ ン ダ ク タ ンス が と き,相
合 係 数 が0.6の
互 イ ンダクタ ン
と き は い く らか.
り
り
答 40mH
例題
24mH
6.20 図6・23の
よ う な 環 状 コ イ ル の 相 互 イ ン ダ ク タ ン ス は い く らか.
図6・23
解
コ イ ルAに
電 流I1〔A〕 が 流 れ た と き に生 じる 磁 束 φ〔Wb〕 は,第4章
気 回 路 の 式(4・10)よ
こ れ を 式(6・8)に
の磁
り
代 入 し て,相
互 イ ン ダ ク タ ン スMは,次
式 の よ う に な る.
答
練習問 題 6.20
二 つ の コ イ ルAとBが
電 流 が10ms間
に2A変
あ り,相 互 イ ン ダ ク タ ン ス は5mHで
化 し た と き,コ
イ ルBに
6.21
二 つ の コ イ ルAとBが
あ り,コ
40mA変
化 させ て い る 間,コ
イ ルBに0.3Vの
互 イ ン ダ ク タ ン スMは
6.22 Bの
あ る.コ
イ ルAの
誘 導 され る 起 電 力 は い く ら か.
イ ルAに
流 れ る 電 流I〔A〕
起 電 力 が 発 生 す る.こ
を1/1000秒
間 に
の 両 コイ ル間 の相
い く らか.
二 つ の コ イ ルAとBが
あ る.コ
自 己 イ ン ダ ク タ ン ス が5mHの
イ ルAの
自 己 イ ン ダ ク タ ンス が20mH,コ
と き,相 互 イ ン ダ ク タ ンス は い く らか.た
イル だ し,結
合 係 数 は0.8と す る.
6.23
二 つ の コ イ ルAとBが
ン ダ ク タ ンス は20mHで コ イ ルAとBの
6.24
あ る.コ
イ ルAの
イ ルBの
自 己 イ ン ダ ク タ ン ス は10mH,相
自 己 イ ン ダ ク タ ン ス は い く らか.た
互イ だ し,
間 で 漏 れ 磁 束 は な い もの とす る.
図6・24の
よ うな 環 状 コ イ ル の 相 互 イ ン ダ ク タ ンス は い く ら か.た
の 巻 数N1=500回,N2=300回,磁 μr=1000と
あ る.コ
路 の 長 さl=30cm,断
す る.
図6・24
面 積A=4cm2,比
だ し,コ イ ル 透磁率
(a) イ ン ダ ク タ ン ス の 接 続 二 つ の イ ンダ ク タ ンス の 間 に 電 磁 的 な 結 合 が あ る場 合,そ
の接 続 に は和 動 接 続
と差 動 接 続 が あ る. 図6・25(a)は,和
動 接 続 の 場 合 で,二
に な る よ うに接 続 さ れ,イ
つ の コ イ ル の つ く る磁 界 の方 向 が 同 じ
ンダ ク タ ンス の合 成 は,次 式 の よ う に な る. (6・11)
図6・25(b)は,差 接 続 され,イ
動 接 続 の 場 合 で,そ
れ ぞ れ の 磁 束 の 向 きが 逆 に な る よ う に
ン ダ ク タ ンス の 合 成 は,次 式 の よ うに な る. (6・12)
(a)
(b) 図6・25
(b) 電 磁 エ ネ ル ギ ー イ ンダ ク タ ンスL〔H〕 の コイ ル に,図6・26の
よ うな 電 流 がt秒 間 にI〔A〕 ま で
流 れ た と き,コ イ ルLに 生 ず る起 電 力e〔V〕 の 大 き さは
ま た,こ
のt秒 間 の 電 流 の 大 き さ の 平 均 を
I0 〔A〕 とす れ ば 図6・26
したが って,コ イ ル に蓄 え られ る電磁 エ ネル ギーW〔J〕 は,次 式 の よ うに表 され る.
(6・13)
例題
6.21 図6・27(a),(b)の
合 成 イ ン ダ ク タ ン ス は い く ら か.た
だ し,コ
イ ル 間 で 漏 れ 磁 束 は な い もの とす る.
(b)
(a) 図6・27
解
イ ン ダ ク タ ン スL1とL2間
の 相 互 イ ン ダ ク タ ン スM〔mH〕
は,式(6・9)よ
図(a)は
和 動 接 続 で あ る.合
成 イ ン ダ ク タ ン スL〔mH〕
は,式(6・11)よ
り
図(b)は
差 動 接 続 で あ る.合
成 イ ン ダ ク タ ン スL〔mH〕
は,式(6・12)よ
り
答 18mH
2mH
例題
6.22
自 己 イ ン ダ ク タ ンス2Hの
コ イ ル に4Aの
電 流 を流 し た と き,コ
イ ル に蓄 え ら れ る 電 磁 エ ネ ル ギ ー は い く らか.
解
式(6・13)よ
り
答 16J
例題
6.23
自 己 イ ン ダ ク タ ンス0.5の
る に は,何Aの
解
式(6・13)か
コ イ ル に9Jの
電磁 エ ネ ルギー を与 え
電 流 が 必 要 か. ら,電 流Iを 求 め る式 に変 形 す る. 答 6A
り
例題
6.24
図6.28の
よ う な 磁 気 回 路 に 蓄 え られ る電 磁 エ ネ ル ギ ーW〔J〕 は
い く らか.ま た,単 位 体 積 当 りに 蓄 え られ る電 磁 エ ネル ギ ー は い く らか .
図6・28
解
環 状 コ イ ル の 自 己 イ ン ダ ク タ ン スL〔H〕
こ の 式 を,式(6・13)に
は,例
題6.14よ
り
代 入 して
磁 気 回路 の 体 積 はAl〔m3〕 で あ る の で,単 位 体 積 当 りに 蓄 え られ る エ ネ ル ギ ーw 〔J/m3〕 は,次
式 の よ う に な る.
答
例題
6.25
磁 束 密 度 が1.5T,比
透 磁 率1000の
磁 気 回 路 の 単位 体 積 当 りの 電
磁 エ ネ ル ギ ー は い く ら か.
解
例 題6・24よ
り
答 8.96×102J/m3
練 習問題 6.25
図6・29で,ab間
の 合 成 イ ン ダ ク タ ンス は い く らか.た
だ し,二
つ の コイル 間
で 漏 れ 磁 束 は な い もの とす る.
図6・29
6.26
自 己 イ ン ダ ク タ ン ス1OHの
コ イ ル に,5Aの
電 流 を 流 し た と き,コ
イ ルに蓄 え
よ び コ イ ル2に,0.2Aの
直流電 流
に 蓄 え ら れ た エ ネ ル ギ ー の 値 〔J〕は い く らか.た
だ し,自 己
ら れ る エ ネ ル ギ ー は い く らか.
6.27
図6・30の
を 流 し た 場 合,端
よ う に,鉄 心 に 巻 か れ た コ イ ル1お 子ab間
イ ン ダ ク タ ン スL1=1H,L2=4H,相
互 イ ン ダ ク タ ン スM=1.5Hと
す る.
図6・30
6.28
磁 界 の 強 さH=1000A/m,磁
束 密 度B=1.5Tの
磁 界 に 蓄 え られ る 単 位 体 積 当 り
の 電 磁 エ ネ ル ギ ー は い く らか.
6.29
鉄 心 中 の 磁 束 密 度 が1.0Tで
あ っ た.鉄
積 当 り の 電 磁 エ ネ ル ギ ー は い く ら か.
心 の 比 透 磁 率 を1000と
す る と,単 位 体
第6章 章末問題 1. 巻 数1000回,自 6×10-4Wbの
磁 束 を 発 生 し た.こ
2. A,B二 き,Bコ
己 イ ン ダ ク タ ン ス3Hの の 場 合,コ
つ の コ イ ル が あ り,Aコ
イ ル に2Vの
コ イ ル に 直 流 電 流 を 流 し た と き, イ ル の 電 流 は い く ら か.
イ ル の 電 流 が1/100秒
起 電 力 を 発 生 し た.こ
間 に4A変
化 した と
の 場 合 の 両 コイ ル 間 の 相 互 イ ンダ ク
タ ン ス は い く ら か.
3. 図6・31の
よ う な 自 己 イ ン ダ ク タ ン スL1お
相 互 イ ン ダ ク タ ン スMを とcを 72mHで
有 す る 二 つ の コ イ ル が あ る.b
接 続 し た と き,ad間 あ り,ま
の合 成 イ ンダ ク タ ンス が
た,bとdを
接 続 し た と き, ac間
成 イ ン ダ ク タ ン ス が16mHで ダ ク タ ン スM〔mH〕
4. 図6・32の
あ っ た と す れ ば,相
互 イ ン 図6・31
路 の 平 均 長 さlが50cm,断
透 磁 率 μrが1000の
巻 数 がN1=1000,N2=2000の き,両
の合
は い く ら か.
よ う に,磁
面 積Aが4cm2,比
よ びL2,
環 状 鉄 心 に,
二 つ の コ イ ルが あ る と
コ イ ル 間 の 相 互 イ ン ダ ク タ ン ス は い く ら か.た
だ し,μ0=4π
×10-7〔H/m〕
と し,漏 れ 磁 束 は な い も 図6・32
の と す る.
5. 断 面 積A〔m2〕,磁
路 の 平 均 長 さl〔m〕,比
コ イ ル が 巻 い て あ る.こ 〔H-1〕の 積 と し て,正
(1)
(2)
透磁
μrの 環 状 鉄 心 に 巻 数Nの
の コ イ ル の 自 己 イ ン ダ ク タ ン スL〔H〕
し い の は 次 の う ち ど れ か. (3)
(4)
(5)
と 磁 気 抵 抗Rm
第1章 練習問題 1.1
(4).コ
ンダ ク タ ンス は
1.2 (3).N・m=Jで
〔S〕 で あ る.
あ る.(1)のA/mは
磁 界 の 強 さ の 単 位,(2)のV/mは
電界 の強 さ
の 単 位,(4)のWb/m2は
磁 束 密 度 の 単 位,(5)のWは
1.3 (1).V・Aは,直
流 回 路 で は 電 力 〔W〕,交 流 回 路 で は皮 相 電 力 の 単 位 で あ り,エ
ネ ル ギ ー の 単 位 〔J〕で は な い.(2)∼(5)は,次
電 力 の 単 位 で あ る.
の よ う に 〔J〕に な る.
(2) (3) (4) (5) 1.4
(1)
(2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10) 1.5
(1) 和 分 の 積 の 公 式 を 用 い て,合
成 抵 抗 を 求 め る.
答 6Ω (2) 右 端 の 二 つ の1Ω の 抵 抗 は 直 列 な の で足 して2Ω と な る.こ の 抵 抗 との 合 成 は,和
分 の 積 で 求 め て1Ω と な る.こ
計 算 して い く と,ab間
の 合 成 抵 抗 は1Ω と な る.
(3) 6Ω と12Ω の 合 成 抵 抗 は,和 直 列 な の で 足 して8Ω,こ
の よ う に,右
分 の積 で,6×12/(6+12)=4Ω
れ と8Ω が 並 列 な の で,8×8/(8+8)=4Ω
(4) 8Ω の 抵 抗 が 四 つ 並 列 な の で,合
れ と,並
列 に な る2Ω
か ら順 に 合 成 抵 抗 を 答1Ω と な る.こ
れ と4Ω が
とな る.
答4Ω
成 抵 抗 は1/4に な る. 答 2Ω
1.6 8Ω の 抵 抗 に2Aの 電 圧 は,V=8×2=16Vと
な る.4Ω
は,16/(4+4)=2Aと っ て,全
電 流 が 流 れ て い る の で,三
な る.4Ω
体 に 流 れ る 電 流 は,三
つ の抵 抗が並 列 に なって い る部分 の
と4Ω の 抵 抗 が 直 列 に な っ て い る 部 分 に 流 れ る 電 流
の 抵 抗 の 部 分 に 流 れ る 電 流 は,16/4=4Aと
な る.し
つ の 電 流 の 合 計 な の で,2+2+4=8Aと
が 電 圧 計 が 接 続 さ れ て い る 抵 抗 に 流 れ て い る の で,こ
な る.こ
たが
の電 流
の 部 分 の 電 圧 は,8×4=32で
る.
あ
答 32V
1.7 まず,二
つ の 条 件 か ら抵 抗r〔 Ω〕 を求 め る.
から
の と き,
(1)
から
の と き,
(2)
電 源 電 圧 は 変 化 し て い な い の で,式(1)と
式(2)は
等 し い.し
たが って
(3) 式(3)を
式(1)に
代 入 して 答 60V
1.8
式(1・8)よ
り
答 7200kJ 1.9
式(1・10)よ
り 答
1.36×106J
〓よ り
答 2720s 1.10
式(1・8)よ
り 答 1.2×1O6J
〓よ り
温 度 上 昇 が57.3℃
な の で,も
と の 温 度20℃
る. 1.11 1kW・h=1000W・h=1000×3600W・s=3.6×106J
を加 え て,57.3+20=77.3℃
の温 度 にな 答 77.3℃ 答 3.6×106J
1.12
43kgの
水 を20℃
上 昇 させ るの に 必 要 な熱 エ ネ ル ギ ー は,式(1・10)よ
り
答 1kW・h 1.13
(1).(2)は,オ
ー ム の 法 則 か らI=V/Rで
で 正 し い.(4)は,P=VIか
1.14
らI=P/Vで
正 し い.(3)は,P=I2Rか
らI=√P/R
正 し い.
〓全 電流〓
合 成抵抗
6Ω の 抵 抗 に 流 れ る 電 流 をI1と す る と
し た が っ て,6Ω
の 抵 抗 で 消 費 さ れ る電 力P〔W〕
は 答 15.36W
1.15
式(1・13)よ
り,長
さ を2倍,断
面 積 を1/2に
し た抵 抗 をR'と す る と
答 4倍 ま た,直 径 を1/2倍 し た 場 合 の 抵 抗 をR"と
に す る と断 面 積 は1/4と
な る の で,長
さ を2倍,直
径 を1/2倍
すると
答 8倍 1.16
ア ル ミ ニ ウム 線 の 抵 抗 をR1,導
軟 銅 線 の 抵 抗 をR2,導
電 率 を σ1,半 径 をr1,長
電 率 を σ2,半 径 をr2,長
さ をlす る と
さ をlと す る と
ア ル ミニ ウム線 の抵 抗 は軟銅 線 の抵抗 の何 倍 か とい うので
答 0.986倍
に
1.17
(2).直
径2.6mmの
電 線 の 断 面 積 は,πr2=π
×1.32≒5.3mm2と
な り,(2)が
ほ
ぼ 等 し い.
1.18 (3).電
よ り,長
線 の 抵 抗Rは
さlに 比 例 し,直 径D2に
反 比 例 す る.し
た が っ て,Dが
大 き くな る と抵 抗 は小
さ くな り,許 容 電 流 は 大 き くな る. 周 囲 温 度 が 上 昇 して も,許 容 電 流 は 大 き く な ら な い. 1.19
式(1・16)を(T2−T1)=の
した が っ て,20℃
形 に 変 形 す る.
の コ イ ル が31.8℃
温 度 上昇 したので 答 51.8℃
1.20
式(1・18)よ
り
答 5.2Ω
1.21 (3).電
流 計 の 測 定 範 囲 の 拡 大 に は 分 流 器 を用 い る.こ
並 列 に接 続 し,そ
の 値 は 式(1・19)よ
れ は,電
流 計 に対 して,
り
答 0.01Ω
1.22 (3).電
圧 計 の 測 定 範 囲 の 拡 大 に は倍 率 器 を 用 い る.こ
直 列 に接 続 し,そ
の 値 は,式(1・21)よ
れ は,電
圧 計 に対 して,
り
答 20kΩ 1.23
内 部 抵 抗rυ 〔Ω 〕は,式(1・21)よ
り
答 5kΩ 1.24
式(1・22)よ
り
答 400V
1.25
式(1・19)よ
り
答 1.25Ω
章末問題 ●1.
(2)
●2. 抵 抗Rと2Ω し た が っ て,抵
の 並 列 回 路 の 端 子 電 圧V〔V〕
抵 抗3Ω に 流 れ る 電 流I〔A〕 は,I=4+I1=4+2R〔A〕 こ の 回 路 の 電 源 電 圧 と 電 圧 降 下 の 関係 は,以
し た が っ て,抵
は,V=4R〔V〕
で あ る.
抗2Ω に 流 れ る電 流I1〔A〕 は
で あ る.
下 の とお り と な る.
抗Rは
答 8.8Ω
●3. 6Ω と2Ω の 合 成 抵 抗Rは
し た が っ て,電
力P〔W〕
は
●4.
抵 抗RA〔 Ω〕 は
答 15kW 銅 線Aの
銅 線Bの
300kW・h
抵 抗RB〔 Ω〕は
銅 線Aの 抵抗 は銅線Bの 何 倍 か とい う問か ら
答 2倍
●5.
式(1・13)よ
り
●6.
式(1・16)よ
り
●7.
式(1・20)よ
り
答 2.75×10-2Ω
・mm2/m
答 1.79Ω
測 定 で きる最大 電 流I〔A〕は 答 1.5A
●8.
2.1 (1)電 荷 (2)積 2.2
式(2・3)よ
(3)2乗
(4)反 発 力
(5)吸 引 力
(6)電 界
り
答 1.125N
2.3 式(2・3)か
ら,距 離rを 求 め る 式 に変 形 す る.
答 0.2m 2.4
式(2・2)よ
り 答 3.54×10-11F/m
2.5
式(2・1)よ
り
答 2.6
式(2・4)よ
11.35N
り
答 4.5×1O9V/m 2.7
式(2・5)よ
り
答 8N 2.8 電 荷Q1に
電 荷Q2に
点Mに
よ る 点Mの
よ る点Mの
電 界 の 向 き は,Q1か
電 界 の 向 き は,点Mか
ら点Mの
方 向 で,大
らQ2の 方 向 で,大
き さE1は
き さE2は
お け る電 界 の大 きさEは
答 電 界 の 大 き さ は16.2×105V/mで,向 2.9 ab間 に働 く力 は 吸 引 力 で,そ
き は点Mか
らQ2の 方 向
の 大 き さFabは
bc間 に働 く力 は反 発力 で,そ の大 きさFbcは
点bに 働 く力 の 向 きは,bか
らaの 方 向 で,そ
の 大 き さF〔N〕
は 答 105N
2.10
pa間
に働 く力 は 吸 引 力 で,そ
の 大 き さFaは
pb間 に働 く力 は反 発力 で,そ の大 きさFbは
点pに 働 く力 が 零 と い う こ とは,Fa=Fbで
あ る.し た が っ て
上式 を整 理 す る と
xは 電 荷 間 の 距 離 を表 す の で,x=3が
正 解 に な る.
答 3m
2.11 各電 荷 に働 く静 電力Fは
ab間
とac間
の 電 荷 に よ る 静 電 力 が,点aに
お い て60゜ の 角 度 を も っ て い る の で,こ
二つ の静 電力 の合 成F0は 答 24.9N 2.12
式(2・11)よ
2.13
式(2・12)よ
り
答 0.1本 り
答 6.78×104本
2.14 答 60V/m 式(2・13)よ
り 答 5.31×10-10C/m2
2.15 2.16
答 3.54×10-8C/m2 式(2・13)よ
り
答 3.98C/m2
の
2.17 答 2×10-C/m2
答 2.26×103V/m 2.18式(2・14)よ
り
答 1.80×105V
2.19
答 901V 2.20
答 0.4V
2.21
仕 事=電
2.22
式(2・16)よ
答 100J
位 ×電 荷={3-(-5)}×12.5=100 り
答 33.4pF 2.23
式(2・15)よ
り
答 0.01C 式(2・18)よ
り
答 2.5J 2.24
式(2・16)よ
り
答 40μF
答 2.25
式(2・17)よ
125×10-2J
り
答 56.5cm2 226
式(2・17)よ
り
答 5.31pF
2.27
ε1の部 分 の 静 電 容 量C1は
ε2の部 分 の静電 容量C2は
図2・19の
コ ンデ ンサ の 静 電 容 量Cは,式(2・19)よ
り
答
2.28
3個 直 列 の 場 合 の 合 成 静 電 容 量Csは,1個
13.3pF
の 静 電 容 量 の1/3に な る.
答 10μF
3個 並列 の場 合 の合成 静電 容量CPは,1個
の静 電容 量 の3倍 にな る. 答 90μF
2.29
図2・25の
した が っ て,3μFの
回 路 1μFと2μFの コ ン デ ン サ が3個
並 列 部 分 の合 成 静 電 容 量 は,1+2=3μFで 直 列 に な っ て い る の で,合
あ る.
成 静 電 容 量Cは
,1/3
に な る.
答 1μF 図2・26の 回 路 こ の1μFが2個
2μFが 直 列 に な っ て い る 部 分 の 合 成 静 電 容 量 は,1/2の1μFと
並 列 に接 続 さ れ る の で,合
図2・27の 回 路 3μFと3μFの
1μFと2μFの
成 静 電 容 量Cは,C=1+1=2
な る. 答 2μF
並 列 部 分 の 合 成 静 電 容 量 は,1+2=3μF
並 列 部 分 の 合 成 静 電 容 量 は,3+3=6μF
した が っ て,3μFと6μFが
直 列 接 続 と な る の で,合
成 静 電 容 量Cは
答 2μF 図2・28の
回 路
右 端 の2個 の1μFの
れ と 直 列 に な る2μFの 合 成 静 電 容 量Cを 2.30
コ ン デ ンサ と の 合 成 は,1μFで
計 算 して い く と,C=2μFと
合 成 静 電 容 量Cを
求 め る.
全体 に加 える電荷〓 コ ン デ ンサC1の
コ ン デ ン サ は 並 列 な の で 足 して2μFと
電 圧〓
な る.
あ る.こ
な る.こ
の よ う に 右 端 か ら順 に 答 2μF
コ ン デ ン サC3の
電 圧〓
コ ンデ ンサC3の 電荷〓 2.31
C2,C3,C4の
答5×10-4C
回 路 の 合 成 静 電 容 量C0は
全体の合成静電容量Cは
全 体 に流 れ る電荷〓 C1の 電 圧〓 C2,C3間
の 電 圧〓
C3の 電 圧〓
C3に 蓄 え られ るエネ ル ギーWは〓 答
2.32
ス イ ッチ が 開 い た 状 態 か ら電 源 電 圧Eを
0.6μFの コ ンデ ンサC1が3個 な る.こ
の0.2μFとC2が
C2の 端 子 電 圧V=15Vか
直 列 な の で,こ
直 列 な の で,全
1.35×10-3J
求 め る.
の 部 分 の 合 成 静 電 容 量 は,0.6/3=0.2μFと
体 の 合 成 静 電 容 量Cは
ら,回 路 に 加 わ る電 荷Qは
よ って電 源電圧Eは
ス イ ッ チ が 閉 じた 状 態 の 端子ab間 C2とC0の
合 成 静 電 容 量 は,並
こ れ と0.6μFが3個 電 圧 の 分 圧 は,静
の 電 圧Vabを 求 め る.
列 な の でC2+C0=1+0.3=1.3μFと
直 列 に な っ た 合 成 静 電 容 量0.2μFに,90Vの 電 容 量Cに
な る. 電 源 電 圧 が 分 圧 され る.
反 比 例 す る こ とか ら,Vabは 答 12V
2.33
コ ン デ ンサC1の
コ ン デ ンサC2の
静 電容 量 は
静 電容 量 は
4μFと8μFが 直列 接続 された場 合 の合成 静電 容量Cは
コ ンデ ン サCに
蓄 え ら れ る エ ネ ル ギ ーWは
答
2.34
ス イ ッチ をa側 に 閉 じた と き,80μFの
ス イ ッチ をb側 容 量C0=80+Cで
コ ン デ ンサ に蓄 え ら れ る 電 荷Qは
に 閉 じ た と き,回 路 の 電 荷Q=8000×10-6,端 あ る.し
た が っ て,Q=CVの
1.33J
子 電 圧V=40
,合 成 静 電
公式 か ら
答 120μF
章末問題 ●1. 答 7.2N
●2. 答 5×103V/m
答 15×103V
●3. 電気 力線 の数 電束 の数 は,電 束 の定義 か ら8μC
答 9.04×105本
8μC
●4. コ ンデ ンサ に 加 え た 電 圧Vは
コ ンデ ンサ の電 荷
答 0.2C
●5. ε1の部 分 の 静 電 容 量C1は
ε2の部 分 の 静 電 容 量C2は
全 体 の 合 成 静 電 容 量Cは,C1=C2な
の で,そ
の1/2に
な る.
答 5.31×10-9C
●6. 合成 静電 容量Cは
C1の 電 荷〓 C1の 電 圧〓 C2,C3の
電 圧〓
C2の 電 荷〓 C3の 電 荷〓 答 C=4μF
Q1=48μC
Q2=12μC
Q3=36μC
第3章 練習問題 3.1 ① 強 さ ② 積 ③2乗 3.2
式(3・3)よ
④ 反発力 ⑤ 吸引力 ⑥ 磁界
り
答 7.91×10-6N
3.3 式(3・3)か
ら距 離rを 求 め る 式 に 変 形 す る.
答 5.3×10-4m
3.4
式(3・2)よ
り
3.5
式(3・4)よ
り
答 5.02×10-4H/m
答 3.6
式(3・5)よ
3.165×104A/m
り
答 0.8N 3.7 磁 極 か ら点pま で の 距 離l〔cm〕 は
磁 極 か ら点pの 磁界 の大 きさHは
定 義 よ り,点pに
置 か れ た1Wbの
正 の 磁 極 は,N極
した が っ て,こ の 磁 界 の 方 向 は,解 図1の
と反 発 し,S極
と 吸 引 す る.
よ う に な る の で,合 成 され た磁 界 の 大 き さH0は 答
1.80×104N
解 図1
3.8 ① 磁 力 ② 磁界 の強 さ ③ 密 度 ④m/μ0 ⑦m
⑤ 磁極 ⑥ μ
⑧Wb
3.9
(1)T
3.10
式(3・6)よ
(2)N
(3)Wb
(4)A/m
(5)H/m
り
答 0.1本
3.11
式(3・7)よ
り
答 4.78×10-3本 3.12 答 60A/m7.54×10-5T 3.13 3.14
答 5.02×10-3T 式(3・9)よ
り
答 3.98T 3.15
式(3・8)よ
り
答 0.2T
3.16
解 図2お
よ び 解 図3
解図3
解 図2 3.17
177A/m
解 図4
解図4 3.18
例 題3・20よ
り
答 104A/m
3.19 答 30A/m 3.20
答 2A
3.21
答 50cm
3.22
式(3・13)よ
り
答 159A/m 3.23
式(3・13)よ
り
答 6.37×10-2m
3.24
コ イ ル の 巻 数 は1cm当 例 題3・18よ
り10回
な の で,1m当
りで は1000回
と な る.
り
答 104A/m 3.25
例 題3・22よ
巻 数 は1m当 3.26
り
り20回 な の で,1cm当
コ イ ル の 巻 数 は1cm当
りで は,0.2回
た り5回 な の で,1m当
と な る.
答 0.2回
た りで は500回
と な る.
答 0.4A
3.27
式(3・9)よ
例 題3・23よ
り
り 答 79.6A/m
3.28
例 題3・23よ
10-4T
り
答 1.26A
章末問題 ●1.
式(3・3)よ
り
答 ●2.
式(3・4)よ
1.27×103N
り
答 6.33×106A/m
●3. 解 図5よ
り,N極
か ら点pま
で の 距 離l1=20cos30゜=10√3cm
S極 か ら点pま で の 距 離l2=20sin30゜=10cm
N極 に よる点pの 磁 界 の大 きさHNは
S極 に よる点pの 磁 界 の大 きさHSは
点pに
お い て,HNとHSは90゜
の 角 度 な の で,全
体 の 磁 界 の 大 き さHは
答 2.67×104A/m
解図5 ●4.
答 2.51×10-4T
●5.
答 2×10-3T
1.59×103A/m
●6.
●
答 3000A/m
7.
答 63.7A/m
● 8. 巻 数1cm当
り8回 は,1m当
りで は800回
に な る. 答 8000A/m
第4章 練習問題 4.1 (2).磁
気 抵 抗 は磁 路 の 断 面 積 に 反 比 例 す る.
4.2 起 磁 力Fm=NIよ
り
答 2.5A
4.3 磁 束 は比 透磁 率 に比 例す る.
答 100 4.4
答 4×10-4T
4.5
式(4・2)よ
り
4.6
式(4・1)よ
り
答 3.18×105H-1
答 6.29×10-3Wb
4.7 答
1.26T
4.8 答
3.125×106A/m
4.9 式(4・9)よ
り,電 流Iを 求 め る 式 に 変 形 す る.
答 8mA 4.10 磁路l1の 部 分の磁 気抵 抗Rm1は
磁 路l2の 部 分 の磁気 抵抗Rm2は
したが って,全 体 の磁 気抵抗Rmは
4.11 答 3.72×106H-1 4.12
式(4・15)よ
り
答 5.71×10-2T
4.13 ① 磁化 曲線 ②B−H曲
線 ③ 正比例 ④4π ×10-7 ⑤ 飽
和 ⑥ 磁 界 の強 さ(H) 4.14
(2)
章末問題 ●1.
式(4・1)よ
り
答 600H-1 ● 2. 式(4・2)よ
り
答 7.96×103H-1 ●3.
答 2×106H-1
●
4.
答 0.628T
●5.
(1) 答 7.96×105H-1 (2) 答 7.96×105H-1 (3)
答 15.92×105H-1
(4) 答 2.51×10-4Wb
第5章 練習問題 5.1 ① 人 差 し指 ② 電流 ③ 親指 ④ フ レミングの左 手 の法則 5.2
式(5・1)よ
り
5.3
式(5・2)よ
り
答 4.5N
答 1.63×10-3N
5.4 答 30A 5.5
答 25N/m
5.6 5.7
答 40cm 式(5・4)よ
り 答 0.002N・m
5.8 5.9
答 0.1N・m 答 0.25N・m
5.10 答 2.6×10-4N・m
5.11 5.12
答 2.5T 答 0.25T
5.13
答45゜ 5.14
答 50回
5.15 5.16
答 100回 2本 の 電 線 間 に働 く力 の 向 き は 吸 引 力 と な り,大
き さ は 式(5・7)よ
り
答 吸 引 力 で 大 き さ は,1.6×10-3N/m 5.17 答 10A 5.18 5.19
答 5cm 電 線ab間
に働 く力 は,電
流 が 同 方 向 な の で 吸 引 力 で あ る.そ
の 大 き さFabは
電 線bc間 に働 く力 は,電 流 が 同方 向な ので吸 引力 であ る.そ の大 きさFbcは
電 線bは,電
で,電 5.20
線aと
電 線cの 双 方 に引 っ 張 ら れ る が,そ
線c側 に 引 っ 張 ら れ る. 電 線ab間
に働 く力 は,電
の 差Fは
答 電 線c側 に,0.004N/mの 流 が 同 方 向 な の で 吸 引 力 で あ る.そ
力 が働 く
の 大 き さFabは
電 線ac間 に働 く力 は,電 流 が同方 向 なの で吸 引力 であ る.そ の大 きさFacは
こ の 二 つ の 力 は,電 した が っ て,合
線aに
お い て,解
成 し た 力Fは,次
図6の
よ う な 方 向 に働 い て い る.
式 の よ う に な る. 答 3.46×10-3N/m
解図6 5.21
式(5・9)よ
り 答 0.06J
5.22 5.23
答 50cm 式(5・10)よ
り 答 0.6J
5.24
答 15A
5.25
5秒
間 に2mの
5.26
式(5・11)よ
移 動 は,0.4m/sと
な る.式(5・11)よ
り
答 0.4W
式(5・12)よ
り
り
答 20W 5.27
導 体 の 移 動 速 度 は,50cm/s=0.5m/sと
5Wb
して 計 算 す る. 答 25mW
章末問題 ●1. 解 図7お
よ び 解 図8
解図7 解図8 ●2.
答 0.5N
●3.
答 10A
●4.
答 0.06N・m
●5. 答 20A
●6. 電線ab間 に働 く力 は,電 流 が逆 方 向 なので 反発力 で あ る.そ の 大 きさFabは
電線bc間 に働 く力 は,電 流 が逆方 向 なの で反発 力 であ る.そ の大 きさFbcは
電線bは,電
線aと 電線cの 双 方 に引 っ張 られ るが,そ の差Fは 同 じで 電線bに 働 く力
は零 とな る.
答 電 線bに 働 く力 は零
第6章 練習問題 6.1 ① 磁 束 ② 誘導起 電力 ③ 電磁 誘導 ④ レンツ ⑤ 磁 束
⑥ 誘導起電力 6.2
式(6・1)よ
り
答 300V
6.3
式(6・1)よ
り
答 eab=300V ecd=200V ede=500V 6.4
答 200回
6.5
答 0.04s
6.6 答 0.4Wb
6.7 ① 人差 し指 ② 導 体 ③ 中指 ④ フ レ ミング右手 の法 則
6.8 解 図9お
よ び解 図10
解図9 6.9
式(6・2)よ
解 図10
り 答 4.5V
6.10 答 4.9×10-3V
6.11
6.12
答 30m/s
答 20cm
6.13
式(6・4)よ
り
答 eab=2V ecd=3V ede=5V
6.14
答 7.5mH
6.15
答 1H
6.16 6.17
答 0.02s 例 題6・14よ
り
答 6.7mH
6.18
答 1.67H
6.19
例 題6・15よ
6.20
式(6・7)よ
り,巻 数Nの1cm当
り10回
は,1m当
り1000回
で 計 算 す る. 答 1.58mH
り
答 1V 6.21
6.22
答 7.5mH 式(6・10)よ
り
答 8mH 6.23
式(6・9)か
ら,L2を
求 め る 式 に 変 形 す る.
答 40mH
6.24
例 題6・20よ
り
6.25
図6・29は 差 動 接 続 で あ る.相 互 イ ン ダ ク タ ン スMは
答 251mH
した が っ て,合
成 イ ン ダ ク タ ンスLは 答 1mH
6.26
式(6・13)よ
り
答 125J 6.27
こ の 回 路 は 和 動 接 続 で あ る.し
た が っ て,合
成 イ ン ダ ク タ ン スLは
答 0.16J
6.28
例 題6・24よ
り
答 750J/m3 6.29 答 398J/m3
章末問題 ●1.
答 0.2A
●2.
答 5mH
●3. bとcを
接 続 した と きのad間
は 和 動 接 続 に な る.し た が っ て,次
式 が 成 り立 つ.
(1) bとdを
接 続 した と き のac間
は差 動 接 続 に な る.し た が っ て,次 式 が 成 り立 つ.
(2) 式(1)− 式(2)は,次
の よ う に な る. 答 14mH
●
4. 例 題6・20よ
り
答 2H ●5. (5).磁
気 抵 抗 は,式(4・2)よ
り,次 式 の よ う に 表 され る.
環 状 コ イ ル の 自 己 イ ン ダ ク タ ン ス は,例
自 己 イ ン ダ ク タ ン スLと
磁 気 抵 抗Rmの
題6・14よ
積 は,次
り,次 式 の よ う に 表 さ れ る.
式 の よ う に な る.
索
引 環 状 鉄心 の―
■あ行
68 68
ア ンペ アの 周 回路 の 法 則
62
磁 気抵 抗
ア ンペ アの 右 ね じの 法 則
58
磁 気力 自 己 イ ン ダ ク タ ン ス
SI基 本 単位
72
磁 気 回路 の オ ー ムの 法 則
50 112
2
仕事
2 76
磁 束
54
磁束 密 度
54
ジ ュ ー ル の 法 則
10
静 電―
36
磁力
50
熱―
10
磁 力 線
54
静電 エ ネ ル ギー
36
SI組 立 単位 エ ァ ギ ャ ップ が ある磁 気 回路 エ ネ ル ギー
オー ム の 法則
6
98
静電 容 量3
■か行
24 2
環 状 鉄 心 の磁 気 回路
72
接 頭 語
起 磁力
68
相 互 イ ン ダ ク タ ンス
ク ー ロ ン の 法 則
6
静電 力
116
■た行
24,50
直列接続 結 合係 数
116
コ ン デ ン サ の―
抵抗 の― コ ン ダ ク タ ン ス
6
6
コ ンデ ンサ の直 列 接続
40
抵抗 温 度 係 数
コ ンデ ンサ の並 列 接続
40
抵抗 の直 列接 続 抵抗 の並 列接 続
■さ行 残 留 磁 気
40
80
14 6 6
抵抗 率
14
電位
32
電界 の 強 さ
24
磁 界
50
電気 力 線
32
磁 界 中 の 導体 の 運動
98
電磁 力
86
磁 界 の 強 さ
50
電 線 の抵 抗
14
磁 化 曲線
80
電 束
32
磁 気 回路 エ ァ ギ ャ ップが ある―
68 76
電 束 密 度
32
電 力
10
電力 量
10
抵 抗 の―
6
透磁 率
50
方 形 コ イル に働 く力
比―
50
法則
導電 率
14
ア ンペ アの 周 回 路 の―
62
トル ク
90
ア ンペ アの 右 ね じの―
58
90
オ ー ム の―
■な行
ク ー ロ ンの―
磁 気 回路 の オー ム の―
熱 熱 エ ネ ル ギ ー
10
■ は行 倍 率 器 B‐H曲 線
80
ビ オ ・サ バ ー ル の 法 則
58
ヒ ス テ リ シ ス 損
80
10
ビ オ ・サ バ ー ル の―
58
86
フ レ ミ ングの 右 手 の―
108
レ ン ツ の―
104
保 磁 力
ヒ ス テ リ シ ス ル ー プ
80
■ ま行
50
密度
比 誘 電 率
24
54
電束―
32
104
86
■ や行
フ レミ ング の右 手 の法 則
108
誘 電 率
18
比―
誘 導起 電 力 平 行 導 体 間 に働 く力
24 24
104
94
■ ら行
並列接続 コ ン デ ン サ の―
80
磁 束―
フ レ ミ ング の左 手 の法 則 分 流 器
104
フ レ ミ ングの 左 手の―
比 透 磁 率
フ ァ ラ デ ー の 法 則
68
ジ ュ ー ル の―
フ ァ ラ デ ー の―
18
6 24,50
40
レ ン ツ の 法 則
104
〈監 修 者 ・著 者 紹 介〉
浅 川 毅 学 歴
東 海 大学 工学 部 電子 工 学 科 卒 業(1984年) 東 京都 立 大 学 大学 院 工学 研 究 科 博士 課 程 修 了(2001年) 博 士(工 学)
職 歴
(仮称)大 田地区単位制工業高校 開設準備室 東海大学 電子情報学部 講師(非 常勤) 東京都立大学大学院 工学研究科 客員研究員 第一種情報処理技術者
著
書
「図解 や さ しい 論理 回路 の 設 計」 オー ム社 「PICア セ ンブ ラ入 門」 東 京電 機 大 学 出版 局 「 基 礎 コ ン ピ ュー タ工 学 」 東京 電 機 大 学 出版 局
ほか
粉川昌巳 学 歴 日本 大 学 理 工学 部 電 気工 学 科 卒 業(1979年) 東京学芸大学大学院 技術教育専攻修士課程修了(1998年) 職 歴 東京都 立蔵前工業高等学校 電気科 教諭 著 書 「絵 と き電 力 応 用」(共 著)オ ー ム社 「絵 と き で わ か る パ ワ ー エ レ ク ト ロ ニ ク ス 」 オ ー ム 社
ほか
電 気 計算 法 シ リー ズ
電気理 論の計算法 2003年2月10日
第1版1刷
発行
監修者 浅 川 毅 著 者 粉川昌巳 発行者 学校法 人 東 京 電 機 大 学 代 表 者 丸 山 孝 一 郎
発行所 東 京 電 機 大 学 出 版 局 〒101‐8457
東京 都 千 代 田 区神 田錦 町2‐2 振 替 口 座 00160‐5‐71715
印刷 三立工芸(株) 製本 渡辺製本(株)
〓
電 話 (03)5280‐3433(営
業)
(03)5280‐3422(編
集)
Asakawa
Kogawa
装丁 高橋 壮 一
Takeshi,
Masami
Printed in Japan *無 断 で転 載 す る こ と を禁 じ ます 。 *落 丁 ・乱 丁 本 は お取 替 え い た します 。 ISBN
4‐501‐11050‐3 C3054
2003