片 桐重 延 監修 片 桐 重 延 ・室 岡 和 彦 共著
R〈日本 複 写権 セ ン ター 委 託 出版 物 〉 本 書 の 全 部 また は一 部 を無 断 で複 写 複 製(コ ピー)す るこ とは,著 作 権 法 上 での例 外 を除 き,禁 じ られ てい ます。 本 書 か らの複 写 を希 望 さ れ る場 合 は,日 本 複 写 権 セ ンター(03‐3401‐2382)に ご連 絡 くだ さ い。
序
文
平 成6年 度 よ り実 施 さ れ た新 しい高 校 数 学 で は,コ
ン ピ ュー タに 関 す る取 扱 い
が い ま ま で 以上 に重 視 さ れ て い る。 そ れ は,こ れ か ら コ ン ピ ュ ー タ につ い て,ま た,コ
ン ピ ュー タに 関連 す る 「数 学 」 に つ い て 学 ぼ う とす る人 々 に と って 学 びが
い の あ る もの で あ る。 元 来,日 本 の 数 学 教 育 は,戦 後 長 い間 大学 進学 者 のた め の, あ るい は,将 来 特 に 数学 を必 要 とす る人 々 の た め の も ので あ っ た。 しか し,数 学 が 情 報 化,高 度 技術 社会 の た め に さ ま ざ まな か た ちで 関 与 して きた 現 在,も
はや
単 に,将 来,数 学 を 特 に必 要 とす る人 々 や,理 工 系 を志 す 人 々 の た めの もので は な くな り,よ
り広 い意 味 で の 知 的 ユ ーザ ー と いわ れ る人 々が 数 学 を 学 習 す る時 代
が きた の で あ る。 この こ と は,「 中等 教 育(中 学 ・高 校)に お け る数学 的 リテ ラー シー は,情 報 化,高 度 技 術 社 会 にお け る一 般 的 知 識 人 が もつ べ き標 準 的 な教 養 を 目指 す こ と に な る」(数 学 教 育 の会)の
指 摘 に も端 的 に示 され て い る。 ま さ に,
コ ン ピュ ー タ関 連 の数 学 は,こ れか らの生 涯学 習 の基盤 と して の数学 で あ る とい っ て も過 言 で は な い。 本 シ リー ズ(全10巻)は,コ
ン ピ ュー タ関連 の数 学 を 次 の 各 分 野 に 分 け て 企
画 した。 そ れ は既 刊 の 「数 学 と コ ン ピ ュー タ シ リー ズ(全8巻)」 現 代 向 け に発 展 さ せ,新
の思 想 を よ り
しい中 等 数 学 の 考 え を取 り入 れ た もの で あ る。
第 一 は, ● コ ン ピ ュー タ言 語 と処 理 ●BASICに
よ る数 学 の 問題 解 法
●BASICに
よ る高 校数 学
の 内 容 で,コ 数 学A,数
ンピュ ー
タ関連 の 数学 を 学 ぶ た めの 基 盤 と新 しい数 学,特
学Bの 内 容 に準 拠 した も ので あ る。BASIC言
語 は,こ
に高 校 の
れ らの 教 科 書
の ほ とん どで 使 用 され て い る言 語 で あ り,こ れ か ら も教 学 教 育 用 言 語 の主 流 と し て導 入 され るで あ ろ う。
第二 は ●行列 と線 形計算 ●数値 計算 ● 確率統計 に そ の 特 徴 が 見 られ るよ うに,こ れ か らの高 校 数 学,あ
るい は,大 学 初年 度 の数
学 に取 り入 れ られ るで あ ろ う,行 列,線 形 計 算,数 値 計 算,確 ざ した 。 主 題 の性 格 上,や
率統 計 の基 礎 を 目
や 難解 な 問題 も含 ま れ るが,全 体 を とお して読 め ば高
校 生 に も理 解 で き る よ う に心 が けたつ も りで あ る。 い う まで も な く,高 校 現場 で 数 学Cを 中 心 に これ か らコ ン ピュ ー タ関連 の数 学 を 教 え よ う とす る先 生 方 や,大 学 で こ れ らの数 学 を 平 易 に学 習 しよ う とい う人 々 に と って も有 効 に利 用 で き るで あ ろ う。 第 三 は, ● 数 学 ソフ トに よ る曲線 と図形 処 理 ● 数 学 ソフ トに よ る数 式 処 理 と関数 に お い て取 り上 げ た数 学 ソ フ トウ ェ ア に よ る数 学 の展 開 で あ る。 数学 ソ フ トは い ま や ま す ます 発 展 し,こ れ か らの数 学 で 欠 く こと の で きな い 分野 にな りつ つ ある。 図 形 処 理 や 数 式 処 理,関 数 と グ ラフ の扱 い につ い て は,単
に中 等 数 学 の み な らず
数 学 教 育 や 数 学 の研 究 に お い て も有 効 な手 段 に な る。 こ こで は,代 表 的 な数 学 ソ フ トに つ いて 取 り上 げ,問 題 の解 法 を試 み た。 他 に ● コ ン ピュ ー タに よ る グ ラ フ ィ ッ クス は,コ
ン ピュ ー タ グ ラ フ ィ ック スを そ の基 盤 か ら誰 に で も わか る よ うにや さ し く
解 説 した もの で あ り, ● コ ン ビュ ー タ に よ る成 績 処 理 は,主 と して小 学 校,中
学 校,高 等 学 校 にお け る教 科 担 任,学 年 担 任 の先 生 方 の
学 期 ご と の,ま た,学 年 末 の成 績 処 理 と その 省 力 化 等 につ い て,誰 き る よ う に解 説 した。 ま た,こ も示 した。
にで も利 用 で
こで は ソ フ トウ ェ アを 利 用 した処 理 方 法 につ いて
以 上,こ
れか らコ ン ピュ ー タを 学 習 す る人,コ
ン ピュ ー タ に関 連 す る数 学 を 学
習 し,教 育 しよ う とす る人,数 値 計算 に習 熟 し数 学 の社 会 に お け る有 効 な 活 用 を 図 る人,さ
らに,数 学 の ソ フ トウ ェ アを 有 効 に利 用 しよ う とす る人 々 に と って,
この全10巻
の 書 が 座 右 の銘 の ご と く,有 効 に活 用 され る こ とを 願 って や ま な い 。
な お,多 忙 な 中 を この シ リー ズ の執 筆 に あ た られ た 白石 和 夫,高 橋 公,飯 三,室
田健
岡和 彦,佐 藤 公 作,志 賀 清 一,山 路 進,金 子 伸 一 の各 氏 に お礼 を 申 し上 げ
る と と もに,本
シ リー ズの 出版 を 企 画 ・推 進 して くだ さ っ た東京 電機 大学 出版局,
お よ び終 始 ご助 言 くだ さ った 同編 集課 長 朝 武 清 実 氏 に深 甚 の感 謝 を捧 げ た い。 1995年3月
監修 片桐 重延
は じめ に 確 率 統 計 は従 前 か らあ る高 校 数 学 の一 分 野 で あ る。 しか し,今 回 の執筆 にあた っ て は,そ の 取 扱 い方 法 を一 新 す る と と もに,従 前 か らの確 率 統 計 の 内 容 に 多 く の新 しい内 容 を加 え た こ とに そ の特 徴 が あ る。 ま た,必 要 な箇 所 で は コ ン ピュ ー タを使 用 して 計 算 の能 率 化 を 図 った。 こと に,第1章
個 数 の処 理 に於 て は,日 常 的 な素 材 を取 り上 げ,「 数 え あ げ
の原 理 」 を もと に して,も の の個 数 を数 え た り,そ の並 べ 方 を順 序 よ く作 る方 法 を取 扱 った。 そ の た め に,辞 書 式 順 序 に並 べ た り,樹 形 図 を作 った り,鳩 の巣 原 理 につ いて 紹 介 す る よ うに した。 これ らの こと を も とに して集 合 の要 素 の個 数 を 数 え た り,順 列 や組 合 せ の数 を数 え るな ど高 校 生 に も十 分 取 扱 え る よ うに考 え た。 第2章
確 率 の基 礎 で は,不 確 な現 象 と確 率 の問 題 を取 り上 げ,確 率 の意 味 を
誰 に もわか る よ うに と考 え た。 そ して,条 件 付 確 率 へ と発 展 す る よ うに した。 ま た,第1章,第2章
に於 て は,コ
第3章 確 率 分 布 で は,2項 第2章,第3章
ン ピ ュー タを初 歩 的 に取 扱 った。
分 布,正 規 分 布,そ の 他 の 分 布 を 取 扱 うと と もに,
で確 率 と確 率 分 布 の基 礎 の大 方 を取 り上 げ た っ も りで あ る。
第4章 で は,確 率 の応 用 と して,ツ キ の確 率,情 報 量 と符 号 化,ゲ ー ムの理論 ,マ ル コ フ過 程を 紹 介 す るよ うに した。 第5章
デ ー タ解 析,第6章
統 計 的推 測,第7章
従 前 か らの 取 扱 い を元 に して そ の 内容 を紹 介 した が,コ
多 変 量 の統 計 につ い ては, ン ピ ュー タが デ ー タ処 理
に重 要 な役 割 を果 た して い る。 以 上,確 率 統 計 を新 しい視 点 か ら取 り上 げ る と共 に コ ン ピ ュー タを そ の 場 そ の 場 で適 切 に利 用 した。 本 書 が これ か ら確 率 統 計 に つ い て学 ぼ う と して い る人達 に と って 少 しで もそ の端 諸 にな れ ば 幸 い と存 ず る次 第 で あ る。
1995年5月
著 者 しるす
目
次
第1章 個 数の処理 1.1
1.2
1.3
順 列 ・組 合 せ 列
1
[1]
順
1
[2]
重 複 順 列
4
[3]
同 じ も の を 含 む 順 列
5
[4]
組 合 せ
6
[5]
重 複 組 合 せ
8
[6]
順 列 ・組 合 せ の 構 成
10
数 え あ げ の 原 理
12
[1]
和 の 法 則
13
[2]
積 の 法 則
15
[3]
鳩 の 巣 原 理
16
[4]
数 学 的 帰 納 法
16
[5]
コ ン ピ ュ ー タ の 利 用
18
応 用 問 題
20
[1]
部 分 集 合 の 個 数
20
[2]
出 会 い 数
22
[3]
2項 定 理
24
練 習 問 題
25
第2童 確 庵 の 基 礎 2.1
不 確 か な 現 象 と確 率
27
2.2
2.3
2.4
[1]
さ い こ ろ 投 げ
27
[2]
男 児 の 出 生 率
30
[3]
疑 似 乱 数
30
[4]
シ ミュ レ ー シ ョ ン
31
同 様 に 確 か ら し い と き の 確 率
33
[1]
計 算 の し か た
33
[2]
確
34
[3]
シ ミュ レ ー シ ョ ン
認
35
事 象 と 確 率
37
[1]
根 元 事 象 と 標 本 空 間
37
[2]
い ろ い ろ な 事 象
39
[3]
加 法 定 理
42
条 件 つ き 確 率
45
[1]
確 率 の か け 算
45
[2]
条 件 つ き 確 率
46
[3]
事 象 の 独 立
48
[4]
コ ン ピ ュ ー タ の 利 用
50
練 習 問 題
51
第3章 確率分布 3.1
3.22
独 立 試 行52 [1]独
立 試 行 の 性 質
52
[2]
独 立 試 行 の 定 理
54
[3]
シ ミュ レ ー シ ョ ン
55
項 分 布57 [1]
確 率 分 布
57
[2]
2項 分 布
59
[3] プ ログ ラム
61
3.3 平 均 値 と分 散
64
[1] 平 均 値
64
[2]
65
2項 分 布 の平 均 値
[3] 平 均 値 の確 認
66
[4] 分
68
[5]
散
2項 分 布 の分 散
69
3.4 正 規 分 布
3.5
3.6
72
[1] 連 続 確 率
72
[2] 確 率 密 度 関 数
74
[3] 正 規 分 布
78
そ の 他 の 分 布
83
[1] 一 様 分 布
83
[2] 幾 何 分 布
84
[3] 超 幾 何 分 布
85
[4] ポ ア ソ ン分 布
87
中 心 極 限 定 理 [1] 和,積
の 分 布
[2] 大 数 の 法 則
88 89 92
練 習 問 題
96
第4章 確率 の応 用 4.1
4.2
ツ キ の 確 率 [1]
ラ ン ダ ム ウ ォ ー ク の 実 験
[2]
得 点 の 確 率99
97 97
情 報 量 と 符 号 化 [1]
情 報 量
105 105
4.3
[2]
ハ フ マ ン コ ー ド
110
[3]
コ ー ドの 長 さ と情 報 量
114
ゲ ー ム の 理 論115 [1]ゼ
4.4
ロ和 ゲ ー ム
115
[2]
混 合 戦 略
117
[3]
プ ロ グ ラ ム
122
マ ル コ フ 過 程 [1]
124
推 移 の モ デ ル 化1
24
[2]
行 列 の 積1
26
[3]
マ ル コ フ過 程
129
練 習 問 題
第5章 5.1
デ ー タ解 析 デ ー タ の 表 現 [1]
5.2
132
リー フ プ ロ ッ ト
134
[2]
度 数 分 布
135
[3]
累 積 度 分 布
137
[4]
プ ロ グ ラ ム
138
平 均 値 と 分 散140 [1]平
5.3
134
均 値
140
散
143
[2]
分
[3]
デ ー タ の 標 準 化
[4]
プ ロ グ ラ ム1
メ ジ ア ン,モ
146 48
ー ド
150
[1]
デ ー タ の 種 類
150
[2]
メ ジ ア ン,モ
ー ド
151
[3]
ボ ッ ク ス プ ロ ッ ト
154
5.4
[4]
パ ー セ ン タ イ ル 順 位
156
[5]
プ ロ グ ラ ム
157
相 関 係 数
159
[1]
相 関 図
159
[2]
相 関 係 数
160
[3]
プ ロ グ ラ ム
161
練 習 問 題
163
第6章 統計 的推測 6.1
6.2
6.3
サ ン プ リ ン グ
164
[1]
母 集 団 と標 本
164
[2]
サ ン プ リ ン グ
166
推
定
171
[1]
点 推 定
[2]
区 間 推 定1
[3]
標 本 平 均 の 分 布
178
[4]
平 均 値 の 推 定
181
[5]
比 率 の 推 定
185
検
172 75
定187
[1]
仮 説 と 判 断
188
[2]
比 率 の 検 定
191
[3]
平 均 値 の 検 定1
[4]
プ ロ グ ラ ム
練 習 問 題199
94 198
第7章 多変量 の統計 7.1
回 帰 分 析 [1]
201
直 線 の あ て は あ
201
[2]
最 小2乗
法
204
[3]
プ ロ グ ラ ム
206
[4]
曲 線 の あ て は め
208
[5]
プ ロ グ ラ ム
211
7.2
カ イ2乗
分 布 の 統 計
212
[1]
カ イ2乗
検 定 の 方 法
212
[2]
カ イ2乗
分 布
214
[3]
ク ロ ス 集 計
7.3
218
t分 布 の 統 計
219
[1]
t分 布 を 利 用 す る 問 題
220
[2]
t分 布 の プ ロ グ ラ ム
221
[3]
相 関 関 係 の 分 析
225
練 習 問 題
227
問 お よ び 練 習 問 題 の 解 答
索
230
(1) 問 の 解 答
230
(2) 練 習 問 題 の解 答
238
引
244
第1章 個数の処理 もの の 個 数 を 数 え た り,そ の 並 べ方 を順 序 よ く作 る方 法 は和 の法 則,積
の法 則 な どに ま
とめ られ る。 この原 理 は,集 合 の要 素 の個 数 や順 列 ・組 合 せ の個 数 を 数 え る こ と な ど に 応 用 され,さ
らに確 率 に用 い られ る。 こ こで は数 え あ げ の方 法 と原 理 を取 り上 げ,数
えあげ
や 組 合 せ の 基 本 的 な考 え方 の見 通 しを つ け る とと もに,離 散 確 率 へ の準 備 を行 う。
1.1
順 列 ・組 合 せ
情 報 化 社 会 で は多量 の デ ー タが あ ふ れ,情 報 を有 効 に収 集 し,整 理 す る こ とが 重 要 視 され て い る。 ま た,離 散 確率 で は与 え られ た条 件 を満 たす 場 合 を 考 え,そ の 個 数 を数 え あ げ る こ とが 必 要 に な る。 こ こで は順 列 ・組 合 せ と い う具 体 的 な問 題 を 中 心 に,そ れ らの 個数 を数 え あ げ る方 法 を調 べ て み よ う。
[1]
順
列
具 体 例 を も と に,デ (1)
ー タ な ど を 並 べ る と き の 方 法 と特 性 に つ い て 考 え る 。
順 列 とは何 か
デ ー タ の 式(1.1)の
よ う に,異
な る い くつ か の も の が あ る と き,そ
て を も れ な く並 べ る に は 工 夫 が 必 要 で あ る。
れ らの す べ
〔 例 題1〕
あ る 人 が,京 都,名 古 屋,大
阪 の 中 の2都 市 を巡 回 す る必 要 が で きた とい う。 巡 回 す る方 法 は どれだ けあ るか。
図1.1
〔 解1〕
京 都,名
古 屋,大
順 序 に 並 べ る と,次
3都 市 の 巡 回
阪 を 先 頭 の ア ル フ ァベ ッ トk,n,oで
の よ う に6通
表 し,辞
書式 の
り に な る。
kn,ko,nk,no,ok,on
〔 解2〕
〔解1〕 と同 様 に,京 都,名 古屋,
大 阪 の 各場 合 を 樹 形 図 で 表 す。 図1.2の 右 端 の 文字 の個 数 か ら総 数6が 得 られ る。
図1.2
樹 形図
〔 例 題1〕 で は3つ の異 な る ものか ら2つ 取 り出 して 並 べ る場 合 と,そ の個 数 を 考 え て い る。 一 般 に,n個 〔 例 題1〕 で は,例
の もの か らr個 取 り出 して並 べ た各 場 合 を順 列 と いう。
え ば,京
都 → 名古
屋 と名 古 屋 → 京 都 の 巡 回 の仕 方 が 異 な る もの と考 え て い る。 す なわ ち,
図1.3
順 列
図1.3が 巡 列 の す べ て で,こ れ は3つ の もの か ら2つ 取 り 出 して 並 べ た 順列 で あ る。 こ う した 順 列 を作 り,そ の個 数 を もれ な く数 え るた め に順 列 を辞 書 式 の順 序 に並 べ た り樹 形 図 を 作 った りす る。 例 え ば,図1.2の
樹 形 図 で は,左 側 の3本
の各 線 分 に つ いて 右 側 の 線分 が2本 ず つ あ るか ら,順 列 の個 数 は次 の よ うにな る。 3×2=6〔
本 〕
(1.1)
(2)
順列の個数
n個 の 異 な る も の か らr個 取 り 出 し て 並 べ る順 列 の 個 数 は,式(1.1)と 考 え れ ば 式(1.2)の
よ う に な り,こ
の 式 をnPrと
同 様 に
表 す 。 す な わ ち,
(1.2) こ こ で,nPnと
同 じ式 を
(1.3) で 表 し,nの
階 乗 と い う。 順 列 の 個 数 の 式(1.2)は
す こ と が で き る。 特 に0!は1と
階 乗 を 用 い て,次
の よ う に表
す る。
(1.4) な お,rは0≦r≦nの と す る。 こ こ で,0!は
範 囲 と す る 。 ま たnP0は 式(1.4)でr=0,nと
何 も 並 べ な い 場 合 と 考 え て1
お い た次 の 式 に も う ま くあ て は ま
る。
式(1.2)あ
る い は 式(1.4)か
問1 赤,黄,青,緑,茶
ら,nPrが
求 め ら れ る 。 例 え ば,n=4の
と き,
の色 を塗 った玉 が1個 ず つ あ る。 これ か ら3つ 選 ん で並 べ る方
法 は何 通 りあ るか。
(3)
プ ログ ラ ム
n個
の も の か らr個(0≦r≦n)と
って 並 べ る 順 列 の 個 数nPrの
掛 け 算 と割 り 算 の 個 数 は,式(1.2),式(1.4)で 計 算 量 の 少 な い 式(1.2)を
利 用 し てnPrを
計 算 に つ い て,
は そ れ ぞ れr個,n個 求 め る。
で あ る。
プ ロ グ ラ ム1.1
計算の結果 60
図1.4
問2
プ ロ グ ラ ム1.1を
用 い て7P0,7P1,…,7P7の
値 を 求 め よ。
[2] 重 複 順 列 今 度 は,同
〔 例 題2〕
じ も の を い くつ も 並 べ て よ い 場 合 に つ い て 考 え よ う。
数 字0,1を
合 わ せ て4つ
〔 解 〕 作 っ た 数 字 を 昇 順(小
並 べ て で き る 順 列 を 作 り,そ の 個 数 を 数 え よ。
さ い順)に
図1.5
こ れ ら の 順 列 で は0,1が も2通
り だ か ら,全
一 般 に,n個
並 べ る と,次
の よ う に な る。
重 複順 列
重 複 して 用 い ら れ て お り,各
部 で24=16通
桁 の と りか たはいず れ
り あ る。
の も の か らr個 重 複 を 許 し て 並 べ る 順列 の こ と を 重 複 順 列 と い い,
そ の 個 数 はnr通
り あ る。
問3 次 の並 べ 方 は何 通 りあ る か。 (a) 赤,黄,青,緑
の色 の 玉 が3個 ず つ あ る。 こ れ か ら3つ 選 ん で 並 べ る方法
(b) 0と1を5個
並 べ る方 法
〔 注 〕 特 に問3(b)は2進
数 と関 連 す る。
[3] 同 じもの を含 む 順 列 同 じ もの を何 個 か 含 ん で何 種 類 か の もの を並 べ る順 列 に つ い て考 え る。 これ は, 2項 定 理 や独 立 試 行 の定 理 な どに登 場 し,応 用 場 面 の広 い タイ プ の順 列 で あ る。 〔 例 題3〕
文 字aを2個,bを3個
並 べ る順 列 をす べ て作 り,そ の 個数 を数 え よ。
〔 解 〕 作 った 順 列 を 辞 書 式 に 並 べ る と,次 の よ う にな る。
図1.6
個 数 を 数 え る に は,ま
の 順 列 を 作 れ ば,そ
の よ う な2!3!個
ず 文 字a,bが
区 別 で き る と 考 え て,
の 個 数 は 全 部 で5!通
の 順 列 はaabbbと
個 ず つ で き る の で,も
同 じ もの を含 む 順 列
りで き る。 こ の と き 例 え ば,
い う順 列 に な る 。ababbな
ど他 の順 列 も2!3!
との 順 列 の 個数 は 次 の 式 で 表 され る。
一 般 に,文 字aをm個,bをn個
並 べ て で き る順 列 の 個 数 は,次
の式 で表 さ
れ る。
(1.5) この 式 は,次 に登 場 す る組 合 せ の個 数nCmと 3種 類,4種
同 じにな る。
類 の もの を並 べ る順 列 も同様 の 考 え 方 で 求 め る こ とが で き る。
問4
コ イ ンを6回 投 げ た と き,表 が ち ょう ど2回 出 る場 合 の個 数 を求 め よ。
問5
(1+x)5の
展 開 式 でx3の 項 は,xを3個,1を2個
並 べ た順 列 に な る こ とを 示 し,
x3の係 数 を 求 め よ
。
問6 同 じ大 き さ の赤 玉2個,白
玉3個,青
玉4個 を 並 べ る方 法 は 何 通 りあ るか。
[4] 組 合 せ 順 序 を 問 題 に せ ず,あ
る も の を 何 個 か 取 り 出 す 方 法 を 考 え よ う。 ま ず,順
列 と
の 関 係 を 具 体 例 で 調 べ て み る。
〔 例 題4〕
あ る グ ル ー プ で 仙 台,東
が 生 じた と い う。1人
京,名
が そ の 中 の3都
古 屋,京
都,大
阪 につ い て 調 べ る こ と
市 を 分 担 し て 調 べ る と き,調
べ方 には どん
な 場 合 が あ る か 。 そ の 個 数 も数 え よ 。 〔 解1〕
仙 台,東
式 に 並 べ る と,そ
京,名
古 屋,京
都,大
阪 を そ れ ぞ れs,t,n,k,oと
の 合 計 は 次 の よ う に10通
し,辞
書
り に な る。
kno,kns,knt,kos,kot,kst,nos,not,nst,ost 〔 解2〕
順 列 の 考 え 方 を 利 用 す る。 図1.7の
よ う に,1つ
の も の に6つ
の順列 が
あ る。
図1.7
し た が っ て,そ
順 列 と組 合せ の 関 係
の 個 数 は 次 の よ う に10通
り に な る。
〔 例 題4〕 の 〔 解1〕 の よ う に,異 な る もの か ら何 個 か 取 り出 した もの の こ と を 組 合 せ と い う。 異 な るn個 の もの か らr個 取 り出 した組 合 せ の個 数 を
と 表 す 。 そ の 値 は 次 の よ う に な る。
(1.6) な お,nCrは0≦r≦nの か らnCr=nCn-rが 例 え ば,4個
整 数 と し,特 にnC0=nCn=1と
す る 。 こ こで 式(1.6)
成 り立 つ。 の も の か ら 何 個 か 取 り 出 す 組 合 せ の 個 数 は,次
問7 赤,黄,青,緑,茶,紫
の よ うに な る。
の 色 を 塗 った 玉 が1個 ず つ あ る。 これ か ら3つ 選 び 出 す 方
法 は何 通 りあ るか 。
問8
10人 を5,3,2人
に分 け る方 法 は何 通 りあ るか。
こ こ で,組
合 せ の 個 数nCrを
計 算 す る 方 法 に は2通
計 算 量 は,そ
れ ぞ れ 次 の よ うに な る。
り あ り,掛
〓の 場 合,2n-1個
〓の 場 合,2r-1個
前 者 の 方 が 計 算 量 が少 な い ので,前 者 で ア ル ゴ リズ ムを 作 る。 プ ロ グ ラ ム1.2
計算の結果 10
図1.8
け 算 と割 り算 の
問9
プ ロ グ ラ ム1.2を
用 いて 次 の 各 値 を求 め よ。
7C0,7C1,7C2,7C3,7C4,7C5,7C6,7C7
[5] 重複組合 せ 今 度 は 同 じ デ ー タ や も の が,い
〔 例 題5〕
〔 例 題4〕 で 同 じ都 市 を 何 回 選 ん で も よ い と す る。 こ の と き,ど
な 組 合 せ が あ る か,ま 〔 解1〕
くつ も あ る 場 合 の 組 合 せ に つ い て 考 え る 。
仙 台,東
た そ の個 数 を数 え よ。
京,名
古 屋,京
都,大
阪 を そ れ ぞ れs,t,n,k,oで
れ ら を 重 複 して 用 い て よ い の で,図1.9の
図1.9
〔 解2〕
組 合 せ が で き,そ
kknは で あ る。 逆 に,例
始 ま る4つ
か ら下 に 辞 書 式 に 並 ん で い る の で,各
な る 文 字 と文 字 の 間 を 仕 切 り│で1通
の 個 数 は35に
な る。
の 各 グ ル ー プ は,と
も
組 合 せ は 文 字 を ○ で,異
り に 表 す こ と が で き る。 例 え ば,
〓 nosは〓
え ば, 〓はkns
〓はost
を表 す。 した が って,仕 切 り と ○ の 並 べ 方 と組 合 せ の1対1対 と ころ で,○
表 せ ば,こ
重複 組合 せ
上 の 組 合 せ でkkk,nnn,ooo,sssで
に左 か ら右,上
の よ う
を3個,│を4個
応 が つ け ら れ る。
並 べ た もの は 〔 例 題3〕 の 問題 場 面 と同様 の 「同
じもの を含 む順 列 」 だ か ら,式(1.5)と
同様 に考 えて その 個 数 は次 の よ うにな る。
この よ うに,あ る もの を 重 複 して 取 り出 す 組 合 せ の こ とを重 複組 合 せ とい う。 一般 に ,n個 の もの か らr個 取 り出 す 重 複組 合 せ の個 数 をnHrで 表 す 。 この 値 は
次 の 式 で 表 さ れ る。 た だ し,rは0以
上 の 整 数 とす る 。
(1.7) 例 え ば,4個
の も のか らr個 取 り出 す重 複 組 合 せ の個 数 は,次 の よ うに な る。
問10 方 程 式x+y+z+u=7の
解 の 個数 を求 め よ。 た だ しx,y,z,uは0以
上 の整
数 とす る。
問11 7枚 の デ ィ スケ ッ トを3人 に分 け る方 法 は何 通 りあ るか 。 た だ し,ど
の 人 に も少 な
くと も1個 は与 え る もの とす る。
重 複 組 合 せ の 個 数nHrを 1.2と
計 算 す る プ ロ グ ラ ム は,次
の式 を用 いて プロ グラム
同 様 に して 行 う。
(1.8) プ ロ グ ラ ム1.3
計算の結果 35
図1.10
問12
プ ロ グ ラ ム1.3を
用 い て,次
の 各値 を求 め よ。
6H0,6H1,6H2,6H3,6H4,6H5,6H6,6H7
[6] 順 列 ・組 合 せ の構 成 順 列 や 組 合 せ の1つ ひ とつ を作 る方 法 は,構 成 的 組 合 せ と呼 ばれ て い る。 順 列 や組 合 せ の個 数 を計 算 す る こ と は容 易 で あ るが,順 列 や組 合 せ の1つ ひ とつ を作 り出 す こ と は一 般 に難 し くプ ロ グ ラ ム も長 くな る。 利 用 で き るn,rは
限定 的で
はあ るが,簡 単 な方 法 を こ こで は取 り上 げ る。 〔 例 題6〕1か 〔 解 〕3重
ら5ま で の 数 か ら3つ 選 ん で並 べ る 順列 を作 れ(順 列 の構 成)。
の ル ー プで3桁 の 整 数 を作 り,そ の 中 で 各桁 の数 が異 な る もの を選 ん
で 出 力 す れ ば よ い。 プ ロ グ ラ ム1.4
図1.11
計算の結果 123 153 245 341 423 514
124 154 251 342 425 521
125 213 253 345 431 523
132 214 254 351 432 524
134 215 312 352 435 531
135 231 314 354 451 532
142 234 315 412 452 534
143 235 321 413 453 541
145 241 324 415 512 542
152 243 325 421 513 543
図1.12
問13 1か ら5の 数 字 か ら3個 取 り出 して並 べ る重 複 順 列 を構 成 す る プ ロ グ ラ ムを作 れ。
〔 例 題7〕1か 〔 解〕
ら5ま
で の 数 か ら3つ
プ ロ グ ラ ム1.4と (100の
取 り 出 す 組 合 せ を 作 れ(組
同 様 に し て,1か
位 の 数 字)<(10の
ら5を
使 っ て 作 る3桁
位 の 数 字)<(1の
合 せ の 構 成)。 の数 の中 で
位 の 数 字)
と な る もの を選 ん で 表示 す れ ば よ い。 プ ロ グ ラ ム1.5を
用 い て 重 複 組 合 せ を 構 成 して み よ う。 各 桁 で 重 複 す る数 が あ っ
て も よ い の だ か ら, (100の 即 ち,プ
位 の 数)≦(10の
ロ グ ラ ム の6行
の よ う にす れ ば よ い。
位 の 数)≦(1の
目 をIFi<=jANDj<=kTHEN
位 の 数)
プ ロ グ ラ ム1.5
計算の結果 123
1か ら5ま で,次
124
図1.13
125
134
で の 数 か ら3つ
の よ う に35個
135
145
234
235
取 り 出 す 重 複 組 合 せ は,1か
245
ら5か
345
ら な る3桁
の数
で き る。
111 112 113 114 115 122 123 124 125 133 134 135 144 145 155 222 223 224 225 233 234 235 244 245 255 333 334 335 344 345 355 444 445 455 555
問14 5つ の数1,2,3,4,5か
ら4個 取 り出 す重 複 組 合 せ を作 り出 す プ ロ グ ラ ム を 作 り,
そ の個 数 を求 め よ。
1.2 数 え あ げ の 原 理 場 合 の数 を求 め る と きの基 本 的 な法 則 は,数 え る対 象 を集 合 で表 現 す る こ と に
そ の特 徴 が あ る。 こ こで は,数 え あ げ の原 理 を 集 合 の 性質 と関 連 づ けて 示 そ う。
[1] 和 の 法 則 もの の集 ま りで そ の個 数 を数 え る と き,重 複 して 数 え な い よ う に注 意 す る。 和 の 法則 は,そ の と きの数 え方 を 問題 に す る。 〔 例 題8〕
大 小2個 の さ い こ ろ を振 って 出 た 目の 和 が6で あ るか,ま
た は ゾロ目
(同 じ数 の 目)で あ る場 合 の個 数 を求 め よ。 〔 解 〕2つ
の さ い こ ろで 大 き い方 の 目が1,小
さい方 の 目 が2の 場 合 を12の
よう
に 表 せ ば,和 が6で あ る場 合 は,次 の よ う に集 合 で表 す こと がで きる。
A={51,42,33,24,15} ゾ ロ 目で あ る場 合 も,次 の よ う に集 合 で 表 す こ とが で きる。
B={11,22,33,44,55,66} こ れ らの 集 合 の 個 数 を,そ
れ ぞ れn(A),n(B)と
表 せ ば,
n(A)=5, n(B)=6
共 通 集 合 はA∩B={33}でn(A∩B)=1 で あ るか ら,和 集 合A∪Bの
個 数 は,
図1.14
2つ の こ と が らA,Bに n(B)で
表 す と き,Aま
つ い て,そ た はBの
共 通 集合
れ ら が 起 こ る場 合 の 個 数 を そ れ ぞ れn(A),
起 こ る 場 合,A∪Bの
個数 について次 の式 が成
り立 つ 。 こ れ を 包 除 の 原 理 ま た は 和 の 法 則 と い う。A∩BはA,Bが
と も に起 こ
る場 合 で あ る 。
(1.9) 同 様 に 集 合A,B,Cに 集 合A,B,Cの
つ い て も,和
和 集 合A∪B∪Cの
の 法 則 が 次 の よ う に 成 り立 っ 。 個 数 は,
に な る。
図1.15
〔 注 〕AUBをAとBの
3つ の 共通 集 合
結 び,A∩BをAとBの
問15 1か ら100の 整 数 で4の 倍 数,6の 集 合A,Bの
結 びA∪Bと
倍 数,4ま
交 わ りA∩Bは,一
交 わ りと もい う。
た は6の 倍 数 の各 個 数 を求 め よ。 般 的 に次 の よ う に定 義 さ れ る。
ま た は, か つ,
こ こ で 空 集 合 φ の 要 素 は0で n(φ)=0で 集 合Aの
あ る 。 ま た,全 補 集 合 をAと
あ るか ら,
体 集 合 をU,
表 せ ば,
で あ る か ら, 図1.16
補 集合
(1.10) が 成 り立 つ。 ま た,集 合 で は次 の ド ・モ ル ガ ンの法 則 が成 り立 つ か ら
個 数 に つ い て も次 の性 質 が成 り立 つ。
図1.11
問16 1か ら100ま で の整 数 の 中 で,4の
ト ・モ ル ガ ン の 法 則
倍 数 で も6の 倍 数 で もな い数 の個 数 を求 め よ(こ
の よ うな数 の こ とを オ イ ラ ー数 とい い,整 数 の 問題 に よ く登 場 す る)。
[2]
積 の 法 則
福 岡,東 京,成 田 を結 ぶ主 な 交通 手 段 が,図1.18の
図1.18
よ うに あ げ られ る。
交通 手段の選び方
この と き,福 岡 か ら東 京 に 行 く方 法 は2通 りで,そ の お の お の に つ い て東 京 か ら成 田空 港 に行 く方 法 は3通 りあ るか ら,福 岡 か ら成 田 空 港 に行 く方 法 は 2×3=6〔
通 り〕
の 方 法 が あ る。 2つ の こ と が らA,Bが 場 合 が 起 こ る と す る。A,Bを せ ば 次 の 式 が 成 り立 ち,こ
あ り,Aの
起 こ る そ の お の お の の 場 合 に 対 してBの
こ み に し た と き 起 こ る す べ て の 場 合 をA×Bと
各 表
れ を 積 の 法 則 と い う。
(1.11) 問17 あ る診 療 所 の 健 康 調 書 に は43人 が 登 録 してお り,そ の 調 書 に は身 長,体 重,血 糖 値 な ど12項
目の 記 載 項 目が あ る と い う。 これ を コ ン ピュ ー タで 記 憶 す る に は,何 個 の デ ー タ
の 空 きを 用 意 して お け ば よ いか 。
問18
23×32=72の
約 数 の 個 数 を 求 め よ。
[3] 鳩 の巣 原 理 例 え ば,n+1羽
の 鳩 に 対 してn個
つ の 巣 箱 に 少 な く と も2羽
の 巣 箱 が あ っ た と す る。 こ の と き ど れ か1
の 鳩 が い る。
当 た り前 の よ うに 見 え る この こ とを鳩 の 巣 原 理 とい う。 鳩 の巣 原 理 は,あ る性 質 を 満 たす 場 合 の数 を数 え た り,あ る性 質 を もつ 場 合 が 実 際 に存 在 す る こ とを示 す と き に用 い られ る。 〔 例 題9〕
図1.19
鳩 の 巣 原理
あ る学校 の学 生 が生 ま れ た月 を札 に書 い て箱 に入 れ る。 この 箱 か ら札
を 元 に戻 す こ と な く1枚 ず つ 取 り出 す と き,生 ま れ た 月 が 一 致 す る札 が必 ず あ る の は何 枚以 上 の と きか 。 〔 解 〕12枚
で は,1,2,…,12と
な る可 能 性 が あ るが,13枚
で は鳩 の 巣 原 理 か
ら,必 ず 同 じ数 字 が 存 在 す る。 よ って13枚 以 上 の と き一 致 す る札 が必 ず あ る。 問19 図1.20の
よ う な9列
の格 子 が あ り,
縦 の ます 目 に赤 と青 の色 を一 色 ず つ塗 ると き, (a) 色 の塗 り方 は何 通 りあ る か。 (b) 同 じ塗 り方 の列 が1組 は あ る こ と を 示 せ。
図1.20
色 の 塗 り分 け
[4] 数学的帰納法 1枚 の紙 を半 分 に折 れ ば2枚 に な る。 それ を また 半 分 に折 れ ば4枚 に な る。 こ う して で き る数 列; 1,2,4,8,16,…
の 第n番
目 の数 をanと す れ ば,
(1.12) と い う性 質 が 成 り立 つ 。 式(1.12)の
よ う に,an+1をanな
い う 。 特 に 式(1.12)の
ど を 用 い て 表 した 式 を 漸 化 式 ま た は 再 帰 式 と
数 列 は 自 然 数nに
つ い て,次
式 の よ う に表 さ れ る。
(1.13) 式(1.13)の
よ う に,anをnの
再 帰 式(1.12)が
式 で 表 し た 式 を 明 示 式 と い う。
明 示 式(1.13)と
同 じで あ る こ と を 証 明 す る の に,次
の(1),
(2)を 示 す や りか た が あ る 。 (1) an=2nは,n=1で
成 り立 つ。
(2) an=2nがn=kで (1),(2)か
成 り立 つ と す れ ば,an=2nはn=k+1で
ら,式(1.12)と
式(1.13)は,す
図1.21
つ い て 一 致 す る。
数学的 帰納法の意味
こ の 証 明 で は,an+1=2an,a1=1か
とな って,an=2nが
べ て の 自 然 数nに
も成 り立 つ。
推 測 で き るが,こ
ら
れが 常 に成 り立つ こ と を(1),(2)で 示 して
い る。 この 方 法 を 数 学 的帰 納 法 とい う。 数 学 的 帰納 法 は,自 然数 に関 して帰 納 的 に得 た 式 や,数 え あ げ に つ い て推 測 し た性 質 が 常 に成 り立 つ こ とを確 認 す る と きに 用 い られ る。 問20 平 面 上 にn本
の 直線 が あ り,ど の2本
も平 行 で な く どの3本 す る。 このn本 分 の個 数 をanと
も1点 で交 わ ら な い と
の 直線 で分 け られ る平 面 の部 す れ ば,再 帰 関 係
an+1=an+n+1 が 成 り立 ち,次 の 明示 式 に な る こと を示 せ。
図1.22 n本
の直線の交点
[5]
コ ン ピ ュー タ の利 用
今 ま で に 取 り上 げ た 問 題 を コ ン ピ ュ ー タ を 用 い て 解 い て み よ う。 な お,プ
ログ
ラ ム が 小 さ い の で フ ロ ー チ ャ ー トは 省 略 す る 。
〔 例 題10〕1か
ら100ま
で の 整 数 で,4の
倍 数 で も6の
倍 数 で も な い もの の 個 数
を求 め よ。 〔 解 〕1か
ら100ま
で の 各 数 に つ い て,4の
倍 数 で も6の
倍 数 で もな い も の を 調
べ る。 プ ロ グ ラ ム1.6
計算の結果 67
プ ロ グ ラ ム1.6の
と し た と き,ド
中 心 は3行
目 で あ る 。 こ の 行 と50行
・モ ル ガ ン の 法 則 か ら 同 じ値 が 得 られ る 。
こ の プ ロ グ ラ ム を 使 っ てn=100,1000,10000の で き,そ
れ ぞ れ67,667,6667個
と きの 個 数 を 求 め る こ と が
に な る。 そ の 根 拠 を 探 る と き,包
る。
〔 例 題11〕72の 〔 解 〕72の
を,
約 数 を あ げ,そ
約 数 に は1と72を
の 個 数 を 求 め よ(問18)。 含 め る。
除 の原 理 を 用 い
プ ロ グ ラ ム1.7
計算の結果 1
2
3
4
6
8
9
12
プ ロ グ ラ ム1.7は,72が1か べ,も
18
ら72ま
36
変 数sを
最 初0と
72
12
で の 各 数 が72で
しそ う な ら そ の 数 を 表 示 し,最 後 に 変 数sを
〔 例 題12〕s=1+2+3+…+50の 〔 解〕
24
割 り 切 れ る か ど うか を 調
カ ウ ン トす る。
値 を求 め よ。 お き,1,2,…
を 順 次 加 え て い く。
プ ロ グ ラ ム1.8
計算の結果 1275
プ ロ グ ラ ム1.8の
計 算 の 結 果 は,次
の式 で 求 め た値 に等 しい こ とがわ か る。
(1.14) こ こ で あ げ た 例 題 の よ う に,コ
ン ピ ュ ー タ で は 和 の 法 則 な ど の 原 理 を 使 わ ず,
条 件 を そ の ま ま 表 現 して 結 果 を 求 め る こ と が で き る。 こ の や りか た を シ ミ ュ レ ー シ ョ ン と い い,そ
問21
れ を 行 う プ ロ グ ラ ム を シ ミ ュ レ ー シ ョ ン プ ロ グ ラ ム と い う。
次 の 問 題 を シ ミュ レー シ ョ ンプ ロ グ ラ ムを 作 って解 決 せ よ。
(a) 〔例 題8〕
の問 題
(b) 12+22+32+…+502の
値 を 求 め よ。
1.3 応 用 問 題 これ まで に挙 げた 数 え あ げの 方 法 を,さ [1]
らに い くつ か の問 題 に応 用 す る。
部 分 集 合 の 個 数
あ る場 合 の個 数 を 数 え る と き,対 象 を集 合 と考 え て個 数 を求 め る こ とが あ る。 〔 例 題13〕 〔 解1〕
集 合A={1,2,3,4}の
部 分 集 合 の個 数 を求 め よ。
要 素 の個 数 が0,1,2,3,4個
で あ る部 分 集 合 の個 数 を数 え る。
要 素 が0個;4C0=1個
φ(空
要 素 が1個;4C1=4個
{1},{2},{3},{4}
要 素 が2個;4C2=6個
{1,2},{1,3},{1,4},{2,3},{2,4},{3,4}
要 素 が3個;4C3=4個
{1,2,3},{1,2,4},{1,3,4},{2,3,4}
要 素 が4個;4C4=1個
A(全
よ っ て,1+4+6+4+1=16個 〔 解2〕
各 部 分 集 合 は,要
集 合)
体 集 合)
で き る。 素1が
あ る か な い か の2通
り で あ る 。 要 素2,3,4,5
に つ い て も 同 様 の こ と が い え る 。 部 分 集 合 に 要 素 が 属 し て い る と き ○,そ な い と き × を つ け る。 例 え ば,部
分 集 合{1,3}は
要 素1,3を
選 ん で い る か ら1,
3の 箇 所 に ○ を,2,4の
箇 所 に × を つ け る 。 部 分 集 合 の 取 り 方 は,1が2通
2,3,4に
り ず つ あ る。
つ い て も2通
よ っ て,そ
の 個 数 は,
2×2×2×2=16〔 に な る。
個〕
うで
り,
図1.23
〔 解3〕
要 素 の 選 び方
集 合A1={1},A2={1,2},A3={1,2,3},A4={1,2,3,4}と
集 合A1の
部 分 集 合 は φ,{1}の2個
こ こ で,A0=φ
と し,集
合Amの
お け ば,
で あ る。 部 分 集 合 の 個 数 をn(Am)の
と表 せ ば,次
の よ
うに な る。
一 方 ,集 合A2の 部 分 集 合 は,A1に
の よ う に2種
要 素2を 追 加 す るか 否 か で,
類 ず つ で き る か ら,
同様 に 考 え て,
し た が っ て,
図1.24
〔 例 題13〕 る の で,こ
再 帰 的 な 考 え方
に お い て,〔 解1〕,〔 解2〕 の 考 え 方 は 重 複 順 列 や 組 合 せ を 用 い て い れ ら を 組 合 せ 的 方 法 と い い,〔 解3〕 はAnをAn-1で
考 え る の で,こ
れ を再 帰 的方 法 とい う。 あ る もの を数 え る と き,そ れ を集 合 で と らえ 直 し,組 合 せ数 学 的 な考 え方 や再 帰 的 な考 え方 な どを使 う こ とを モ デ ル化 と い う。 〔 例 題13〕 で,要 素 の個 数 がn個 の 集 合Aの
部 分 集 合 の個 数 は2n個 あ る こ とが
推 測 さ れ,そ れ が常 に成 り立 つ こ と は数学 的帰 納 法 な どで示 す こ とが で き る。 問22 図1.25に
つ い て,次 の各 問 に 答 え よ。
(a) 長 方 形ABCDの
辺 に平 行 な直線 が あ
る と見 た と き,長 方 形 の個 数 を求 め よ。 (b) ABCDを
碁 盤 の 目状 の街 とみ た と き,
Aか
行 く最 短 の 道 の本 数 を 求 め
らCに
よ。 図1.25
長 方 形 と街 路
[2] 出会 い数 3つ の 数1,2,3を い は3番
目 に3が
並 べ る順 列 は6通 く る 場 合 は,次
り あ る が,1番
の よ う に4通
図1.26
目 に2,あ
る
りあ る 。
出 会 い数
問23 プ ロ グ ラ ム1.4を 修 正 し,1,2,3,4,5を 目 にkが
目 に1,2番
並 べ た 順 列 で,21543の
よ う に 第k番
くる もの だ け を 表 示 す る よ う にせ よ。
こ の よ う な 問 題 は 出 会 い の 問 題,帽
子 の 問 題,封
筒 の 問 題,一
致 の問 題 な ど と
呼 ば れ て い る。 和 の 法 則 を 利 用 し て 出 会 い 数 の 問 題 を 解 決 し よ う 。
〔 例 題14〕A,B,C,Dの4人
が 帽 子 を か ぶ っ て パ ー テ ィ に 出 席 し,会
場 の帽
子 か け に そ れ を か け た 。 帰 りが け に そ れ を 取 ろ う と し た と こ ろ帽 子 が 判 別 で きず, と り あ え ず 自分 の も の と 思 わ れ る 帽 子 を 取 っ た と い う。 こ の と き,4人 か が 自 分 の 帽 子 を と る場 合 は 何 通 りあ る か 。
の うち 誰
〔 解 〕Aが
自分 の 帽子 を と る場 合 の個 数 をn(A),Bが
個 数 をn(B)と
し,以 下 同様 にn(C),n(D)を
自 分 の 帽 子 を と る場 合 の
定 め る と,自
分 の帽子 を とる と
い う こと は,他 の人 が そ の 帽子 を と らな い こ とだ か ら,
ま た,
図1.27
4つ の 集 合
和 の 法 則 か ら,
(1.15) この 問 題 か ら,一 般 の問 題 場 面 を作 り,そ の結 果 を推 定 す る こと は容 易 で,次 の よ うに い う こ とが で きる。 これ を 出会 い数 と い う。 〔 例 題15〕n人
に1か
らnま で の番 号 をつ け,1か
らnと い う数 字 を 書 い た カ ー
ドを 持 って 並 ぶ と き,少 な く と も誰 か1人 が 自分 の番 号 と カ ー ドの番 号 が一 致 す る場合 は何 通 りあ るか 。
〔 解〕
〔 例 題14〕 か ら類 推 し て,求
め る場 合 の 数 は 次 の よ う に な る 。
1人 が 一 致 す る 場 合;(n-1)!×nC1 2人 が 一 致 す る 場 合;(n-2)!×nC2
(n-1)人
が 一 致 す る 場 合;1!×nCn-1=n n
n人 全 員 が 一 致 す る 場 合;0×nCn=1
求 め る個 数 は,包 除 の原 理 か ら次 の よ うに表 さ れ る。
(1.16) 問24 1か ら4ま で の数 字 を書 い た カ ー ド4枚 を横 に1列 にで た ら め に 並 べ る と き,ど kに つ い て も,左 か らk番 目 の カ ー ドの数 字 がkと
の
は な らな い場 合 は何 通 り あ るか 。
[3] 2項 定 理 場 合 の 数 の 視 点 か ら(a+b)nの 〔 例 題16〕
多 項 式(a+b)5を
〔 解 〕a3b2の
展 開 し た と き,a3b2の
係 数 はa, bを 図1.28の
同 じ もの を 含 む 順 列 の 式(1.5)か
と な り,こ
展 開 式 に お け る各 項 の係 数 に つ い て調 べ よ う。
れ がa3b2の
同 様 に して,(a+b)5の a5
よ う にaを3回,bを2回
ら,
係 数 と な る。
図1.28
係 数 を求 め よ。
a3b2の
展開式で
,a4b,a3b2,a2b3,ab4,b5
の係 数 は,そ れ ぞ れ次 の式 で表 され る。
順 列
と る こ と に な る。
5C0,5C1,5C2,5C3,5C4,5C5 (a+b)nを はnCrで
展 開 し た と き,arbn-rの
表 さ れ,図1.29の
係 数
よ う に した もの
を パ ス カ ル の 三 角 形 と い う。 こ の と き,展
開 式 は,
図1.29
パスカルの三角形
(1.17) の よ う に な り,こ 2項 定 理 は2項
れ を2項
定 理 と い う。 た だ し,nは
正 の 整 数 と す る。
分 布 の 基 礎 に な っ て い る。
問25
2項 定 理 を 用 い て1.015を
問26
4C0+4C1+4C2+4C3+4C4の
求 め よ。
値 を 求め
よ 。
問26の 結 果 と 〔例 題13〕 を結 び つ け れ ば,次 の問 題 を 解 くこ とが で き る。 「要 素 の個 数 がn個
あ る集 合 の部 分 集 合 の 個 数 は2nで あ る。」
もの の個 数 を数 え る こ とを 中心 に した組 合 せ 数 学 の こ とを 数 え あ げ 組 合 せ 論 と い う。 数 え あ げの 方 法 に は,自 然 数 と の対 応 をつ け る組 合 せ 論 的 な 方 法,再 帰 的 な関 係 を 導 く再 帰 的 な方 法,2項
定 理 の考 え方 を拡 張 した母 関 数 の方 法 な ど が あ
る。
練習問題 1. 易 の卦 は――
と―
を6個 用 い て〓
の よ うに 表 す 。―
を2個 用 い た 卦 の
個 数 お よ び,卦 の総 数 を求 め よ。 2. 5人 で じゃん け ん を1回 す る と き,次 の問 に答 え よ。 (1) 手 の 出 し方 は何 通 りあ る か。(2) (3) 2人,3人,4人
1人 だ けが 勝 つ 場 合 は何 通 りあ るか。
が 勝 つ場 合 は,そ れ ぞ れ何 通 り あ るか 。
(4) あ い こ に な る場 合 は何 通 りあ るか 。 3. コ イ ンを6回 投 げ る と き,ち
ょ うどk回 表 が 出 る場 合 は何 通 りあ るか 。k=0,1,2,
3,4,5,6につ
い て 求 め よ 。 ま た,そ
4. 文 字a,bを5枚 (1) aが
れ らの 和 を 求 め よ 。
ず つ 書 い た カ ー ド10枚
ち ょ う ど0,1,2,3,4,5枚
(2) 2nCn=(nC0)2+(nC1)2+…+(nCn)2を 5. 5,55,555,5555,… に な る 。 た だ し,nは2,5で 鳩 の巣 原 理 で証 明 せ よ。
と い う数 がn+1個
か ら5枚
無 作 為 に 取 り 出 す と き,
あ る の は そ れ ぞれ 何 通 りか 。 示せ。 あ る 。 こ の 中 の 少 な く と も1つ
はnの
倍 数
割 り切 れ な い 数 と す る 。 こ れ を プ ロ グ ラ ム を 作 っ て 確 か め,
第2章 確率の基礎 情 報 化 社会 で は,情 報 の伝 達 や処 理 が 確 実 に 行 わ れ る よ うに み え る。 しか し,降
水確 率
や 伝 達 ミスな ど,不 確 か な 現 象 が 新 しい 形 で 登 場 して い る。 こ こで は不 確 か な 現 象 を 可 能 性 の度 合 い と考 え て,確 率 を 取 り扱 う こ と に し よ う。
2.1 不 確 か な現 像 と確 率 現 代 で は コ ン ピュー タの 助 け を借 りて 不 確 か な現 象 の特 性 を 明 らか に し,起 こ りや す さ を求 め る こ とが で き る よ うに な って きた。 不 確 か な現 象 を 取 りあ げ,そ れ を数 学 的 に モデ ル化 す る に は ど う した らよ い だ ろ うか。
[1] さ い こ ろ投 げ さ い ころ投 げで は,初 め の状 態 が ほ ん の少 し変 わ った だ けで 異 な った結 果 が生 じ る。 原 因 → 結 果 の メ カ ニ ズ ム が再 現 で きな い現 象 を不 確 か な現 象 とい う。
図2.1
不確 かな現象
そ こで,さ
い ころ を投 げ る と きど ん な高 さ か らどん な位 置 で 投 げ た らど うな る
か と い う側 面 で の追 求 はせ ず,そ の代 わ り,1か
ら6の 目が 同 じ可 能 性 で 起 こ る
と考 え て 特 性 を探 求 す る。 不 確 か な現 象 の中 で,1の
目か ら6の 目の よ う に,そ
れ 以 上 分 け られ な い こ とが らがす べ て等 し く起 こ る こ と を同 様 に確 か ら しい とい う。 この 規 則 性 に着 目す れ ば,確 率 を計 算 す る こ とが で き る。 こ こで は,さ い こ ろ投 げ に お け る不 確 か さ の特 性 を さ らに詳 し く調 べ よ う。
図2.2
同 様 に 確 か ら しい 起 こ り方
(1) 収 束 性 実 験 や 観 察 を繰 り返 し行 い,あ
る こ とが らAの 起 こ った 回数 を数 え た と き,
Aの 起 こ った 回数
/実験 回数 をAが
起 こ る相 対 頻 度,ま
た は相 対 度 数 と い う。
図2.3
ば らつ き の よ う す
さ い こ ろ振 りを 何 回 も繰 り返 す と き,図2.3の ほ ぼ 同 じ値 に な り,回 数 を 増 や した と き1/6を
よ うに,各 目 の 出 る相 対頻 度 は 中 心 に そ の ば らつ きが 小 さ くな っ
て い く。 (2) 無 規 則 性 一 方,さ
い こ ろを 実 際 に振 って 出 た 目を例 え ば40個 記録 す る と,次
の よ うに
な る。 11456
44654
65413
11353
14224
51332
35341
52321
こ の 列 の2,4,6,… 15464
番 目 を 取 り 出 し て み る と, 51133
の よ うに な るが,こ
42532
54531
の数 列 に規 則 性 は見 い出 せ な い。
さい ころ 振 り を多 くの回 数 実 験 す る と,起 こ る こ とが らに次 の性 質 が あ る。 ・実 験 回 数 を 多 くす れ ば,各 目 の相 対 度 数 は一 定 の値1/6に ・部 分 的 に取 り出 した もの に規 則 性 が な い。 こ の2つ
近 づ く。 (2.1)
の 性 質 を で た ら め ま た は ラ ン ダ ム と い う 。 ま た こ の 性 質 を もつ 実 験 や
観 察 の こ と を 試 行 と い う。 ト ラ ン プ か らで た ら め に1枚 と 同 じ よ う に 考 え,特
取 り出す こと な ど も これ
に無 作 為 抽 出 と い う。
じ ゃ ん け ん や コ イ ン投 げ が 本 当 に で た ら め な 結 果 に な る か ど うか は,性 質(2.1) に 照 ら し合 わ せ て 実 験 す る こ とで 判 断 す る こ と が で き る 。 な お,図2.3の20000 回 は,100人
の 人 が200回
ろ 投 げ を200回
行 っ た 試 行 の 結 果 を ま と め た も の で,100個
の さい こ
行 っ た 結 果 と 同 じ と み な し て い る 。 こ れ が 成 り立 つ 性 質 の こ と を
エ ル ゴ ー ド性 と い う。 さ い こ ろ 投 げ は 古 くか ら不 確 か な 現 象 と し て 知 ら れ,占 て き た の で,で
た らめ な こ と を 多 くの 人 が 経 験 的 に 知 っ て い る。 そ こ で,さ
投 げ や コ イ ン投 げ な ど で 考 え る確 率 の こ と を 経 験 的 確 率,数 問1 次 の 実 験 を行 い,で た らめ さ に つ い て の性 質(2.1)を (a) 1円 玉 を50,100,200,400回 (b) 〓
い や か け事 な ど に用 い い ころ
学 的 確 率 な ど と い う。
調 べ よ。
投 げ て表 の 出 る 回数 を数 え る。 … の右 辺 の数 字 の 出方 を調 べ る。
[2] 男 児 の 出 生 率 日本 で は男 の 子 の 生 まれ る度 合 いが,女
の子 の そ れ よ り も少 し大 き い こ とが 知
られ て い る。 この 割 合 か ら,男 子 が生 まれ る確 率 は約0.51と
い え る。 男 児 が や
や 多 い の に は,生 物 的 に何 か 理 由 が あ るの で あ ろ う。 しか し,我 々 はそ の メカ ニ ズ ムを 考 え ず,起
こ る こ とが らと その 可 能 性 につ い て,統 計 的 な デ ー タを根 拠 に
して 確 率 を 定 め る。 この よ う な確 率 の 決
表2.1 男 児 の 出生 率
め 方 を 統 計 的確 率 とい う。統 計 的 確 率 は 多 数 の デ ー タか ら確 率 を 決 め よ う と い う の で あ る。 また,表2.1の
出生 率 の例 か
ら,日 本 の あ る家 で生 ま れ る子 ど もが 男 児 と女 児 で 同様 に確 か ら し くな い こ とが
〔 注〕 厚生統計協会 「 国民衛生の動向 ・ 厚生 の指標」1995年8月
わ か る。 問2 画 鋲 を続 けて 投 げ た と き,針 が上 に 向 い た回 数 が 表2.2の ら,1個
よ う に な っ た。 こ の表 か
の画 鋲 を 投 げた と き,針 が上 を 向 く確 率 を求 め よ。 表2.2 画鋲 投 げ の実 験 結 果
[3]
疑 似 乱 数
で た らめ な 数 が生 じる現 象 の 中 に は,発 生 の しくみ は わ か って い て も事実 上不 確 か な 現 象 が あ る。 そ の 現 象 の で た らめ さ につ い て調 べ よ う。 (1) πの 小数 の桁 πを10進 小 数 で表 す と,次 の よ う にな る。 π=3.1415926535
8979323846
2643383279
5028841971
6939937510
5820974944
5923078164
0628620899
8628034825
3421170679
8214808651
3282306647
0938446095
5058223172
5359408128
4811174502
8410270193
8521105559
6446229489
5493038196
π の数 列 は マ チ ンの方 法 な ど で機 械 的 に作成 で き る。 しか し,そ の結 果 に つ い て は,例 え ば小 数 点 以 下 第50桁 らめ さ の性 質(2.1)で
が0で あ る こと は大 部 分 の 人 は知 らな い,で
た
吟 味 す る と ほぼ成 り立 つ。 そ こで,各 数 は0か ら9の 数 を
で た らめ に取 り上 げ るの と事 実 上 同 じに な る。 (2) 疑 似 乱 数 32ビ ッ トの コ ン ピ ュー タが作 る乱 数 は,基 本 的 に は次 の 漸 化 式 で 作 ら れ,こ の メ カ ニ ズ ム で作 られ る数 を疑 似 乱 数 と い う。
x0は 適 当 な 正 の 整数, aは4で 割 って1余 る正 の 整 数,cは こ こ で,xn+1はaxn+cを231で 動 くが,xnを231で
割 っ た余 り を 示 す 。xnは0<xn<231の
割 っ た 数xn/2^31は0と1の
疑 似 乱 数 の 小 数 点 以 下 第6位
間 の 数 に な る 。 次 の 数 は,そ
の
疑似 乱数
数 表 に あ る乱 数 の 利 用 法 は こ こ で は ふ れ な い 。
問3 図2.4の
乱 数 の小 数 点 以 下 第1位 が 偶 数 に な る個 数,奇
3の 結 果 は,性 質(2.1)の
[4]
間 を
を 四 捨 五 入 し た も の で あ る。
図2.4
な お,乱
正 の奇数
数 に な る個 数 を 求 め よ。 問
初 め の方 の部 分 的 な解 答 に な る。
シ ミ ュ レ ー シ ョ ン
あ る確 率 の 値 を,そ ン と い う。BASICで
れ が 起 こ る 現 象 を ま ね て 求 め る こ と を 確 率 の シ ミ ュ レー シ ョ はrnd(1)と
い う 関 数 で0か
ら1ま
で の 疑 似 乱 数 を 発 生 さ せ,
こ れ を 用 い て 確 率 の シ ミュ レ ー シ ョ ンを 行 う こ と が で き る。 プ ロ グ ラ ム2.1は, 疑 似 乱 数 を 扱 っ て さ い こ ろ 投 げ の シ ミ ュ レー シ ョ ン を 行 っ て い る 。
プ ロ グ ラ ム2.1
計 算 の結 果(初 期値1853) .157
.158
.191
.168
.171
.155
図2.5
こ の プ ロ グ ラ ム で は, ・1行 目 のRANDOMIZEで,乱 ・4行 目 のRND(1)で,0か ・5行 目 のINT(x*6)+1で,1か
数 の初 期 値 を で た らめ にす る。 ら1ま
で の 乱 数 を1つ
作 っ てxに
入 れ る。
ら6の 整 数 の 乱 数 を 作 りiを
さい こ ろの 目
とす る。 ・6行 目 のa(i)=a(i)+1で,さ 現 実 の 実 験 で も そ うだ が,こ
い こ ろ の 目iの 度 数a(i)を の シ ミュ レ ー シ ョ ンで1の
カ ウ ン トす る 。
目 の相 対 頻 度 が 確 率 に
近 づ く よ うす は 数 列 の 極 限 の よ う に 規 則 的 で は な い 。 こ れ が 確 率 の 実 態 で あ る 。 表2.3 1の 目の 相 対 頻 度
2.2 同様 に確 か ら しい とき の確 率 さ い こ ろ 投 げ で は,1の
目 が 出 る こ と が ら は,他
同 様 に確 か ら し い か ら確 率1/6と き の 確 率 の 計 算 を 行 い,コ
[1]
の 目の お の お の が 出 る こ と と
計 算 さ れ る。 こ こ で は,同
様 に 確 か ら しい と
ン ピ ュ ー タ で 実 験 し て み よ う。
計 算 の しか た
確 率 の値 を 計 算 す る と き の手 順 を 具 体例 で考 え る。 〔 例 題1〕
ジ ョー カ ー を 除 い た52枚 の トラ ンプ を よ く切 り,1枚 抜 き出 す と き,
それ が ハ ー トで あ る確 率 を求 め よ。 〔 解 〕 カ ー ドは全 部 で52枚,そ
同 様 に 確 か ら し い 現 象,例 あ る こ と が らAが
の うちハ ー トは13枚 あ るか ら求 め る確 率 は,
え ば さ い こ ろ 振 り,ト
起 こ る確 率P(A)は,次
ラ ン プ,コ
イ ン投 げ な ど で は,
の よ う に して 計 算 を 行 う。
Aが 起 こ る場 合 の個 数
(2.2)
/起 こ る場合 全部 の個 数 式(2.2)の
計 算 で は,順
列 の個 数 や組 合 せ
の 個 数 を 求 め て 確 率 を 求 め る。
問4 3本 の あ た り く じを 含 む10本 本 を 同 時 に 引 く と き,1本
の く じか ら3
図2.6
く じ引 き
だ け が 当 た り く じで あ
る確 率 を 求 あ よ 。
問5 4人 で じ ゃん けん を す る と き,ち
〔 例 題2〕
大 小 の さ い こ ろ2個
ょ うど2人 が 勝 っ 確 率 を 求 め よ。
を 同 時 に投 げ た と き,そ
に な る場 合 は ど ち らが起 こ りや す い か。
の 和 が7に
な る 場 合 と8
〔 解 〕 大 小 の さ い こ ろ の出 方 を す べ て あ げ る と,表2.4の
よ うに36通 り に な る。
各 場 合 は同 様 に確 か ら しいか ら,和 が7の 場 合 と8に な る場 合 の個 数 を数 え て, 表2.4 出 る 目 の和
よ っ て 和 が7に
な る場 合 が 起 こ りや す い。
さ い こ ろ を3回
振 る と き も同様 に して個 数
63=216で,す
べ て の 場 合 を尽 くす こ と が で
き る。
問6 10円 硬 貨 と100円 硬 貨1枚 ず つ を 同 時 に投 げ た と き,起 こ り得 る場 合 を す べ てあ げ, そ れ ぞ れ の確 率 を求 め よ。
[2]
確
認
式(2.2)の
計 算 は,起
こる場 合 のす べ て が 同様 に確 か ら し く起 こる ことが 条 件
に な る。 現 実 と合 わ な い場 合 に は,起 こ る こ とが らを再 度 調 べ 直 す必 要 が あ る。 〔例 題3〕
次 の確 率 の求 あ方 につ い て,誤
りを正 せ。
10円 硬貨 を2回 投 げ て表,裏 を見 る。起 こ り う る こ とが ら は表 表,表 裏,裏 裏 しか な い。 各 場 合 は,同 様 に確 か ら しい か ら表 裏 とな る確 率 は1/3で
〇〇 〇 表表 〔 解〕
● 表裏
表 裏 の 出 方 の 実 験 を100回
そ の 確 率 が1/2と
あ る。
●● 裏裏 か ら500回
行 っ て み る と,表2.5の
な る こ と が ほ ぼ 確 実 に推 定 さ れ,上
よ う に な り,
の 結 論 と合 わ な い。
表2.5 実 験 結 果
そ こで 〔 例 題2〕 の よ うに考 え る。 い ま仮 に10円 硬 貨2枚 とす れ ば,各 場 合 は表2.6の
が大 小 で 区 別 で き る
よ うに表 す こ とが で き,各 場 合 が 同様 に確 か ら し く
表2.6
起 こ る とす れ ば,裏 と表 が 出 る確 率 は
と な っ て 実 験 結 果 と 合 う。 し た が っ て,起
コイ ンの 裏 表
こる
こ と が ら と そ の 確 率 は,
表表 が〓,表
裏 が〓,裏裏
が〓
とす れ ば よ い。 確 率 の 計 算 で は,同
様 に 確 か ら し く起 こ る こ と が ら を 現 実 に 見 合 う よ う に 考 え
る必 要 が あ る 。 〔 例 題3〕 は,過
問7 ゲ ー ム好 き のA君
去 の 数 学 者 が 間違 え た ほど の問 題 で あ った。
は,退 社 時 間 に な る と500円 硬 貨 を投 げて 退 社 後 の3行 動 を 公 平
に しよ うと して い る。 (a) 表 が 出 た ら駅 前 の ゲ ー ム セ ン ター に寄 る。 (b) 裏 が 出 た ら駅 裏 の ゲ ー ム セ ンタ ー に寄 る。 (c) コイ ンが立 った らま っす ぐ家 に帰 る。 彼 の方 法 を公 平 さ と い う点 か ら批 判 し,代 わ りに な る例 を1つ あ げよ。
[3]
シ ミ ュ レー シ ョン
2個 の コイ ンを投 げ,表 表,裏 表 か ど うか を見 る シ ミュ レー シ ョ ンを 次 の手 順 で行 お う。 ・0,1の
乱 数 をx=int(rnd(1)*2),y=int(rnd(1)*2)で2個
作 る。
・x=0,1で,1つ
目 の コ イ ン の 表,裏
を表 す。
・y=0
目 の コ イ ン の 表,裏
を 表 す。
,1で,2つ
・x+y=1で
,表
裏 また は裏 表 が 出 る事 象 を表 す。
この シ ミュ レー シ ョ ンの結 果 は 〔 例 題3〕 と ほ ぼ 同 じ結 果 に な り,そ
の正 しさ
を裏 づ け る。
問8
プ ロ グ ラ ム2.2の 結 果 を 用 いて,コ
イ ンが2回
と も裏 にな る相 対 頻 度 を 求 め よ 。
図2.7
プ ロ グ ラ ム2.2
計算の結果 0.256
0.496
1000
500
0.258
0.499
1500
0.250
0.493
2000
0.248
0.493
2500
0.252
0.492
2.3 事 象 と確 率 確 率 は,不 確 か な現 象 につ い て,そ の 中 の あ る こ とが らが起 こ る可 能 性 を 数 値 化 した もの で あ った。 こ こで は起 こ り得 る こ とが らを集 合 の考 え方 で 表 し,確 率 の 問 題 を解 決 しよ う。
[1] 根元事象 と標本空間 い ま,A,B2人
が じ ゃ ん け ん を し た と き に,あ
起 こ り得 る す べ て の 場 合 を 数 え る と,次 は,Aが
ぐー,Bが
い こ にな る確 率 を 求 め て み る。
の よ う に9通
ぱー を 出 し,「 ち ぱ 」 はAが
り に な る。 こ こ に 「ぐ ぱ 」
ち ょ き を,Bが
ぱ 一を 出す こと
を表す。 あ い こ に な る の は 「ぐ ぐ」,「 ち ち 」, 「ぱ ぱ 」 の3通
り に な る か ら,9通
りあ
る 各 場 合 の 起 こ り方 が 同 様 に 確 か ら し い と き,そ
の 確 率 は 次 の よ う に して 求 め ら
れ る。
図2.8
じゃん けん で起 こ り得 る こ とが ら は上 の9通
事 象
りあ り,各 場 合 はそ れ 以 上細 か く
で きず,そ れ らの起 こ り方 が み な 同様 に 確 か ら しい と き,そ れ ぞ れ の こ とが らを 根 元 事 象 とい う。 そ して,あ い こに な る事象Aは,根
元 事 象 を 用 い て,次
のよ
うに表 す こ とが で き る。 A={ぐ
ぐ,ち
ち,ぱ
ぱ}
一 般 に,根 元 事 象 を す べ て集 め た集 合 の こ とを標 本 空 間 とい う。 一 方,根 元 事 象 の どれ か が起 こ る こ とが らは根 元 事 象 す べ て を含 む の で,こ れ を全事象 とい う。 全 事 象 は標 本 空 間 と同 じに な り,任 意 の事 象 は標 本 空 間 の部 分 集 合 に な る。
〔 例1〕
さ い ころ を振 る と きの標 本 空 間 は,次 の6つ の根 元 事 象 か ら な る 集 合 で
あ る。 1の
目,2の
目,…,6の
目
偶 数 の 目 が 出 る 事 象 は 集 合{2,4,6}で
〔 例2〕
コ イ ン を2回 表 表,表
投 げ る と き の 根 元 事 象 は,次
裏,裏
表,裏
た だ し,「 表 裏 」 は1回 出 る 事 象 は,集
合{表
図2.9
表 さ れ る。
で あ る。
裏
目 に 表,2回
裏,裏
の4つ
目 に 裏 が 出 る こ と が ら を 示 す 。 表 が1回
表}で 表 さ れ る 。
偶 数 の 目の事 象
図2.10
表1回
の事 象
事 象 を 利 用 し て 確 率 の 問 題 を 解 決 し て み よ う。
〔 例 題4〕
大 小2個
の さ い こ ろ を 振 り,ゾ
賭 率 で 賭 け る と き,ど
ロ 目 に な る か,和
が6に
な るか を 同 じ
ち ら に賭 け るの が有 利 か判 定 せ よ。
〔 解〕
標 本 空 間 は,図2.11の
1・2は
大 小 の さ い こ ろ の 目 が,そ
ゾ ロ 目 に な る 事 象 は,次
よ う に36個
の 根 元 事 象 で 表 せ る。 こ こ で 例 え ば,
れ ぞ れ1,2で
の よ う に6つ
あ る こ とを 示 す 。
の根 元 事 象 か らな る。
{1・1,2・2,3・3,4・4,5・5,6・6} ゾ ロ 目 に な る 確 率 は,
他 方,和
が6に
な る 事 象 は 次 の よ う に5つ
の 根 元 事 象 か らで き て い る 。
{1・5,2・4,3・3,4・3,5・1}
和 が6に な る確 率 は〓
と な っ て,ゾ
ロ 目 に賭 け る方 が 有 利 で あ る。
図2.11
一 般 に,あ 事 象Aが
る事 象Aに
2個 の さ い こ ろ 投 げ の 標 本 空 間
根 元 事 象 がm個
起 こ る確 率P(A)は,次
あ り,全 事 象 に根 元 事 象 がn個
あ れ ば,
の式 で求 め られ る。
(2.2) さ い こ ろ を 使 っ た 賭 け の 方 法 は 数 多 く あ る が,〔 例 題4〕 の よ う に,確
率でそ の
有 利 性 を 判 断 す る こ と が で き る。 問9
さ い ころ2個 を投 げ,目 の和 が6ま た は7で あ る場 合 と,目 の 差 が1で
あ る場 合 を
同 じ賭 け率 で賭 け る と き,ど ち らが有 利 か判 定 せ よ 。
[2]
い ろ い ろ な事 象
事 象 は集 合 と同 じ扱 い方 を す る こ とに特 徴 が あ る。 事 象 の 考 え 方 で 問題 を解 決 す る こ とを 考 え よ う。 (1) 空 事 象 コ イ ン投 げ で 図2.12の
よ うに側面 で
立 つ こ とが らは,実 際 に は起 こ らな い。 この よ う に,実 際 に は起 こ らな い事 象 の こ とを 空 事 象 と い い,φ
で表 す。 空 事
象 φが 起 こ る確 率 は0で あ る。
図2.12
(2) 和 事 象 と積 事 象 大 小2個
の さ い こ ろ を 振 る と き,ゾ 1・1,2・2,3・3,4・4,5・5,6・6
ロ 目 に な る事 象 は
空事 象の例
と い う6つ
の 根 元 事 象 の ど れ か1つ
こ こ で 例 え ば,共 る の で,集
に1の
目 が 出 る根 元 事 象 は1個
合 の 記 号 で{1・1}の
こ の と き,ゾ
が起 こる ことが らで あ る。 の 要 素 を もつ 集 合 と 考 え られ
よ うに表 す 。
ロ 目 に な る事 象 をAと
す れ ば,Aは
次 の よ う に6つ
の根 元 事 象
の 和 集 合 と して 表 す こ と が で き る 。 A={1・1}∪{2・2}∪{3・3}∪{4・4}∪{5・5}∪{6・6} た だ し,Aを
次 の よ う に 表 す こ と もあ る。
A={1・1,2・2,3・3,4・4,5・5,6・6} こ こ で 和 が8で
あ る 事 象 をBと
す れ ば,ゾ
ロ 目 で 和 が8の
事象 は次の よ うに
表 せ る。
図2.13
一 般 に,2つ
ゾ ロ 目の 事 象 と和 が8の
の 事 象A,Bが
Bの 和 事 象 と い い,A∪Bと つBが
あ っ た と き,Aま 表 す 。 ま た,2つ
起 こ る と い う事 象 をA,Bの
図2.14
和 事 象A∪B
事象
た はBが の 事 象A
起 こ る と い う事 象 をA,
,Bが
積 事 象 と い い,A∩Bと
図2.15
あ っ た と き,Aか 表す。
積 事 象A∩B
問10 一 組52枚
の トラ ンプ で,ハ ー トで あ る事 象 をA,絵
次 の事 象 をA,Bで
排
す る と き,
表 し,そ の確 率 を求 め よ。
(a) ハ ー トま た は絵 札 (3)
札 で あ る事 象 をBと
(b) ハ ー トの絵 札
反
2個 の さ い こ ろ を 投 げ る 試 行 で,ゾ
ロ 目 の 根 元 事 象A={1・1}とB={2・2}
が 同 時 に 起 こ る こ と は あ り え な い 。 つ ま り,次
の 式 が 成 り立 つ 。
A∩B=φ,P(A∩B)=0
図2.16
一 般 に,事
排 反
象A,Bが
あ っ て 積 事 象A∩B=φ
あ る と い う。 ま た,事 の と き,A,B,Cは (4)
図2.17
象A,B,Cが
互 い に排 反
の と き,A,Bの
ことを排反 で
あ っ てA∩B=φ,B∩C=φ,C∩A=φ
互 い に 排 反 で あ る と い う。
余事象
事 象Aが
あ った と き,Aが
事 象 をAの
余 事 象 とい い,Aで
え ば,2個
起 こ らな い 表す。例
の さ い ころ を 振 る と き,半 で
あ る事 象 をAと
す れ ば,Aは
丁 である
事 象 にな る。 図2.18
Aと そ の 余 事 象Aは
余 事 象
互 い に排 反 で,和 事 象 は全 事 象 だ か ら,次 の 関 係 が 成 り
立 つ。 A∩A=φ
(空事 象)
A∪A=U と こ ろ で,事
象A,Aに
(全事 象) お け る根 元 事 象 の 個 数 を,そ
(2.4)
れ ぞ れn(A),n(A)と
す れ ば,
だ か ら,次
の 式 が 成 り立 つ 。
(2.5) 〔 例 題5〕a,b,c,d,eと
い う5枚
の 札 をA,Bと
い う2つ
の 箱 に 入 れ る と き,
ど の 箱 も空 に な ら な い 確 率 を 求 め よ 。 〔解 〕A,Bど
ち らか の 箱 が 空 に な る事 象 をEと
箱 に 入 れ る 方 法 は25通
り,A,
求 め る確 率 は 式(2.5)を
す る。5枚
Bが 空 に な る場 合 は,そ
の 札 をA,B2つ
れ ぞ れ1通
の
りず つ だ か ら,
用 いて
図2.19
札を箱に 入れる
問11 1か ら100ま で の 数 が書 いて あ る札 か ら2枚 抜 き取 る と き,そ
の 積 が 偶 数 で あ る確
率 を求 め よ。
[3]
加 法 定 理
集 合 の和 の 法 則 を 利 用 して,和 事 象 の確 率 につ い て考 え よ う。 (1) 確 率 の 和 の 法 則 1.2節 の数 え上 げ の 原理 で は,和 の法 則 が 次 の よ う に成 り立 つ。
一 方 ,A,B,A∪B,A∩Bが
起 こ る確 率 は,そ
れ ぞ れ 次 の よ う に 表 さ れ る。
した が って,次
の式 が 成 り立 ち,こ れ を確 率 の加 法 定理 とい う。
(2.6) 〔 例 題6〕
一 組52枚
の ト ラ ン プ か ら1枚 抜 い た と き,そ
れ が ハ ー トか ジ ャ ッ ク
で あ る確 率 を求 め よ。 〔 解 〕1枚
の トラ ン プ が ハ ー トで あ る 事 象 をH,ジ
だ か ら,
ャ ッ ク で あ る事 象 をJと
図2.20
トラ ン プ の 標 本 空 間
問12 1か ら100ま で の番 号 をつ け た100枚 の カ ー ドか ら1枚 抜 き取 る と き,そ た は6で 割 り切 れ る確 率 を 求 め よ。
す れ ば,
れ が4ま
特 に,A,Bが
排 反 つ ま りA∩B=φ
の と き,P(A∩B)=0だ
か ら
(2.7) が成 り立 ち,確 率 の加 法性 とい う。 加 法 定理 とそ れ に 関連 す る式を まとめ てお く。 ・加 法 定 理;事
・加 法 性;A
象A
,Bが
,Bに
排 反 つ ま りA∩B=φ
・余 事 象;事 象AとAに
式(2.7)を
つ い て,
の と き,
つ いて
利 用 して 確 率 を 求 め て み よ う。
〔 例 題7〕20個
の製 品 の 中 に3個 の 不 良 品 が 入 って い る。 この 中か ら無 作 為 に3
個 の製 品 を取 り出す と き,不 良 品 が1個 以 下 で あ る確 率 を 求 め よ。 〔 解 〕 取 り出 し方 は全 部 で20C3通 りあ る。 ま た,不 良 品 が0個,つ
ま り3個 と も
良 品 の場 合 は17C3通 り あ るか ら,そ れ が 起 こ る確 率 は
不 良 品 が1個 あ る か ら,そ
の 場 合 は18C2・3C1通
り
れ が 起 こ る確 率 は
図2.21
不 良 品 の 取 り出 し
2つ の事 象 は排 反 だ か ら,求 め る確 率 は次 の値 に な る。
問13 赤玉3個,白 確 率 を求 め よ。
玉4個 入 って い る袋 か ら玉 を2個 同 時 に取 り出す と き,同
じ色 で あ る
2.4 条 件 つ き確 率
くじ引 きで は何 番 目に 引 い て も当 た る確 率 は同 じで あ る とい わ れ る。 ここで は,
確 率 の値 を か け る こ との意 味 を探 り,条 件 つ き確 率 の 考 え 方 を ま と め よ う。 [1]
確 率 の か け算
いま,A君
とB君 が コ イ ンを使 った ゲ ー ムで, A君 は次 の よ う に 考 え て い る。
・コイ ンを投 げ ,表 が 出 た らA君
の勝 ち
・裏 が 出 た ら再 度 コイ ンを投 げ,表 が 出 た らA君
の 勝 ち,裏
が 出 た らB君 の
勝ち
こ こで,表 裏 の 出 方 は次 の3通
(a) 表 →A君
の勝 ち
(b) 裏 表 →A君
の勝 ち
(c) 裏 裏 →B君
の勝 ち
A君 が 勝 つ 場 合 は,B君 が1円
りで あ る。
が 勝 つ 場 合 の2倍 あ る。 そ こ で(a),(b)の 場 合, A君
も らい,(c)の 場 合,B君
がA君
か ら2円 も らえ ば よ い 。 お 人 好 しのB君
は これ に賛成 し,こ のゲ ー ムを 行 った。 表2.7 ゲ ー ム の得 点1
100回 繰 り返 し た と き,B君 でB君
は,B君
は 表2.7の
が 勝 つ(c)の 場 合 は,1回
目 に 裏 が 出 る 確 率 は1/2だ
か ら,こ
よ う に負 けが 重 な って し ま った 。 そ こ 目 に 裏 が 出 る 確 率 は1/2,さ
れをかけて
ら に2回
これ に 対 して,A君
が勝 つ確 率 は余 事 象 の確 率 で次 の よ うに求 め た 。
さ ら に 調 べ て 図2.22の
樹 形 図 を作 っ
た。 図2.22
新 た な ゲ ー ム で は,(a)で 点,B君
が-2点,(c)で
はA君 はA君
が+1点,B君
ゲ ー ム の モ デ ル
が-1点,(b)で
が-4点,B君
が+4点
はA君
が+2
と した。
表2.8 ゲ ーム の 得 点2
100回
コ イ ン投 げ を 行 っ た 結 果,B君
公 平 で な い こ と の 判 断 は,第6章
[2]
は 負 け て い る が ほ ぼ 公 平 に な っ た 。 な お,
の 検 定 で 行 う こ と が で き る。
条 件 つ き確 率
上 の コイ ン投 げ の ゲ ー ム の問 題 で確 率 の積 の意 味 を考 えて み よ う。 ・1回
目の コ イ ン投 げ で裏 が 出 る事 象 をE,表
が 出 る事 象 をE
・2回
目の コイ ン投 げ で裏 が 出 る事 象 をF,表
が 出 る事 象 をF
とす る と き,標 本 空 間 が 次 の よ う にで き る。
図2.23
コ イ ン投 げ の標 本 空 間
図2.24
部 分 的 な 標 本 空間
こ こで,B君
が勝 つ の は2回 と も裏 が 出 る事 象 だ か らE∩Fと
表 せ て,
(2.8) と計 算 され る。 式(2.8)で,前
の 方 の 確 率1/2は,図2.24で
式(2.8)で,後
ろ の 確 率1/2はEと
事 象Eの
確 率 に な る。
い う条 件 が 成 り立 つ と き に 事 象Fが
成 り立 つ 確 率 にな って い る。 この 確 率 の こ とを条 件 つ き確 率 とい い,次 の式 で表 す。
式(2.8)は
次 の 式 に な り,こ
の 式 を 確 率 の 乗 法 定 理 と い う。
(2.9) こ う して 確 率 の か け 算 の 意 味 が 説 明 さ れ る。 次 に,乗
法 定 理 を 用 い て く じ引 き の 問 題 を 解 い て み よ う。
〔 例 題8〕10本
の う ち1本
が 当 た り で あ る く じを,A,Bの
こ の と き,Aが
当 た り く じ を 引 く確 率,お
よ びBが
順 に1本
ず つ 引 く。
当 た り く じを 引 く確 率 を求
め よ。 〔 解 〕Aが
当 た り く じ を 引 く確 率 は1/10,Bが
は ず れ,か
つBが
当 た る確 率 だ か ら,乗
当 た り く じ を 引 く確 率 は,Aが
法 定 理 の 式(2.9)か
ら,
こ こ に, 図2.25
く じ引 き の 樹 形 図
は,Aが
は ず れ く じを 引 く確 率,
は,Aが
は ず れ の と き にBが
当 た る 条 件 つ き 確 率 で あ る 。 こ う し て,く
じ引 き
で 当 た る確 率 は順 番 に よ らな い こ とが 乗 法 定 理 で 示 され た 。
問14 10本 の うち3本 が 当 た りで あ る く じを,A,Bの が 当 た り く じを 引 く確 率,お
[3]
よびBが
事 象 の 独 立
条 件 つ き 確 率 を い くつ か の 具 体 例 で 調 べ,そ (1)
順 に1本 ず つ 引 く。 こ の と き,A
当 た り く じを 引 く確 率 を求 め よ。
の 事 象 の 特 性 に つ い て 考 え よ う。
条 件 つ き確 率 の 事 象
〔 例 題9〕52枚1組
の ト ラ ン プ か らA君
しよ う 。 次 の 状 態 でA君
が1枚
抜 き 出 し,B君
が言 い当 て ると
が ハ ー トの ク イ ー ン で あ る と い っ た と き,当
た る確 率
を 求 め よ。 (a) で た らめ に い っ た と き (b) B君 が 赤 い ハ ー トの 印 を 見 て し ま っ た と き 〔 解 〕(a)は
全 体 で52通
り あ り,ハ
ー トの ク イ ー ン の 場 合 は1通
り だ か ら,求
め
る確 率 は〓 (b)は 全 体 で ハ ー トの13通
り あ り,そ
の 中 で ク イ ー ン の 場 合 は1通
り だ か ら,
そ の確 率 は〓 〔 例 題9〕 の よ う に 条 件 つ き 確 率PA(B)は,も
と の 確 率P(B)よ
り も大 き くな
る。
問15 トラ ンプ の絵 札12枚
か ら元 に戻 さず に1枚 ず つ 引 き,1枚
2枚 目 も ダ イ ヤ で あ る確 率 を求 め よ。
目が ダ イヤ で あ ったと き,
(2)
事 象 の 独 立,従
あ る 事 象A,Bが
属 あ っ た と き,次
の2つ
・Aが 起 こ っ た と い う条 件 の も と でBが
の 条 件 つ き 確 率 を 考 え る。 起 こ る 条 件 つ き確 率;PA(B)
・Aが 起 ら な か っ た と い う 条 件 の も と でBが こ の2つ
の 確 率 が 一 致 す る と き,事
象A,Bは
起 こ る 条 件 つ き確 率;PA(B) 独 立 で あ る と い い,そ
うで な い
と き 従 属 で あ る と い う。 A,Bが
独 立;PA(B)=PA(B)
A,Bが
従 属;PA(B)≠PA(B)
〔 例 題10〕
さ い こ ろ を1個
あ る 事 象 をBと 〔 解〕
図2.26か
振 る と き,出
す る 。 こ の と き,A,Bは
る 目 が2以
下 で あ る 事 象 をA,偶
独 立 か従 属 か を調 べ よ。
ら,
図2.26
よ っ て,A,Bは 〔 例 題10〕
数 で
さ い こ ろの 事 象
独 立 で あ る。
で は,出
る 目 が1,2か
否 か は,偶
数 が 出 る確 率 に影 響 し な い 。 こ
れ が 独 立 の 具 体 的 な 意 味 で あ る。 一 方,〔 例 題10〕 で は,次
の 式 が 成 り立 つ 。
PA(B)=PA(B)=P(B) P(A)・P(B)=P(A∩B) 式(2.10)は,独
(2.10)
立 か 従 属 か の 判 定 に よ く用 い ら れ る 。
問16 さ い ころ を1個 振 る と き,出 る 目 が3以 下 で あ る事 象 をA,偶 す る。 こ の と き,A,Bは
独 立 か 従 属 か を調 べ よ。
数 で あ る事 象 をBと
[4]
コ ン ピュー タ の利 用
本 節 の[1]で
取 り上 げ たA,B両
君 の ゲ ー ムを シ ミュ レー シ ョ ンす る こ と を
考 え,答 え が 正 しい こ とを確 認 して み よ う。 ・コ イ ンを投 げ,表 が 出 た らA君
の勝 ち とす る。
・裏 が 出 た ら再 度 コイ ンを投 げ,表 が 出 た らA君
の 勝 ち,裏
が 出 た らB君
の
勝 ち とす る。 プ ロ グ ラ ム2.3
計算 の 結 果(初 期 値46の 1
2
0
1 ‐1
場 合) 0 ‐2 ‐1
‐ 4 ‐3 ‐2 ‐4 ‐3 ‐2 ‐1
0 ‐2
0
1 ‐1
0
1
2
3
1
2
3
4
5
7
8
6
7
8
9
7
8
9
8
9
10
11
12
6 7
13 14
15 16
19
20
18
19
17
18
16
17
18
19
20
21
19
20
21
22
20
21
22
23
21
19
20
21
22
23
24
25
26
27
25
26
27
28
26
27
25
26
27
28
29
30
31
29
30
31
29
30
31
図2.27
こ こで,表 裏 の出 方 と乱 数,得 点 を 次 の よ う にす る。 (a) 表;x≧0.5→A君
の 勝 ち で,A君
(b) 裏 表;x<0.5,y≧0.5→A君
17
18
が+1点,B君
が-1点
の 勝 ち で,A君
が+1点,B君
が-1点
(c) 裏 裏;x<0.5,y<0.5→B君
の 勝 ち で,A君
プ ロ グ ラ ム で は 乱 数x,yを こ と を,y<0.5の
と き2回
y<0.5の
と きA君
の 得 点pの
ム を100回
行 う。 各 回 で,B君
作 り,x<0.5の
期 値30の
と き1回
が+2点
目 の コ イ ンが 裏 で あ る
目 の コ イ ン が 裏 で あ る こ と を 表 す 。x<0.5か 値 を2減
ら し,そ
の 得 点 は-pに
実 行 結 果 は 初 期 値 に よ っ て 異 な り,ふ 例 え ば,初
が-2点,B君
よ う にB君
つ うB君
つ
れ 以 外 の と き1増 や す 。 こ の ゲ ー な る。 に と っ て 不 利 な 結 果 に な る が,
が 終 始 勝 ち 続 け る場 合 も あ る。
問17 プ ログ ラム2.3を 修 正 し,表2.8の
よ う に公 平 な 結 果 を作 り出 せ。
練習問題 1. 大 中 小 の さ い こ ろ3個 を 同 時 に 振 る と き,和 が7に な る場 合 と8に な る 場 合 は ど ち ら が 起 こ りや す いか 。 確 率 を 求 め て判 断 せ よ。 2. 2個 の さ い こ ろ を振 り,出 た 目の大 きい 方 が1,2,3,4,5,6で プ ロ グ ラ ム2.1を 修 正 し,1000回
あ る確 率 を そ れ ぞ れ 求 め,
繰 り返 して そ れ が 正 しい こ とを確 認 せ よ。
3. プ ロ グ ラ ム2.1を 修 正 して コイ ン3個 を投 げ る シ ミュ レー シ ョ ン プ ロ グ ラム を作 り, 1000回 の試 行 で 表 の個 数 が0,1,2,3の 4. 1円,5円,10円 そ の 確 率Pを
相 対 頻 度 を そ れ ぞ れ 求 め よ。
玉 を 投 げ 表 裏 を見 る試 行 で,根 元事 象 の個 数 と,表 が2枚
出 る事 象,
求 め よ。
5. 〔 例 題7〕 の不 良 品 の各 個 数 の 確 率 と,プ ロ グ ラ ム2.1を 利用 した 相対 頻 度 を求 め よ。
第3章 確率分布 不確 か な 現 象 が あ る と き,起 こ り得 る こ とが ら(事象)と そ れ が起 こる可 能 性(確 率)で 確 率 の 基 本 的 な 概 念 が で き上 が って い る。 こ こで はい ろ い ろ な確 率 と,そ の 特 性 に つ い て さ らに探 求 す る。
3.1 独 立 試 行 東 京 とパ リの 天 気,さ
い ころ投 げ と ル ー レ ッ トな ど,2つ
の不 確 か な 現 象 が 無
関 係 で 起 こ る こ とが あ る。 こ う した実 験 や 観 察 で起 こ る確 率 の特 性 につ い て考 え よ う。 [1]
独 立 試 行 の性 質
さ い こ ろ は,出 た 目 を記 憶 して い るわ けで はな い か ら,各 回 に振 って 出 る目 は 互 い に無 関 係 で,極 端 な場 合 に は続 けて10回
も1の 目が 出 る こ と も起 こ る。 コ
イ ン投 げや 画 鋲 投 げ で も同様 の こと が い え る。
図3.1
画鋲 投げ
1回 目 の 画 鋲 投 げ と2回
目 の 画 鋲 投 げ が 無 関 係 で あ る こ と を 数 式 で 考 え て み る。
1個 の 画 鋲 投 げ を 多 数 回 行 っ た と き, P(1個
の 針 が 上 を 向 く確 率)=0.6745
2個 の 画 鋲 投 げ の 試 行 で は, P(2個
と も針 が 上 を 向 く確 率)=0.455
に な っ た 。 こ れ は, P(上
を 向 く)×P(上
を 向 く)=P(2個
と も 上 を 向 く)
(3.1)
を示 して い る。 さ い こ ろ 投 げ で も,次 P(1回
目 に1の
=P(1回
の 式 が 成 り立 つ 。 目 が 出 る確 率)×P(2回
目 に1が
,2回
目 に 偶 数 の 出 る 確 率)
目 に 偶 数 が 出 る 確 率)
同 じ状 態 の もと で何 回 も繰 り返 す こ とが で き,起
(3.2)
こ った結 果 が偶 然 に支 配 さ れ
る実 験 や 観 察 の こ とを試 行 と い う。 試 行 を 何 回 も繰 り返 して行 い,こ の一 連 の試 行 を こみ に して1つ
の試 行 と考 え た と き,そ れ を反 復 試 行 とい う。
図3.2
独 立試 行
あ る試 行 で の 起 こ りや す さ と,他 の試 行 で の 起 こ りや す さの 間 に関 係 が な い と き2つ の実 験 試 行 を 独 立 試 行 とい う。 あ る試 行 が あ っ た と き,そ れ が独 立 試 行 か
ど う か は,式(3.1),式(3.2)と
同 様 の 式 で,次
の よ う に 判 断 す る。
P(A)P(B)=P(A∩B) こ こ に,あ
(3.3)
る 試 行Sで
の 事 象 をA,他
を こ み に した と き,AとBが
の 試 行Tで
の 事 象 をBと
と も に 成 り立 つ 事 象 をA∩Bと
問1 あ る ○ × 式 の テ ス ト問 題 が2問 に ○ × を選 ん で 答 え た。A君
あ っ た。A君
し,試
行S,T
して い る。
は全 くわ か ら なか っ た ので,で
た らめ
の答 え が2問 と も合 って い る確 率 を 求 め よ。
[2] 独 立 試 行 の 定理 コイ ン投 げ の独 立 試 行 で は,10回
の試 行 で10回 と も表 に な る場 合 もあ り得 る。
こ こで は,あ る事 象 が反 復 試 行 で何 回 起 こるか に着 目 した計 算 を考 え よ う。 〔 例 題1〕
コ イ ン投 げ を10回 行 い,10回
〔 解 〕 各 回 で 表 が 出 る確 率 は1/2だ
〔 例 題1〕 で は,コ
と も表 が 出 る確 率 を求 め よ。
か ら,10回
イ ン 投 げ で 表 が10回
連 続 し て 現 れ る こ と が1,000回
程 度 は あ る こ と を 示 して い る 。 一 般 に,1回 と き,n回
の 試 行 でn回Aが
と も表 が 出 る確 率 は
の 試 行 で 事 象Aが
続 け て 起 こ る 確 率 はpnに
に1回
起 こ る 確 率 がpの
な る。 こ れ を勝 ち続 け の
確 率 と い う。 問2 次 の 各 反 復 試 行 で 勝 ち続 け の確 率 を求 め よ。 (a) A,Bが
じ ゃん けん をす る と き, Aが 続 けて10回
勝つ確率
(b) あ る家 族 で 男 児 が 続 け て10人 生 ま れ る確 率,た だ し男 児 が 生 ま れ る 確 率 は0.51と す る。
〔 例 題2〕A,Bが 〔 解〕
じ ゃ ん け ん を4回
じ ゃ ん け ん を1回
す る と き,Aが3回
す る と き,Aが
Aが4回
と も 勝 つ 確 率 は,勝
Aが3回
勝 つ 場 合 は,表3.1の
以 上 勝 つ 確 率 を 求め よ 。
勝 つ 確 率 は1/3で
あ る。
ち 続 け の 確 率 だ か ら(1/3)4 よ う に4C3=4通
そ れ ぞ れ が 起 こ る 場 合 の 確 率 は(1/3)3(2/3)だ
り あ り, か ら,求
め る確 率 は
で あ る 。 な お,表3.1で
「-」 はBが
勝 つ か,あ
表3.1 Aが3回
一 般 に,A,Bが をn回
ゲ ー ム を 行 い,各
行 っ た と き,Aがr回
い こ の 場 合 で あ る。
勝 つ場 合
回 でAが
勝 つ 確 率 をpと
勝 つ 確 率 は 次 の 式 で 示 さ れ,こ
す る。 こ の ゲ ー ム れ を独 立試 行 の 定 理
と い う。
(3.4) 特 に,Aがn回
と も 全 部 勝 つ 確 率 は,式(3.4)でr=n,nCn=1,(1-p)0=1
だ か ら,
(3.5) に な る。 こ れ は勝 ち 続 け の 確 率 と 同 じで あ る。 独 立 試 行 の 定 理 を 利 用 して 一 致 の 確 率 を 考 え て み よ う。 問3
あ る学 校 の生 徒500人
と して,次
の 中 に1月1日
の場 合 の 確 率 を 小 数 点 以下 第3位
生 まれ の 人 が い るで あ ろ う か 。1年 を365日 ま で求 め よ。
(a) 少 な くと も1人 い る確 率 (b) ち ょ う ど2人 い る確 率
[3]
シ ミ ュ レ ー シ ョ ン
独 立 試 行 の 定 理 は,コ
イ ン投 げ や ル ー レ ッ トな ど の ゲ ー ム に 利 用 して,そ
敗 を 予 測 す る こ と が で き る。 次 の 例 題 と 問 は,確
〔 例 題3〕
さ い こ ろ を4個
1の 目 が 出 た と きB君
振 り,1の
の勝
率 が 始 ま る原 因 に な っ た 。
目 が 全 く出 な い と きA君
の 勝 ち と す る 。 こ の ゲ ー ム はA君,B君
の 勝 ち,1回
で も
の ど ち らに と っ
て有利か。 〔 解 〕A君
の 場 合,(5/6)4≒0.482
B君 の 場 合,1-(5/6)4≒0.518 だ か らB君
の 方 が 有 利 で あ る。
問4 2個 の さい ころ を 振 り,6と6の 1回 以 上 出 る方 に,B君
ゾ ロ 目を 見 る こ とを24回 繰 り返 す。A君
は全 く出 な い 方 に賭 け た。A君,B君
の ど ち らが有 利 か。
〔 例 題3〕 の 問 題 を 実 際 に コ ン ピ ュ ー タ で シ ミュ レ ー シ ョ ン し,そ しよ う。 プ ロ グ ラ ム3.1で
は,0か
ら5ま
の結果を確認
で の 整 数 を で た ら め に 出 す 乱 数 を4個
プ ロ グ ラ ム3.1
図3.3
はそれ が
計算 の 結 果(初 期値4712の .471
.479
.489
場 合) .483
作 り,0を
さ い こ ろ の1の
数Pに1を
加 え る 。Pの
.486
.483
目 と 考 え る 。0が1回 相 対 頻 度 が0.5を
10回 の 実 行 結 果 平 均 は,A君
が 有 利 で あ る。 あ る こ と を 表 示 して い る。
数 が5000の
の反復 試 数が少 な い
よ う に多 い と き
落 ち つ い て い く こと が わ か る。 5000回
プ ロ グ ラム3.1を 利 用 し,1000回
3.2
の 勝 ち と し,変
値 を 修 正 し て5000回
が 勝 つ チ ャ ン ス が あ る が,回
表3.2
問5
.493
も な け れ ばA君
越 え た と きA君
目 のnの
.517
〔 例 題3〕 で は 確 率 の 差 が ほ ん の わ ず か だ か ら,回
と き勝 敗 が 逆 転 しA君 結 局,0.48に
.48
の 勝 っ た 割 合 が0.4892で
ば ら つ き の よ う す を み る た め に,2行 行 に す る(表3.2)。
.511
の シ ミュ レー シ ョ ンの例
の試 行 でA君
の勝 つ割 合 を10個
書 け。
2項 分 布
コ イ ン投 げで は,1回
の試 行 で 表 が 起 こ る確 率 が1/2で
あ っ て も,10回
とも
表 が 出 る確 率 は小 さ い。 こ こで は事 象 の数 値 化 とそ の確 率 の 関係 を 考 え る こ とに しよ う。
[1]
確 率 分 布
不 確 か な現 象 で 起 こ る,す べ て の場 合 を知 りた い と きが あ る。 この と き事 象 を 数 値 化 し,各 場 合 の確 率 を求 め て問 題 を解 決 す る。 〔 例 題4〕
あ る サ ー クル に は男子8人,女
選 ぶ の に,で
子7人 が い る。 こ こか ら4人 の 代 表 を
き るだ け 自然 に任 せ た いが,男 子 だ け あ る い は,女 子 だ け で は 困 る
と皆 考 え て い る。 無 作 為 に代 表 を選 ん で よ いか,確 率 で 判 断 せ よ。
図3.4
〔 解〕
選 ん だ4人
男 女4人
の 選 び方
の 中 の 男 子 の 人 数 をXと
し,X=0,1,2,3,4の
め る。 こ こ で 例 え ば,女 子 だ け の 場 合 はX=0に
な る の で,そ
場 合 の確 率 を 求 の 確 率 をP(X=0)
と表 す 。
表3.3 男 子 の 人 数 と確 率 の分 布
表3.3か
ら,男
子 だ け の 場 合 が 約20回
回 しか 起 こ ら な い の で,自 表3.3で
は,変
数Xに
の よ う に,X=kと
子 だ け の 場 合 が 約40回
に1
然 に任 せ て お い て もよ か ろ うと判 断 で き る。 は 男 子 の 人 数 が,確
確 率 を 示 して あ る 。 ま た,変 確 率 変 数 の 各 値X=kに
に1回,女
数Xを
率 に はX=0,1,2,3,4の
確 率 変 数 と い い,XやYな
対 す る 確 率 をP(X=k)の そ の 確 率P(X=k)を
率 分 布 と い う。 確 率 分 布 は,表3.3の
ど の 文 字 で 表 し,
よ う に 表 す 。 そ し て,表3.3
対 応 さ せ た も の を,確 よ う な 表 の 他 に 式(3.6)や
式 や グ ラ フで 表 す こ と もで き る 。 な お,こ
各 場 合 の
率 変 数Xの 図3.5の
確
よ う に,
の 確 率 分 布 を 超 幾 何 分 布 と い う。
(3.6)
図3.5
確 率 分 布 を 作 れ ば,確 る 。 な お,nCrの
確 率 分布 の グ ラ フ
率 変 数 の範 囲 と各 確 率 変 数 の起 こ りや す さが す べ て わ か
計 算 が 大 変 な と き に は,プ
問6 男10人,女10人
ロ グ ラ ム1 .2を 利 用 す る と よ い 。
の グル ー プか ら4人 の代 表 を選 ぶ こ とに な った。 で た ら め に 選 ん
だ と きの男 女 の バ ラ ン スに つ い て調 べ よ。
[2]
2項
分 布
1回 の コ イ ン投 げ で 表 の 出 る 確 率 は1/2で る と き,表
の 出 る 可 能 性 は3回
あ る。 い ま6回
だ け で な く,0回
か ら6回
の コ イ ン投 げ を 考 え
まで あ り得 る。 この と
き 各 回 数 の 起 こ りや す さ は ど う な る の で あ ろ う か 。 こ う し た 視 点 か ら確 率 分 布 を 考 え よ う。
〔 例 題5〕
コ イ ン を6回
投 げ た と き,表
の出 る回 数 の 値 の 範 囲 と各 回 の確 率 を 求
め よ。 〔 解〕
表 の 出 る 回 数 をXと
れ の 回 数 の 確 率 は,独 3.4に
す る とXは0,1,2,3,4,5,6の
立 試 行 の 定 理 の 式(3.4)か
値 を 取 り得 る。 そ れ ぞ ら式(3.7)が
導 か れ,結
果 は表
な る。
(3.7)
表3.4 表の 出る回数 と確率
コイ ン投 げを6回 行 う場 合 は,表 が3回,裏 く,そ の確 率 は全 体 の約63%に にX=3を
も3回 出 る場 合 が 最 も起 こ りや す
もな る。 しか も確 率 分 布 の 形 は,図3.6の
よう
中 央 に して左 右 対 称 の形 に な る。
次 に,1回
で起 こる確 率 が1/2以
外 の値 にな る現 象 に つ い て確 率 分 布 を調 べ て
み よ う。 〔例 題6〕A君
とB君 が6回
じゃん け ん を す る と き,A君
が勝 つ 回数 で可 能 性 が
最 も高 い の は何 回 か 。確 率分 布 を作 って調 べ よ。 〔 解 〕1回 にA君
の じ ゃん け んでA君
が 勝 つ 確 率 は1/3で,6回
じ ゃん けん を す る と き
が勝 つ 回数 は0回 か ら6回 ま で あ る。 こ こでA君
て 確 率 分 布 を 求 め る。独 立試 行 の定 理 の式(3.4)か
が勝 つ 回 数 をXと
ら,X=0,1,2,…,6の
おい 各確
率 は,次 の よ う にな る。
(3.8) 表3.5か
ら,A君
が 勝 つ 可 能 性 が 最 も高 い の は2回
の と きで あ る。
表3.5 表の出 る回数 と確率
表3.4と
表3.5を
折 れ 線 グ ラ フ に す る と 図3.6の
異 な る こ と が わ か る 。 こ れ は1回 い(山
の 頂 上)の
で 起 こ る 確 率pの
の高さ と幅が
値 に 依 存 し,最
も起 こ り や す
回 数 の 計 算 は,
〔例 題5〕 で は6×(1/2)=3, と な る こ と が 推 定 さ れ る 。 証 明 は 式(3.12)を る。
よ う に な り,山
〔 例 題6〕 で は6×(1/3)=2 用 い て で き る が,こ
こで は 省 略 す
図3.6
コ イ ン投 げ とじ ゃ ん け ん の 確 率
確 率 分 布 の 中で も,独 立 試 行 の定 理 を適 用 で き,X=kと
な る確 率 が,
(3.9) と な る確 率 分 布 の こ と を2項
分 布 と い い,B(n,p)と
表す。
〔 例1〕
式(3.7)はn=6,〓
でB(6,1/2)と
表 せ る。
〔 例2〕
式(3.8)はn=6,〓
でB(6,1/3)と
表 せ る。
2項 分 布 は コ イ ン投 げ や ゲ ー ム,ミ られ る 。2項 分 布 は 問7の
ス の 回 数 な ど 日 常 的 な 現 象 の 中 に 数 多 く見
よ う に 訪 問 件 数 の 決 定 に も利 用 さ れ,ミ
ス の 回 数,信
号 待 ち の 回 数 な ど に も適 用 さ れ る 。
問7
あ る保 険 の 訪 問 販売 で は10件
に1件
しか 勧 誘 に成 功 しな い と い う。1日 に15件
訪 問 販 売 を義 務 とす る人 が い る と して,彼 が1日 に 勧 誘 に成 功 す る件 数 と,そ うす を調 べ よ。 た だ し,確 率 が0.05未
問8 A君
は20ペ
の確 率 の よ
満 の と き は可 能 性0と み な す。
ー ジ の書 類 に1個 の割 合 で転 記 ミスを す る と い う。A君
が10ペ
ー ジの
書 類 を転 記 した と き,転 記 ミス の よ うす を問7と 同 様 に して 調 べ よ。
[3]
プ ロ グ ラム
2項 分 布B(n,p)の
各X=kに
の
お け る確 率 の 値 を 求 め,疑 似 乱 数 でB(n,p)
の シ ミ ュ レ ー シ ョ ン を 行 う プ ロ グ ラ ム を 作 っ て み よ う。 プ ロ グ ラ ム3 .2で は,じ ん け ん の 回 数n,お れ ば,n回
でA君
よ び1回 が0回
の じ ゃ ん け ん でA君
勝 つ 確 率 か らn回
数 を 使 っ て シ ミュ レ ー シ ョ ンを 行 い,相
図3.7
プ ロ グ ラ ム3.2
が 勝 つ 確 率p=1/3を
入力 す
勝 つ 確 率 ま で が 求 め ら れ る。 ま た,乱
対 頻 度 を 計 算 す る。
ゃ
計算の結果 0
問9
1
2
3
4
5
6
0.088
0.263
0.329
0.219
0.082
0.016
0.001
0.089
0.287
0.322
0.211
0.069
0.022
0.000
プ ロ グ ラ ム3.2を 用 い て6回 の じ ゃん けん の 確 率 分 布 を 作 れ。
プ ロ グ ラ ム3.2で,例 る と,次
え ばn=10で
同 じ値 に 保 ち,pを0.1か
の よ う に 山 が 左 か ら右 に 移 動 す る 。
図3.8
2項 分 布B(10,p)
ら0.9ま
で変 え
3.3 平 均 値 と 分 散 確 率 分 布 の よ うす を示 す代 表 的 な数 値 に平 均 値 と分 散 が あ る。 この値 の求 め 方 と特 性 につ い て調 べ よ う。
[1]
平 均 値
あ る 町 内 で1000円 1000本
で,各
ご と に 宝 く じを1枚
等 の 賞 金 と 本 数 は 表3.6の
は テ ィ ッ シ ュ で,こ
れ を10円
も らえ る とい う。 この 宝 く じは 全 部 で よ う に な っ て い る と い う。 た だ し,5等
に 換 算 した と しよ う 。 表3.6 宝 く じの本 数 と賞 金
い まA君
が そ の 宝 く じを1回
引 い た と す る。
表3.7 宝 く じの本 数 と賞 金
こ の と き,A君 A君
が 各 賞 金 を 手 に す る 確 率 は 表3.7の
が 期 待 して よ い 金 額 は,次
よ う に な り,こ
の宝 く じに
の よ う にな る。
50000×0.002+5000×0.018+1000×0.04+200×0.14+10×0.8 =266〔
こ の 値 を,表3.7の
円〕
確 率 分 布 の期 待 値 また は平 均 値 と い う。 表3.8 確率分布
確 率 変 数Xがx1,x2,…,xnの 確 率 分 布 が 表3.8の
値 を と り,各X=xkに
お け る 確 率 がpkで
あ る
よ う に な って い る と し よ う。 こ の 確 率 分 布 の 平 均 値 は,次
の式
で 表 さ れ る。 こ の 値 は確 率 変 数Xの
期 待 値 で も あ る の で,こ
れ をE(X)
と表す。 (3.10)
問10 表3.3を
用 いて,〔 例 題4〕 の 確 率分 布 の 平均 値 を 求 め よ。
問11 フ ラ ン ス と イ タ リア に挟 ま れ た 小 国 モ ン テ カル ロ は,と ば くで有 名 で あ る。
モ ン テ カ ル ロ の ル ー レ ッ ト は,1つ に37個
の 溝 が あ り,そ
れ に0か
の 円盤
ら36ま
での
数 が 記 さ れ て い る 。 こ の 円 盤 が 回 転 し,ボ ル が 溝 の1つ ル 賭 け,そ
ー
に 入 る 。 あ る 人 が あ る 溝 に1ド の 溝 に ボ ー ル が 入 る と36ド
け 取 り35ド
ル 儲 け,そ
れ 以 外 な ら1ド
ル受 ル損
を す る。 彼 の儲 け の平 均 値 を求 め よ。 図3.9
[2]
2項
ル ー レ ッ ト
分 布 の 平均 値
2項 分 布 の平 均 値 は,期 待 され る値 や 可 能 性 が 最 も高 い回 数 を求 め る と き に使 わ れ る。 こ こで は2項 分 布 の平 均 値 を計 算 し,そ れ が正 しい こと を確 認 す る。 〔 例 題7〕A,B両
君 が じ ゃん けん を2回 す る と き,A君
に な るか 。 〔 解 〕 期 待 で き る回 数Xの
分 布 は表3.9の
よ うに な る。
表3.9 2回 の じ ゃん けん の確 率 分 布
この じゃん け ん で,A君
が勝 つ 回 数 の平 均 値E(X)は
が勝つ 回数 は平均 何 回
と な り,じ
ゃ ん け ん でA君
が 勝 つ 回 数 は平 均0 .667回
で1回
に満 た な い こ とに な
る。 〔 例 題7〕 の 平 均 値 は,2項
分 布B(2,1/3)の
今 度 はB(2,p),B(3,p)の
〔 例 題8〕2項 〔 解 〕2項
平 均 値 を 考 え,B(n,p)の
分 布B(2,p),お
よ びB(3,p)の
分 布B(2,p)は,1回
表3.10
B(2,p)の
表3.11の B(2,p)の
な った。
平 均 値 を 求 め て み よ う。
平 均 値 を 求 め よ。
の 試 行 で 起 こ る 確 率 がpで
回 繰 り返 して で き る か ら,そ 布B(3,p)は
平 均 値 でE(X)=2/3に
の 分 布 は 表3.10の
あ る と き に 試 行 を2
よ うに な る。 同 様 に して確 率 分
よ う に な る。 確 率 分 布
表3.11
B(3,p)の
確 率分 布
平 均 値 は,
(3.11) と な る 。 同 様 に し てB(3,p)の
平 均 値 は,次
の よ うに な る。
問12 〔 例 題5〕,〔 例 題6〕 の確 率 分 布 の平 均 値 を そ れ ぞ れ表3 .4,表3.5か も とにB(n,p)の
ら求 め,そ れ を
平 均 値 を推 定 せ よ。
[3] 平 均 値 の確 認 こ れ ま で の 計 算 か ら,2項
分 布B(n,p)の
平 均 値 はnpに
な る ら しい 。 こ れ が
正 し い こ と を 確 認 し て み よ う。 1.1節
の 組 合 せ,お
よ び1.3節
の2項
定 理 か ら,次
の こ とが わ か って い る。
(3.12)
(3.13) 2項 分 布B(n,p)は,1回 と す る 。 こ の 試 行 をn回
の 試 行 で あ る こ と が らAが 繰 り返 す と き,こ
起 こ る 確 率 がpで
と が らAがk回
あ る
起 こ る確 率 が 次 の 式
で 表 され て い る。
したが っ て,こ の確 率 分 布 の平 均 値 は次 の式 に な る。
(3.14) 式(3.12)を
代 入 す る と,npが
共 通 因 数 と な るか ら,こ
れ で く く る と式(3.13)
が 利 用 で き る。
(3.15) 式(3.15)を
〔例 題9〕
使 え ば,今
ま で の 計 算 量 が 次 の よ う に 軽 減 さ れ る。
次 の 確 率 分 布 の 平 均 値 が 等 し くな る こ と を 示 せ 。
(a) コ イ ン 投 げ を6回 (b) A,B2人
行 い,表
の 出 る回 数 を確 率 変 数 と して数 え る と き
が じ ゃ ん け ん を9回
行 い,Aが
勝 つ 回 数 を 確 率 変 数 と して 数 え
るとき 〔解 〕(a)
6×(1/2)=3〔
回〕
(b) 9×(1/3)=3〔
回〕
[4]
分
散
確 率 分 布 の よ う す は 平 均 値 だ け で は わ か ら な い 。 例 え ば,〔 例 題9〕 で は2つ 平 均 値 は 一 致 す る が,確
率 分 布 の よ う す は 表3.12お
て い る 。 こ の 違 い は,(b)の
よ び 図3.10の
の
よ う に異 な っ
方 の ば らつ き が 大 き い こ と に よ る。 表3.12 2つ の 確 率 分 布
この よ うに,確 率 分 布 の よ うす を知 る に は,ば
らつ きの 度 合 い も必 要 に な る。
ば らつ き の度 合 い を数 値 化 す る と き の ア イ デ ア に は,次 の よ うな 平 均 偏 差,分 散 の求 め方 が あ る。 そ の考 え方 を示 そ う。
図3.10
2つ の確 率 分 布
(1) 平 均 偏差 平 均 か らの 差 の 平 均 値 を とれ ば,〔 例1〕 の場 合 は,平 均 値 を3と
して 次 の式 に
な る。
この方 法 の こ とを平 均 偏 差 とい う。 しか し,実 際 に は次 の 式 の 方 を用 い る。
(2)
散
分
平 均 か らの差 の 平 方 の 平 均 値 を とれ ば,〔 例1〕 の場 合 は,次 の式 に な る。
(3.16) こ の式 で求 め た 値 を 分 散 と いい,V(X)で い,σ(X)で
表 す 。 ま た√V(X)を
標 準 偏 差 とい
表す。確率分布
の平 均 値 をE(X)=mと
す る と き,分 散 は次 の 式 で 表 され る。 (3.17)
な お,度
数 分 布 表 や シ ミ ュ レー シ ョ ン の 結 果 を 利 用 す る と き に は,確
代 わ り に 相 対 頻 度 を 用 い る 。 コ ン ピ ュ ー タ で は後 述 の プ ロ グ ラ ム3.4で
問13 〔 例 題4〕 で男 子 の人 数 の 平 均値 は2.1335人
率pnの 計 算 す る。
で あ っ た。 この 分 布 の 分 散 と標 準偏 差 を
求めよ。
[5]
2項
分 布 の 分 散
2項 分 布B(1,p),B(2,p),B(3,p)の み よ う。 こ れ ら の 平 均 値 は,そ か っ て お り,こ
れ と 式(3.17)を
分 散V(X)を,nとpの れ ぞ れp,2p,3pで
式 で 表 して
あ る こ と が 式(3.15)か
らわ
用 い て 各 場 合 の 分 散 を 次 の よ う に求 め る こ とが
で き る。 (a) B(1,p)の
分散
(3.18) (b) B(2,p)の
分散
(3.19)
(c) B(3,p)の
分散
2項 分 布B(n,p)の
分 散 は,次
の 式 に な る こ と が 知 られ て い る 。
(3.20)
(3.21) 問14 A,B2人
が じ ゃん けん を9回 行 う。Aが
〔 例 題9〕 の(a),(b)は,そ
勝つ 回 数Xの
分 散 と標 準 偏 差 を求 め よ。
れ ぞ れB(6,1/2),B(9,1/3)の2項
分 布 で あ り,
そ の 分 散 は そ れ ぞ れ1.508,1.992に
な る。 後 者 の 分 布 の 方 が 分 散 の 値 が 大 き く,
ば らつ き が 大 き い こ と を 示 して い る。 2項 分 布 でnが
大 き い と き の 平 均 値 と,分
散 を 利 用 して 分 布 の よ う す を 調 ベ よ
う。
〔 例 題10〕
あ る 養 魚 場 に は,や
い う。 こ の 養 魚 場 か ら90匹
ま め と ニ ジ マ ス が1:2の
の 魚 を 取 り 出 し た と き,や
比率で飼 わ れて い る と ま め が い る平 均 値 と標 準
偏 差 か らや ま め の 分 布 を 求 め よ 。 〔 解 〕90匹
中 に い る や ま め をX匹
と す れ ば,Xは2項
分 布B(90,1/3)に
か ら, 平 均 値 はE(X)=90×(1/3)=30〔
匹〕
分 散 はV(X)=90×(1/3)(2/3)=20 標 準 偏 差 は σ(X)=√20=4.47〔
この確 率 分 布 で,ち
匹〕
ょう ど30匹 の や ま めが 取 り出 せ る可 能性 を 求 め る と,
な る
(3.22)
と小 さ い 。 そ こ で,平
均 値 を 中 心 に して2σ(X)の
範 囲 を と り,
(3.23) の 範 囲 の 確 率 を 式(3.22)と
同 様 に して 求 め る と,次 表3.13
表3.13か
ら式(3.23)の
と な る 。 一 方,プ
だ か ら,や
2項 分 布B(90,1/3)
範 囲 の 確 率 は,
ロ グ ラ ム3.2を
ま め が21匹
の よ うに な る。
用 い て 計 算 す る と,
以 下,39匹
以 上 の こ と は と も に20回
に1回
よ り も少 な
い 。
図3.11
B(90,1/3)の確率
同 様 に して,E(X)-σ(X)≦x≦E(X)+σ(X)の
分 布
範 囲 の 確 率 は,約0.68
に な る 。 こ の よ う な 考 え 方 を 区 間 推 定 と い う。
(3.24)
2項 分 布 で はnが 大 きい と き,次 の式 が成 り立 つ 。
(3.25) (3.26) 問15 あ るテ レ ビの視 聴 率 は12%で 見 て い た家 庭 の95%が
あ る とい う。900世 帯 に調 査 した結 果,こ の テ レ ビを
含 ま れ る範 囲 を,式(3.26)を
利 用 して 求 め よ。
3.4 正 規 分 布 2項 分 布 や宝 く じの確 率 分 布 で は,確 率 変 数Xは0,1,2,3な
どの離 散 量 で あ っ
た。 これ に対 して待 ち時 間 な ど連 続 量 を扱 う確 率 の考 え 方 と,そ の代 表 的 な確 率 分 布 で あ る正 規 分 布 につ い て調 べ て み よ う。
[1] 連 続 確 率 連 続 的 な量 が登 場 す る確 率 の問 題 で は,面 積 を利 用 して 確 率 を 求 め る こ とが で き る。 そ の よ うな問 題 を い くつ か 解 き,そ の特 性 につ い て考 え る。 〔 例 題11〕0以
上1以
下 の 数a,bを
無 作 為 に と る。 点(a,b)が
半 径1の
円の内
部 に あ る確 率 を 求 め よ 。 〔 解〕
点(a,b)は0≦
a ≦1,0≦b≦
1の 正 方 形 に 一 様 に 分 布 し,そ
の面積 は
1で あ る 。
この 正 方 形 の 内 部 で 半 径1の 円 の 面 積 は1/4π
だから,求
0.7854で
あ る。
め る 確 率 は1/4π
≒
図3.12
円の 内部 に あ る確 率
〔 例 題11〕 の よ うに,連 続 的 に で た らめ な値 を とる変 数x,yの
確 率 を考 え る と
き,こ の 確 率 を 連 続 確 率 また は連 続 型 の 確 率 とい う。 一 方,各 根 元 事象 に 対 して
同様 な確 か ら しさ の成 り立つ 確 率 を離 散 確 率 とい う。 問16
図3.13の よ うに,a=1(cm)間
隔で
並 ん だ縞 の上 に長 さd=0.6(cm)の
針 が縞
の 直線 に 直 角 に落 ち る。 この と き,針 が 縞 の 直 線 の ど れ か に交 わ る 確率 を 求 め よ。
図3.13
〔 例 題12〕 〔 解 〕0と1の
針 が 交 差 す る確 率
〔 例 題11〕 の 問 題 を コ ン ピ ュー タ で シ ミ ュ レー シ ョ ン せ よ 。 間 の 乱 数a,bを
と り,a2+b2<1を
え て 確 率 を 近 似 す る 。 プ ロ グ ラ ム3.3で
は1000個
満 た す 点(a,b)の の 点(a,b)を
個 数 を数
作 り,条
件を満
た す も の の 相 対 頻 度 を 確 率 の 近 似 値 に す る。 プ ロ グ ラ ム3.3
計算の結果 1000
.784
プ ロ グ ラ ム3.3でn=10000の し さ を 裏 づ け る。 な お,問16で
と き 相 対 度 数 は0.7864と
の正
針 の傾 きを 任 意 とす れ ば ビ ュ ッ フ ォ ンの 針 の 問
題 に な る。
問17 問16の
な り,〔 例 題11〕
問 題 を コ ンピ ュー タ で シ ミュ レー シ ョ ンせ よ。
[2] 確 率 密 度 関 数 い ま,あ る駅 か ら電 車 が10分 お き に発 車 し,A君
はその電車 で通 学す るのに
時 刻 に無 頓 着 に駅 に行 く とす る。 この と き駅 で 電 車 を待 つ 時 間 をt分 とす れ ば, tは0≦t≦10を
満 たす 任 意 の数 で,t分
が で き,い ま,tをxで
以 下 待 つ確 率 はP(X≦t)と
表 す こと
置 き換 え る と,
(3.27) と な る。 関 数y=P(X≦x)の
こ とを確 率 分 布 関数 とい う。
こ こで,確 率 密 度 関数 の考 え方 を用 い て確 率 分 布 の平 均 値,分 散 を求 め よ う。 あ る関 数f(x)≧0の f(x)の
と き,〓f(x)dxを,x軸,y軸,直
グ ラ フで 囲 ま れ た部分 の面積 と し,こ の記 号〓
確 率P(X≦t)=t/10を
面 積 で 考 え れ ば,x軸,y軸,直
で 囲 ま れ た 部 分(図3.14)の
面 積 に な り,定
線x=tお
よ びy=
を定 積 分 と い う。 線x=t,y=1/10
積 分 で 次 の よ う に 表 す こ と が で き る。
(3.28) この と きの 関 数
(3.29) を確 率 密 度 関 数 と い う。 確 率 分 布 関 数 をF(x)=P(X≦x)と P'(X≦x)に
す れ ば,確
な る。 逆 に,確 率 密 度 関 数f(x)が
率 密 度 関 数 はF'(x)=
わか り,確 率 変 数 がa≦X≦b
の値 を と る と き,確 率 分布 関数P(a≦X≦t)は,
(3.30) と表 現 さ れ る 。 な お,aは-∞,bは
∞ で も よ い。
ま た,確
値 を と る と き,そ
率 変 数Xがa≦X≦bの
1に な る か ら,次
の 式 が 成 り立 つ。
の 確 率 はP(a≦X≦b)=
(b)
(a) 図3.14
確 率 分 布 関 数 と確 率 密 度 関 数
(3.31)
〔 例 題13〕
あ る 会 社 の 蛍 光 灯 ラ ン プ がx日
式 で 表 さ れ,100日 A君
以 内 で 切 れ る 確 率 は1-e-axと
以 内 で 切 れ る 確 率 は0.181で
あ る こ と が わ か っ て い る と す る。
が こ の 会 社 の 蛍 光 灯 ラ ン プ を 買 っ た と き,1年(365日)の
れ る確 率 を 求 め よ。 た だ し,a,eは 〔 解 〕1-e-100a=0.181か
eを 底 と す る 自 然 対 数 を と っ て,
よ っ て,P(x≦t)=1-e-0.002t
定 数 でe=2.71828と
ら,e-100a=0.819と
い う
な る。
点灯 時 間以 内 に 切 す る。
図3.15
〔 例 題13〕 は,次
〔 例 題14〕
蛍 光 灯 が切 れ る確 率
の よ う に 確 率 密 度 関 数f(x)か
確 率 密 度 関 数f(x)を
ら問 題 を 解 く こ と が で き る 。
求 め て,〔 例 題13〕.の 問 題 を 解 け 。
〔解 〕 確 率 分 布 関 数 はF(x)=1-e-0.002xだ
か ら,こ
れ を 微 分 して
(3.32) 求 め る確 率 は,次 の定 積 分 で 表 され る。
駅 の待 ち合 わせ 時 間 の 問題 で は,確 率 密度 関 数 が式(3.29)の に な る ので,こ
よ う に定 数 関 数
の よ うな確 率 分 布 の こ とを一 様 分 布 とい う。 〔 例 題13〕 で は確 率
密 度 関 数 が,式(3.32)の
よ うに 指数 関数 に な るの で,こ
の確 率 分 布 の こ と を 指
数 分 布 と い う。 指 数 分 布 は,も の が 消耗 す る と きの確 率 な どに現 れ る。 連 続 確 率 の 平 均 値,分 散 を考 え よ う。 離 散 確 率 で は,X=kと
の と き,そ
の 平 均m=E(X)と
分 散V(X)は,次
連 続 確 率 の 平 均 値 の計 算 で も,X=axに え,axの
範 囲a≦ax≦bでaxpxの
な る確 率 が
の よ う に して 求 め た 。
対 す る確 率 がpx=f(ax)に
な ると考
和 を定 積 分 で求 め れ ば,次 の式 に な る。
(3.33) 分 散 も 同 様 に して,X=axに
つ い て(ax-m)2pxの
和 を 定 積 分 で と れ ば,
(3.34) と な る 。 な お,標
〔 例 題15〕
準 偏 差 σ(X)=√V(X)で
式(3.29)で
〔 解〕 平 均 値E(X)と
あ る。
表 さ れ る一 様 分 布 の 平 均 値 と分 散 を 求 め よ 。 分 散V(X)は,確
率 密 度 関 数f(x)=1/10か
ら次 の よ う
に 求 め られ る。
(3.35) (3.36)
問18〔
例 題14〕 で ラ ンプ が切 れ る時 間 の 平 均 値 と分 散 を 求 め よ。
連 続 確 率 分 布 の シ ミュ レー シ ョ ンを プ ロ グ ラ ム3.4で 率 密 度 関 数 に も つ 一 様 分 布 に つ い て0<a<10の k≦x≦k+1(k=0,1,…,9)に 分 散 を 計 算 す る。 プ ロ グ ラ ム3.4
行 お う。 式(3.29)を
乱 数aを
作 り,一
あ る相 対 頻 度 で 確 率 分 布 を 求 め,そ
確
定 の区 間 の 平 均 値,
計算の結果 0.5
0.09
1.5
2.5
0.10
0.09
3.5
0.10
4.5
0.12
5.5
6.5
0.10
7.5
0.10
0.10
8.5
0.09
9
0
.5
.10
平 均5.028 分 散8.949216 標 準 偏 差2.991524
プ ロ グ ラ ム3.4を こ う して 〔 例 題15〕
実 行 した 平 均 値,分
散 は,〔 例 題15〕 の 結 果 と ほ ぼ 一 致 す る 。
の 理 論 計 算 が プ ロ グ ラ ム3.4の
実験 結 果 で確 か め られ た。
[3] 正 規 分 布 2項 分 布B(90,1/3)の
折 れ 線 グ ラ フ は 図3.11で
示 さ れ て い る が,こ
れ と
(3.37) の グ ラ フ は ほ ぼ 一 致 す る(図3
.16)。2項
分 布B(n,p)でnが
大 き くp≠0,1の
と き,
(3.38) の 関 数 で 近 似 さ れ る 。 こ こ に,σ=√np(1-p),m=npで 関 数 式(3.39)の の 分 布 をN(m,σ2)に
あ る。
グ ラ フ を 正 規 分 布 曲 線 と い い,図3.17の 従 う 正 規 分 布 と い い,平
均 値 はm,分
形 に な る 。 ま た,こ 散 は σ2に な る 。
(3.39) こ こ にeは ま た,1円
自 然 対 数 の 底 で,e=2.71828… 玉500個
で あ る。
の 重 さ を 測 定 し た と き,誤
差 の 度 数 分 布 が 表3.14の
よ う
図3.16
正 規 分 布 と2項 分 布
図3.17
に 得 ら れ,そ mg)。
の 平 均 値 はX=0.08,分
そ の 値Xの
度 数 分 布 は,式(3.39)の
正 規 分 布
散 はs=4.50に
な っ た(誤
差 の 単 位 は
関数 で近 似 で き る。
表3.14 誤 差 の 度 数 分 布 表
特 にm=0,σ=1の 布 と い い,図3.18の
と き の 関 数 は 式(3.40)と
な り,そ
の分布 を標 準正規 分
よ う に な る。
(3.40) 正 規 分 布 は,式(3.39)の
よ う に2項
分 布B(n,p)のnが
大 き い 場 合,お
よび
図3.18
表3.14の
誤 差 の度 数 分 布 な ど とほ ぼ一 致 す る。 そ の た め正 規 分 布 を 誤 差 分 布 と
も い う 。2項 分 布 の 反 復 数nや 値,分
度 数 分 布 の 度 数nを
散 の 値 は正 規 分 布 のm,σ2に
布 でnが
標 準正 規 分 布
大 き く,逆
にpが0に
大 き く す る と,そ
れ らの平均
近 づ く こ と が 知 られ て い る 。 な お,2項
近 い と き の 分 布 は3.5節[4]の
分
ポ ア ソ ン分 布 で
考 え る。
問19 さい ころ を60回 振 る と き,1の
次 に,正 (1)
確率分布を正規分布 で近似 せ よ。
規 分 布 に つ い て の基 本 的 な性 質 を調 べ て み よ う。
平 均 値mの
式(3.39)の
目 の 出 る 回数Xの
役割
グ ラ フ をx軸
方 向 に-mだ
け 平 行 移 動 す る と,
(3.41) に な る。 こ の 関 数 の グ ラ フ は,xの
代 わ り に-xを
y軸 に 関 し て 対 称 に な る 。 し た が っ て,式(3.39)の て 対 称 で 図3.19の (2)
代 入 して も同 じ式 に な る か ら, グ ラ フ は 直 線x=mに
よ うに な る。
標 準 偏 差 σの役 割
式(3.39)で
σ の 値 を1,1.5,2な
ど と し た グ ラ フ は,図3.20の
こ の 形 か ら,σ の値 が 大 き く な る と グ ラ フ の 山 が 低 く な り,横 か る。
関 し
よ う に な る。 に広 が る こ と が わ
図
mの 役 割(α=1)
3.19
図
3.20
αの 役 割(m=1)
(3) 面 積 を 求 め る 連 続 確 率 で は,確 率 密 度 関数 とx軸 で囲 まれ た部 分 の面 積 は1に な る。 標 準 正 規 分 布 の分 布 曲 線 式(3.40)の 範 囲 に お け る面 積 を,図3.21の
図3.21
f(x)の
グ ラ フ とx軸 で囲 まれ た部 分 の,-a≦x≦aの よ うに して台 形 公 式 で 求 め よ う。
作 る面 積 の 近 似
図3.22 a=2の
と きの 面積
式(3.41)をy=f(x)と
お け ば,
面積
(3.42) プ ロ グ ラ ム3.5で
はa=1,2,3に
つ い て 式(3
.40)の-a≦x≦aに
プ ロ グ ラ ム3.5
計算 の結果 1 2 3
図3.23
.682689
.9544992 .9972995
お け る面
積 を,分
割 数n=1000の
台 形 公 式 で 計 算 す る。
正 規 分 布 で は次 の 性 質 が 成 り 立 つ。た
だ し,m=E(X),σ=σ(X)と
す る。
(3.43) (3.44) (3.45) 〔 例 題16〕
正 規 分 布N(3,22)で
〔 解 〕 正 規 分 布N(3,22)の
だ か ら 式(3.43)か
確 率 密 度 関 数 は,直
求 め よ。 線x=3に
つ いて 対 称 で
ら,
問20 標 準 正 規 分 布N(0,1)に (a)
確 率P(5≦X)を
お け る次 の 確率 を求 め よ。
(b)
3.5 そ の 他 の 分 布 こ こで は2項 分 布,正 [1]
規 分 布 以 外 の 分 布 を 現 象 例 に も とづ い て考 え て み よ う。
一 様 分 布
さ い こ ろを 振 り,出 る 目 をXと
す る と きの 確 率 分 布 は,図3.24か
ら次 の よ う
に な る。
(3.46) そ の 平 均 値 はE(X)=3.5,分 う な 確 率 分 布 の こ と を(離 連 続 確 率 で は,式(3.29)の
散 はV(X)=35/12≒2.9167で 散 型 の)一
あ る。 こ の よ
様 分 布 と い う。
よ うに確 率 密 度 関 数 が定 数 関 数 で
表 され る確 率 分 布 の こ とを一 様 分 布 とい う。 この と きの確 率 分 布 関 数 は,一 次
図3.24
一 様 分 布(離 散 型)
図3.25
関 数 に な る 。 コ ン ピ ュ ー タ のrnd(1)で
疑 似 乱数 の 一 様 分 布
作 り 出 す 疑 似 乱 数 は 一 様 分 布 に な る(図
3.25)。
[2] 幾 何 分 布 ゲ ー ムや さ い ころ振 りを繰 り返 す と き,一 方 的 に勝 ち続 け た り同 じ目が 続 けて 出 る こ とが あ る。 この続 け る回 数 を確 率 変 数Xと
す る確 率 分 布 を 幾 何 分 布 と い
う。 い ま,さ い ころ を1の 目 が 出 る まで 振 る とす る。 そ の と き各 回 数 の 確 率 は,1 回 目で1の
目 が 出 る確 率,2回
で1の
目が 出 る確 率 は,そ れ ぞ れ 次 の 式 に な る。
Xの 確 率 分 布 は,次 の式 で表 さ れ る。
(3.47)
〔 例 題17〕
さ い ころ を振 り1の 目が 出 る まで繰 り返 す と き,平 均 何 回 繰 り返 す
か 。
〔 解 〕 繰 り返 しの 回数Xに
つ い て の平 均 値 は,
こ こ で,r=5/6と
す れ ば,第n番
目 ま で と った 値E(X)は,
(3.48) こ こ で,式(3.48)か
ら 式(3.49)を
引 け ば 式(3.50)が
で き る。
(3.49)
(3.50) nが 大 き く な る と,(5/6)nやn(5/6)nは0に
な る か ら,
よ っ て,平 1/6(1-r)2=6 均 値 (回) はE(X)=
幾 何 分 布 は確 率 変 数 を無 限 大 まで と り,そ の 確 率 が指 数 関数 に な る。 そ の平 均 値 は ゲ ー ム で獲 得(損
を)す
る金 額 や ゲ ー ムの 回数 の め や す にな って い る。 また,
分 散 は平 均 値 の計 算 と同 様 の考 え方 で 導 くこ とが で き る。 問21 コ イ ンを裏 が出 る まで 投 げ続 け る と き,そ の 回数Xの
平 均 値 と分 散 を求 め よ。
[3] 超 幾 何 分 布 2.3節 (a) 20個
の 〔 例 題7〕,3.2節 の 製 品 の 中 に3個
の 個 数Xの
の 〔 例 題4〕 の 問 題 と確 率 分 布 は,次 の 不 良 品 が あ る 箱 か ら3個
の よ う に な る。
を 取 り出 す と き の 不 良 品
確率分布
( b) 男 子8人,女
子7人 か ら4人 の 代 表 を選 ぶ と き,男 子 の人 数Xの
確率分布
こ れ ら の 確 率 分 布 の 表 と グ ラ フ は,次 表3.14
図3.26
の よ う に な る。
2つ の超 幾 何 分 布
超幾何分布 のグラフ
上 の(a),(b)の よ うに,集 団 の 中 か ら適 当 な個 数 を取 り 出 す と き,あ
る性 質 を
もつ グル ー プの個 数 につ いて の確 率分 布 を超 幾 何 分 布 と い う。
図3.27
大 き さNの
集 団 の 中 で 性 質Aを
M)個 あ る と す る 。 こ のN個 質Aを
も つ 確 率 は,超
い と き,M/N=pと
超 幾何 分布 の 現 象
もつ グ ル ー プ がM個
の 集 団 か らn個
幾 何 分 布 の 式(3.51)で お き,式(3.51)を
も た な い グ ル ー プ が(N-
取 り 出 し た と き,そ
の 中 のk個
が性
示 さ れ る 。 集 団 の 大 き さNが
大 き
式(3.52)の2項
分 布 で近 似 す る。
(3.51) (3.52) こ の 近 似 式 か ら平 均 値 がE(X)=np,分
散 がV(X)=np(1-p)と
して求 め
られ る 。
問22 A君
は,コ
ンサ ー トに100人 が 無料 招 待 され る と聞 き,5枚
した が,応 募 者 は400人
に も な り抽 選 にな っ た。A君
の 申 し込 み は が き を 出
の はが きで 少 な く と も1枚
は抽選 に
当 た る確 率 を 求 め よ。 また,抽 選 に 当 た る平 均 枚 数 を 求 め よ。
[4]
nが
ポ ア ソ ン 分 布
大 き い2項
分 布B(90,1/3)は
正 規 分 布 で 近 似 で き る こ と が,式(3.37)
で 示 さ れ た 。 しか し,こ
の 条 件 はpが
くpが
分 布 を 近似 す る こ とを 考 え る。
小 さ い と き の2項
〔 例 題18〕
コ イ ン を500回
投 げ10回
ず つ 区 切 る と き,表
数Xの
確 率 分 布 を調 べ よ。
〔 解〕
コ イ ン投 げ で 表 が 連 続 して10回
投 げ の 中 に,表
が10回
小 さ い と き に は あ て は ま らな い 。nが
出 る 確 率 は1/210で
連 続 して 出 る 回 数 がk回
1回 の 試 行 で 起 こ る確 率 が2-10の
試 行 を500回
が10回
大 き
続 けて出 る回
あ る 。500回
のコイ ン
あ る とす る。 反 復 す る2項
分 布 だ か ら,X=
kと な る 確 率 は,
(3.53) とな る。
〔 例 題18〕 で,式(3.53)の
計 算 は 難 しいの で
(3.54) と し て 近 似 す る 。 こ の 式 で 表 さ れ る 確 率 分 布 を ポ ア ソ ン 分 布 と い う。 式(3.53),(3.54)の
確 率 分 布 を 比 較 す る と,表3.15の
ポ ア ソ ン分 布 は,2項
分 布 でnが
大 き く てpが
よ う に ほぼ一 致 す る。
小 さ い 現 象,つ
ま り ほ と ん ど起
表3.15 2項 分 布 と ボ ア ソ ン分 布
図3.28
ポ ア ソ ン 分布 の グラ フ
こ ら な い こ と が ら に つ い て 多 数 回 の 反 復 を 行 う試 行 の と き に 現 れ る。 こ の 現 象 を 確 率 分 布 に あ て は め る と き に はnp=λ ポ ア ソ ン分 布(3.54)で
はnpが
と し て 使 う。
一 定,1-pを1と
み な せ ば 平 均E(X),分
散
V(X)は,
E(X)=np=λ,V(X)=np(1-p)=λ
と な る。
問23 あ る会 社 で 製 作 す る カ ラーCRTの ると い う。 このCRT100個
歩 留 ま り(完 成 品 の で き る割 合)は99.5%で
あ
の 中 で2個 以 上 の 故 障 品 が 見 つ か る確 率 を 求 め よ。
3.6 中心 極 限定 理 こ こ で は 確 率 変 数 の 和,積
に 着 目 して 平 均 値 の 意 味 を 探 り,コ
レー シ ョ ン に 利 用 し て み よ う。
ン ピ ュー タ シ ミュ
[1] 和,積
の分 布
さ い こ ろ を2個 振 る と き,そ の和 や積 で新 しい確 率 変数 が作 られ る。 確 率 変 数 の和,お 〔 例 題19〕
よ び積 の分 布 の よ うす を探 り,確 率 の 問題 を分 析 しよ う。 ふ つ うの さ い こ ろ と,正 四 面 体 に1か
ら4の 数 を 刻 ん だ さ い こ ろ を
作 り,こ れ らを 同時 に振 る と き,目 の和 の各 確 率 とそ の平 均 値,分 散 を求 め よ。 〔 解 〕 ふ つ うの さ い ころ を振 る試 行 で 出 る 目 をX,正 行 で 出 る 目 をYと
す れ ば,そ の 確 率 分 布 は次 の と お りで あ る。
表3.17 Xの
一 方 ,目
確率 分布
表3.18
の 和X+Yは2,3,…,9,10の 表3.19
各 値 で,各
らX+Yの
分 布 は,次
場 合 は 表3.19の
よ う に な る。
正 四 面体 の さ い ころ
の よ う にな る。
表3.20 X+Yの
こ こ に,X+Yが4の
Yの 確 率 分 布
和 の 事象
図3.29
表3.19か
四面 体 の さ い ころ を振 る試
確率分布
と き の 確 率 は次 の よ う に して 求 め る 。
X+Yの
確 率 分 布 の平 均 値E(X+Y),分
散V(X+Y)は,次
の よ うに して
求 め る。
〔 例 題19〕 か ら確 率 変 数X,Yの こ れ を 確 率 変 数X,Yの で な く,X+Y+Zの +Xな
確 率 変 数 に な る こ と が わ か る。
和 の 確 率 変 数 と い う。 和 の 確 率 変 数 はX+Yの よ う に,3つ
の 和 や 同 じ確 率 変 数Xの
形 だ け
和X+X,X+X
ど に つ い て も考 え られ る。
次 に,X,Yの 3.18か
和Z=X+Yも
らX,Yの
平 均 値,分 平 均 値,分
散 と和X+Yの
そ れ を 比 べ て み よ う 。 表3.17,表
散 は 次 の 値 に な る。
(3.55) (3.56)
一 方
,E(Z)=6,V(Z)=25/6だ
か ら,〔 例 題19〕 で は 次 の 等 式 が 成 り 立 つ。
(3.57) (3.58) 問24 コ イ ンと 画鋲 が1個 ず つ あ る。 画 鋲 を投 げ た と き針 が 上 に な る確 率 が0.4で
あ ると
い う。 この 事 象 を表 が 出 る事 象 と し,こ れ らを投 げて コ イ ンま た は 画鋲 の 表 が 出 る個 数 を Xと す る と き,Xの
確 率 分 布 と平 均 値,分 散 を求 め よ。
式(3.57),式(3.58)で
は 加 法 性 に つ い て の 整 っ た 式 が 示 さ れ て い る が,積
つ い て も 同 様 の 式 が 成 り立 つ こ と が 予 想 さ れ る 。 そ こ で ,積
に
の確 率 変 数 と その 確
率 分 布 を 考 え て み よ う。
〔 例 題20〕
〔 例 題19〕 の 問 題 場 面 で,2つ
率 分 布 と,そ 〔 解〕
の 平 均 値,分
表3.17,表3.18でXYの
の さ い こ ろ を 振 る と き 目 の 積XYの
確
散 を求 め よ。 と る 値 と,そ
の確 率 分 布 を計 算 す る と次 の よ う
に な る。 表3.21 XYの
XYの
確 率分布
平均 値 と分 散 を,次 の よ う に して 求 め る。
〔 例 題20〕 算 しよ う。
で 計 算 し たXYの
平 均 値,分
散 を 式(3.55),式(3.56)を
用 いて計
一 方
,
だ か ら,積 の 確 率変 数 につ いて
(3.59) が 成 り 立 つ が,V(XY)≠V(X)V(Y)と 〔 例 題19〕 の 確 率X,Yで
な る。
は
が 成 り立 つ 。 こ の 関 係 が 成 り立 つ 確 率 変 数X,Yの
こ と を 独 立 な 確 率 変 数 と い う。
問25 コイ ンと画 鋲 が2個 ず つ あ る。 画 鋲 を 投 げ た と き針 が上 に な る確 率 が0.4に
な った
と し,こ の事 象 を表 が 出 る事 象 と い う こ とに しよ う。 これ らを投 げて コ イ ン ま た は画 鋲 の 表 が 出 る個 数 をXと
す る と き,Xの
一 般 に 確 率 変 数X+Y,XYの 数 の 法 則,中
心 極 限 定 理,統
平 均 値,分 散 を求 め よ。
平 均 値,分
散 に つ い て 次 の 基 本 性 質 が あ り,大
計 的 推 測 な ど に 用 い ら れ る。
E(X+Y)=E(X)+E(Y) X,Yが
独 立 な と き,E(XY)=E(X)E(Y)
X,Yが
独 立 な と き,V(X+Y)=V(X)+V(Y)
[2]
大 数 の 法 則
n個
の さ い こ ろ投 げ の よ うす を シ ミュ レー シ ョ ンの助 け を借 りて 探 り,そ の 特
性 を ま とめ よ う。
〔 例 題21〕2個 Y)/2の 〔 解〕
の さ い こ ろ を 投 げ,各
分 布 と 平 均 値,分 出 る 目2つ
さ い こ ろ の 目 をX,Yと
散 を求 め よ。
の 平 均(X+Y)/2の
各 場 合 と,そ
の確 率 の 確 率 分 布 は次 の と
お りで あ る。 表3.22 2個 の さ い こ ろの 目の 平均
図3.30
XとX+Y/2の
分 布
1個 の さい こ ろで 出 る 目 の平均 値 と分 散 は,
と な り,X,Yは
平均値
す る と き,(X+
独 立 だ か ら式(3.55)か
ら式(3.58)を
用 いて
分散
プ ロ グ ラ ム3.6で
な ど,和 の 確 率 分 布 を シ
ミ ュ レ ー シ ョ ン し よ う。 プ ロ グ ラ ム3.6
計算の結果 ?6 1 0.000
2 0.061
平 均 値3.548
プ ロ グ ラ ム3.6は,n個 1000回
行 い,平
3 0.415
4 0.439
5 0.085
6 0.000
分 散.539696
の さ い こ ろ を 投 げ て 出 る 目 の平 均 値 を求 め る試 行 を
均 値1,2,…,6の
相 対 度 数 で確 率 を求 め る よ うに した。 プ ロ グ ラ
ム3 .6でnを
大 き く し て い く と,図3.31の
よ う に,正
散 σ2が 小 さ く な る こ と が わ か る 。 た だ し,平
規 分 布N(3.5,σ2)の
分
均 の計算 方 法 か ら平 均 値 に 多 少 の
偏 りが あ る。 表3.23 平 均 値 の 分 布
図3.31 n個
こ の こ と か らn個
の平 均 の 分 布
の さ い こ ろ を 振 り 出 る 目X1,X2,…,Xnの
平 均 値 の確 率 変 数
(3.60) と,そ
の 平 均 値E(Sn)=m,分
散V(Sn)=σ2,定
数e>0に
つ い て,次
の こと
が 推 定 で き る。 (a) n→
∞ の と き,P(│Sn-m│≧e)→0
(b) Snの 分 布 はN(m,σ2)に X1,X2,…,Xnを
(3.61)
従 う。
互 い に 独 立 で,平
均 値E(Xk)=m,分
(3.62) 散V(Xk)=σ2が
等
しい確 率 変 数 とす る。Snを 式(3.60)の
よ う に と る と き式(3.61),式(3.62)が
成 り立 つ こ とが知 られ,前 者 の こ とを大 数 の法 則,後 者 の こ とを 中心 極 限 定 理 と い う。 大 数 の法 則 は個 々 のXは で,そ
予 測 で き な くて も,多 数 の平 均 を と れ ば 高 い 可 能 性
の結 果 を予 測 で きる こと を示 して い る。 中心 極 限定 理 は,平 均 値 を と る確
率 変 数 が,正 規 分 布 で近 似 で き る こ と を示 して い る。 これ らは,推 測 統 計 の 根 拠 に な っ て い る。
練習問題 1. 2個
の さ い こ ろ を 振 り,大
2. A,Bが
き い 方 の 目 をXと
じ ゃ ん け ん を4回
す る と き,Aが3回
す る と き,Xの
確 率 分 布 を求 め よ。
以 上 勝つ 確 率 を シ ミ ュ レ ー シ ョ ン で 求
めよ。 3. 分 散 の 式(3.17)は,次
の 式 で も導 か れ る こ と を示 せ 。 こ れ をE(X2)-E(X)2と
表す。
V(X)=(x12p1+x22p2+…+xn2pn)-m2
こ の 式 を 用 い て 表3.11か
4. プ ロ グ ラ ム3.3を 5. コ イ ン1個
らB(3,p)の
利 用 し て 半 径 が1の
を 投 げ,表
が 出 る 回 数Xの
の 確 率 分 布 を 表 で 表 し,そ 実 験 を 行 い,結
求めよ。
確 率 分 布 に つ い て,和X+X,X+X+X
の 平 均 値 と分 散 を 求 め よ 。 ま た,プ
ロ グ ラ ム3 .2を
利 用 して
果 を確 認 せ よ。
6. 〔例 題4〕 の 確 率 分 布 を2項
分 布 で 近 似 し,男
近 似 の 確 率 分 布 を プ ロ グ ラ ム3.2で 7. 10個
分 散V(X)を
球 の 体 積 を 近 似 せ よ。
の さ い こ ろ を 振 り,出
子 の人 数 の 平 均 値 と分 散 を 求 め よ。 こ の
シ ミュ レ ー シ ョ ン せ よ 。
る 目 の 平 均 値 と 分 散 を 求 め よ 。 ま た,プ
用 し て シ ミユ レ ー シ ョ ン を 行 え 。
ロ グ ラ ム3.6を
利
第4章 確率の応用 これ ま で の章 で確 率 の概 念 につ い て一 通 り学 ん だ。 こ こで は,確 率 の概 念 を い く つ か の 不 確 か な現 象 に応 用 し,必 要 に応 じて コ ン ピ ュー タを利 用 して み よ う。
4.1
ツ キ の確 率
い ま,A君
とB君
が コ イ ン投 げ を し,表
が 出 た らA君が
勝 ち で+1点,B君
が 負 け で-1点,裏
が 出 た ら そ の 逆 と す る ゲ ー ム を 繰 り返 し 行 う と す る 。 こ の
ゲ ー ム の 各 回 でA君
が ど こ ま で 得 点 を あ げ られ る か 探 る こ と に し よ う。
[1]
ラ ン ダ ム ウ ォー ク の 実 験
コ イ ン投 げ で 得 点 の 推 移 の 実 験 を して み よ う。 コ イ ン投 げ の 模 擬 実 験 を100回 行 い,変
数sを
sに 加 算 し,そ
最 初0(s0=0)と
お き,表
が 出 た ら+1,裏
が 出 た ら-1を
の 値 を 表 示 す る 。 実 際 に コ イ ン投 げ を 行 っ て も よ い が,コ
得 点 イ ン投
げ と シ ミ ュ レ ー シ ョ ンの 結 果 に ほ と ん ど 違 い は 出 な い 。 プ ロ グ ラ ム4.1で
は,INT(RND(1)*2)*2で0,2の
乱 数 を,式(4.1)で1,
-1の 乱 数 を 作 る。
(4.1)
プ ロ グ ラ ム4.1
計 算 の 結果(乱 数 の 初 期 値28の -1 0
1 0 -1 0 -1 0 1
場 合) 2
3 2 3 4 3 2 1 2 1 0 -1 0 1 2 3 4 5 6 5 4 3 2 1 0 -1 0 1 0 1 2 3 4 5 6 5 6 7 8 7 6 5 4 5
4 3
2 3 4 3 2
3 4 5 6 5 4 3 2 3 2 3 4 3 4 3 2 3 4 3 2 1 2 1 0 -1 -2 -3 -2 -1 -2 -1 0 -1 0 1 0 1 0 -1 -2
図4.1
問1
プ ロ グ ラ ム4.1を 修 正 して100回
数 を数 え よ。 また,│s│≧10と 問1で
は,100回
の実 験 を20回
な る割 合 が30%程
実 行 し,s<0の
の コ イ ン投 げ を 行 っ た と き の 得 点sの
図4.2
個 数 とs>0の
度 あ る こ とを確 認 せ よ。
ラ ン ダ ム ウ ォ ー ク(100回)
分 布 を調 べ て い る。
個
結 果の考察 プ ロ グ ラ ム4.1でsの れ て い る が,A君
推 移 は 図4.2,図4.3の
が ツ イ て い る と き(x軸
よ う に な り,得
点 の範囲 が 限 ら
よ り上 の と き)が 意 外 に 長 く,ツ
入 れ 代 わ る こ と は あ ま り な い 。 こ の よ う な 推 移 を1次
キが
元 の ラ ンダ ム ウ ォー ク と い
う 。 ラ ン ダ ム ウ ォ ー ク は ゲ ー ム の 得 点 や す ご ろ く,ブ
ラ ウ ン運 動 な ど に 見 られ
る。
図4.3
[2]
ラ ン ダ ム ウ ォー ク 〔1000回 初 期 値28)
得 点 の 確 率
確 率 を 応 用 し,上
の コ イ ン投 げ で 考 察 し た こ と の 根 拠 をn=1,2,3の
場合 を も
と に考 え る。 (1)
得 点 の推 移 と確 率
コ イ ン投 げ をn回
A君
が 得 た 得 点 をsn,そ
確 率P(sn)の
n =2の
と き,snの
次 の よ う に お く。
れ を 得 る 確 率 をP(sn)
計 算 の しか た は1,2回
〔 例 題1〕n=1,2の 〔 解 〕n=1の
行 っ た と き,sn,P(sn)を
目 の計 算 を次 の よ うに吟 味 す れ ば わ か る。
と る 各 値 と 確 率P(sn)を
と き,コ イ ンの 表 が 出 た と きs1=1,裏
と き ,コ
イ ン が 表 表 の と きs2=2,表
求 め よ。
が 出 た と きs1=-1だ
裏 の と きs2=0,裏
か ら,
裏 の と きs2=
-2だ か ら,
2回 目 と3回 目の 得 点 の 確 率 分布 は次 の よ うに な り,各 平 均 は0に な る。 表4.1 2回 目 の得 点
問2
n=4の
n回
と る 各 値 と,そ
目 の 得 点snは,m=snと
n=2の
n
と きs4の
=3の
と き,sn=-2,0,2,こ
と き
と な る か ら,nが -n≦m≦nの
表4.2 3回 目の 得 点
の確 率 を求 め よ。
す れ ば, の と き,
,sn=-3,-1,1,3,こ
偶 数(奇 数)の
の
と きmは
と き,
偶 数(奇
数)だ
け を と る。 よ っ て,
と き,
は,0,1,2,3,…,n
の 値 を と る 。 図4.4と ・得 点mを
あ わ せ て 考 え る と ,次
得 る方 法 は, 〔 通 り〕
・得 点mを
の こ とが わ か る。
得 る 確 率P(sn=m)は
(4.2)
,
(4.3)
図4.4
得 点 と そ の確 率
(2) 各 回 の 得 点 と そ の確 率 A君
の 得 点 が0に
な る の は,偶
それぞれ
の 確 率 はn=2,4,6で,
に な る。
〔例 題2〕A,B両 〔解 〕n回
数 回 目 に 限 られ,そ
君 のn回
目 にA君
目 の 得 点 が0に
の 得 点snが0に
な る確 率 を 求 め よ 。
な る 確 率P(sn=0)は,図4.4と
式(4.3)
か ら, ・nが
奇 数2k-1の
と き,
(4.4) ・nが 偶 数2kの
と き,
(4.5)
問3 上 の ゲ ー ムで10回
(3)
目にA君
を 得 る確 率 をそ れ ぞ れ 求 め よ 。
シ ミ ュ レー シ ョン
確 率P(sn)の
値 を,度
数 分 布 に よ る 近 似 値 と 式(4.3)に
て み よ う 。 プ ロ グ ラ ム4.1を -6か
が0点,2点,4点
ら6ま
次 の よ う に 修 正 し,6回
で の数 の相 対 度 数 を求 め る。
よ る理 論 値 で 比 較 し
目 の 得 点s6を100個
出 し,
プ ロ グ ラ ム4.2
計算 の 結果(乱 数 の 初 期値26703の
場合)
02
64 20 2 46
23 8 3
シ ミ ュ レ ー シ ョ ン の 結 果 の 一 例 と 理 論 値 を,表4.3に
示 す。
表4.3 s6の 確 率
図4.5は,得
点mの
確 率 分 布 が2項
図4.5
分 布 と 同 じ形 に な っ て い る の で,こ
s6の 相 対 度 数 と理 論値,近
似値
れ を
正 規 分 布N(0,6)で
近 似 し て 表4.3に
追 加 した 。 た だ し,表4.3で
き に と る の で 正 規 分 布 の 確 率 密 度 関 数 を,式(4.6)の
よ う に2倍
はmを1お して あ る。
(4.6)
問4 5回 目 の 得点s5の 確 率 分布 の 式 と近似 式 を 求 め,そ れ ぞ れ の 値 を計 算 せ よ。 表4.3で
はsnの
確 率 分 布 をN(0,n)で
近 似 し た が,そ
れ が 正 しい こ と を 次 に
示 そう 。
(4) 平 均 値 と分 散 3回 目 の得 点 の平 均 値,分 散 を求 め,n回 ン投 げ の 各 回 でA君 例 え ば,1回
で あ り,そ
目の得 点 の 分 布 を 近 似 しよ う。 コ イ
の と る得 点 は1と-1で
あ り,各 回 は互 い に独 立 で あ る。
目の 得 点s1の 確 率 分 布 は,
表4.4 s1の 確 率 分 布
の 平 均 値,分
散 は次 の よ うに な る。
平均値
分散
s2の 確 率 分 布 は 表4.5の
〔 例 題3〕3回
目 の 得 点s3の
よ う に な る か ら,そ
の 平 均 値,分
確 率 分 布 の 平 均 値E(s3)と
散 は 次 の 値 に な る。
分 散V(s3)を
求 め よ。
〔 解〕
表4.2でs3の
図4.4か
確 率 分 布 が 示 さ れ て い る か ら,
ら,s1,s2とs3に
s3=1,s3=3の
は 次 の 関 係 が 成 り 立 つ。
場 合 に つ い て も 同 様 の こ と が い え て,3.6節
た 確 率 変 数 の 和X+Yと,そ
の 確 率 の 考 え 方 に よ っ て,次
コ イ ン投 げ で 各 回 は 独 立 だ か ら,式(3.55),式(3.56)を が,次
〔 例 題19〕 で 扱 っ
の 式 が 成 り立 つ 。
用 い て 平 均 値,分
散
の よ う に 求 め ら れ る。
こ の 考 え 方 をs2,s3に
適 用 す る と,次
の よ う に な る。
2回 目s2=s1+s1
3回 目s3=s1+s1+s1
こ の 手 続 き を 続 け る と,確
率 変 数snはs1の
和 と して,次
(n個 の和)
の よ う に表 され る。
(4.7)
(4.8) (n個 の和) こ う して 得 点snの ま た,図4.4か
分 布 は 平 均 値0,分
らsnの
得 点 分 布 は2項
散nに
な る こ とが 示 され る。
分 布 と 同 じ形 に な り,正 規 分 布N(0,n)
で 近 似 で き る。
問5 5回 目 の得 点s5の 確 率 分 布 の理 論 値 と,そ の近 似 式 を式(4.3),式(4.6)か
ら導 き,
プ ロ グ ラ ム を作 っ て そ の値 を 求 め よ。
4.2 情 報 量 と符 号 化 現 在 の情 報 化 社 会 で は多量 の情 報 が あ ふ れ,さ ま ざ ま な 情 報 の 伝 達 量 が飛 躍 的 に増 加 して い る。 こ こで は情 報 の 価 値 を,起
こ りに く さの 視 点 か ら情 報 量 と して
表 し,そ れ を使 って 効 率 的 な 伝 達 の た め に記 号 を コー ド化 す る こ と を考 え る。
[1]
情 報 量
順 番 を 決 め た り,あ
る 選 択 を す る の に,く
じ や さ い こ ろ,コ
チ ャ ン ス を 公 平 に す る こ と が よ く あ る。 そ こ で は,コ は ず れ と い う情 報 を,あ 価 値 が あ り,そ (1)
る 確 率 で 得 て い る。 そ し て,得
イ ンな ど を使 って
イ ン の 裏 表,く
じの 当 た り
難 い チ ャ ンス の情 報 ほ ど
れ を 得 る 確 率 は 小 さ い で あ ろ う。
情報量
コ イ ン投 げ で 表 が 出 た こ と を 知 る と き の 情 報 量 は,次
〔 例 題4〕
コ イ ン をn回
投 げ,n回
の よ う に して 求 め ら れ る。
と も表 が 出 た こ と を 知 る と き の 情 報 量Inを
め よ 。 た だ し,1回
の コ イ ン投 げ で 表 が 出 る と き の 情 報 量 を1と
〔 解〕
投 げ,と
コ イ ン を2回
の2倍 あ る と考 え れ ば,
も に 表 が 出 る と き,情
求
す る。
報 の 価 値 は コ イ ン1回
の とき
と な る。 コ イ ン をn回
投 げ,n回
と も表
が 出 る と き の 情 報 量 は,
(4.9) とな る。
図4.6
〔 例 題4〕 で は,n回
の と も表 が 出 る確 率 はpn=2-nだ
コ イ ンの 情 報 量
か ら,式(4.9)は
(4.10) と 表 す こ と もで き る 。 例 え ば,5回 こ と の 情 報 量Iは,次
この 値 は,マ
さ い こ ろ を 投 げ た と き,す
べ て1の
目が 出 る
の値 に な る。
ニ ュ ア ル 計 算 で 次 の よ う に 求 め ら れ る。
問6 次 の こ とが らが起 こ った こ とを知 る と きの情 報 量 を 求 め よ 。 (a) さい ころ投 げ で5の (b) 120456の よ うに,6桁
目が 出,か つ コイ ン投 げ で 表 が 出 た こ とを知 る と き。 の数 か らな る く じの 中 に 当 た り く じが1本 あ る と い う。 そ の
番号 を 知 る と き。
次 の 例 題 は,条 件 つ き確 率 と も関 連 す る現 実 的 な問 題 で あ る。 〔 例 題5〕A君
が ト ラ ン プ の 種 類(ス
ペ ー ド,ク
ラ ブ,ダ
よ う と して1枚
の カ ー ドを い じ っ て い る う ち に,そ
か っ た と し よ う。 こ の こ と に よ っ て 得 る 情 報 量Iを 〔 解 〕A君
が 例 え ば ダ イ ヤ を 当 て る 確 率 は1/4で
ドと い う情 報 を 得 た と き,図4.7の ゆ え に,赤
よ う に,当
イ ヤ,ハ
ー ト)を 当 て
れ が 赤色 で あ る こと が偶 然 わ 求 め よ。 あ る が,A君
が 赤 い色 の カ ー
た る 確 率 は1/4か
い 色 の カ ー ドが 見 え た こ と で 得 る情 報Iは,次
ら1/2に
な る。
の式 で表 され る。
図4.7
あ る 試 行 の 結 果,事
象Aが
得 ら れ る 情 報 量IAを,次
トラ ン プ の 色か ら得 る情 報 量
起 こ る 確 率 がp(A)の
と き,そ
れ が 起 こ る こ とで
の よ う に決 め る。
(4.11) そ れ は 次 の4つ (a) 確 率1,つ
の条 件 に も とづ い て い る。
ま り必 ず 起 こ る 事 象Uか
ら は 全 く情 報 が 得 ら れ な い と 考 え,IU=
0と す る 。 (b) よ り 起 こ り に く い 事 象Aの P(A)≦P(B)と (c) A,Bが IA +IBと
す る と き,IA≧IBと
り大 き くす る。 つ ま り
す る。
独 立 な 事 象 の と き,つ ま りP(A∩B)=P(A)P(B)の
と き,IA∩B=
す る。
(d) 確 率0.5と
な る事 象Aが
例 え ば,さ
い こ ろ を5個
と な る。 こ の 情 報 量 は,コ イ ンを3回
情 報 量IA(≧0)を,よ
起 こ る と き の 情 報 量 を1と
す る。
振 り,1の
目 が2回
出 る こ と で 得 られ る 情 報 量 は,
イ ン を2回
投 げ て す べ て 表 が 出 る と き の 情 報 量 と,コ
投 げ て す べ て 表 が 出 る と き の情 報 量 の間 に あ る。
問7 車 の ナ ンバ ー プ レー トは,「 あ12-34」 な1文 字 と,-で
の よ う に,「 あ」 か ら 「ん 」 まで の ひ らが
区 切 られ た4桁 の数 字 か らな って い る。 い ま,ひ
らが な を46文
よ び0か ら9の 数 字 が 同 じ頻 度 で 用 い られ て い ると して,次 の情 報 量 を求 め よ。 (a) ひ らが な1文 字 を 知 る と きの情 報 量 (b) 上2桁
の数 字 を 知 る と きの 情報 量
字,お
(2)
エ ン トロ ピー
互 い に 排 反 な 事 象Aiが
起 こ る情 報 量-log2p(Ai)の
平 均 値 に つ いて 考 え る。
全事象 互 い に排 反 に つ いて の情 報 量 の平 均 値,
を エ ン ト ロ ピ ー と い い,そ 例 え ば,コ
の 単 位 を ビ ッ ト と い う。
イ ンが も つ 情 報 量 は,次
の 値 に な る。
(4.12)
〔ビ ッ ト〕
こ れ は,コ
イ ン を 投 げ て 表 が 出 る こ と を1,裏
が 出 る こ と を0と
1ビ ッ トで 表 現 で き る こ と を 示 して い る。 エ ン トロ ピ ー は,あ す 情 報 の 種 類 が,2進
〔 例 題6〕
し,あ
わせ て
る情 報 源 が 作 り 出
数 で 何 桁 に な る か を 示 し て い る。
さ い こ ろ を1個
振 っ た と き,次
(a) 1の 目 が 出 る 事 象 と,そ
の エ ン トロ ピ ー を 求 め よ 。
う で な い 事 象 の エ ン トロ ピ ーI1
(b) 出 る 目 の エ ン ト ロ ピ ーI2
(a) 〔 解〕
(b)
〔 例 題6〕 の 考 え 方 か ら,表4.6の
確 率
表4.6 確 率 分 布
分 布 に 対 す る エ ン トロ ピ ーが 求 め られ る。 す な わ ち,
の 確 率 分 布 の エ ン トロ ピ ーIは,次
の 式 で 表 され る。
(4.13) 問8 大 小 の コ イ ンを2枚 投 げ表 表,表 裏,裏 表,裏 裏 が 出 る事 象 の エ ン ト ロ ピ ー を 求 め
よ。 ま た,表 が 出 る回 数 の 確 率 分 布 の エ ン トロ ピー を求 め よ。 問8は,根
元 事 象;表
表,表
裏,裏
れ,表
の 回 数 に 着 目 し た 場 合,1.5ビ
(3)
プ ロ グ ラム
表,裏
裏 の 個 数4個
が2桁
の2進
数で表 さ
ッ ト必 要 な こ と を 意 味 し て い る 。
確 率 分 布 が 与 え ら れ た と き,そ
の エ ン トロ ピ ー を 求 め る プ ロ グ ラ ム を 考 え よ う。
〔 例 題7〕2項
エ ン ト
分 布B(n,p)の
ロ ピー を プ ロ グ ラム を作 って求 め よ。 〔 解〕
自 然 数nと0<p<1の
と に,k=0,1,…nに
数pを
も
ついて
(4.14) を 計 算 し,さ
ら に 式(4.13)を
用 いて エ
ン ト ロ ピ ー を 求 め る 。 な お,い
ろいろな
nに つ い て 計 算 す る た め,nに
つ いて反
復 す る ル ー プ を 設 け る。
図4.8 プ ロ グ ラ ム4.3
計算 の 結 果(p=0.5) 12 3 45 6
1 1.5
1.811278 2.030639 2.198192 2.333362
例 え ば,2項
分 布B(n,0.5)の
エ ン トロ ピ ー は,単
調 に 増 加 す るnの
関数に な
る(図4.9)。
図4.9
B(n,0.5)の
エ ン トロ ピ ー
図4.10
図4.10か
ら,2項
き は,p=0.5で
分 布B(n,p)に
つ い て の エ ン ト ロ ピ ー はpを
エ ン トロ ピー
変 化 さ せ る と
エ ン トロ ピ ー が 最 大 に な る こ と が 予 想 さ れ る 。
問9
2項
4.2を
利 用 して 求 め よ 。
[2]
B(n,p)の
分 布B(10,p),P=0.1,0.2,…,0.9に
対 す る エ ン トロ ピ ー を,プ
ロ グラム
ハ フ マ ンコー ド
現 代 で は文 字 や 記 号 を 通 信 す る と きに は,す べ て2進 数 の コ ー ドで行 う。 これ
を 符 号 化 とい い,変 換 手 順 を符 号 化 ア ル ゴ リズ ム とい う。 起 こ りや す さを もと に した符 号 化 アル ゴ リズ ム に つ い て調 べ て み よ う。 (1) 暗 号 解 読 3桁 か ら5桁 の2進 数
を,ア
ル フ ァ ベ ッ トや 空 白 と い っ た 文 字 に 割 り 当 て て 通 信 を す る と き,一
定 のア
ル ゴ リズ ム で 符 号 化 す る こ と を 考 え る 。
〔例 題8〕
図4.11か
ら,(a)は
暗 号 を 解 読 し,(b)は
図4.11の
頂 上(つ け根)か
コ ー ドの 誤 り を た だ せ 。
(a) (b) 〔 解 〕(a)
ら初 め て 最 初 の 数 字 を 読 み,0な
な ら右 に 行 く。 こ の ア ル ゴ リズ ム で,コ 暗 号 はthe
shopと
ら 左 に,1
ー ドと 文 字 が 次 の よ う に 対 応 す る か ら,
解 読 で きる。 空 白,
(b) 図4.11で と8番
文 字 と コ ー ドを 対 応 さ せ る と き,う
だ か ら,4番
目 の1110を1101に,8番
ま く対 応 し な い の は,4番
目 の101を100に
直 す。
〔 例 題8〕 の よ う な ア ル ゴ リズ ム で 作 っ た コ ー ドを ハ フ マ ン コ ー ドと い う 。 ま た,コ
ー ド中 の2進
数 の個 数 を そ の
コ ー ドの 長 さ と い い,例 長 さ は4で
あ る。 な お,グ
え ば,1101の ラ フ理 論 で は,
こ う し た 図 を 木 構 造 と い い,最
も上 の
部 分 を 根,最
分を経
も下 の 文 字 を 葉,線
路 と い う。 図4.11
問10〔
例 題8〕
の ア ル ゴ リ ズ ム で,the
season
opensを
符 号化 の 木
コ ー ド化 せ よ 。
(2)
コ ー ド化 の ア ル ゴ リ ズ ム
文 字 を コ ー ド化 し て 通 信 す る と き,よ コ ー ド011に,確
率 の 小 さ い 文 字,例
く使 う文 字,例
え ばwを
え ば 図4.11でsを
長 い コ ー ド1110に
短 い
した方 が 通 信
の 効 率 が 上 が る 。 こ の 観 点 か ら文 字 を コ ー ド化 して み よ う。 あ る文 を ハ フ マ ン コ ー ドで コ ー ド化 し て 送 信 した い と き,次
の 手 順 で 行 う。
(a) 各 文 字 が 利 用 さ れ る 統 計 的 確 率 を 調 べ る 。 (b) 確 率 の 値 に つ い て 昇 順 に 文 字 を 並 べ,符
〔例 題9〕you
send
me
correct
codesと
い 。 各 文 字 の 出 現 確 率 が 表4.7の こ の 文 を2進
号 化 の 木 を 作 る。
い う 文 を ハ フ マ ン コ ー ド化 して 送 信 し た
よ う で あ っ た と き,ハ
フ マ ン コ ー ドを 構 成 し,
数 の コ ー ドに 直 せ 。 表4.7 出 現確 率
〔 解 〕 各 文 字 を 葉 と して,出
現 確 率 の 小 さ い 方 か ら 順 に 並 べ る。 た だ し,出
率 に あ ま り差 が な いsとc,oとeは
同 じ順 位 と し て お く 。 次 に,並
同 じ 出 現 頻 度 の も の を 経 路 で 結 び,そ
現確
べ た文 字 で
の 上 に 合 計 を 書 く(図4.12)。
表4.8 出 現 頻 度順 位
並 べ た 数 の 列 に つ い て,さ
ら に 合 計 を そ の 上 に 書 く。
図4.12
次 に,ほ
4.13)。
葉 を経 路 で結 ぶ
ぼ 同 じ数 ど う しを 線 分 で 結 ん で い って 根 の あ る 木 構 造 を 描 く(図
図4.13
符 号 化 の 木1
図4.14
最 後 に,経 路数 が 多 いr,mな
符 号 化 の 木2
どの文 字 が両 脇 に く る よ うに文 字 を並 べ替 え る。
こ う して符 号 化 の 木 が 出 来上 が る(図4.14)。 表4.9
図4.14の
ハ フ マ ンコ ー ド
符 号化の木か ら 〔 例 題9〕 で 取 り 上 げ た 文 の 文 字 が,表4.9の
よ うに
コ ー ド化 さ れ, you
send
me
correct
codes
と い う文 が次 の よ うに送 信 さ れ る。 00001
100 110 001 010 101 1110 00010
011 100 00000
〔 例 題9〕 で は,各 は3ビ
00000
101 011 00011
001 1111 101 001
001 011 100 00010
文 字 の 出 現 しや す さ か ら符 号 化 さ れ,出
ッ トで コ ー ド化 さ れ る。 一 方,出
101 010
現 頻 度 の 高 いoやu
現 頻 度 の 低 いyやdは5ビ
ッ トと い う ビ ッ
ト数 の 多 い コ ー ドに な っ て い る 。 な お,表4.7の
出 現 確 率 は あ る 英 語 の 文 章 の ご く一 部 か ら得 て 確 率 の 総 和 を1
に した 値 な の で 一 般 的 な 値 で は な く,表4.10の
問11
英 字 新 聞 な ど で は,ア
と い う。
値 の方 が現 実 に近 い。
ル フ ァ ベ ッ ト の 文 字 や 記 号 の 出 現 確 率 が 表4.10の
よ うにな る
表4.10
図4.15は,出 し,次
現 確 率 を100倍
出 現 確率
し た 値 か ら作 成 した 符 号 化 の 木 で あ る。 符 号 化 の 木 を 完 成
の 文 を コ ー ド化 せ よ 。 the
chance
to see
it
図4.15
符 号 化 の 木3
[3] コー ドの長 さ と情 報 量 ハ フ マ ン コ ー ドで は 各 文 字 の 出 現 確 率 を も と に した が,こ 字 の 情 報量 が 計 算 で きる。 例 え ば 〔 例 題9〕 のyは,表4.7か
出 現 確 率 は0.05
情 報 量 は-log20.05≒4.32
と な る。 一 方,表4.11で
表4.11
ら,平
ら,
比 較 す る と,〔 例 題9〕 に お け る 各 文 字 の 情 報 量 と コ ー
ドの 長 さ が ほ ぼ 等 し い こ と が わ か る 。
表4.11か
の 出 現 確 率 か ら各 文
情 報 量 と コ ー ドの 長 さ
均 コ ー ド長 を 調 べ て み よ う。
you
send
me
correct
codes
の 文 に お け る各 文 字 の エ ン ト ロ ピ ーI,お
よ び 平 均 コ ー ド長Cは
次 の よ う に な る。
(4.15)
(4.16)
よ っ て,こ
問12
の エ ン ト ロ ピ ーIと
〔 例 題9〕
を 表4.11か
平 均 コ ー ド長Cは
の ハ フ マ ン コ ー ドに お い てmute
secondの
エ ン ト ロ ピ ー と 平 均 コ ー ド長
ら求 め よ。
4.3
ゲ ー ム の理 論
ゲ ー ム の 理 論 は,身
近 な 問 題 に 確 率 を 応 用 す る 格 好 の テ ー マ で あ る。 こ こ で は,
2人 で 行 う単 純 化 さ れ た ゲ ー ム を,身
[1]
ほ ぼ等 し くな る。
近 か な 表 現 で 考 え て み よ う。
ゼ ロ 和 ゲ ー ム
L球
団 の ピ ッ チ ャ ー 園 川 が,強
打 者 と し て 恐 れ ら れ て い るO球
団 の イチ ロー
選 手 と 向 か い 合 っ て マ ウ ン ドに 立 っ て い る と しよ う 。 園 川 は 直 球 と変 化 球(カ ブ)を 武 器 に し,イ
チ ロー は そ の ど ち ら
表4.12
ー
打率の利得表
か の 手 で く る か を 予 想 して 打 率 を 上 げ よ う と す る 。 今 ま で の イ チ ロ ー の 予 想 と, そ れ が 当 る 確 率 をO球
団 が次 のよ うに
調 べ た。 (1)
利 得 表 の利 用
表4.12を
イ チ ロ ー 側 の 利 得 表 と い い,次
の こ と を 示 し て い る。
・直 球 が く る と イ チ ロ ー が 予 想 し た と き,直
球 だ っ た 場 合 が3割5分,予
想 に
反 して カ ー ブ だ っ た 場 合 が2割 ・カ ー ブ が く る と イ チ ロ ー が 予 想 し た と き,カ
ー ブ だ っ た 場 合 が3割,予
想 に
反 し て 直 球 だ っ た 場 合 が1割5分
ゲ ー ム の 理 論 で,対 法 を 方 略(ス 方 略 は2通
戦 者 の 打 つ 手 を 戦 略 と い い,ど
ト ラ テ ジ ー)と
い う。 こ の 場 面 で は,両
の 戦 略 を 選 ぶ か そ の選 択 方 者 の 戦 略 は 直 球 と カ ー ブで,
りず つ あ る 。
こ の対 決 で は,で
き る だ け安 全 で,損
が 少 な い 選 択 を お 互 い に と る と仮 定 し,
次 の 方 略 で プ レ ー が 進 行 す る。 ・行,つ
ま り イ チ ロ ー側 か ら見 た と き,行
の あ る 第1行 ・列 ,つ
を選 ぶ 。
〔 例 題10〕
の 最 大 値 の 小 さ い 方0.3(<0.35)の
を選 ぶ 。
利 得 表4.12に
〔 解 〕 ① イ チ ロ ー は,各 行 目,つ
ま り 園 川 の 側 か ら見 た と き,列
あ る 第2列
よ っ て プ レ ー は ど う 進 行 す る か,そ 行 の 最 小 値 を 探 す(0.2と0.15)。
② 園 川 は,イ
③ イ チ ロ ー は,園
④ 園 川 は,イ と0.3)の
ま り カー ブを 選 ぶ 。
川 が カ ー ブ を 投 げ る と 見 て と り,2列
び ② に 戻 り,②
目(0.35と0.15)
ま り直 球 を選 ぶ。
→ ③ → ④ → ⑤ → の よ うに循 環 を繰 り返 す 。
の プ レ ー で は両 者 の 予 想 が 表4.13
う し た ゲ ー ム を 鞍 点 が な い ゲ ー ム と い う。 の 場 合,2人
2人 ゲ ー ム と い い,両
目(0.15
ま り直 球 を 選 ぶ 。
川 が 直 球 を 投 げ る と 見 て と り,1列
ぐる ぐる回 って 安 定 す る こ とが な い。 こ
ま た,こ
目(0.2と0.3)
ま りカ ー ブを選 ぶ。
中 で 損 の 少 な い 方 の 列,つ
の 中 で 利 得 の 大 き い 方 の 行,つ
〔例 題10〕
目(0.35と
チ ロ ー が カ ー ブ を 予 想 し て い る と 見 て と り,2行
⑤ イ チ ロ ー は,園
以 下,再
そ れ が 最 大 で あ る1
チ ロ ー が 直 球 を 予 想 し て い る と 見 て と り,1行
の 中 で 利 得 の 大 き い 方 の 行,つ
の 進 行 状 況 を示 せ。
ま り 直 球 を 最 も安 全 と考 え て 選 ぶ 。
0.2)の 中 で 損 の 少 な い 方 の 列,つ
の 最 小 値 の 大 き い 方0.2(>0.15)
が プ レー す るの で 者 の 取 り う る戦 略
ゲ ー ム の推 移
は 共 に 直 球 と カ ー ブ の2種
類 しか な い の で2×2ゲ
ー ム と い う。 ま た,対
戦 者 は
お 互 い の 方 略 を 完 全 に 知 る こ と が で き る と 仮 定 して い る の で 完 全 情 報 ゲ ー ム と い い,一
方 の 得 点 が 他 方 の 失 点 に な っ て い る の で ゼ ロ 和 ゲ ー ム と も い う。 こ こ で あ
げ た ゲ ー ム は,完
全 情 報2×2の2人
ゼ ロ和 ゲ ー ム と い う最 も基 本 的 な ゲ ー ム の
例 で あ る。 こ の プ レ ー で は,両
者 は 互 い に 相 手 の 戦 略 を 予 想 し な が ら,安
て 利 得 を 最 大 に し,損
失 を 最 小 限 に し よ う と して,い
択 す る 。 利 得 表4.12に
よ る選 択 で は,例
え ば,次
全 を基 本 に お い
くつ か の 戦 略 か ら1つ
の 方 略 で 安 全 性,利
得(損
を選 失)
の ね らい を具 体 化 して い る。 ・安 全 の 方 略;イ
チ ロ ー が,行
の最 小 値 に着 目す る。
・利 得 最 大 の 方 略;イ
チ ロ ー が1列(0.35と0.15)の
・損 失 最 小 の 方 略;園
川 が1行(0.35と0.2)の
こ の 方 略 を ミ ニ マ ッ ク ス 法 と い い,ゲ 現 実 の 人 間 は,こ
最 大 値0.35を 最 小 値0.2を
選 ぶ。
選ぶ。
ー ム の 理 論 の 中 心 を な す 考 え 方 で あ る。
こ に あ げ た 戦 略 や 方 略 だ け で 行 動 す る わ け で は な く,ミ
ニマ ッ
ク ス法 は 手 堅 す ぎ て と き に は 最 良 の 方 法 と な ら な い こ と が あ る 。 し か し,行
動 の パ タ ー ン と して ミニ マ ッ ク ス 法 は 基 本 的 で あ り,集
基 づ く戦 争 や 市 場 開 拓 な ど に 有 効 に な る。 実 際,ゲ 戦 で 実 際 に 用 い ら れ,現
問13 A君
とB君
団 の 行動 に
ー ム の 理 論 は,第2次
世 界大
在 で も選 挙 運 動 や 市 場 獲 得 に 利 用 さ れ て い る 。
が 表4.14の
利得 表 に従 っ
表4.14 利 得 表
て 得 点 を 得 る と い うル ー ル で,ゲ ー ム を 行 う と き の 推 移 を 調 べ よ。 た だ し,ゲ
ー ム はA
君 か ら開 始 す る も の とす る。
問13の
ゲ ー ム で は,上
の 両 者 と も同 じ手,つ
の 戦 略 を 両 者 が 選 び 続 け る 。 こ の 戦 略(1行2列)を
ま りⅠ の 行 とⅡ の 列(2行2列
目)
鞍 点 と い う。
[2] 混 合 戦 略 これ ま で の ゲ ー ム で は,相 手 が どん な戦 略 を選 択 した か,そ の方 略 を他 方 が 完
全 に 知 り 得 る と 仮 定 した 。 しか し,実 しか で き な い 。 そ の 場 合,事
〔 例 題11〕
際 に は相 手 の方 略 を対 戦 者 は予 想 す る こ と
態 は か な り複 雑 に な る 。
園 川 が 直 球 を 投 げ る 確 率 をp=0.4と
し た と き,イ
チ ロ ー の打 率 を求
め よ。 〔 解〕
イ チ ロ ー が 直 球 を 予 想 し た と き,利
イ チ ロ ー が カ ー ブ を 予 想 し た と き,利
〔 例 題11〕 か ら,イ
得 表4.12の1行
目 か ら,
得 表4.12の2行
目か ら
チ ロ ー は 直 球 を 予 想 し た 方 が 有 利 に な る 。 こ の よ う に,園
川 が 直 球 を 投 げ る と きの 確 率 で イ チ ロー の とる方 略 が 決 ま る。 園 川 が 直 球 を 投 げ る 確 率 をpと こ の プ レ ー で は,イ の 打 率 は,そ
す れ ば,カー
ブ を 投 げ る 確 率 は1-pで
チ ロ ー が 直 球 を 予 想 し た 場 合,お
あ る。
よ び カ ー ブを 予 想 した場 合
れ ぞ れ次 の よ う にな る。
(a) イ チ ロ ー が 直 球 を 予 想 し た と き の 打 率
直線1
(4.17)
p=1の p=0の
と き,0.35(表4.15の1行1列 と き,0.2(同1行2列
目,図4.16の 目,直
線1の
直 線1の
右 端)
左 端)
(b) イ チ ロ ー が カ ー ブ を 予 想 した と き の 打 率
直線2
(4.18)
p=1の
と き,0.15(同2行1列
p=0の
と き,0.3(同2行2列
表4.15
目,直 目,直
線2の 線2の
右 端) 左 端)
利 得 表
図4.16
確 率pと
打率 の関係
この プ レー で は,対 戦 者 は相 手 の 方 略 を確 率 で 予 想 し,利 得 表 を利 用 して 安 定
性 の も と に 利 得,あ
る い は損失 が 最適 に な る よ うに 方 略 を 決 め る。
こ こ で,式(4.17),式(4.18)を 〔 例 題12〕
園 川 が 確 率pで
p=0.1,0.5の 〔 解〕
も と に両 者 の 方 略 を 考 え て み よ う 。 直 球 を 選 ぶ と き,ど
場 合 を も と に,両
次 の 各 場 合 は,園
(a) p=0.1の
の よ うな プ レ ーが展 開 さ れ る か 。
者 が と る べ き方 略 を 求 め よ 。
川 の 確 率pに
対 し て,イ
チ ロ ー が 期 待 で き る打 率 で あ る。
場合
直線1 直線2 よ っ て,イ (b) p
=0
チ ロ ー は 直 線2(カ
ー ブ)を 選 び,こ
の と き の 打 率 は0 .285に
な る。
.5の 場 合
直線1 直線2 よ っ て,イ
チ ロ ー は 直 線1(直
球)を 選 び,こ
図4.17
の と き の 打 率 は0.275に
な る。
確 率 と 打 率2
・イ チ ロ ー は 打 率 を 最 高 に し た い の で
,園
川 の 各 確 率pに
対 し,常
に 直 線1,
2の 高 い 方 の 戦 略 を 選 ぶ 。 ・園 川 は イ チ ロ ー の 打 率 を 最 低 に 抑 え た い の で 直球 を投 げ る。 こ れ が 両 者 の 最 善 の 方 略 で あ る。 直 線1,2の
交 点 は,連
か ら,p=1/3と
な る。
立 方程 式
,直
線1,2の
交 点 の 確 率pで
し た が って,園
川 は 直 球 を 確 率1/3,カ
最 善 で あ る 。 こ の と き,イ
ー ブ を 確 率2/3で
チ ロ ー は 直 球,カ
投 げ続 け る 方 略 が
ー ブ の ど ち らで を 予 想 して も 同 じ打
率 で,
だ か ら,そ
れ は2割5分
〔 例 題12〕 で は,対
に な る。
戦 者 は 安 全 で か つ 最 良 の 選 択 を,あ
る確 率 で と る。 こ う し
た ゲ ー ム の こ と を 混 合 戦 略 と い う。 問14 A,B両
君 が 表4.16の
戦 略 の ゲ ー ム を行 うと き,B君
表4.16利
利 得 表で混 合 はⅠ,Ⅱ
得 表
をど
の よ う な確 率 で 選 ぶ の が最 善 策 か 。
今 度 は,イ
〔 例 題13〕 1-qと 〔 解〕
チ ロ ー の 最 善 策 を 求 め て み よ う。
表4.15で す る と き,園
イ チ ロ ー 選 手 が 直 球 を 選 ぶ 確 率 をq,カ
ー ブを 選 ぶ 確 率 を
川 が 選 ぶ 戦 略 と イ チ ロ ー の打 率 を求 め よ。
園 川 選 手 が 直 球 を 選 ぶ 場 合,お
よ び カ ー ブ を 選 ぶ 場 合 の イ チ ロ ー の 打 率 は,
次 の よ う に な る。 (a) 園 川 が 直 球 を 選 ぶ と き,
直線1
(4.19)
(b) 園 川 が カ ー ブ を選 ぶ と き,
直線2 こ の と き の 打 率 とqの
(4.20)
関 係 は,図4.18の
図4.18
よ う に な る。
打 率 とqの
関係
こ の と き,園
川 は で き るだ けイ チ ロ ーの 打 率 を 低 くお さえ よ う とす る。 そ れ に
対 し て イ チ ロ ー は,2直
線 の 交 点 を 選 ぶ の が よ い 。 そ こで,次
の連 立 方 程 式 を 解
く。
解 を 求 め る とq=0.5,し い 。 こ の と きy=0.25,つ
たが って 直 球 と カ ー ブ の比 率 を 半 々 に す る の が よ ま り イ チ ロ ー の 最 善 の 打 率 は2割5分
と な り,〔 例 題
12〕 の 解 と 一 致 す る 。
問15
利 得 表4.16の
ゲ ー ム で,A君
〔 例 題14〕A,B両 る 。A君
は ど ん な 確 率 でⅠ,Ⅱ
君 が 相 手 に見 え な い よ うに交 互 に お金 を 置 くゲ ー ム を して い
は 何 も 出 さ な い か,5円
か10円
か の3通
20円 の ど れ か を 出 す も の と す る 。 ま た,両 A君
が,奇
数 の と き,B君
作 り,A,Bの
り の 出 し 方 を し,B君
は1円
か
君 が 出 した お 金 の 合 計 が 偶 数 の と き
が そ れ を も ら え る も の と す る。 こ の ゲ ー ム の利 得 表 を
最 善 の方 略 を調 べ よ 。
〔 解 〕A君
の 利 得 を 調 べ る 。A君
の と き,B君 A君
を選 ぶ のが 最 善 か 。
が1円,20円
表4.17 A君
が0円
の 利得 表
出 し た 場 合,
の 利 得 は そ れ ぞ れ-1円,+20円
で あ る 。 同 様 に し て,A君 円 の と き も調 べ る と,表4.17の
が5円,10 利 得表
が で き る。
B君 が1円 を 出す 確 率 をqと す れ ば,20円
出 す確 率 は1-qに
な る。 よ っ て各
行 の 戦 略 に対 す る値 は,次 の 式 で 表 され る。 1行 目
(4.21)
2行 目
(4.22)
3行 目
(4.23)
A君 はで き るだ け効 果 を 上 げ よ うとす る ので3つ が 大 き い方 を 選 ぶ。
の直 線 の う ち,qに
対 す る値
図4.19の
最 も上 の 折 れ 線 に対
して,Bは
そ の 最小 直を と る の で,
1行 と2行
の 直 線 の 交 点 がBの
最
善 の 方 略 に な る。 式(4.21),(4.22)で 式 を 作 り,解
連立 方 程
を 求 め る。
図4.19
利得 と確 率 の 関 係
よ っ て,
B君
は45:7の
割 合 で1円
と20円
を 出 せ ば,毎
れ が 最 善 の 方 略 で あ る 。 こ の と き,A君
は0円
回1.83円
か5円
程 度 の 損 で 済 み,こ
を 出 し,10円
は出 さな い
方 略 を と る。 問16〔
例 題14〕 で,A君
の最 善 の 方 略 を 求 め よ。
〔 例 題14〕 で は,A君
が0円
の と き の 確 率 をpと
pで-p+6(1-p),20p-25(1-p)の
す る と,5円
交 点 か ら,A君
の 確 率 で そ れ ぞ れ0,5円,10円
を 出 し,B君
れ1円,20円
を 出 す の が 最 善 の 策 で あ る。
し か し,毎
回A君
が1.83円
は45/52,7/52の
儲 け る こ と に な る の で,B君
を 出 す 確 率 は1-
は31/52,21/52,0 確 率 で,そ
れ ぞ
は このゲ ー ムはや ら
な い 方 が 最 も よ い と い う結 論 に な る 。 〔 例 題14〕
の ゲ ー ム も表4.12の れ を2×3の
場 合 と 同 様 に,A君
る と0に
な る の で,こ
2×nの
ゼ ロ 和 ゲ ー ム に も適 用 で き る 。 な お,ゲ
の 得 点 とB君
の得 点 を加 え
一 般 ゼ ロ 和 ゲ ー ム と い う。 同 様 の 考 え 方 は, ー ム の 理 論 に は,2×nで
和 が
ゼ ロ で な い ゲ ー ム も あ る。
[3] 2×nの
プ ロ グ ラ ム 一 般 ゼ ロ和 ゲ ー ム の 解 を コ ン ピ ュ ー タで 求 め て み よ う。A君
ゲ ー ム を 行 い,A君
がn通
り の 手 を も ち,そ
れ ら を 戦 略1,戦
略2,…,戦
とB君
が 略n
と し,B君
が2通
を 戦 略1,戦
り の 手 を 持 ち,そ
略2と
ム の 利 得 表 をA君
す る。 ま た,こ
表4.18
れ ら
A君 の 利 得 表
のゲ ー
の 立 場 か ら,表4.18
の よ う に 作 る。 こ こ でB君
が 戦 略1を
選 ぶ 確 率 をqと
す れ ば,,式(4.21),式(4.22),式(4.23) と 同 様 に,次
の 式 が 得 られ る 。
1行 目
2行 目
n行 目 こ こでi行 目の 直線 とj行 目の 直線 の連 立 方 程 式 を解 い て,次 の式 が得 られ る。
こ の 図4.19の のi,j
よ う に 太 い 直 線 を 作 っ た と き のyが
に対 して 次 の 連 立 方 程 式 を 解 い て,A君
最 小 に な るi,jを
の 最 善 の 値z,そ
求 め,こ
の と き の 確 率p
が 求 め ら れ る。
プ ロ グ ラ ム4.4で プ ロ グ ラ ム4.4
は,A君
の 戦 略 の 個 数nと,利
得 表 の 値 をdata文
で 入 力 す る。
A
計算の結果 ,Bの 最 善 の 確 率.5961539 ,Bの 最 善 の 利 得1.826923
4.4
.8653846 -1 .826923
マル コフ過 程
現 代 社 会 は競 争 の社 会 で も あ る。 大 手 新 聞 社 は発 行 部 数 の推 移 に気 を 使 い,各 テ レ ビ局 は視 聴 率 の 変 化 に 一喜 一 憂 す る。 こ う した 変 化 を 単 純 化 す る と発 行 部 数 や 視 聴 率 の よ うす が 見 え て く る。 こ こで は行 列 を 用 い て 一 定 の 確 率 が 与 え られ た と きの推 移 につ いて 考 え る。
[1]
推 移 の モ デル 化
情 報 化 社 会 で は多 方 面 の 情 報 が 行 き交 って い る。 そ の 情 報 は,競 合 す る企業 間 の 浮 沈 を左 右 す る。 そ の基 本 的 な例 に つ い て考 え て み よ う。 〔 例 題15〕
東 京 とそ の周 辺 で は,夕 刊 紙 が 事 実 上A,Bの2紙
か も毎 週 そ の市 場 占有 率 が次 の よ うに変 化 す る と い う。
に 独 占 され,し
・A紙 を買 った読 者 は翌 週80%が
再 びA紙
を買 い,20%がB紙
に変 え る。
・B紙 を買 った読 者 は翌 週75%が
再 びB紙
を買 い,25%がA紙
に変 え る。
最 初 に同 じ占有 率 で あ った と き,1週 〔 解 〕1週
間 後,2週
間 後 の各 社 の 占有 率 を 求 め よ。
間 後 の 占有 率 は,次 の よ う にな る。
A社 B社 2週 間 後 の 占 有 率 は,次
の よ うに な る。
A社 B社 (1)
表 現 の しか た
〔 例 題15〕 の 変 化 を 示 す 図4.20を
図4.20
ま た,変
シ ャ ノ ン線 図
化 の よ うす は表4.19の 表4.19
シ ャ ノ ン 線 図,図4.21を
図4.21
よ う に 表 す こ と が で き,こ
推 移 グ ラ フ
れ を 推 移 表 と い う。
推移表
図4.22
この表 で は,わ
推 移 グ ラフ と い う。
推 移 行 列
くを取 り去 って も流 れ は変 わ らな い の で,図4.22の
よ う に数
字 とか っ こで 表 す こ とが で き る。 こ う して で きた 数 の 集 ま りを 推 移 行 列 とい う。 数 を行 と列 に並 べ た数 の集 ま りを行 列,行 列 の各 数 の こ と を成 分,第i行j列 の成 分 を 第ij成 分,第kk成 らな る行 列 の こ とをm×n(型
分 の こ とを 対 角 成 分 と い う。m個 の)行 列 と い い,n×n行
の 行 とn個 の 列 か
列 の こ と をn次
の正方
行 列 と い う。 行 列 は,コ
ン ピ ュー タで推 移 の変 化 を包 括 的 に と らえ,ま た計 算 す る の に便 利
で あ る。
問17 図4.22の
推 移 行 列 につ い て,次 の 各 問 に答 え よ。
(a) 行 列 の型 は何 か 。 (b)
何 次 の正 方 行 列 か。
(c) 対 角 成 分 は何 か。 (d)
0.2は 第何 行 何 列 の成 分 か。
(2)
行列計算
〔 例 題15〕 の 計 算 を 行 列 で 行 お う。1週
間 後 の 占 有 率 は,次
の よ うに 行 列 で 表
す ことが で き る。
A社 B社 こ こ で,行
列 の 計 算 は 次 の よ う に な り,結
果 は2×1行
列 で 表 さ れ る。
(4.24) 2週 間 後 の 占有 率 も同 様 に して,次 の よ うに計 算 す る。
A社 B社
問18 〔 例 題15〕 の3週 間 後 の 占有 率 を,小 数 点 以 下 第5位 を 四 捨 五 入 して求 め よ。
[2]
行 列 の積
行 列 の積 とそ の 計 算 方 法 につ いて 考 え よ う。 (1) 積 の定 義 と計 算 図4.22を2回
繰 り返 す推 移 は,図4.23の
よ うに な る。
図4.23
図4.23で,例 ら,次
え ばA→Aと
繰 り返 しの 推 移
な る 確 率 は,A→A→AとA→B→Aの
和 だ か
の 値 に な る。
そ の 他 の推 移 の確 率 も同 様 に して 求 め られ る。
こ れ ら4つ
の 式 を,行
列 の 式(4.24)と
同 じ形 で 求 め る。
(4.25) こ こで 行 列 を 文 字 で 表 し,そ の 累 乗 の 計 算 を 考 え る。 (4.26) と お け ば,式(4.25)はPPと
な る の で,こ
れ をPPをP2と
表 し,行
列Pの2乗
とい う。 式(4.26)のPで
は,
(4.27)
と な る。 さ ら に,P2PをP3,P3PをP4な ま た,行
列PとQに
つ い て 式(4.25)の
問19 行 列 の式(4.27)を
(2)
ど と 表 し,こ
利 用 してP4を
れ らを行 列 の 累 乗 と い う。
規 則 で 行 うPQを
行 列 の 積 と い う。
求 め よ。
プ ログ ラ ム
行 列 の 積 を 求 め る プ ロ グ ラ ム を 作 っ て み よ う。 プ ロ グ ラ ム4.5で Qの
成 分 をdata文
で 与 え て お き,行
列Rに
行 列 の 積PQの
は,行
計 算 結 果 を 入 れ る。
こ の プ ロ グ ラ ム は,2×2行 くn×n行 数nもdata文
プ ロ グ ラ ム4.5
図4.24
列P,
列 だ けで な
列 で も計 算 で き る よ う に,次 で 入 力 す る。
計算 の結果 .6900001 .31
特 に,QをPと 例 え ば,プ
す れ ばR=P2,QをP2と ロ グ ラ ム4.5の
列P3が
求 め られ る 。
data
0.69, 0.3875
data
行 列P,行
求 め られ る。
成 分 に あ た るdata文
計 算 結 果(P3)
を次 の よ うに 修 正 す
0.6295 0.463125 0.3705
0.31, 0.6125
さ ら に,P3を
.6125
す れ ばR=P3が
行 列Qの
れ ば,行
.3875
列Qのdata文
0.536875
に 入 れ て お け ば,行
列P6が
求 め られ
る 。
data
問20
計算結果(P6)
0.6295
0.463125
data
0.3705
0.536875
0.5678582
0.5401775
data
0.6295
0.463125
0.4321420
0.4598226
data
0.3705
0.536875
プ ロ グ ラ ム4.4を
利 用 し てP9を
求 め よ。
[3] マ ル コ フ過 程
プ ロ グ ラ ム4.5を
〔 例 題16〕11人
利 用 して 行 列 の 問 題 を 解 決 して み よ う。
の 人 が あ る情 報a;「aで
う。 こ の と き,情
報aを
あ る」 を電 話 で順 番 に 伝 達 す る と しよ
誤 っ て 否 定 し 「aで な い 」 と 伝 え て し ま う 確 率 は0.05
で あ る と い う。 一 方,情
報aの
否 定 情 報 を 再 び 否 定 し て し ま う確 率 は0.1で
め に 「aで あ る 」 と 流 した 情 報 が11人 〔 解 〕aで 図4.25,そ
な い と い う情 報 をa'と
目 の 人 に 正 し く伝 わ る 確 率 を 求 め よ 。
表 せ ば,1回
の 推 移 行 列 は 図4.26のPの
あ る と い う。 は じ
の 伝 達 で 情 報a,a'の
よ う に 表 さ れ る。
伝達 状態 は
図4.25
図4.26
推 移 グ ラ フ
プ ロ グ ラ ム4.5を
用 い てP10を
推 移 行 列
計 算 す る 。 そ れ に はP2,P4,P8,P8P2を
求
め る。
た だ し,各 成 分 は小 数 点 以 下 第5位 を 四 捨 五 入 して あ る。
図4.27
11人
目 の 人 が 情 報aをaと
る確 率 は0.2677に
正確 に 伝 達 され る 割 合
して 受 け 取 る 確 率 は0.7322に
減 り,誤
な る 。 そ の 途 中 の 人 が 誤 る 確 率 の 数 値 はpnの
って 受 け 取
第1行1列
成 分
低 く て も10回
伝 達 す
で 示 さ れ る(図4.27)。
〔 例 題16〕 で は,1人1人 る と,約1/4が
が 誤 っ て 伝 達 す る 確 率 は0.05と
誤 る こ と を示 す 。
一 方,aで
な い と い う情 報 を 最 初 に 伝 達 し た 場 合,aで
率 は0.4646と
な り,半
な お,100回
分 以 上 が 誤 る こ と を 示 し て い る。
以 上 の 伝 達 で はaで
ほ ぼ2/3で
一 定 の 値 に な り,こ
列 の 累 乗 の 計 算 が 必 要 で,そ 一 方,〔 例 題16〕
な い と正 し く伝 わ る確
あ る こ と が 正 し く 伝 達 さ れ る 確 率 は0.66667,
れ を定 状 状 態 と い う。 定 状 状 態 を 調 べ る に は行
れ に は コ ン ピ ュ ー タ が 有 効 な 道 具 に な る。
の よ う に各 回 が 独 立 な 試 行 で,推
移 行 列 の 積 に よ って あ る定
状 状 態 に 収 束 す る 現 象 の こ と を マ ル コ フ 過 程 と い う。 マ ル コ フ 過 程 で は1回 の 変 化 は 小 さ く て も,収
束 結 果 は も と の 状 態 と は か け 離 れ る こ と が 多 い。
問21 隣 りあ うA国
で は,毎
とB国
民 がB国
民 に な る人 がA国
逆 にB国
民 がA国
年A国
の 全 人 口 の1%,
民 に な る 人 がB国
口 の0.8%い
る と い う。 初 め にA国
民 だ け,B国
にB国
年 後,20年
の全 人 にA国
民 だ け い る と し て 丸10
後 の 両 国 に い るA,B国
民 の比 図4.28
率 を求 め よ。 マ ル コ フ過 程 で 特 異 な 状 態 に 落 ち つ く例 と し て,次
〔 例 題17〕
問21と
同 じ状 況 で,B国
に 戻 る こ と が な い と し た と き,A国
の よ うな 問 題 が あ る。
の将 来 を 予 測 せ よ。 移 行 列 は 図4.30で
図4.30
P10,P100を
推 移 グ ラ フ
民 に な っ た 人 は 居 心 地 が よ い た め にA国
〔 解〕 こ の 問 題 で 移 動 の 状 態 は 図4.29,推
図4.29
ごと
表 され る。
推 移 行 列
推 移 グ ラ フ
計 算 す る と,次
の よ う に な る。
(4.28)
民
A国
に お け るA国
民 の 割 合 は 約10年
〔 例 題17〕 で は,式(4.28)か 1:2に
後 に は 約90%,100年
後 に37%に
ら初 め の 人 口 が ど う で あ れ,A,B両
な る こ とが 予 想 さ れ る 。 この 計 算 結 果(図4.31)は
図4.31
この結 果 に よ れ ば,A国
な る。
国民 の比率 が
それ を 裏 づ け る。
吸収マ ルコフ過程
の首 相 は早 急 に手 を打 た な い と民 族 の存 亡 に関 わ る こ
と に な る。1つ の場 所 に入 った ら出 られ な い,ブ ラ ック ホ ール の よ う な マ ル コ フ 過 程 を吸 収 マ ル コ フ過 程 とい い,過 疎 化 の社 会 現 象 だ け で な く生 物 の住 み分 け な ど の 自然 現 象 に も見 られ る。 こ う した現 象 を数 学 的 に考 察 す ると きに はコ ン ピュー タに よ る大 量 の デ ー タ処 理,大 量 の計 算 が必 要 に な る。 そ の こ と に よ って 結 果 を 洞 察 した り分 析 す る こ とが で きる。
練習問題 1. コ イ ン投 げ の ゲ ー ム で4回 な る確 率p(s3=k)で m=-4
,-2,0,2,4と
し,こ
2. コ イ ン 投 げ の ゲ ー ム で,A君 p(Tn=0)をn=6ま 3. 問11の
目 に 得 点mに
表 し,確
率p(s4=m)を
な る 確 率p(s4=m)を,3回
目 に 得 点kに
求 め よ 。 た だ し,k=-3,-1,1,3,
れ 以 外 の 確 率p(s3=k),p(s4=m)は0と がリ
ー ド し 続 け た 後n回
で 求 め よ。 ヒ ン ト:P(T6=0)=P(T5=1)/2と
文 の 平 均 情 報 量 と 平 均 コ ー ド長 を 求 め よ 。
す る。 目 で 得 点 が0に 図4.4
な る確 率
4. 利 得 表4.20でAか
らゲー ムを始 め る と
表4.20
き,完 全 情 報 ゼ ロ和 ゲ ー ム と,一 般 ゼ ロ和 ゲ ー ム(混 合 戦 略)の 両 方 に つ い て 最 適 解 を調 べ よ。
5. A,B,Cの3状
態 の1回 の変 化 が次 の確 率 で 表 され て い る と き,10回
うす を調 べ よ。 A→A,B,Cの
確 率 が,そ
れ ぞ れ0.4,0.3,0.3
B→A,B,Cの
確 率 が,そ
れ ぞ れ0.4,0.3,0.3
C→A,B,Cの
確 率 が,そ
れ ぞ れ0.6,0.2,0.2
後 の変 化 の よ
第5章 デ ータ解析 この 章 で は,あ
るね ら いで集 め た デ ー タ を 調 べ るた め に,度 数 分 布表 な ど に表 す方 法 と,
そ の 平 均値 や 分 散 な どの 代 表値 の求 め方 に つ い て考 え よ う。 この テ ーマ は記 述 統 計 と も呼 ば れ,推 測 統 計 と と もに統 計 の主 要 な 内容 に な って い る。
5.1 デ ー タ の 表 現 市 場 調 査 や 健 康 調 査 な どの 目的 で デ ー タを 集 め る と き,情 報 源 の傾 向 を知 る た め に さ ま ざ ま な統 計 的 な表 現 や数 値 化 が行 わ れ る。 これ を デ ー タ解 析 と い う。 こ こで は,リ ー フプ ロ ッ ト,ヒ ス トグ ラム,相 対 度 数 グ ラフな どで デ ー タの傾 向 を 表 現 し,平 均 値 と分 散 な ど で数 値 化 す る こと を考 え よ う。
[1]
リ ー フ プ ロ ッ ト
表5.1は,某 さ が20の
学 校 の 男 女20名
デ ー タ,資
ず つ の テ ス トの 点 の 集 ま り で あ る 。 こ れ を 大 き
料 な ど と い う。 ま た,85,74な
ど個 々 の デ ー タ を 変 量 と い
う 。 こ の デ ー タ を い く つ か の 方 法 で 表 し て テ ス トの 特 性 を 探 っ て み よ う。 表5.1
テ ス トの デ ー タ
表5.2を
リー フ プ ロ ッ ト ま た は デ ジ タ ル グ ラ フ と い い,度 数 分 布 を 調 べ た りデ ー
タ の 特 性 を 調 べ る の に使 う 。 リー フ プ ロ ッ トは,表5.3の プ ロ グ ラ ム5.1の 表5.2
計 算 結 果 の よ う に デ ー タ そ の も の を 並 べ る こ と も あ る。 リー フ プ ロ ッ ト
表5.2,表5.3で
は 表5.1の
表5.3
男 子 の 点 を20点
プ 分 け を し て い る 。 こ の よ う に,グ の こ と を 幹,ま
よ う に 昇 順 に並 べ た り,
た は 級,各
を そ の 級 の 下 限,最
順 序 づ け た リー フ プ ロ ッ ト
台,30点
ル ー プ 分 け で20点
台,…,90点 台,30点
台 で グ ルー
台 な どの各 範 囲
級 に 入 る 個 数 を 度 数 と い う。 級 に あ る デ ー タ の 最 小 値
大 値 を 上 限 と い う。 ま た デ ー タ の 範 囲 を レ ン ジ と い う。 こ の
デ ー タ の レ ン ジ は25点
か ら92点
で あ る。 表5.3の
よ う に順 序 化 した リー フ プ ロ ッ
トで は 直 ち に レ ン ジ を 読 み と る こ と が で き る。
[2] 度 数 分 布
リ ー フ プ ロ ッ ト と 同 じ 枠 組 み で,図5.1の
ま た,例
え ば 表5.3で
中 点 値 と い い,図5.4の
各 級20,30,…,90の
う 。 こ こ で,例
中 央 の 値24.5,34.5,…,95.5を
よ う に 定 め る 。 各 中 点 値 と 度 数 の 組,お
数 の 組(14.5,0),(104.5,0)で (104.5,0)を
よ う に 度 数 分 布 を 作 る こ とが で き る。
よ び そ の両 端 の
決 ま る 点(24.5,2),(34.5,1),…,(94,5,1),
結 ん で で き る 図5.2の え ば,20,21,…,29の
各 級 の
よ うな 折 れ 線 グ ラ フの こ とを 度数 多角 形 と い 中 点 値 を 図5.4の
よ うに定 め た。
図5.1
図5.2
問1 表5.1の
度 数 分 布
度 数 多角 形
女 子 の デ ー タに つ い て リー フ プ ロ ッ ト,度 数 分 布 表 を 作成 せ よ。
相対度数分布 各 級 に お け る数 値 を 表5.4の
よ う に 全 体 の 割 合 で 表 し,こ
れ を相 対 度 数 表 と い
う。 表5.4 相 対度 数 表
度 数 分 布 と同 様 に して 作 る,図5.3の
棒 グ ラ フ を 相 対 度 数 分 布,ま
グ ラ ム と い う。 相 対 度 数 分 布 で は棒 線 の長 さの和 は1に な る。
た は ヒス ト
図5.4 図5.3
問2 表5.1の
[3]
ヒス トグ ラ ム
女 子 の デ ー タの ヒス トグ ラム,相 対 度 数 多 角 形 を作 成 せ よ。
累 積 度 数 分 布
デ ー タ に よ っ て は,表5.5の 図5.6の
級 の 中点値
よ う な 累 積 度 数 曲 線(パ
累 積 度 数 表 か ら 図5.5の
累 積 度 数 分 布,あ
レ ー ト図)を 作 る と,そ
るい は
の特牲 が わか る場合 が
あ る。 表5.5 累 積度 数表
図5.5
累積度数分布
累 積 度 数 分 布 で は右 端 の 値 が度 数 の 合 計 を 表 し,パ レー ト図 で は 曲線 は常 に 右 上 が りに な る。
図5.6
問3 表5.1の
[4]
パ レ ー ト図
女 子 の デ ー タ につ い て 累 積度 数 分 布,パ
レー ト図 を作 成 せ よ。
プ ロ グ ラ ム
表5.1の
デ ー タ を 入 力 し,リ
ー フ
プ ロ ッ トと度 数 分 布 を作 成 す る プ ロ グ ラム を 考 え よ う。 入 力 した デ ー タ を 昇 順 に 並 べ て 級 ご と に ま とめ れ ば, リー フ プ ロ ッ ト に な る 。
図5.7
60
プ ロ グ ラ ム5.1
計算の結果 級 20 3 40 50 70 80 90
度 数 累 積 リ ーフプ ロツ 卜 2 0 1 3
2
2 3 6
8
25 27 30 40
45
47
50 52
2 10 5 15
60 70
65 72
74
75
4 19 1 20
81 92
82
85
86
プ ロ グ ラ ム5.1で
は使 う変 数 を,次
・デ ー タ の 大 き さ をn ,レ
77
の よ う に し て い る。
ン ジ(範 囲)の 下 限 をmin,上
・ リ ー フ プ ロ ッ トと 度 数 分 布 表 の 級 の 幅 をhと 表5.1の
男 子 の デ ー タ で は,次
の 値 を 用 い る。
す る。
限 をmaxと
す る。
プ ロ グ ラ ム は こ れ ら の 変 数 を も と にn個
の デ ー タ を 入 力 し,バ ブ ル ソ ー トで デ ー
タ を 昇 順 に 並 べ て リー フ プ ロ ッ ト,度 数 分 布 表,累
問4
プ ロ グ ラ ム5.1を 利 用 して,表5.1の
積 度 数 分 布 表 を作 成 す る。
女 子 の デ ー タの 度 数 分 布 表,累
積度 数分布 表
お よ び リー フ プ ロ ッ トを作 成 せ よ。
5.2 平 均 値 と分 散
あ る デ ー タ 全 体 を 表 す 値 と して 平 均 値 を よ く使 う。 ま た デ ー タ の 散 ら ば り方 を
表 現 す る 値 と し て 分 散 が 使 わ れ る が,そ
[1]
平 均 値
平 均 値 の 計 算 は,デ
ー タに よ って は多 少 の工 夫 が 必 要 に な る。 主 な平 均 値 の計
算 方 法 を あ げ て み よ う。 な お,平 (1)
の求 め方 と利 用 法 を考 え る。
均 値 は も と の デ ー タ と 同 じ単 位 に な る 。
平均値
あ る デ ー タ が あ っ た と き,個
で 割 っ た 数 値 を 平 均 値 と い い,例 た と き,平
均 値xは
々 の デ ー タ の 和 を と り,そ え ばxで
れ を デ ー タ全 体 の 個 数
表 す 。 デ ー タa1,a2,…,anが
あっ
次 の よ う に して 求 め ら れ る 。
(5.1) 平 均 値 に は,式(5.1)の
変 形 と して い くつ か の 求 め 方 が あ る 。 特 に,〔 解3〕 の
方 法 を 仮 平 均 法 と い う。
〔 例 題1〕 〔 解1〕
表5.1の
男 子 の デ ー タの平 均 値 を求 め よ。
〔 解2〕
表5.4で,級
の 中 点 値 と度 数 を か け て 平 均 値 を 求 め る。
〔 解3〕
表5.1で,仮
の平 均 値 点60と の偏 差 の平 均 値 を 求 め,最
後 に60点 を 加
え る。
度 数 分 布 表 が あ る と き や,平
均 値 の 概 数 が わ か っ て い る と き,式(5.1)の
バ リ
エ ー シ ョ ンを 〔解2〕 や 〔 解3〕 の よ う に して 使 う こ と も で き る 。 〔解2〕 で は,各 級 の 中 点 値24.5,34.5,…,94.5を
用 い る た め,〔 解1〕 と 多 少 の 違 い が で き る が,
そ れ は本 質 的 な こ とで は な い。 デ ー タ の 度 数 分 布 表 が 表5.6の
表5.6 度 数 分 布 表
よ うに
与 え られ た と き,〔 解2〕 の 方 法 は 次 の 式 で 表 され る。
(5.2) な お,確
率 の 平 均 値(期 待 値)は 式(5.1)と
同 様 の 計 算 で 求 め る が,確
合 は ま だ 起 こ ら な い 事 象 につ い て 一 種 の 予 測 を 行 い,そ 値 で あ る 。 そ れ に 対 し て 式(5.1)は,あ こ の よ う に,同
問5 表5.1の
率の場
こで 期 待 で き る値 が平 均
る デ ー タの よ うす を示 す代 表 値 で あ る。
様 の 式 で もそ の意 味 が異 な るの で 注意 を 要 す る。
女 子 の デ ー タの 平 均値 を 求 め,男 子 の 場 合 と比 較 せ よ。
(2) 相 乗 平 均 値 ロ シア な どの 国 で は イ ンフ レが 進 み,名 の 平均 賃 金 の よ うす は式(5.1)の
目賃 金 の ア ッ プが 毎 年 行 わ れ,今 ま で
よ うな平 均 値 で は わ か らな い。 毎 年 飛躍 的 な生
産 拡 大 を続 け るあ る メ ー カ ーの 電気 製 品 の平 均 生 産 台 数 な ど も これ に属 して いる。
例 え ば,あ
る ロ シ ア人 の 月 給 が1989年 表5.7
こ の7年
か ら次 の よ う に 変 わ っ た と す る。 月給 の 移 り変 わ り
間 に お け る彼 の 給 料
の 平 均 値 は,4.87万 に な る。 一 方,も
ル ー ブ ル と の デ ー タの
対 数 を と る こ とが 特 に 経 済 統 計 な ど で よ く行 わ れ る 。 こ の デ ー タ の 常 用 対 数 を と り,そ 値 を 求 め る と0.553に
の平均
な る。
対 数 の 平 均 値 は も との 数値 で は100.553=3.572〔 と な り,こ
万 ルー ブ ル〕
図5.8
給 料 の 移 り変 り
の値 の方 が実 態 を反
映 す る。 こ の こ と は 図5.8,図 5.9か
ら もわか る。
さ て,こ
の 値3.572を
直 さ ず に 求 め る と,次
対 数 に の よ うに
な る。
図5.9
一 般 に,正
の 値 の デ ー タa1,a2,…,anの
次 の 式 で 表 さ れ,こ
給 料 の 移 り変 り(対 数)
対 数 を と っ た と き の 平 均 値xは,
れ を 相 乗 平 均 と い う。
(5.3)
問6
あ る 染 め 物 工 場 に は染 料 の プ ー ル(埋
め 込 ん だ 壺)が
あ り,そ
れ らに つ い て ア ル カ リ
度 が 次 の よ う に 測 定 さ れ た と い う。 こ れ ら の 平 均 値 を 求 め よ 。 た だ し,phは 対 数 を と っ て い る た め,相
イ オ ンの値 の
乗 平 均 を と る必 要 が あ る 。
7.8 7.4 7.9 7.5 1.4 7.5 7.6
(3)
移動平均
例 え ば,表5.8の
よ う に 日 々 変 動 す る 株 の 値 動 き も5日
ずつの平均値を とって
い け ば 大 き な 流 れ の よ うす が わ か る。 こ の よ う な デ ー タ を 時 系 列 デ ー タ と い い, こ の と き の 平 均 値 を 移 動 平 均 と い う。 な お,図5.10で の 平 均 値 を8月1日
に プ ロ ッ トし て あ る。 表5.8 8月 のJ社
図5.10
[2]
分
こ こ で は,分
は7月29日
の株 価 と移 動 平 均
8月 のJ社
の 株価 と移 動 平 均
散 散 と 標 準 偏 差 を 求 め,デ
ー タの標 準 化 を考 え よ う。
か ら8月3日
(1)
分
散
表5.1で
は 男 子 の 平 均 値 が61.75,女
ど差 が な い。 しか し図5.11の
子 の 平 均 値 が61.55で,平
均 値 に ほ とん
度 数 多 角 形 か ら わ か る よ う に,そ
の散 らば り方 に
大 き な 差 が あ る。 ち ら ば り の 度 合 い を 数 値 化 す る た め に,平 方 の 平 均 値 を と り,こ の 平 均 値xが
れ を 分 散 と い い,υ
わ か って い る と き,分
均 値 か らの 偏 差 の 平
で 表 す 。 デ ー タa1,a2,…,anと
そ
散υ は 次 の よ う に して 求 め られ る。
(5.4)
図5.11
男女 の 得 点 の ち らばり
分 散 に は い くつか の 求 め 方 が あ る。 〔 例 題2〕
表5.1の
男 子 の デ ー タ の 分 散 を 求 め よ。
〔 解1〕
〔解2〕
度 数 の平 方 の平 均値 を求 め,も と の平 均 値 の平 方 を 引 く。
〔 解3〕
度 数 分 布 表 が与 え られ て い る と き度 数 の平 方 の平 均 値 を求 め,も
均 値 の 平 方 を 引 く。
と の平
〔 解1〕 と 〔 解2〕 の 値 は 丸 め 誤 差 を 除 い て 常 に 一 致 す る が,〔 解3〕 の 値 は 多 少 異 な る 。 し か し,そ
れ は 本 質 的 な も の で は な い 。 表5.6の
度 数 分 布 表 と 平 均 値x
が 与 え ら れ て い る と き,〔 解3〕 の 解 は 次 の 式 で 求 め られ る。
(5.5)
問7 表5.1の
女 子 の デ ー タに つ いて 分 散 を式(5.4)で
布 表 を もと に して 式(5.5)で
(2)
求 め よ。 ま た問1で
作 った 度 数 分
求 め よ。
標 準偏 差
分 散s2の
平 方 根√s2=sの
標 準 偏 差 は√416.99=20.42〔
こ と を 標 準 偏 差 と い う 。 表5.1で
男子 の デー タの
点 〕,女 子 の 標 準 偏 差 は√214.92=14.66〔
点 〕に
な る。 標 準 偏 差 が 小 さ い 女 子 の デ ー タ は,男 る こ と が 図5.12,図5.13か
子 よ り も平 均 値 の ま わ り に ま と ま っ て い
らわ か る。
図5.12
男子のち らばり
図5.13
女 子 の ち らば り
[3]
デ ー タの 標準 化
集 め た デ ー タa1,a2,…,anか
ら求 め た平 均 値xと 標 準 偏 差sで 作 った デ ー タ
(5.6) は,平
均 値0,標
準 偏 差1に
れ た デ ー タ の こ と をz-ス
な る 。 こ の 方 法 を デ ー タ の 標 準 化 と い い,標
生 デ ー タ は,平 と が あ り,そ
コ ア と い う。 ま た,100点
均 値50点,標
準 偏 差10点
準化 さ
満 点 で 行 っ た テ ス ト結 果 の
で 「標 準 化 」 し た 方 が わ か り や す い こ
の 場 合 に は 次 の 式 を 用 い る。 こ う し た デ ー タ は,そ
れが正規分布 に
従 う と き 真 価 を 発 揮 す る。
(5.7) こ う し て 作 っ た デ ー タ の こ と をt-ス
〔 例 題3〕z-ス タ を 入 力 し て,各 〔 解 〕
コ ア,t-ス
コ ア と い う。
コ ア の プ ロ グ ラ ム を作 成 し,表5.1の
あ る男子 の デー
ス コア の デ ー タ を求 め よ。
こ の デ ー タ で は,平
均 値x=61.75〔
た 。 各 点 数 か らx=61.75を こ れ は プ ロ グ ラ ム5.2で
点 〕,標 準 編 差s=20.42〔
引 き,s=20.42で
割 れ ばz-ス
行 え る。 結 果 は 表5.9の
点 〕で あ っ
コ ア が求 め られ る。
よ う に な る。
プ ロ グ ラ ム5.2
表5.9
各 点 数 か らx=61.75を
男子 のz-ス
引 き,s/10で
コア
割 り50を
足 せ ばt-ス
コ アが 求 め られ
る。 こ の 手 順 は プ ロ グ ラ ム5.2の4∼6行 't-ス
目 のzをtに
コア
t=(a-m)/s*10+50 PRINT
USING
"###.##";t
END
の よ う に 修 正 す れ ば よ い 。 結 果 は小 数 以 下 を 四 捨 五 入 し表5.10の 表5.10
問8
表5.1の
タ の 平 均 値,標
女 子 の デ ー タ に つ い て,z-ス 準 偏 差 はx=62.0,s=14.66で
〔例 題3〕 と 問8で 図5.15の
男 子 のt-ス
得 たz-ス
よ う に な り,男
よ う に な る。
コア
コ ア とt-ス
コ ア を 求 め よ 。 な お,こ
の デー
あ る。
コ ア とt-ス
コ ア の 度 数 多 角 形 を 作 る と,図5.14,
女 の平 均 値 とち らば りが一 致 す る こ とが わ か る。
図5.14
図5.15 t‐
Z‐ ス コ ア
スコ ア
[4]
プ ログ ラ ム
デ ー タを入 力 し,そ れ を処 理 す る方 法 と して デ ー タそ の もの を入 力す る場 合 と, 度 数 分 布 表 を代 入 す る方 法 が あ る。 これ らを 行 うプ ロ グ ラムを 作 ろ う。 (1)
生デ ータ
プ ロ グ ラ ム5.3で と そ の 大 き さnを 均 値,分
散,標
は,デ
ー タ
入 力 して,平
準 偏 差 を 求 め,
z-ス コ ア,t-ス
コアを出力
す る 。 計 算 の 結 果 は,次
のよ う
に な る。
図5.16
プ ロ グ ラ ム5.3
計算の結果 平 均 値,分
散,棟
準 偏 差;61.75,416.9873,
20.42027
z-ス コア 1.14
0.60 0.94 0.99 0.16
-0 .82 -0.48 t-スコア
1.19 -0
.72 -0.58 -1.70
0.75 -1.55 -0.09 -1.80 -1.07
0.65
61
56
59
60
52
62
43
44
33
65
42
45
57
34
49
32
39
56
54
55
1.48
0 .40
0.50
(2) 度 数 分 布 度 数 分 布 表 か ら平 均 値,分 散 な ど の値 を求 め る プ ロ グ ラム を作 って み よ う。 プ ロ グ ラム5.4で 度 数 分 布 表 の級 の 中点 値 と度 数 を入 力 し,平 均値 を式(5 .2),分 散 を式(5.5)で
求 め る。
図5.17
プ ロ グ ラ ム5.4
計算の結果 平均値,分 散,標 準偏 差
; 6.3,4.227497,2.056088
問9 問1の 度 数 分 布 表 につ い て,女 子 の平 均 値,分 散,標 準 偏 差 を求 め よ。
5.3
メ ジ ア ン,モ
ー ド
あ る ね ら い で デ ー タ を 収 集 す る と き,平
均 値 や 分 散 で は,そ
せ な い こ と が あ る 。 デ ー タ の もつ 性 質 と,ね と し て メ ジ ア ン,モ
[1]
ら い を う ま く表 せ な い と き の 表 し方
ー ドにつ いて 考 え よ う。
デ ー タ の種 類
統 計 処 理 を 行 い,そ 順 位,番
の 特 性 を う ま く表
の 特 性 を と ら え る た め の デ ー タ に は,長
号 な ど が あ っ て,次
も 異 な る。
の よ う に 分 類 で き,そ
さ,重
さ,点
数,
れ に 応 じて デ ー タ 処 理 の 方 法
(1) 比 率 尺 度 長 さ,重 さ,面 積,体 積,時 間 な ど,日 常 よ く使 わ れ る数 量 の 尺 度 を 比 率 尺度 と い う。 この 尺 度 の 目盛 りは等 間 隔 にで き,1m,1.1mの
よ うに 目盛 りが 等 間 隔
で,そ れ らに は意 味 が あ る。 比 率 尺 度 で は2m+3m=5m,3×(2g)=6g の よ う に単 位 の加 減 乗 除 が で き る。 (2) 間 隔 尺 度 テ ス トの点 数,知 能 テ ス トの点,摂 氏 や 華 氏 の 温 度 な ど の尺 度 を間 隔 尺 度 と い う。 こ の尺 度 は等 間 隔 の 目盛 りで測 定 で き るが,そ ま た3点+4点=7点,10度-3度=7度
の間 隔 に一般 的 な意味 はな い。
とい う加 減 算 は可 能 で あ るが,2×
3点 の よ うな乗 除算 は意 味 を もた な い。 (3) 順 序 尺 度 成 績 順 位,マ
ラ ソ ンの順 位,鉱 石 の硬 度 な ど の尺 度 を順 序 尺 度 とい い,順 位 づ
け はで き る が,1位
と2位 の差 に一 般 的 な意 味 は な い。 等 間隔 の 目 盛 りで は 差 が
測 定 で き な い尺 度 で あ る。 (4) 名 義 尺 度 保 健 証 の登 録 番 号,電 話 番号,出 席 番 号 な ど の尺 度 を名 義尺 度 とい い,数 量 間 に大 小 関 係 や等 間 隔 性 もな く四 則 演算 は無 意 味 で あ る。 問10 次 の デ ー タの 尺 度 を い え 。 (a)
表5.3で
昇順 に並べたデー タ
(b) あ る野 球 球 団 の 一軍 選 手 の1シ (c)
ある学校 の学生 の学生 番号
(d) 1円 玉100個
[2]
の重 さ
メ ジ ア ン,モ
こ こ で は,メ (1)
ー ズ ン中 に お け るホ ー ム ラ ン数
ー
ジ ア ン,モ
ド ー ド,4分
位 数 の 求 め 方 に つ い て 考 え よ う。
メ ジア ン
あ る デ ー タ が あ っ た と き,表5.2の ら順 に 並 べ た り,あ
る い は 降 順,つ
よ う に 各 デ ー タ を 昇 順,つ
ま り小 さ い 値 か
ま り大 き い値 か ら順 に並 べ た と き に メ ジ ア ン
が 現 れ る 。 デ ー タ の 個 数 が 奇 数 の と き,並 が 偶 数 の と き,中 例 え ば,0か
央 に あ る2個
ら9ま
べ た デ ー タ の 中 点 値 を,デ
ー タ の個 数
の デ ー タ の 平 均 値 を メ ジ ア ン と い う。
でのデー タ
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9
の メ ジ ア ンは,中 5.4の20か
央 に あ る2個
ら29の
の デ ー タ4,5の
デ ー タ で は,メ
の デ ー タ が 同 じ場 合 は,そ
平 均 値 を と っ て4.5と
ジ ア ン は24.5で
あ る。 な お,中
央 に あ る2個
れ を メ ジ ア ン と す る。 メ ジ ア ン は,表5.3の
序 づ け た リー フ プ ロ ッ トを 作 っ た り,プ
す る。 図
よ うに 順
ロ グ ラ ム で デ ー タ を ソ ー ト して 求 め る こ
と が で き る。 (2)
モ ー
ド
度 数 分 布 で 最 も度 数 の 多 い 級 の 中 央 の 値 を モ ー ドと い う。 デ ー タ に よ っ て は, モ ー ドが2つ
以 上 あ る 場 合 が あ る 。 例 え ば,次
の 各 場 合 の よ う に,モ
ー ドの 個 数
は デ ー タ に よ っ て 異 な る。 (a)2,3,4,4,5,8,9の
モ ー
ド は4で
あ
モ ー
ド は5と9で
(b)1,3,5,5,7,9,9,10の
問11 表5.1の
あ
る 。
女子 の デ ー タの メ ジ ア ン,モ ー ドを 求 め よ。
度 数 分 布 表 が 与 え ら れ た と き の メ ジ ア ン,モ
〔 例 題4〕
る 。
あ る ク ラ ス の22人
ー ドは 次 の よ う に し て 求 め る 。 表5.11 兄 弟 数 の 度 数
で 本 人 も含
め た 兄 弟 の 人 数 を 調 べ た と こ ろ,表5.11 の よ うに な った。 この度 数 分 布 表 の メ ジ ア ン と モ ー ドを 求 め よ 。 〔 解〕
モ ー ドは 最 も度 数 の 多 い 級2人
ま た,こ
で あ る。
の デ ー タ を 昇 順 に 並 べ た と き,メ
る 変 量 だ か ら,級2の
幅 を(11-4):10に
ジ ア ンMeは22の 配 分 し,メ
半 分 の11に
対 す
ジ ア ンを次 の式 で求 め る。
(5.8)
一 般 に
,メ
ジ ア ンMeは
次 の式 で求 め る。
(5.9) こ こ で,ai-1:中
央 値 の あ る級
の 下 限,h:級
の 幅,N:デ
の 総 数,fi:中
央 値 の あ る級 の 度
数si-1:中
ー タ
央 値 の あ る級 ま で の
度 数 で あ る。
図5.18
問12 表5.5の
(3)
メ ジ ア ンの 求 め 方
度 数 分 布 の メ ジ ア ン と モ ー ドを 求 め よ 。
4分 位 数
デ ー タ を 昇 順 に 並 べ た と き,左 と い い,q1で
表 し,75%の
か ら25%の
位 置 に 対 応 す る 値 を 上 位4分
そ れ ら は メ ジ ア ン の 求 め 方 と 同 様 に,デ 間 の デ ー タ の メ ジ ア ン,最
位 置 に 対 応 す る 値 を 下 位4分 位 数 と い い,q3で
ー タ を 昇 順 に 並 べ,最
位数 表 す。
小 値 とメ ジア ンの
大 値 とメ ジア ンの 間 の メ ジ ア ンと して求 め る こ とが で
き る。 例 え ば,表5.1の 式(5.11)の
男 子 の デ ー タ を 昇 順 に 並 べ た と き,q1,q3は
概 略,式(5.10),
よ う に し て 求 め る。
(5.10) (5.11) 4分 位 数 の 計 算 と 同 様 の 考 え 方 で,メ
ジ ア ンMeを
求 め る こ とが で き る。
図5.19
4分
位 数 と メ ジア ン
(5.12) 度 数 分 布 表 が 与 え ら れ て い る と き の4分
位 数 は,例
え ば 表5.11の
次 の よ う に し て 求 め る。 一 般 的 な 式 は,プ
ロ グ ラ ム5.4お
デ ー タ で は,
よ び5.5で
考 え る。
(5.13)
(5.14)
同 様 に し て,メ
ジ ア ン も求 め
られ る。
問13 表5.1の 数 と 上 位4分
女 子 の 下 位4分
位
位 数 の概 略 の値 を求
め よ。 図5.20
[3] ボ
ッ ク スプ ロ ッ ト
表5.3の
順 序 づ け た リー フ プ ロ ッ トで,男
メ ジ ア ン は(65+70)/2=67.5〔 79.0点
4分 位 数 と メ ジ ア ン
子 の 点 数 の レ ン ジ は25点
点 〕,下 位4分
位 数 は46.0点,上
か ら92点,
位4分
位 数 は
で あ る。 こ れ ら の 数 値 を 次 の よ う に ボ ッ ク ス プ ロ ッ トで 表 現 す る こ と が
で き る。
(1)
ボ ッ クス プ ロ ッ ト
図5.21
ボ ッ ク ス プ ロ ッ トで は,下 の 間 を ボ ッ ク ス で 描 き,最 を 線 分 で 描 き,ひ 50%が
あ り,こ
の 間,上
位4分
男 子 の ボ ッ ク スプ ロ ッ ト
位4分
位 数q1=46.0か
小 値25とq1=46
.0の 間,q3=79.0と
げ と い う 。 ボ ッ ク ス プ ロ ッ トで は,ボ の 範 囲 を4分
位 区 間 と い い,qで
(2)
の 間 に25%ず
最 大 値92の
間
位 数 とメ ジア ン
つ が あ る 。 ま た,左
つ が あ る 。 図5.21で
の
は,46.0と
つ が 集 中 し て い る。
2つ のボ ッ ク ス プ ロ ッ ト
表5.1の
女 子 の デ ー タ ス コ ア で は レ ン ジ は35点
分 位 数,上
位4分
ジ ア ン,下
位4
だ か ら,男 女 の デ ー タを ボ ッ
の よ うに な る。
図5.22
図5.22か
か ら91点,メ
位 数 は そ れ ぞ れ62.5,50.5,73.0点
ク ス プ ロ ッ トで 比 較 す る と,次
男女 の ボ ッ ク ス プ ロ ッ ト
ら女 子 の 点 が メ ジ ア ン の ま わ り に 集 中 して い る こ と が わ か る 。 度 数
分 布 や 度 数 多 角 形 な ど と 同 様 に,ボ し,標
位 数q3=79.0
ッ ク ス の 間 に デ ー タの
表 す 。 下 位4分
位 数 と メ ジ ア ンの 間 に 全 デ ー タ の25%ず
ひ げ の 区 間 と 右 の ひ げ の 区 間 に デ ー タ の25%ず 67.5,67.5と79点
ら上 位4分
準 偏 差 と 同 様 に4分
問14 次 の デ ー タ は,1994年
位 区 間qで
ッ ク ス プ ロ ッ トで も デ ー タ の 散 ら ば り を 表 現 も散 ら ば り を 数 量 化 す る こ と が で き る 。
に おけ る あ る20県
の13歳 男 女 の 体 重 の 平 均値 で あ る。 こ の
デ ー タ か ら 男 女2つ
の ボ ッ ク ス プ ロ ッ トを 作 り,そ
の特 徴 を あ げ よ。
表5.12 各 県 の体 重 の平 均 値
[4]
パ ー セ ン タ イ ル 順位
ここで は,デ ー タを昇 順 に並 べ た と きの順 位 を点 数 化 す る こ とを考 え る。 与 え られ た デ ー タ を昇 順 に並 べ て,そ の 順 位 を デ ー タ の 個 数 で 割 り100倍
した 整 数
〔%〕で表 現 した 順 序 尺 度 の デ ー タを,パ ー セ ンタ イ ル 順位 ま た は百分 位 と い い, PRで
表 す。
(1) デ ー タ か ら求 め る 〔 例 題5〕
次 の 大 き さ20の
デ ー タを パ ー セ ン タイ ル 順 位 で 表 せ 。
85 74 81 82 65 86 47 50 27 92 45 52 77 30 60 25 40 75 70 72
〔 解〕
デ ー タ を リー フ プ ロ ッ ト等 で 次 の よ う に 昇 順 に 並 べ る 。 25 27 30 40 45 47 50 52 60 65 70 72 72 74 75 81 83 85 86 92
デ ー タ の 順 位 を20で
割 り100倍
す る 。 た だ し,同
じ値 の と き は 同 じ順 位 と し,
続 く順 位 を60 60 70の
よ う に と ば す 。 こ れ が パ ー セ ン タ イ ル 順 位 で あ る。
5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 55 60 60 70 75 80 85 90 95 100
パ ー セ ン タイ ル順 位 は,も
との間 隔 尺 度 の デ ー タを 「等 距 離 」 の順 序 尺 度 にす
る と き,例 え ば,成 績 を無 視 して順 位 だ け を問 題 にす る場 合 に用 い られ る。 〔 例 題5〕 の パ ー セ ン タ イ ル 順 位 か ら わ か る よ う に,PR=50と も と の デ ー タ の メ ジ ア ン で あ り,PR=25の の デ ー タ が 上 位4分
問15
表5.12の
位 数q3に
デ ー タ が 下 位4分
な る。
女 子 のデ ー タを パ ー セ ン タイ ル順 位 で 示 せ 。
な る デ ー タが 位 数q1,PR=75
(2)
累 積 度 数 分 布 表 か ら作 る
例 え ば,表5.5の
累 積 度 数 分 布 表 を も と に し た 昇 順 の デ ー タ と,そ
のパ ー セ ン
タ イ ル順 位 は次 の よ うに な る。 表5.13
こ こ で,例 ① 47を
の 生 徒 の パ ー セ ン タ イ ル 順 位 は,次
の手 順 で 求 め る。
挟 む パ ー セ ン タイ ル順 位 を探 す。
47は40と50の
② 47を
え ば47点
パ ー セ ン タ イ ル順 位
間 に あ り,こ
れ を 挟 む パ ー セ ン タ イ ル 順 位 は20と35
挟 む パ ー セ ン タ イ ル 順 位 の 区 間 を 比 例 配 分 す る。
区 間20≦x≦35を(47-40):(50-40)の
③ 小 数 点 以 下 第1位
比 で比 例 配 分 す る。
を4捨5入
す る。
す な わ ち,
(小数点以下第1位4捨5入) (5.15)
[5] プ ロ グ ラ ム 度 数 分 布 表 をdata文
で 入 力 し,昇
順 に 並 べ て メ ジ ア ン,4分
位 数,モ
ー ドを
求 め る プ ロ グ ラ ム を 作 って み よ う 。 プ ロ グ ラ ム5.5で
は,表5.14の
表5.14 度 数 分布 表
形 の度 数
分 布 表 で 表 さ れ た デ ー タ を ペ ア に して 入 力 し, モ ー ド と各 代 表 値 を 求 め る 。 ま ず,級
の個 数
mと デ ー タ の 大 き さ つ ま り 度 数 の 合 計nを, 次 に 級 の 値 と そ の 度 数xk,fk,k=1,2,…, mをdata文
で 読 み 込 み,モ
4分 位 数 を 求 め る 。 こ こ で,メ
ー ド,メ
ジ ア ン,
ジ ア ンMe,下
そ れ ぞ れ 式(5.16),式(5.17),式(5.18)を
位4分
位 数q1,上
用 い る。
位4分
位 数q3は,
(5.16) (5.17) (5.18) こ こ に 式(5.16)の 級 の 下 限,fiは
メ ジ ア ン で は,h=10は
そ の 級 の 度 数,si-1は
式(5.18)のq3に
計算の結果 モード60
メジ アン62
下 位4分 位 数 50 上 位4分
そ の 級 ま で の 累 積 度 数 で,式(5.17)のq1,
つ いて も同 様 で あ る。
プ ロ グ ラ ム5.5
位 数 73.33334
メ ジ ア ン が あ る 級 の 幅,xiは
その
問16 右 の 表5.15は,子
犬21匹
表5.15
が お 座 りが 完 成
お座 りの回 数
す るま で の 練 習 回 数 の度 数 分 布 表 で あ る。 こ の 表 か らモ ー ド,メ ジア ン,下 位4分
位 数,上
位4分
位 数 を 求 め よ。
5.4 相 関 係 数 組 に な っ た デ ー タ(ai,bi)に
つ い て,aiの
値 で 表 し て み よ う。 い ま,10人
の 生 徒 に つ い て,数
社 会,芸
術 の 点 が 表5.16の
デー タの関連 性 を数
学Ⅰ と数 学Ⅱ,英
語,体
育,
よ う に な っ て い る と し よ う。 表5.16
な お,表5.16で
デ ー タ とbiの
数 学 と各 教 科 の 点
は,数 学Ⅰ の 点 数 に1点 ず つ 加 算 した点 を数 学Ⅱ の 点 数 と して
あ る。
[1]
相 関図
表5.16の
デ ー タ を 数 学Ⅰ の 点 と 比 較 し関 連 性 を 見 る た め に,横
点 を 縦 軸 に,そ 図5.23で
軸 に 数 学Ⅰ の
の 他 の 点 を プ ロ ッ ト し た 。 こ れ を 相 関 図 と い う。
は,数
学Ⅱ の 点 が 数 学Ⅰ の 点 の 一 次 関 数 で 表 せ,し
か も 数 学Ⅰ の 点
が よ く な れ ば 数 学Ⅱ の 点 も よ く な る 。 こ れ を 完 全 な 正 の 相 関 が あ る と い う 。図 5.24の
数 学Ⅰ と英 語 の 関 係 を 強 い 正 の 相 関 が あ る と い う。
一 方,図5.26の
よ う に,強
い 負 の 相 関 も あ り,こ
の場 合 に は傾 き が 負 の 形 に
表 せ る。 な お,強 い相 関,弱 い相 関,相 関 が な い状 態 に明 確 な区 別 は な い。
図5.23
完 全 な正 の相 関
図5.26
強 い負の相関
問17 表5.16の
図5.24
図5.27
強 い正 の 相 関
弱い負の相関
図5.25
図5.28
弱 い正 の相 関
相関 が な い
デ ー タか ら,国 語 と体 育,国 語 と社 会 の相 関 図 を 作 成 し,相 関 の正 負 お よ
び強 弱 を い え。
[2]
相 関 係 数
相 関 の度 合 い を数 値 化 して み よ う。 例 え ば,数 学Ⅰ と英 語 の相 関 は次 の よ うに 行 う。 (a) 平 均 値 を求 め る
数 学Ⅰ の平 均 値x=5.5〔
英 語 の平 均 値y=6.4〔
点〕 点〕
(b) 標 準 偏 差 を求 め る
数 学Ⅰ の 標準 偏 差sx=1.77
英 語 の標 準 偏 差sy=1.43
(c) 積 の平 均 値 を 求 め る
これ らの 数 値 か ら,数 学Ⅰ と英 語 の相 関係 数rxyを 次 の よ う に して求 め る。
(5.19) 特 に,式(5.19)の
分 子 の 式(5.20)を
共 分 散 と い い,sxyで
表 し,回
帰 で利用
す る 。 す な わ ち,
(5.20) 問18 国 語 の点 の 平均 値,標 準 偏 差,数 学Ⅰ と国 語 の 積 の平 均 値 を求 め,そ
れ らの値か ら
数 学Ⅰ と 国語 の 相 関係 数 を 求 め よ。
式(5.11)で 係 数 は表5.17の
求 め た 数 学Ⅰ と数 学Ⅱ,英
語,国
語,体
育,社
会,芸
術 との 相 関
よ う に な る。 表5.17 相 関 係 数
この 表 か ら相 関 の状 態 と相 関係 数 につ い て,次 の こ とが わ か る。 表5.18 相 関 と相 関 係 数 の関 係
〔 注 〕 相 関 関係 が あ るか ど うか の統 計 的 な検 定 は7.3節 で 行 う。
[3]
プ ログ ラム
プ ロ グ ラ ム で 相 関 係 数 を 求 め て み よ う。 プ ロ グ ラ ム5.6は,ペ の デ ー タ が 与 え ら れ た と き,平 い る。
均 値 と標 準 偏 差,共
ア に な っ たn組
分 散 お よ び相 関 係 数 を 求 め て
問19 英語 と 国語,体 育,社 会,芸
術,国
語 と体 育,
社 会,芸 術,体 育 と社 会,芸 術,社
会 と芸術 の各相 関
係 数 を プ ロ グ ラム5.6を 用 いて 求 め よ。 〔 注 〕 相 関 で は,ペ ア に な っ た 組 の デ ー タ の 関 連 性 を 相 関 係 数 と して 数値 化 した。 この考 え方 を利 用 し,7章 の よ う に各 相 関係 数 の大 き さ か ら2種 類 の デ ー タの 関 係 の 強 さの 分 析 や,一 方 の デ ー タ か ら他 の デ ー タの 推 測 を 行 う こ とが で きる。
図5.29
プ ロ グ ラ ム5.6
計算の結果 平均 値5.5
6.4
1.428285
標 準 偏 差 1.746425 相 関 係 数.7617079
練習問題 1. あ る 自 動 車 工 場 で 働 く5人
の 初 任 給 は,次
の 通 り で あ る と い う(単
位 万 円)。
16,16,19,20,22 (1) 5人
(2) 6人
の 初 任 給 の 平 均 値,メ 目 に50万
2. 表5.19の
ジ ア ン,モ
ー ドを 求 め よ 。
円 の 人 が 加 わ っ た と き の 上 の 各 値 は ど う な る か。
デ ー タ は,ア
メリ カ に お け る 男 女 の 既 婚 者 の 累 積 し た 割 合 で あ る(単
位%)。
表5.19
度 数 多 角 形,平
3. 2回
均 値,メ
ジ ア ン な ど を 用 い て2つ
の 数 学 の テ ス トが あ り,A君
の 点 は そ れ ぞ れ82,88点
の 方 が で き が よ か っ た か 。 た だ し,1回 80点,標
準 偏 差 は5,6点
4. 表5.20の
デ ー タ は,30個
の デ ー タの 特 徴 を あ げ よ。
目 と2回
で あ った。 ど ち らの テ ス ト
目 の テ ス トで は そ れ ぞ れ 平 均 点 は72,
で あ った。 表5.20
の ミ ル ク1cc
中 の バ ク テ リ ア の 個 数 で あ る。 平 均 値 と 標 準 偏 差 を 求 め,そ
5. 1か
ら9ま
で の 数 か ら い ろ い ろ な4数
の と き の4数,お た だ し,同 は1.118で
の特 徴 に つ い て述 べ よ。
を と る と き,そ
よ び 標 準 偏 差 の 最 大 値,最
の 平 均 値 の 最 大 値,最
小 値 と そ の と き の4数
じ数 が あ っ て も よ い と す る 。 例 え ば,4数1,2,3,4の あ る。
小値 とそ
を そ れ ぞ れ 求 め よ。
平 均 値 は2.5,標
準 偏差
第6章 統計的推測 推 測 統 計 の ね らい はデ ー タを 解 析 して,そ
こか ら何 か情 報 を 引 き 出す こ と で あ る。 こ こ
で は,少 しの デ ー タか ら多 くの情 報 を 引 き出 す た め に サ ンプ リ ング,推 定,検
定 につ いて
考 え,そ れ らで 用 い る数学 モ デ ル を ま とめ る こ とに す る。
6.1 サ ン プ リ ン グ あ る集 団 の 特 性 を つ か む の に,そ
こか らで き るだ け少 な い デ ー タを収 集 して で
き るだ け有 益 な 情 報 を得 た い。 デ ー タを う ま く収 集 す る と き の工 夫 につ いて 探 っ て み よ う。
[1]
母 集 団 と標 本
い ま,パ ソ コ ンで は機 能 の多 様 化 が進 ん で お り,買 う人 に と って は限 られ た 機 能 で 安 い か,値 段 が 多少 高 くて もパ ソ コ ン通 信 な ど の機 能 が あ る方 を 買 うか 迷 う と ころ で あ る。 (1) 全 数 調 査 学 校 や 企 業 の あ る課 で パ ソ コ ンを導 入 しよ う とす る と き,そ こ に い る人 全 員 に つ い て調 査 を行 い,各 人 の希 望 の最 大 公 約 数 的 な条 件 を明 らか にす るこ とにな る。 ま た,各 学 校 で行 う健 康 調 査 や,5年
に1回 行 う国勢 調 査 の よ うな調 査 もあ る。
こ の よ う な 調 査 を 全 数 調 査 と い う 。 全 数 調 査 は,ふつ
う多 く の 労 力,時
間,費
用
を 必 要 とす る。 (2)
標本調査
消 費 者 に 対 して パ ソ コ ン メ ー カ ー は,売 そ こ で,パ
れ 筋 の 見 極 め が 最 大 の ポ イ ン トに な る。
ソ コ ン メ ー カ ー は タ ー ゲ ッ トを 若 者,中
調 査 を 行 う 必 要 が 生 じ る 。 こ の 場 合,若 を 対 象 に 調 査 を 行 い,全 標 本 調 査 は,マ
高 年,女
性 な どに 絞 って市 場
者 全 員 を 対 象 に で き な い の で,そ
の一 部
体 像 を 知 ろ う と す る。 こ の よ う な 調 査 を 標 本 調 査 と い う。
ー ケ ッ ト リサ ー チ だ け で な く選 挙 の と き の 支 持 率 調 査,あ
る製 品
の 中 の 不 良 品 の 割 合 の 調 査 な ど で 行 わ れ る。
図6.1
全 数 調 査.と標 本 調 査
(3) 母 集 団 と標 本 我 々 が そ の特 性 を調 べ た い対 象 を母 集 団 とい う。 母 集 団 は個 々 の人 や物 か らな り,そ れ らを個 体 とい う。 母 集 団 に お け る個 体 の個 数 を母 集 団 の 大 き さ と い う。 ま た,母 集 団 の部 分 集 合 を標 本 とい い,そ の個 数 を標 本 の 大 きさ と い う。 母 集 団 の状 況 を反 映 す る よ うに標 本 を選 び 出 す こ とをサ ンプ リン グ(抽 出)と い う。 選 挙 の支 持 率 調 査 や パ ソ コ ンの売 れ筋 調 査 な ど,現 実 の標 本 調 査 で は労 力,時 間, 費 用 をで き る だ け少 な く し,し か も母 集 団 を代 表 す る よ う にサ ンプ リ ング をす る 必 要 が あ る。 母 集 団 の状 況 を そ の ま ま反 映 しな い標 本 の こ とを偏 った標本 とい い, 特 殊 な場 合 を除 いて,こ
の よ うな サ ンプ リ ング を避 け る必 要 が あ る。
[2]
サ ンプ リング
サ ンプ リン グは統 計 学 の1つ の分 野 で,標 本 調 査 を行 う よ う に な って 起 こ って き た。 そ の意 味 と実 際 の方 法 につ い て調 べ よ う。 (1) サ ンプ リ ング の意 味 サ ンプ リング は,ど ん な方 法 で 標 本 を選 び 出す か,標 本 の大 き さを どれ だ け に す るか,標 本 か ら得 た結 果 に ど の程 度 の信 頼 が お け る か を問 題 に して きた 。 これ らの 問 題 は,次 の3つ に焦 点 が 絞 られ る。 (a) 問 題 が置 か れ た状 況 パ ソ コ ンの売 れ筋 は景 気 に左 右 さ れ,同
じ調 査 で も結 果 が異 な る。 また,あ
る問 題 は,抽 出 した標 本 を元 に戻 す復 元 抽 出 が不 可 能 で あ る。 (b) 調 査 に使 え る手 段 電 話 に よ る調 査,書
き込 み調 査 等 の手 段 で労力,費
用 が違 い,標 本 の大 き さ
に影 響 す る。 (c) 処 理 方 法 正 規 分 布 な ど,ど の モ デ ル を使 うか で信 頼 性 に違 い が生 じる。 母 集 団 か ら標 本 を サ ンプ リング して デ ー タを収 集 す る と き,期 待 通 り に しか も 効 果 的 に デ ー タを収 集 す る必 要 が あ る。 サ ンプ リン グを確 率 的 な サ ンプ リング と 非 確 率 的 な サ ンプ リング に分 け る こと が で きる。 (2) 確 率 的 サ ンプ リング 母 集 団 の ど の個 体 も同 じ確 率 で,ど
れ も互 い に独 立 に選 ば れ る と き,そ の抽 出
方 法 を 単 純 ラ ン ダ ム サ ン プ リン グ と い い,選 ば れ た標 本 を無 作 為 標 本 と い う。 無 作 為 標 本 を実 現 す る方 法 と して,コ イ ン投 げ,く
じ引 きが あ る が,乱 数 表 か ら取
り出 した数 字 や コ ン ピュ ー タ の疑 似 乱 数 が よ く使 わ れ る。
〔 例 題1〕
あ る 学 校 の 学 校 新 聞 で は,全
員450人
の 中 か ら40人
を 選 び,全
員 の
動 向 を 知 り た い と考 え て い る 。 ラ ン ダ ム サ ン プ リ ン グ の 方 法 を 調 べ よ 。 〔 解 〕450人
の 生 徒 に001か
ら450ま
で の番 号 をつ け る。 こ の番 号 の 中 か ら大 き
さ40の
標 本 を,次
の ど れ か の方 法 で ラ ン ダム サ ンプ リ ングす れ ば よ い。
(a) 乱 数 さ い を 投 げ る 乱 数 さ い は 色 のつ い た 正20面 つ に 書 か れ て い る 。3つ
体 の さ い こ ろ で,0か
の 乱 数 さ い を 選 び,次
ら9ま
で の 数 字 が2面
ず
の 手 順 を 行 う。
① 3つ の乱 数 さ い を投 げ る。 ② 赤 の 目 の数 を100の 位,青 の 目 の 数 を10の 位,黄
の目
の数 を1の 位 とす る3桁 の数 を作 る。 ③ 数 字 が 重 複 した り450よ
り
大 き い場 合 は,そ れ を 捨 て, ①,② を繰 り 返 して40個
の
図6.2 乱数 さい(提 供 ㈱ 加藤数物製作 所)
数 字 を 作 る。 (b) 乱 数 表 を 引 く 乱 数 表 は,上 下,左 右,斜
めの どれ を と って も0か ら9ま で の 数 字 が 同 じ確 率
で 現 れ る よ う に2桁 の 数 字 を 並 べ た表 で あ る。 い ま乱 数 表 がn行 あ る と き,乱 数 さ いや,1か
らnま で の数 字 を書 い た カ ー ドか ら1枚 選 ん で 開 始 す る行mを
び,そ れ を 戻 して 再 び カ ー ドを 引 いて 数kを
決 め た後,乱
数 表 の 第m行
選
の 第k
番 目の 数 か ら,次 の ①,② の手 順 で40個 の数 字 を 求 め る。 ① 2桁 の数 字 を そ れ ぞ れ の数 字 と み な し,3桁 ず つ 区 切 って3桁 の数 を作 る。 ② 3桁 の数 字 が450よ
り大 きい か 重 複 す る と きは,そ の数 を捨 て,そ
れ以 外
の と きそ の数 を記 録 す る。 (c) コ ン ピ ュー タ で疑 似 乱 数 を作 る ① プ ロ グ ラム6.1を 実 行 す る。 ② 新 しい乱 数 系 列 を入 力 して くだ さい(-32768to
32768)→?
とい う表 示 が 現 れ る か ら,実 際 に は4個 の乱 数 さ いで4桁 の数 を作 り,入 力 す る。
表6.1 乱 数 表
な お,筆
者 が 上 の3つ
た と こ ろ,所
の方 法 を行 っ
要 時 間 は次 の よ うに な っ
た。
・乱 数 さ い −−43分
・乱 数 表 −−26分
・コ ン ピ ュ ー タ −−14分
この 結 果 は コ ン ピ ュー タの便 利 さを 示 して い る 。 な お,疑 は 周 期,一 あ り,第7章
似 乱 数 の吟 味 に
様 性 の 検 定,連
の検 定 等 が
の練 習 問題 で そ の検 定 を
扱 う。
図6.3
プ ロ グ ラ ム6.1
計 算 の 結 果(乱 数 の初 期 値19370) 16 37 156 348 229 86 305 25 42 183 164 110 139 328 80 172 27 158 425 200 20 31
問1
60 33
287 238
222 204
プ ロ グ ラ ム6.1を
343 173 334 389
320 430
437 450
299 386
273 232
実 行 して 数 字 を 求 め,1∼90,∼180,∼270,∼360,∼450の
各 級 の度 数 を計 算 して,こ の乱 数 の均 一 性 に つ い て調 べ よ。
〔 例 題1〕 で作 成 した デ ー タ40個 か ら度 数 多 角 形 を 作 っ て み る と,図6.4の
よ
うに な り,無 作 為 標 本 が 比 較 的 一 様 に分 布 して い るの は乱 数 表 だ け の よ うに見 え る。 しか し,そ れ は単 な る偶 然 で あ ろ う。なお,大
き さ40程 度 の ラ ン ダム サ ンプ
リン グで も,平 均 値 を とれ ば母 集 団 で あ る全 生 徒 の実 態 を反 映 で きる場 合 が多 い。
図6.4
(3)
層 別 サ ンプ リング
〔 例 題1〕 の 高 校 で は,同 (270人)お
り,高
後 者 か ら16人 得 た。
乱 数 の 度 数 多角 形
じ系 列 の 中 学 校 か ら そ の ま ま 進 学 す る 内 部 生 が60%
校 受 験 組 の 外 部 生 が40%(180人)い
を 無 作 為 抽 出 し,学
る の で,前
者 か ら24人,
校 外 で の 学 習 時 間 に つ い て,表6.2の
結 果 を
表6.2 学 習 時 間 の調 査
図6.5
学 習 時 間 の 度 数 多角 形
こ の調 査 で は,単 純 ラ ンダ ムサ ンプ リ ングを行 う と,図6.5の が2つ
合計 のように山
で き るが,内 部 生 と外 部 生 に分 け る と実 態 を よ く把 握 で き る。 内部 生 と外
部 生 と い った グル ー プ に分 けて か ら標 本 を ラ ン ダム サ ンプ リ ングす る方 法 の こ と を 層 別 サ ンプ リング と い う。 この場 合,母 集 団 に お け る内 部,外 部 の人 数 に比 例 して 各 層 の標 本 の 大 き さを 決 め るの で比 例 抽 出 とい う。 〔例 題2〕
表6.2で
比 例 抽 出 した24人
表6.3 制 服 変 更 希望 者 の割 合
の 内 部 生 と16人 の 外 部 生 に対 して,学 校 の 制 服 を変 え る希 望 を 同 時 に と った と こ ろ,次 の よ うな人 数 に な った。 この こ とか ら,全 生 徒 の変 更 希 望 者 の割 合 を推 測 せ よ。 〔 解 〕 内 部 生24人,外
部生16人
の賛 成 者 の割 合 は,そ れ ぞ れ次 の値 に な る。
一 方 ,全 校 生 徒 に対 す る内 部 生,外 部 生 の割 合 は そ れ ぞ れ,
だ か ら,全 校 生 徒 の賛 成 の割 合 は,
と推 測 さ れ る 。
問2〔
例 題2〕 で,内 部 の 生 徒 の 賛 成 者 が9人,外
部 の 生 徒 の賛 成 者 が10人
の と きの 割 合
は ど うな るか。
(4) 非 確 率 的 サ ン プ リン グ ラ ン ダ ム性 に基 礎 を置 か な い抽 出方 法 を非 確 率 的 サ ンプ リン グ と い い,標 本 と 母 集 団 の主 要 な特 性 が異 な る。 しか し,問 題 に よ って は こ の サ ンプ リングが有 用, あ るい は一 部 に利 用 す る こ とが不 可 欠 な場 合 が あ る。 例 え ば,木 箱 に入 った オ レン ジの 中 で腐 った もの の 割 合 を 見 るの に,表 面 の オ レ ン ジだ け見 て 全体 の腐 り方 を推 定 す る。 底 の方 の オ レ ンジ は表 面 よ り もた く さ ん 腐 って い るで あ ろ う。 表 面 の腐 り方 か ら全体 の割 合 を知 る こ とが で きれ ば,こ の 方 法 で 十 分 で あ る。 この よ うな サ ン プ リ ングを 効 率 的 サ ンプ リング とい う。
問3
あ る鉱 石 は 比 重 が 重 く,オ ー ス トラ リア か ら船 積 み して くる途 中 で 振 動 の た め,含
有 率 が1mの
深 さに つ い て1%増
す よ うに な る とい う。 あ る船 に6mの
て き た鉱 石 の表 面 の含 有 率 を調 べ た と ころ3%で
高 さ で バ ラ積 み し
あ った 。 この船 の 鉱 石 の平 均 含 有 率 を 求
めよ。
6.2
推
定
あ る母 集 団 か ら一 定 の大 きさ の標 本 を ラ ン ダ ムサ ン プ リン グ した とす る。 そ の 標 本 の 平 均 値 を求 め,そ れか ら母 集 団 の平 均 値 を予 測 す る方 法,あ
るい は標 本 の
中 の あ る性 質 の割 合 か ら,母 集 団 に お け るそ の性 質 の割 合 を予 測 す る方 法 につ い
て考 え よ う。 そ の背 景 に は区 間 推 定 の考 え方 が あ る。
[1] 点推定 表6.2は,270人
の 内部 生 か ら24人 の 標 本 を ラ ン ダ ム に と っ た と き の1日 の
学 校 外 の学 習 時 間 で あ る。 この標 本 の大 き さ は24で 代 表 値 は,次 の よ うに な る 。
平 均 値 はx=1.125〔
時 間 〕,分 散 はs2=0.484,標
準 偏 差 はs=0.696〔
時間 〕
一 般 に,標 本 の平 均 値 を標 本 平 均,標 本 の分 散 を標 本 分 散 標 準 偏 差 を標 本 標 準 偏 差,標 本 の あ る性 質 の比 率 を標 本 比 率 とい い,こ れ らを標 本 値 とい う。 一 方,母 集 団 の平 均 値 を母 平 均,母 集 団 の分 散 を母 分 散,母 集 団 の標 準 偏 差 を 母 標 準 偏 差,母 集 団 の あ る性 質 を母 比 率 と い い,こ れ らを総 称 して母 数 とい う。 標 本 平 均,標 本 分 散 な ど の標 本 値 を もと に母 数 を 推 定 す る こと を統 計 的推 定 と い う。 統 計 的 推 定 に は,例 え ば 「母 平 均 はm=1.125〔 る点 推 定,お
よ び,例 え ば,「 母 平 均mは,区
時 間 〕で あ る」 と推 定 す
間28≦m≦32に
あ る」 と推 定
す る区 間 推 定 が あ る。 点 推 定 に は多 数 の標 本 値 を と り,そ の平 均 値 を用 い て母 数 を 推 定 す る方 法 が あ り,そ の平 均 値 の こ とを 不 偏 推 定 値 と い う。 大 き さnの 標 本 を と り,そ の平 均 値 をx,分 標 本 平 均xの 平 均 値X,母 式(6.1),式(6.2)の
散 をs2と す る と き,母
平 均mと
分 散 σ2と標 本 分 散 の 平 均 値S2に は次 の 関 係 が あ り,
右 辺 の値 は,そ れ ぞ れ 母 平 均m,母
分 散 σ2の 不 偏 推 定 値
で あ る。
母平 均
(6.1)
母分 散
(6.2)
図6.6
不 偏 推 定 値 に よる 点 推 定
標 本 の 大 き さ が30以 と が 知 られ て お り,こ 30未
上 の と き,σ の 代 わ り にSを
の 方 法 を 大 標 本 法 と い う。 そ れ に 対 し て 標 本 の 大 き さ が
満 の と き,式(6.2)や
問4 表6.2か
〔 注1〕
用 い て も さ しつ か え な い こ
後 述 のt分
布 を 用 い,こ
れ を 小 標 本 法 と い う。
ら外 部 生 の学 習 時 間 の母 平 均,母 分 散 を 不 偏 推 定 値 で 点 推 定 せ よ。
式(6.1)が
成 り立つ 理 由 は,次 の手 順 で 考 え る こ とが で き る。
(a) 大 き さ1の 標 本 を取 り出 して 平 均 値xを 求 め る。 この操 作 は,母 集 団 か ら1つ の デ ー タを取 り出 す の と同 じで,こ の操 作 を母 集 団 の大 き さN回
行 い,そ の平 均 値 を求 め る と母 平 均mに
な る。
こ こで,母 集 団 か ら1つ の標 本xを 取 り出す こ とを,母 集 団 の確 率 分 布 に従 う 確 率 変 数Xの
実 現 値 がxで あ る と考 え れ ば,そ の 平 均 値 は母 平 均 と一 致 す る。
す な わ ち,
(6.3) (b) 大 き さnの 標 本 を取 り出 し,そ の平 均 値xを 求 め る。
(6.4) こ こ でx1,x2,…,xnは 平 均 値xを
確 率 変 数Xの
式(6.4)の
各xiを(a)の
母 集 団 か ら取 り 出 し た デ ー タ で あ る。 実 現 値 とす る 。 確 率 変 数Xの
実 現 値 と考 え る と,次
の 式 が 成 り立 つ 。
(6.5)
よ って,標 本 平 均 の平 均 値 は母 平 均 の 不 偏推 定 値 にな る こ とが 示 され た。 〔 注2〕
式(6.2)が
成 り立 つ 理 由 も,次 の よ うに説 明 され る。 た だ し,標 本 平 均
xが わ か って い る とす る。 (a) 大 き さ1の 標 本xを 取 り出 して 母 平 均mと
偏 差 平 方(x-m)2を
求 め る。
こ の操 作 を 母 集 団 の 大 き さN回
行 い,そ の平 均 値 を求 め る と母 分 散 σ2に なる。
(6.6) 式(6.3)と
同 様 に してxiを 確 率 変数Xの
実現 値 と考 え る と,次 の式 が成 り立つ。 (6.7)
(b) 大 き さnの 標 本 を取 り出 し,標 本平 均xと の偏 差 平 方 の平 均 値 を求 め る。
(6.8) こ こ でx1,x2,…,xnは,母 分 散s2を
操 作(b)で 多 数 計 算 し,そ
各(xi-x)2を,確 と,式(6.7)か
集 団 か ら取 り 出 した デ ー タ で あ る。
率 変 数Xか ら式(6.9)が
の 平 均 値s2を
求 め る。
ら作 っ た 確 率 変 数(X-X)2の
実 現 値 と考 え る
成 り立 つ 。
(6.9) (c) S2を 確 率 変 数 と し,そ の 実 現 値 がs2で あ る と考 え る と,次 の式 が 成 り立 つ 。 (6.10)
よ っ て,母
分 散 σ2の 不 偏 推 定 値 は
式(6.5),式(6.9)の あ る。
よ う に,平
〓と な る こ と が 示 さ れ た。
均 値 を と る こ とが 母 数 の不 偏 推 定 値 の 特 徴 で
[2] 区 間 推 定 点 推 定 の 考 え 方 は 一 応 も っ と も の よ う に み え る。 しか し実 際 に サ ン プ リ ン グ す る と,母
平 均 が1.125時
間 ち ょ うど に な る チ ャ ン ス はあ ま り な い。 そ こで
「何 時
間 か ら何 時 間 ま で な ら 間 違 い は ま ず な い 」 と い う答 え 方 を す る 。
〔 例 題3〕
人 口1万
率 は60%で
人 の あ る 町 の 町 長 選 挙 でA氏
あ る と い う。 こ の 町 の 住 民 か ら50人
に 投 票 す る 人 数 は,実 〔 解1〕
が 立 候 補 し,A氏
に対 す る支 持
を ラ ン ダ ム に 選 ん だ と き,A氏
際 に は 何 人 に な る か 調 べ よ 。 ま た,100人
の 場 合 は ど う か。
シ ミュ レ ー シ ョ ン で 実 験 す る 。1万 人 の 住 民 が ほ ぼ 均 一 で あ る とす れ ば,
ど の 住 民 も60%の
確 率 でA氏
に つ い て は,0<xk<1の
と して,そ
に 投 票 す る と し て よ い 。 し た が っ て,50人
乱 数xkを50個(k=1,2,…,50)を
の と き,A氏
に投 票 した。
の と き,A氏
に投 票 しなか っ た。
の 度 数 を 数 え る と実 際 の 投 票 数iに
る 。 しか し こ の 投 票 数 は,残
と り,
な
念 な が らy=30に
な る 場 合 は 少 な い 。 そ こ で プ ロ グ ラ ム6.2で,こ の 実 験 を50回,100回 る と,図6.8の
繰 り返 してiの
よ うに な る。
プ ロ グ ラ ム6.2で
は 図6.8か
ら,50人,100人
を 選 ん だ 場 合 に 支 持 者 の 人 数x,yは 人,60人
分布を調 べ
そ れ ぞ れ30
を 中 心 に,ほ ぼ20<x<40,45<y<
75の 範 囲 で ば らつ く こ とが わ か る 。
図6.7
の標本
プ ロ グ ラ ム6.2
計 算 の結 果(乱 数 の 初 期 値16370) ?50,10 20 0 0 .11
40 .01 .1
.03 .01 .07
.03
.11
.01
.06 .06
.11 .05
. 09 .01 0
.13 0
0
〔 解1〕 の シ ミュ レ ー シ ョ ン結 果 は 乱 数 の 初 期 値 に よ っ て 異 な る が,図6.8の ラ フ は,n=50,100に
つ い て,そ
グ
れ ぞ れ の 支 持 者 の 人 数 と相 対 度 数 を 表 示 し た
もの で あ る。
図6.8
〔 解2〕
支持 率60%の
プ ロ グ ラ ム6.3は,2項
の と き の 支 持 者 の 人 数x,yも
と きの 支持 者 の 人数 と相 対 度 数
分 布 の 式 を 用 いて 確 率 を 求 め た も の で あ る。 こ 〔 解1〕 と ほ と ん ど 同 じ状 況 に な る。
0
プ ロ グ ラ ム6.3
計算の結果 ? 50
95%の 区間24 .026
0.040
36 0.058 0.078 0.096
0.115 0.111 0.099 0.081
こ こ で,2項 ・50人
0.109
0.061 0.042 0.026
分 布B(n,p)でp=0.6と
し た と き,
の場 合
平 均 値np=30〔
人 〕,標
準偏差
人 〕,標
準偏差
・100人 の 場 合 平 均 値np=60〔 と な る。 式(3.25),お
こ こ で,信
よ び 式(3.26)か
頼 度95%,99%の
な る 。 例 え ば,信
頼 度95%の
ら,次
確 実 さ で い え る支 持 者 数xは,表6.4の 範 囲 は 次 の よ う に な り,こ
い う。 n =50の
99%の
の 関係 が成 り立 つ。
場 合;24≦x≦36〔
人〕
信 頼 区 間 に つ い て も同様 で あ る。
れ を95%の
範囲 に 信頼区間 と
表6.4 支 持 者 の信 頼 区 間
問5
〔 例 題3〕 と同様 に,50人
95%,99%で
の 町民 を ラ ン ダ ム に 選 ん だ と き の 支 持 者xの
求 め よ。 た だ し,A氏
の支 持 率 が40%に
信頼 区 間 を
な った とす る。
[3] 標 本 平 均 の分 布 あ る母 集 団 か ら大 き さが一 定 の サ ンプ ル を ラ ン ダ ム に取 り出 して 平 均 値 を 計 算 す る と き,そ の値 が どの よ うに な るか調 べ て み よ う。 まず,次 〔 例 題4〕 mgの
次 の デ ー タ は,1円
玉]100個
の 重 さ を,1gか
の実 験 を 行 お う。
らの軽 重 を デ ジ タ ル秤 で
単 位 で 調 べ た も の で あ る。 表6.5 1円 玉 の 重 さ100個
(例 え ば,-13は0.987g,8は1.008gを
こ こ か ら ラ ン ダ ム に標 本 を 取 り 出 す 実 験 を 行 い,次 (a) 100個
の 重 量 の 平 均 値 と 標 準 偏 差(母 平 均,母
(b) n=10〔
個 〕の 標 本 を1つ
(c) n=10〔
個 〕の 標 本 を20回
(d) n=4〔
個 〕 の 標 本 を20回
た だ し,標 〔 解 〕(a)
取 り 出 し,平 取 り 出 し,平 取 り出 し,平
表 す)
の 問 い に答 え よ。 標 準 偏 差)を
求めよ。
均 値 と標 準 偏 差 を 求 め よ 。 均 値 の 平 均 値 と標 準 偏 差 を 求 め よ。 均 値 の 平 均 値 と標 準 偏 差 を求 め よ。
本 の 取 り 出 し は復 元 抽 出 で 行 う。
プ ロ グ ラ ム6.4か
ら,母
平 均m,母
(b) 〔 例 題1〕 の 〔 解1〕 に 従 っ て 乱 数 さ い2個
標 準 偏 差 σ は,次
を10回
投 げ,次
の よ う に な る。
の数字 を得 た。
この 数 字 を 番号 とす る1円 玉 の 重 さ は,次 の10個 の数 値 で あ る。
こ の 数 値 の 平 均 値 はx=0.7〔mg〕,標 (c) 1か ら100の
整 数 の 乱 数 を10個
準 偏 差 は σ=4.88〔mg〕 作 り,表6.5の
に な る。
デ ー タか らそ れ に相 当 す る
番 号 の 数 値 を 重 複 な く取 り 出 し て 平 均 値 を 計 算 す る 。 こ の 実 験 を プ ロ グ ラ ム 6.4で20回
繰 り返 して 結 果 を 求 め る と,例
こ の と き の 標 本 平 均 の 平 均 値 は0.56,標 (d) n=4の
と き も同 様 に し て,例
2.49で あ る 。 プ ロ グ ラ ム6.4
え ば 次 の 値 に な る。
準 偏 差 は1.58で
あ る。
え ば 標 本 平 均 の 平 均 値 は1.58,標
準偏 差 は
な お,表6.4の 6.5の
デ ー タ をdata文
デ ー タ に つ い て,大
でendの
後 に 置 くが,こ
こで は 省 略 す る。 表
きさ を変 え て 〔 例 題4〕 と 同 様 の 実 験 を 行 う と,
母 平 均m=0.58,母
標 準 偏 差 σ=4.85
か ら抽 出 し た 標 本 値 の 例 と して,表6.6の
値 が得 られ た。
表6.6 標本平均 と標本標準偏差 の例
図6.9
表6.6か
標本平均値 の度数分布
ら標 本 平 均xは 母 平 均mと
ほぼ 一 致 し,標 本 標 準 偏 差sと 母 標 準 偏
差 σに つ いて,次 の式 が成 り立つ こ とが わ か る。 (a) 標 本 の大 き さnが 母 集 団 の大 きさNに
(b) 標 本 の 大 き さnがNに
比 べ て小 さい(n≦20)と
比 べ て小 さ くな い(n≧30)と
き,
き,
(6.11)
ま た,標
本 平 均 の 度 数 分 布 は,図6.9の
問6 プ ロ グ ラム6.4をn=30で
[4]
よ う に 正 規 分 布 に 従 う。
実 行 し,式(6.11)を
確 認 せ よ。
平 均 値 の 推 定
母 平 均 が わ か ら な い と き,ラ
ン ダ ム抽 出 した標 本 の平 均 値 か らそ れ を推 定 しよ
う。 (1)
標準偏差の使い方
〔 例 題5〕
あ る休 校 日 の学 校 で 急 に女 子 の体 重 の平 均 値 が 必 要 にな った と す る。
校 内 を 探 し た 結 果,得
られ た の は次 の デ ー タだ けで あ った 。
昨 年 度 全 生 徒 の 平 均 値m=51.3〔kg〕,標 ク ラ ス40人
分 の デ ー タ の 平 均 値x=50.6〔kg〕,標
こ の 情 報 を も と に 今 年 度 の 体 重 を95%の 〔 解1〕
昨 年 度 の 標 準 偏 差 σ=6.61は,年
母平均m,標 の 正 規 分 布N(m,σ2/40)に
〔 解2〕
準 偏 差s=6.11〔kg〕
。
信 頼 区 間 で 調 べ よ。
と っ た とす れ ば,式(3.60)か
準 偏差 従 う か ら,式(3.44)に
め る 信 頼 区 間 は,X=50.6と
今 年 度 の 標 本 標 準 偏 差s=6.11を
母 分 散 は 不 偏 推 定 値 の 式(6.2)か
年 度 の1
ご と に 変 動 し な い も の と し て,今
に も 流 用 す る 。 多 数 の 標 本 平 均Xを
よ っ て,求
準 偏 差 σ=6.61〔kg〕,今
ら,
よ っ て,
お い て,
利 用 す る。
らXは,
年度
標本平均xは,母
平均m標
ら,〔 解1〕 と 同 様 に95%の
〓の標 準 正 規 分 布 に 従 うか
準偏差
信 頼 区 間 は,次
図6.10
の よ う に な る。
母平均 の推定
〔 例 題5〕 の 〔 解1〕 は 母 標 準 偏 差 が わ か っ て い る 場 合 の,〔 解2〕 は 母 標 準 偏 差 が わ か らな い と き の,母 問7 100円 玉50個
標 準 偏 差 の 求 め 方 で あ る。
の重 さ を測 っ た と こ ろ平 均 値X=4.800〔g〕,標
に な った。100円 玉 の重 さmの
信 頼 区 間 を 信 頼 度95%で
求 め よ。
コ イ ン は 母 平 均 の 推 定 の 実 験 を 行 い や す い 対 象 で あ る。1円 3.75g(1匁)の mg程
重 さ が あ る。 しか し,実
度 の 偏 差 が 確 認 さ れ,大
き さ100程
際 に は1円
準 偏 差s=28〔mg〕
玉 は1g,5円
玉 で は15mg,5円
玉 は
玉 で は30
度 で は正 規 分 布 と は い い に く い こ と が
あ る。 (2)
公
式
あ る母 集 団 か ら大 き さnの
標 本 を ラ ンダ ムサ ンプ リン グ した と きの標 本 平 均 が
xで あ っ た と す る 。 こ の と き 母 集 団 の 平 均 値mの と して 信 頼 度95%,99%の
95%の
信 頼 区間
信 頼 区 間 は,母
標準偏 差 を σ
それ ぞ れ で 次 の よ う に な る。 〓(6.12)
99%の
〔 注 〕95%の
信頼 区間
〓(6.13)
信頼区間で は
〓を切 り上 げ て,
〓を切 り上 げ て
間 で,
〓と し た 。 同 様 に,99%の
信 頼 区
〓と す る こ と が あ る 。
母 標 準 偏 差 が わ か らず,標 本 標 準 偏 差sで 代 用 す る と き式(6.10)に
よ る,
(6.14) ま た は,大
き さnの
標 本x1,x2,…,xnと
た だ し,n≧25の
標 本 平 均xを
も と に し た次 の式 を 用 い る。
と き σ とsの 値 は ほ ぼ 等 し くな る の で,sで
代用 す る ことが
で き る。 (3)
プ ロ グ ラム
標 本 平 均 か ら母 平 均 を 推 定 す る プ ロ グ ラ ム を 作 っ て み よ う。 こ の 処 理 で は,出 力 は95%お
よ び99%の
母 平 均 の 処 理 で は,次
信 頼 区 間 で あ る が,入
力 は多 様 な 問題 場 面 が あ る。
の 入 力 条 件 に 応 じて 計 算 を 変 え る 必 要 が あ る 。
(a) 母 標 準 偏 差 σ が わ か っ て い る か ど う か 。
わ か っ て い る と き,σ で 式(6.12),式(6.13)を わ か っ て い な い と き,式(6.14)を
使 う。
使 う。
(b) 標 本 の デ ー タ を 入 力 す る か ど う か 。
入 力 す る と き,デ
ー タ か ら標 本 平 均x,標
入 力 し な い と き,標
本 平 均xと
本 標 準 偏 差sを
標 本 標 準 偏 差sの
求 め る。
値 を 入 力 す る。 た だ し,
(a)で σ が わ か っ て い る と き,σ の 値 を 入 力 す る 。 プ ロ グ ラ ム6.4で
は 変 数p,dを
次 の よ う に 用 い て 処 理 を 行 う。
p=1の
と き母 標 準 偏 差 σが わ か り,p=0の
d=1の
と き デ ー タ を 入 力 し,d=0の
処 理 した 結 果 を 信 頼 度95%,99%の2つ
と き 標 本 標 準 偏 差sを
と きx,sま
使 う。
た は σ を入 力 す る。
の 信 頼 区 間 で 表 示 す る。
図6.11
プ ロ グ ラ ム6.5
計算の結果 95%信 頼 区間 2.097633=<m=<2.108366 99%信頼
[5]
区 間2.096077=<m=<2.
比 率 の 推 定
母 集 団 の 中 で,あ 味 を 探 り,プ (1)
る特 定 の性 質 を も って い る もの を母 比 率 と い う。 この 式 の 意
ロ グ ラ ム を 作 って み よ う 。
式 の意 味
〔 例 題3〕 で は,母 の と き,そ に95%が
10 9923
集 団 で あ る 町 民 の 支 持 率 がp=60〔%〕
こ か ら ラ ン ダ ム に 選 ん だn=50〔 入 る。 つ ま り,nが
とわ か っ て い る。 こ
人 〕の 中 の 支 持 者 数xは,次
十 分 に 大 き い の で2項
分 布B(n,p)が
の 区間 正規 分布 に
近 い と し て,
(6.15) す な わ ち,
(6.16) この と きの 標 本 比 率 をrと す る と,rと 標 準 偏 差sは 次 の 式 で 表 す こ とが で き る。 (6.17) そ し て,式(6.12)と
同 様 の 考 え 方 で 次 の 区 間 に95%が
入 る。
す な わ ち,
(6.18) 同様 に して,99%が
入 る区 間 は次 の式 で表 す こ とが で き る。
す な わ ち,
(6.19)
一 般 に
,あ
る 母 集 団 か ら大 き さnの
る 比 率 をrと
す る と き,母
標 本 を と り,そ
集 団 の 比 率pの
こ に期 待 す る もの が含 ま れ
信 頼 区 間 が,式(6.18),式(6.19)か
ら次 の よ う に 表 さ れ る 。 95%の
信頼区間
(6.20) 99%の
信頼区間
(6.21) (2)
式 の適 用
式(6.21)を
利 用 し,標
本 比 率 が わ か っ た と き に 母 集 団 の 比 率 を,次
の信 頼 区
間 で 推 定 し よ う。
〔 例 題6〕
新 し い 車 い す が 開 発 さ れ,従
と こ ろ,200人
中150人
(a) 99%の
来 の車 いす よ り も改善 され た か 調 査 した
が イ エ ス と答 え た と い う。
信 頼 度 で 母 比 率 を 推 定 せ よ。
(b) も し130人
の 利 用 者 が イ エ ス と 答 え た と き,こ
の車いすの メーカーはど う
判 断 す るべ き か。 〔 解 〕(a)の
問 題 を 次 の 手 順 で 解 決 す る。
① 標 本 比 率rを
求 め る。
② 標 準 偏 差sを 求 め る。
③ 99%の
信 頼 区 間 を求 め る。
(b) 130人,つ
ま り65%(比
新 し い 車 い す は,従 し か し,新
率0.65)は(a)の
信 頼 区 間 か らは ず れ て い る。
来 の 車 い す に 比 べ て お そ ら く少 し だ け 良 か っ た の だ ろ う 。
し い 車 い す の メ ー カ ー は,さ
ら に改 良 の 努 力 を行 う必 要 が あ る。
問8 最 近,新 種 の米 作 りが盛 んで あ る。 あ る農 場 試 験 場 で50kgの
米 が とれ,そ
ら500粒 の米 を ラ ン ダ ムに抽 出 した と こ ろ,期 待 した品 種 の 米 が80粒 種 の米 の母 比 率pと
(3)
新 種 の米 が含 まれ て い る重 さxを 信 頼 度99%で
の 中か
見 つか っ た。 この 品 求 め よ。
プ ログ ラ ム
母 比 率 の 信 頼 区 間 を 求 め る と き,必 rで あ る 。 た だ しrは,標
要 な 条 件 は 標 本 の 大 き さnお
本 中 の 期 待 し た も の の 個 数xでr=x/nと
よ び標 本 比 率 す る こ とが
で き る。 プ ロ グ ラ ム6.6で 間 を,そ
はnとrを
定 数 と し て 与 え,母
れ ぞ れ 式(6.20),式(6.21)で
比 率 の95%,99%の
信頼 区
求 め た。
プ ロ グ ラ ム6.6
計算の結果 95%信 頼 区 間.1272098=
<. 1927902 <.2022994
問9 あ る豆 の 色 は メ ンデ ル の 法 則 に 従 い,黒 が優 性,白 る とい う。 いま60粒 め よ。 逆 に,95%の
6.3 検
が 劣性 で,そ
の豆 を ラ ン ダ ムに 選 ん だ と き,白 豆 の 割合pを95%の 信 頼 区 間 が0.2≦p≦0.3と
の比 率 は3:1に
な
信 頼区 間で求
な る よ うに 標 本 の大 き さnを 定 め よ。
定
区 間推 定 を 利 用 し,ラ ンダ ム に抽 出 した 標 本 が 「ま と も」 な も のか ど うか 理 論 的 に検 定 す る方 法 につ いて 考 え よ う。
[1]
仮 説 と判 断
あ る母 集 団 か ら標 本 を ラ ン ダム に 抽 出 す るに は理 由 が あ る。 検 定 を行 う目 的 と そ れ を 行 う方 法 を具 体 例 で調 べ る こ とに す る。 (1) 仮説 の立 て方 推 測 統計 で行 う検 定 は,帰 無 仮 説 とい う仮 説 を立 て,を れ が統 計 的 に ほ とん ど あ りえ な い こ とを示 して,元 の仮 説 が 正 しい こ とを主 張 す る方 法 を と る。 い くつ か の例 で,そ の よ うな解 決 方 法 を調 べ よ う。 〔 例 題7〕
さ い こ ろ投 げ を10回 行 った と ころ,1の
目が5回 も出 た。 こ の さ い こ
ろ は,い か さま で は な い だ ろ うか。 (a) 危 険 率5%で
検 定 せ よ。
(b) 危 険 率1%で
は ど うか。
〔 解〕 この さい ころ が 「正 しい 」 と仮 定 す る。 こ の と き,10回 で1の
の さ い こ ろ投 げ
目が5回 以 上 出 る確 率 は,次 の 値 に な る。
(6.22) (a) 1の 目 が5回
以 上 出 る 確 率1.5%は,5%よ
り小 さ い 。 し た が っ て,正
の に い か さ ま で あ る と 断 定 す る 危 険 性 は5%よ よ っ て,「1の %の
目 が5回
以 上 出 て も,そ
しい
り小 さ い 。
の さ い こ ろ は 正 し い 」 と い う 仮 説 は,5
危 険 率 で 捨 て る こ とが で き る。
ゆ え に,「 こ の さ い こ ろ は,い (b) 式(6.22)か P(1の
ら, 目 が5回
と い う事 態 が1%以 した が っ て,正 き,0.015と
か さ ま で あ る」 と判 断 す る。
以 上)=0.015>0.01
上 の 確 率 で 生 じ る。 しい の に い か さ ま で あ る と誤 る 危 険 性 を1%以
下 に お さえ る と
い う結 果 か ら何 も結 論 は 下 せ な い 。
ゆ え に,「 こ の さ い こ ろ が,い
か さ ま か ど う か は何 と も い え な い 」 と判 断 す る。
〔 例 題7〕 で は,確
率 分 布 は 図6.12の
こ ろ が 正 し い の に,い 6.12の
よ う に,5回
よ う に な る。(a)の 危 険 率0.05と
か さ ま で あ る と誤 る 確 率 の こ と を い い,こ
以 上1の
は,さ
い
の問題 で は図
目 が 出 る 範 囲 に な る。 こ の よ う に,仮
説 が棄 却 さ れ
る 範 囲 を 棄 却 域 と い う。
図6.12
危 険 率1%の
棄却 域 は,正
しいの に い か さ ま と誤 る確 率 が1%以
で あ り,そ れ は6回 以 上1の
た は1%に
問10 あ る コ イ ンを10回 投 げ た と き,1回 か ど うか,そ れ ぞれ5%,1%の
と る こ とが 多 い。
以 下 しか 表 が 出 なか っ た。 こ の コ イ ン が い びつ
危 険率 で検 定 せ よ。
あ る 豆 の 色 は メ ン デ ル の 法 則 に 従 い,黒:白
る と い う。 い まA君
が120粒
の 豆 を 調 べ た と こ ろ,白
は メ ン デ ル の 法 則 に 従 っ て い な い の だ ろ う か 。5%の 〔 解1〕
白 豆 は120粒
中 の1/4だ
の 確 率 を プ ロ グ ラ ム6.7で プ ロ グ ラ ム6.7か 5%で
黒 豆:白
ら41粒
下 にな る範 囲
目 が 出 る範 囲 にな る。 この よ う に,危 険 率 は判 断 の
規 準 と な る確 率 で あ り,5%ま
〔 例 題8〕
棄 却 域
か ら,2項
が3:1の 豆 が41粒
比 で収穫 で き も あ っ た 。 これ
危 険 率 で 検 定 せ よ。
分 布B(120,1/4)に
従 う。
求 め る。 以 上 の 白 豆 が 現 れ る 確 率 は 約0.016だ
豆 の 比 が3:1で
あ る と い う仮 説 は 棄 却 さ れ る。
か ら,危
険率
プ ロ グ ラ ム6.7
計算の結果 k=>41の
時0.0155
図6.13
〔 解2〕
こ の2項
分 布B(120,1/4)に
平 均 値m=30,標 Xは,こ
従 うXは,次
の値 を と る。
準 偏 差 σ=√90/4≒4.74
れ と 同 じ平 均 値 と 標 準 偏 差 の 値 を もつ 正 規 分 布N(30,45/2)で
近似
で き る。 p=X/120と
す れ ば,2項
分 布 で95%が
入 る比 率 の 区 間 は,
棄 却 域 は,
一 方,白
豆 が41粒
落 ち る 。 ゆ え に,黒 却 され る。
以 上 あ る 比 率 はp=41/120=0.342だ 豆:白
豆 の 比 が3:1で
か ら,pは
あ る と い う仮 説 は,危
棄却 域 に
険 率5%で
棄
問11 あ る フ ロ ッ ピー デ ィ ス ク工 場 で は,入 出 力 エ ラー な どの不 良 品 が1%あ 検 査 の た め500個
る と い う。
を調 べ た と こ ろ不 良 品 が8個 あ った 。 この結 果 に つ い て,5%の
危 険率
で 判 断 せ よ。
[2] 比 率 の 検 定 メ ンデ ル の法 則 で は,あ る豆 の もつ 性 質 につ いて 優 性 の 性 質:劣 性 の性 質=3:1 が 成 り立 つ か を 検 定 す る こと が あ る。 ま た,あ る工 場 で は,不 良 品 の 出 現 比 率 を 常 に見 て い る必 要 が あ る。 生 物 の遺 伝 的 な性 質 や 製 品 の 不 良 品 の 現 れ 方 は2項 分 布 に従 うが,こ
こで は正 規 分 布 で近 似 す る検 定 の しか た につ いて 考 え よ う。
(1) 両 側 検 定 この方 法 は 〔 例 題8〕 の 〔 解2〕 と同 じで,正 規 分 布 の 棄 却 域 を 両 側 にお く。 〔 例 題9〕
あ る市 の,あ
る地 区 に ごみ 処 理 工 場 が 立 つ こ と にな り,そ の地 区 の 人
100人 を ラ ン ダ ム に選 ん だ と こ ろ,62人
が 賛 成 で あ った。 ごみ処 理 工場 に対 す る
賛 成 者 と反 対 者 に は差 は あ るか。 危 険 率5%で
検 定 せ よ。
〔 解 〕 賛 成,反 対 に差 が な く,賛 成 者 の比 率 が0.5で あ る と仮 定 す る。 こ の と き 賛 成 者Xは2項
分 布B(100,0.5)に
平 均 はm=50,標 標 本 の大 きさn=100が
準 偏 差 は σ=5 大 きい ので,正 規 分 布N(50,52)で
か ら,賛 成 者Xが40≦X≦60で 逆 に,賛 成 者 が62人
従 い,代 表 値 は次 の よ う にな る。
あ る こ と は,95%の
い る こ と は,5%以
近 似 して,
確 率 で起 こ る。
下 の確 率 で しか 起 こ らな い 。 ゆ え に,
賛 成 反 対 に差 が な い とい う仮 説 は棄 却 し,差 が あ る と判 断 す る。 〔 例 題9〕 か らわか るよ うに,検 定 は次 の手 順 で行 う。 (a) 仮説 を立 て る。 (b) 仮説 を も と に して 正 規 分 布 で 棄 却 域 を求 め る。 (c) デ ー タが 棄却 域 に あれ ば,仮 説 を棄 却 す る と い う判 断 を 下 す 。
(d) デ ー タが棄 却域 に な け れ ば仮 説 を棄 却 せ ず,ど
ち らと も いえ な い とい う判
断 を下 す。 問12 問10の 問題 を上 の手順で行え。 (2) 片 側 検 定 〔 例 題9〕 の ごみ処 理場 の 問題 を,こ こで 再 度 取 り上 げ よ う。 そ こで は賛 成 者X =62〔 人 〕は棄 却 域
に 入 り,か
ろ う じて 仮 説 を 棄 却 す る こ と が で き た 。
一 般 に,正
規 分 布N(m,σ2)に
6.14か
の 区 間 に な る。
ら,次
従 う確 率 変 数Xの
危 険 率5%の
棄 却 域 は,図
(6.23) 式(6.23)の
区 間 は 両 側 に あ り,こ
正 規 分 布N(m,σ2)に
う した 検 定 を 両 側 検 定 と い う。
従 う確 率 変 数Xが,何
ら か の 事 情 で 平 均 値mの
例 え ば,多
い 方 しか 存 在 しな い こ と が わ か っ て い る と き,危
却 域 は,そ
れ ぞ れ 式(6.24),式(6.25)の
片 方,
険 率5%,1%の
よ う に 表 さ れ る(図6.15)。
棄 この 検 定
を片 側 検 定 と い う。
危 険率5%の
棄却域
(6.24)
危 険率1%の 棄却域
図6.14
(6.25)
両側検定
問13 正 規 分 布N(5,22)に
図6.15
従 うあ る確 率 変 数Xが,平
る こ とが わ か った場 合 の,5%,1%の
均 値 m=5よ
棄 却 域 を それ ぞ れ求 め よ。
片側検定
り も小 さ い値 を と
次 に 〔 例 題9〕 の問 題 で,賛 成 者 の 割 合 が 少 な くな い場 合 を片 側 検 定 で 考 え よ う。 〔 例 題10〕 人100人
あ る市 の,あ る地 区 に ごみ処 理工 場 が 立 つ こ とに な り,そ
を ラ ン ダム に選 ん だ と ころ,59人
の地 区 の
が賛 成 で あ っ た。 賛 成 者 の 割 合 は,
反 対 者 に比 べ て少 な くは な い こ とが 別 の理 由 で わ か って い る と き,ど う判 断 す る べ きか。 危 険率5%で
検 定 せ よ。
〔 解 〕 賛 成 反 対 に差 が な いが,賛 成 者 は反 対 者 を 下 回 らな い と き,賛 成 者Xの 分 布 は, 平 均m=50,標
準 偏 差 σ=5
の 正 規 分 布N(50,52)の
か ら,X≦58.25の
片 側 で 近 似 して,
確 率 は0.95と
逆 にX>58.25の X=59は 賛 成,反
な る。
確 率 は0.05に
な る。
こ の 棄 却 域 に 落 ち る か ら, 対 に差 が な い とい う仮説 を棄 却
図6.16
片側検定
し,「 賛 成 者 が 多 い 」 と判 断 す る。
(3)
過 誤 と検 出 力
一 般 に,危 可 能 性 が5%あ
険 率5%と
い う場 合 に は,仮
る こ と を 示 して お り,こ
一 方,〔 例 題10〕 で は 棄 却 域 が59≦Xだ
説 を棄 却 す るべ きで な い の に棄 却 す る の 種 の 誤 りの こ と を 第1種 か ら,賛
成 者 がX=60〔
差 が な い と い う仮 説 を 棄 却 で き る 。 しか し,〔 例 題9〕 で は,棄 60≦Xだ
か ら,賛
成 者 がX=60で
却 域 がX<40,
の 過 誤 と い う。 片 側 検 定 は 第2種
却す べ
の 過 誤 を少
う した方 法 を検 出力 を上 げ る方 法 と い う。
問14 100回 さい ころ を投 げ た と き,1の 出 や す い とい え るか。 危 険率5%で
人 〕で 賛 否 に
は 仮 説 は 棄 却 さ れ な い 。 一 般 に,棄
き と こ ろ を 棄 却 し な い 誤 り を 第2種 な くす る役 割 を も っ て お り,こ
の 過 誤 と い う。
目 が25回
片側 検 定 せ よ。
出 た と い う。 こ の さ い こ ろ は1の
目が
[3] 平均値の検定 あ る母 集 団 か ら標 本 を と り平 均 値 を 求 め た と き,そ の値 に つ い て何 か の判 断 を 下 す こ とを 具 体 例 で考 え よ う。 判 断 の 手 順 は,〔 例 題8〕 の後 で示 した比 率 の 検 定 手 順 と同 じで あ る。 (1) 標 本 平 均 の検 定 母 平 均mと
母 標 準偏 差 σが わ か って い る問 題 で,あ
る標 本 平 均xの
検定 を し
て み よ う。 〔 例 題11〕1円 が平 成5年
玉 の重 さ は,平 均 が1gで
標 準 偏 差 は8mgで
あ る と い う。A君
の1円 玉30個 の重 さを測 った と ころ,平 均 値 が1.002gに
の1円 玉 は 「平 均 的 な」 重 さ とい え るか。 危 険 率5%で の1円 玉 の 平 均 値 が1.002gに
な っ た。 こ
判 断 せ よ。 ま た,100個
な った 場合 は ど うか。
〔 解 〕 この1円 玉 の重 さ が 「平 均 的」 で あ る とい う仮 説 を た て る と, 母 平 均m=1.000,母 とす れ ば,式(6.12)を
標 準 偏 差 σ=0.008〔g〕
変 形 して,
(6.26) n =50の
n =100の
と き,
と き,
だ か ら,標 本 の 大 きさ が50の と き は,仮 説 を棄 却 で きな いので何 と もい え な い。 標 本 の 大 き さが100の
と きは仮 説 を棄 却 で き る ので,異 常 に軽 いか 重 いか の ど
ち らか で あ り,こ の場 合,異 常 に重 い とい う判 断 を下 す 。 〔 例 題11〕 で は母 標 準 偏 差 が8mgで
与 え ら れ て い た が,問
題 に よ って は 母 標
準 偏 差 が わ か らな い こ とが あ る。 標 本 の 大 き さが 大 き い場 合 に は,標 本標 準偏 差 で 代 用 す る。 逆 に標 本 が小 さ い と き,7.3節
の 〔 例 題9〕 の手 順 でt検 定 を用 い る。
問15 あ る ス ーパ ー で5kg入
り と表 示 の あ る米 袋 か ら,ラ ンダ ム に40個
さ を調 べ た とこ ろ,平 均 値 が5.07kg,標
準 偏 差 がs=0.25〔kg〕
に お い て あ る米 の重 量 の表 示 は正 し い と いえ るか 。 危 険 率5%で
(2)
を選 ん でそ の重
で あ った 。 この ス ーパ ー 検 定 せ よ。
標 本 平 均 の片 側 検 定
標 本 平 均 の片 側 検 定 につ いて 調 べ よ う。 〔 例 題11〕 で は,単 は 式(6.26)か
に 「平 均 的 」 で あ る こ と を 仮 説 と して た て た の で,棄
ら求 め られ た 。 しか し,別
の 実 験 で 平 成5年
が 分 か っ て い る と い う よ う な 場 合 に は,片
の1円
却域
玉 が重 い こと
側 検 定 を す る。 す な わ ち,
(6.27) の 範 囲 に95%が
入 る。
〔 例 題12〕 あ る 全 国 一 斉 テ ス トで 数 学 の 点 数 は,次 平 均 点m=47〔 あ る学 校 の 生 徒100人
点 〕,標 準 偏 差 σ=15〔 の 平 均 点 が52点
の よ うで あ った。
点〕
で あ っ た と き,次
の こ と を5%の
危険
率 で 検 定 せ よ。 (a) こ の 学 校 の 生 徒 は,全
国 並 み と い え る か。
(b) こ の 学 校 の 生 徒 が 全 国 よ り悪 く な い こ と が わ か っ て い る 場 合,で
きが よか っ
た と い え るか 。 〔 解〕 こ の 学 校 の 数 学 の 点 数 が 全 国 並 み で あ る と い う仮 説 を た て る と, m=47,σ=15 と な る。 標 本 平 均x=52,標
本 の 大 き さn=100
と す れ ば, (a)の と き,式(6.26)か
ら,
(6.28)
だ か ら,x=52〔
点 〕は 棄 却 域 に 落 ち る。
よ っ て 仮 説 を 棄 却 し, 「全 国 並 み で は な い 」 と い う判 断 を 下 す 。 (b)の と き 片 側 検 定 に な り,式(6.27)か
ら
こ の 場 合 も棄 却 域 に 落 ち る の で 仮 説 を 捨 て, 「で き が よ か っ た 」 と い う判 断 を 下 す 。 一 般 に,両
側 検 定 で 棄 却 域 に 入 れ ば 片 側 検 定 で も棄 却 域 に 入 り,仮
れ る の で,片
側 検 定 の 方 が 検 出 力 が 大 き い と い う こ と が で き る。
説 は棄 却 さ
問16 問15の 米 袋 の 問 題 で,精 米業 者 は表 示 よ り も軽 くす る こ と は で きな い の で,表 示 か ら逸 脱 しな い よ うに 分 量 を 見 積 る とい う。 ラ ン ダム に選 ん だ40個 5.07kg,標
準 偏 差 がs=0.25〔kg〕
の米 袋 の重 さ の平 均 値 が
の と き,表 示 か らはず れ て い る か ど うか,5%の
危険
率 で検 定 せ よ。
(3)
2つ の 平 均 値 の 比 較
今 度 は,2つ
の 標 本 平 均 が あ っ た と き,そ
〔例題13〕
あ る学 校 の50人
を 行 い,別
の50人
のBク
のAク
の 差 に つ い て 検 定 して み よ う。
ラ ス で,コ
ン ピュ ー タ を用 い て グ ラ フ の授 業
ラ ス で は 従 来 通 り の 授 業 を 行 っ て,後
日,両
方 の クラ
ス に 対 し て グ ラ フ の 試 験 を 同 一 の 内 容 で 行 っ た と し よ う。 こ の と きA,B両 ス の 平 均 点xiと
標 準 偏 差siは,そ
クラ
れ ぞ れ 次 の よ う に な っ た と い う。
ク ラ スA:x1=64,s1=8 ク ラ スB:x2=60,s2=8
こ の と き,2つ 〔 解 〕2つ
の ク ラ スに 差 が で きた とい え る だ ろ うか。
の ク ラ ス に差 が な い と仮 定 す る。4.5節
と も に 等 し くs12の と き,
で 確 率 変 数X1,X2の
分散 が
差X1-X2の
分 散 は
に な る か ら,平
均 点 を 多 数 と っ た と き の 差x1-x2の
平 均 値m=0,標
分 布 は,
準 偏 差 σ=√2s1
に 従 う と し て よ い 。 式(6.13)でn=100と
平 均 点 の 差64-60=4〔
して,
点 〕は 棄 却 域 に 入 る か ら,2つ
の ク ラ ス に差 が な い と
い う 仮 説 は 捨 て,「 差 が あ っ た 」 と い う判 断 を 下 す 。
なお 〔 例 題13〕
で は,も
と も とAク
ラ ス の で き が よ い の か も しれ な い の で,検
定 を 行 う前 に プ レ テ ス トを 行 って 差 が な い こ と を 確 認 して お くべ きで あ る。 ま た, 別 の デ ー タ で,Aク
ラ ス がBク
い る と き に 限 り,Aク
ラ ス の 方 がBク
の と き に は 片 側 検 定 を 行 い,検 (3)
ラス よ り も悪 くな る こ とが な い こ とが 示 さ れ て ラス よ り もで きが よ い と結 論 で き る。 そ
出力 を上 げ る とよ い。
標 本 標 準 偏 差 の利 用
〔 例 題13〕 のA,Bク
ラ ス の よ う に,あ
プ と対 照 さ せ る た め に,何 が 心 理 実 験,教
そ こ で,2つ
も しな い グル ー プ を作 って平 均 値 の差 を検 定 す る こ と
育 の 調 査,機
検 定 を 行 う と き,標
る調 査 目 的 に 沿 っ た 実 験 を 行 った グル ー
械 の 性 能 調 査 な ど で 行 わ れ る。 こ う した 標 本 平 均 の
本 の 大 き さ と標 準 偏 差 も異 な る の が ふ つ う で あ る。
の 群 の 大 き さ がn1,n2,標
み に し た 標 本 標 準 偏 差sを,式(6.29)の
準 偏 差 が そ れ ぞ れs1,s2の
と き,こ
よ う に して 求 め る 。
(6.29)
問17 あ る学 校 のA,B2ク
ラ ス に異 な った 方 法 で 数 学 を教 え た。 授 業 後 そ れ に つ い て の
テ ス トを 行 った 結 果 は,次 の よ うで あ った 。 この こ とか ら2通 りの指 導 法 に 差 が あ る と い え るか,危 険 率5%で
判 断せ よ。 ま た,別 の 理 由 か ら,Aク
認 め られ な い と き は ど うか。
ラ ス に対 す る指 導 法 の 劣 性 が
Aク
ラ ス;n1=32〔
人 〕,平 均 値X1=68〔
点 〕,標 準 偏 差s1=8〔
Bク
ラ ス;n2=28〔
人 〕,平 均 値X2=62〔
点 〕,標 準 偏 差s2=10〔
点〕 点〕
[4] プ ログ ラ ム 標準 正 規 分 布 に基 づ い て,母 平 均 お よび母比 率 の検定 を行 うプ ログ ラムを作 ろ う。 (1) 母 平 均 の検 定 母 平 均 の検 定 で は入 力 す る情 報 は,次 の よ うに な る。 母 平 均m,母(標
本)標 準 偏 差 σ
標 本 の大 き さn,標 プ ロ グ ラム6.8で
本 平均x
は,こ れ らの デ ー タ
を 入 力 し,標 本 平 均xが
式(6.26)の
区
間 に入 って い る か ど うか で 判 断 す る。 た だ しσ はsmと
す る。
図6.17
プ ロ グ ラ ム6.8
計算の結果 .9977639 1.002236 5%の 危 険 率 で棄 却
問18 問17の
問題 を プ ロ グ ラ ム6.8を 利 用 し,そ れ ぞ れ5%,1%の
危 険 率 で 行 え 。1%
の危 険 率 の場 合 は,プ ロ グ ラ ム6.8の 何 行 目を どの よ うに 修正 す れ ば よ いか 。
(2)
母比 率の検定
母 比 率 の 検 定 の 場 合,プ
ロ グ ラ ム6.9で,
標 本 の 大 き さn,標 の 各 デ ー タ を 入 力 し,標
本 比 率r,母
本 比 率 平 均rが
比 率p 次 の 区 間 に あ るか ど うか で 判 断 す る。
(6.30) プ ロ グ ラ ム6.9
計算の結果 5%の 危険率で棄却
図6.18 問19 問14の
問 題 を プ ロ グ ラム6.8で 行 え。 片 側 検 定 の と きに は,プ
ロ グ ラ ム6.9の 何 行
目を ど う修 正 す れ ば よ い か。
練習問題 1. あ る学 校 で は,保 護 者 の経 済 状 況 を調 べ る ため に,500人
か ら ラ ンダ ム に 選 ん だ50人
の 生徒 の 保 護 者 に任 意 の ア ンケ ー トを と った。 この 調査 に つ い て 吟 味 せ よ。 2. 1辺 が100mの を100個
正 方 形 の 田 が あ り,稲 が 採 り入 れ を 待 って い る。 こ こか ら1m2分
の稲
ラ ン ダ ムに サ ンプ リン グせ よ(こ の よ うな 方 法 を坪 刈 り とい う)。
3. 表6.2で,内
部生24人
の学 習 時 間 の 平 均 値xと 標 準 偏 差sx,お
習 時 間 の 平 均 値yと 標 準 偏 差syを 定 せ よ。 この と き,式(6.12)(大
よ び 外 部 生16人
求 め,そ れ ぞ れ の 学 習 時 間 を95%の 標 本)と 式(6.14)(小
の学
信 頼度 で 区間推
標 本 法)の 両方 で行 い,そ の 違 い
を 検 討 せ よ。 4. 表6.2で,内
部 生 と外 部生 の学 習 時 間 に差 が あ る とい え る か。5%の
危険 率 で検定 せ
よ。 5. あ る食 品 会 社 が600人 10人,20人,30人,…
の あ る学 校 に 新 しく開 発 した チ ョ コ レー トの モ ニ ター を 依 頼 し, の生 徒 を 標 本 と して ラ ン ダム に選 び試 食 し た と こ ろ,偶
よ うに 一 定 の 割 合 に な った とい う。 この チ ョコ レー トの 嗜好 に つ い て,優 は第 何 番 目以 降 の検 査 か らか。5%の
片 側 検 定 で 調 べ よ。 ま た,式(6.23)に
然次の
位性 が 出 るの よ っ て 「連
続 性 の補 正」 を 行 った値 で検 定 を 行 え。 A;他
の チ ョコ レー トよ り もお い しい 。
B;他
の チ ョ コ レー トと変 わ らな い,ま た はお い し くな い。
比 率 は離散 確 率 で あ る2項 分布 に従 うが, 正 規 分 布 は連 続 確 率 で あ る。2項 分布 を 正規 分 布 で近 似 して検 定 す る と きに は 式(6.31) を使 うが,nが
小 さ い と き式(6.32)で
連続
性 の補 正 を行 うこ と が必 要 に な る。
(6.31) (6.32) こ こ に, とす る。
第7章 多変量の統計
統 計 の応 用 と して,回 帰 分 析 を は じめ とす る2変 数 の統 計 量 の 問 題 を 扱 い,x2分
布 やt
分 布 に つ いて 考 え て み よ う。 乱 数 自身 の探 求 もこ れ に含 ま れ る。
7.1 回 帰 分 析 身 長 と体 重,教 育 を受 け た年 数 と年 間収 入 の よ うに2つ の変 量 が あ る と き,相 関 関 係 を 調 べ,一 方 の デ ー タ か ら他 方 の デ ー タ を予 測 して み よ う。 [1]
直線 の あ て は め
5.4節 で は,2つ
の変 量 の関 係 を相 関 係 数 で 表 した。 こ こ で は,一
方 の デ ータ
か ら他 方 の デ ー タ を近 似 的 に一 次 関 数 で 表 す こ と を考 え よ う。 こ の関 数 を2つ の デ ー タの 数 学 モ デ ル と い う。 表7.1
〔 例 題1〕
表7.1に,数
こ の 表 か らxとyの 〔 解 〕xの
学 の 点xと
数 学 の 点 とtー
そ のt-ス
ス コ ア
コ アyに
つ い て の デ ー タで あ る。
関係を式で表せ。
平 均 値 はx=61.75,標
準 偏 差 はs=20.95だ
か ら,式(5.7)のtー
ス
コ ア の 式 か ら,
図7.1
〔 例 題1〕 に お け るxとyの で,こ
関 係 は,xに
の 式 を 関 数,xとyの
数 学 の 点 とt‐ ス コ ア
対 し てyがxの
式 で1通
りに 決 ま る の
関 係 を 関 数 関 係 と い う 。 た だ し,図7.1で
は,小
数
点 以 下 の 数 を 丸 め た た め に 多 少 直 線 上 か ら ず れ て い る。 こ れ に 対 し,5.4節
で 取 り 上 げ た 表7.2の
よ う な デ ー タ で は,関
数 関 係 が成 り
立 た な い。 表7.2 数 学 と英 語 の評 価
表7.2の
よ う な 場 合 に,数
学 の 評 価 点xと
と を 考 え る 。 こ こ で 表7.2か
英 語 の 評 価 点yの
ら得 ら れ る情 報 は,次
数 学 の 平 均 点x=5.5,標
準 偏 差sx=1.746
英 語 の 平 均 点y=6.4,標
準 偏 差sy=1.428
共分散 これ らの 値 か ら,xとyの
関係 を式 で表 す こ
の 値 で あ る。
(7.1) 関係 を 表 す 直 線 の 方 程 式 が 次 の 手順 で求 め られ る。
図7.2
〔 例 題2〕
表7.2のxとyの
〔 解 〕 点(x,y)を
通 り,傾
数 学 と英 語 の 相 関 図
関 係 を示 す 直 線 の方 程 式 を 求 め よ。 きが
の直 線 を 求 め る。
よ って 求 め る直線 の 方程 式 は,次 の よ う に な る。
一 般 に,デ
ー タ(xi,yi),i=1,2,…,nが
線 の 方 程 式 は 次 の 式 で 表 さ れ,xとyの
あ っ た と き,yiをxiで
近 似 す る直
回 帰 直 線 と い う。
(7.2) こ こ に,x,yは の 共 分 散 で,次
そ れ ぞ れxi,yiの
平 均 値,sxはxiの
標 準 偏 差,sxyはxi,yi
の式 で 表 さ れ る。
(7.3) (7.4) (7.5)
(7.6)
(7.7) 〔 例 題2〕 の 手 順 の 根 拠 を 次 に 探 る こ と に し よ う。
問1 表5.16の
数 学Iの 点xiと 体 育 の点yiに
つ い て,共 分散sxy=-2.398か
ら回 帰 直
線 を求 め よ。
[2] 最 小2乗
法
回 帰 直 線 の 根 拠 を 探 っ て 式 を 導 き,プ (1)
原
ロ グ ラ ム を 作 成 し よ う。
理
簡 単 の た め に 表7.2か
ら取 り 出 し た 数 の4組(3,6),(4,5),(5,5),(6,8)
に つ い て 回 帰 直 線 を 考 え る た め,そ
れぞれ
とお き,こ れ らの4点 に つ い て 回帰 直線
(7.8) を 導 く こ と に し よ う。xは こ の と き式(7.8)か
式(7.3),yは
らyiへ
の 偏 差diを
式(7.4)か
ら求 め られ る平 均 値 で あ る。
次 の よ う に と る。
次 に,偏 差 の2乗 和
(7.9) が 最 小 に な る よ う に す る。 平 均 値,分
散 の 式 で 表 す た めdをn=4で
割 り,sと
す る。
(7.10)
図7.3
回帰 直 線 と偏 差
(7.11) (7.12) こ こ で,式(7.10)に 式(7.12)に
はyiの
はxiの
分 散 の 式(7.5),式(7.11)に
分 散 の 式(7.6)と
同 じ形 が 現 れ て お り,sは
は 共 分 散 の 式(7.7), 次 の 式 に な る。
(7.13) こ こ で,
と お け ば,
この 最 小 値 は,
の と き で あ る 。 式(7.13)で
考 え れ ば,sが
最 小 値 を と る と き のmは,
(7.14) か ら,
(7.15) の と き最 小 と な り,式(7
.8)に 代 入 す れ ば式(7.2)が
回 帰 直 線 と して 得 られ る。
偏 差 平 方 平 均 を最 小 に す る ことで 回 帰 直 線 を 導 く方 法 を 最 小2乗 法 と い い,1次 関数 の 式(7.8)を 次 関数,指
そ の 数 学 モ デ ル とい う。 数 学 モ デ ル は一 次 関 数 だ けで な く,2
数 関 数 な ど を と る こ と も可 能 で,そ の方 法 は後 述 す る。
問2 表7.3の5点
の デ ー タか ら平 均 値,分
表7.3
5組
散,回 帰 直線 を求 め よ。
[3]
プ
ロ グ ラ ム
数nとn個
の デ ー タ(x1,y1),
(x2,y2),…,(xn,yn)を
入 力 し,
回帰 直線 を 表 示 す る プ ロ グ ラム を作 ろ う。
こ の プ ロ グ ラ ム7.1で
程 を 示 す た め,誤
は,処
差 に対 す る配慮 は
して い な い 。 ま た,data文 個 の デ ー タ を 入 力 し,平 分 散υx,υy,共
か らn
均 値x,y,
分 散υxyを
そ れ らか ら式(7.16)の 係 数p,qを
理 過
求 め,
回帰直線 の
求 め る。
図7.4
プ ロ グ ラ ム7.1
の デ ー タ
計算の結果 平 均 値 4.5 6分散 1.25 1.5 回 帰 直 線 y=.6x+3.3
.75
(7.16)
な お,分
散 の 計 算 で は 式(7.6),(7.7),(7.8)の
代 わ り に,次
の 式 を 使 っ た。
(7.17) (7.18) (7.19)
問3 表7.4は,右
目の視 力xと 左 目 の視 力yで
あ る。 この回 帰 直線 を求 め よ。
表7.4 右 目 と左 目 の視 力
[4] 曲 線 の あ て は め こ こ で は,指
数 関 数 や2次
考 え よ う。 な お,最
関数 な どの 曲線 で デ ー タの数 学 モ デ ル を 作 る こ とを
も簡 単 な 曲 線 の あ て は め は,〔 例 題1〕 の よ う に,デ
ー タが ほ
と ん ど の 値 で 関 数 関 係 に あ る 場 合 で あ る。 (1)
指 数 関 数y=abx
表7.5は,あ
る 地 点 で の 地 上 か ら の 高 度x〔km〕
と 気 圧y〔hpa〕(ヘ
ク トパ ス カ
ル)の 関 係 を 示 す 。 表7.5 高 度 と気 圧 の関 係
この 関係 か ら形 式 的 に回 帰 直 線 を,次 の よ うに求 め る こ とが で き る。
(7.20) し か し,実
際 は 図7.5の
よ う に 直 線 で は な く,指
で 気 圧 の 各 数 値 に 対 し て10を
数 関 数 の グ ラ フに近 い。 そ こ
底 と す る常 用 対 数 を と れ ば,表7.6お
の よ う に な っ て 直 線 で 表 す こ と が で き る。
図7.5
高 度 と気 圧
よ び 図7.6
表7.6 高 度 と気 圧 の 関 係(対 数)
図7.6
表7.6か
高 度 と気 圧(対 数)
ら 平 均 値 はz=2.72で,式(7.2)か
y=10zだ
か ら,xとyの
ら回 帰 直 線 は,次
の式 にな る。
関 係 は次 の よ う に指 数 関 数 で 表 され る。
(7.21) こ こ で,高 で,実
度15kmの
際 に は121hpaだ
問4 図7.7の
気 圧 は,式(7.20)で
は-160,式(7.21)で
か ら,式(7.21)の
よ うに,15Vの
は133hpa
方 が 正 確 で あ る こ と が わ か る。
電 池 に コ ン デ ン サ と電 圧 計 を
接続 した回 路 が あ る。 い ま,こ の 回 路 の ス イ ッチ を 切 って か ら の 時 間 経 過 と電 圧 の関 係 を調 べ た と こ ろ,表7.7の た。 電 圧Vを
時 間tの 関 数 と して,υ=abtの
よ うに な っ
形 で表 せ。 図7.7
表7.7 電 圧 の減 少
回 路
(2)
有 理 関 数y=axb
数 の 組(xi,yi)のxi,yiの 〔例 題3〕
表7.8は,太
両 方 に つ い て 対 数 を と っ て 回 帰 直 線 を 作 ろ う。 陽 系 の 各 惑 星 の 太 陽 か ら の 距 離x(100万
周 期y〔 日〕の 関 係 を 示 す 。 これ を 有 理 関 数y=axbで
〔km〕)と 公 転
近 似 し,小
惑 星 の公転 周
期 を求 め よ。 表7.8 惑 星 まで の 距 離 と公 転 周期
〔 解〕
距 離 と周 期 の 関 係 は,2次
関 数 の グ ラ フ に 近 い 。 そ こ で,x,yと
用 対 数 を と り,x'=logx,y'=logyと
す る と,表7.9の
もに常
よ うに な る。
表7.9 惑 星 まで の 距 離 と公 転周 期(と もに対 数)
x 'と y'の 関 係 を 直 線 で 表 せ ば,次
x'=logx,y'=logyを
の よ う に な る。
代 入 し て,
(7.22) 小 惑 星 の 場 合,式(7.22)でx=414と
お い て,約y=1617〔
〔 例 題3〕 の デ ー タ で 利 用 し た 小 惑 星 は セ レ ス で,実 か ら,こ
日〕 と な る 。
際 の 公 転 周 期 は1686日
だ
の 数 式 モ デ ル と よ く あ っ て い る。
指 数 関 数y=abxを
数 式 モ デ ル に す る 場 合,xの
対 数 を と って 回 帰 直 線 を 求 め
れ ば よ い 。 ま た,2次
関 数 な ど の 有 理 関 数y=axbを
数 式 モ デ ル に す る に は,x,
yの 対 数 を と っ て 回 帰 直 線 を 求 め れ ば よ い 。 な お,式(7.22)は 法 則 で あ り,こ
ケ プ ラ ー の 第3
の 式 か らニ ュ ー ト ン が 万 有 引 力 の 法 則 を 導 い た こ と は よ く知 ら れ
て い る。
問5 表7.10は,木
星 の 各衛 星 と木 星 か らの距 離x×103〔km〕,公
xとyの 関 係 を,有 理 関数y=axbの
転 周 期y〔 日〕で あ る
形で表せ。
表7. 10 木 星 と各 衛 星 との 関 係
[5]
プ ロ グ ラム
組 に な った デ ー タを入 力 して相 関 図 を作 り,回 帰 直線 あ るい は曲線 を図 示 す る プ ロ グ ラム を作 って み よ う。 プ ロ グ ラ ム7.2
プ ロ グ ラ ム7.2で 9と9組
は,デ
ー タの 大 き さ
の デ ー タ をdata文
で 入 力 し,
サ ブ ル ー チ ン でx軸,y軸
を 描 い た 後,
点 を 小 円 で プ ロ ッ ト し,関
数 の グ ラ フを
描 く。 プ ロ グ ラ ム7.2の 7.8に
実 行 結 果 を,図
示す。
図7.8
問6
プ ロ グ ラ ム7.2で
表7.5の
プ ロ グ ラ ム7.2〔 例 題3〕 の 結 果
デ ー タ を プ ロ ッ ト し,式(7.21)の
グ ラ フを描 け。
7.2 カ イ2乗 分 布 の統 計 あ る デ ー タの 平 均 値 の よ うす を調 べ る の に正 規 分 布 を 利 用 した。 こ こで はχ2 (カ イ2乗)分 [1]
布 につ いて 調 べ,検 定 の 問題 に適 用 して み よ う。
カ イ2乗
検 定 の 方 法
あ る度 数 分 布 が 理 論 的 な値 とはず れ て い な い か調 べ る と きな ど,次 の 手 順 でχ2 検 定 を行 う。 〔 例 題5〕
さ い こ ろ を60回
投 げて 出た
目 の 度 数 を 調 べ た と こ ろ,表7.11の
よ
う に な っ た と い う。 こ の 目 の 出 方 は 異 常 で は な い か 。5%の
危 険 率 で 検 定 せ よ。
表7.11
さ い ころ の 目 の 出方
〔 解 〕 さ い ころ が 正 しい と仮 定 す れ ば,さ い こ ろ の 目 は 一 様 分 布 に な り,60回 の さい ころ を投 げ て 各 目が10回 ず つ 出 る こ とが期 待 され るか ら,表7.11で た値 と期 待 さ れ る回数10と
起 こっ
の 「偏 差 の平 方 の平 均 」χ2を と る。
(7.23)
こ こで,表7.11の
項 目数 が6で
あ る が,期
待 さ れ る 回 数 は10=60/6で,互
い に 無 関 係 な 変 量 をn'=n-1と
考 え る〔注〕 。 表7.12でn'=n-1=5と
却 域 を 表7.12よ
す る 。 式(7.23)の
い の で,さ
り,χ2≧11.07と
値 は,こ
して 棄 の 棄 却 域 に 入 らな
い こ ろ が 異 常 か ど う か は 何 と も い え な い 。 こ の と き のn'を
自由度 と
い う。
図7.9 表7.12 χ2検
度 数 と期 待 され る値 定 で の 危 険 率5%の
棄却域
〔 注〕 〔 例 題5〕 の解 で用 い た
の こ とを 平 均 値 で 用 い る自 由 度 とい う。n'は 式(7.23)の
計 算 に お い て 互 い に無 関 係 に決
ま る変 量 の個 数,つ
ま り独 立 な確 率 変 数 の個 数 を意 味 す る。 す なわ ち,(X1-X)+(X2-
X)+…+(Xn-X)=0と 度 がn-2に
問7
い う関 係 が 成 り立 つ た め で あ る。 偏 差 平 方 和 の と き は 自 由
な る。
あ る学 校 で400人
の血 液 型 を調 べ た と ころ,表7.13の
表 で示 した 日本 人 の血 液 型 の割 合 と異 な るか 。5%の
人 数 の よ う にな った が,同
危 険 率 で検 定 せ よ。
表7.13 血 液 型 の割 合 と人 数
図7.10
[2] カイ2乗 一 般 に
,自
血液型の割 合
分布
由 度 がnのχ2分
布 は,式(7.24)で
表 さ れ る。
(7.24)
また,Γ(t)は
ガ ンマ 関数 で 次 の 性 質 が あ る。 特 に
(n;自
然 数)
(7.25) (7.26)
じ
(7.27) 問8 表7.14は,コ
イ ン5個 を 投 げ た と き,表 が 出 た 回 数 の 度 数 で あ る。 こ の度 数 分 布 は
2項 分 布B(5,0.5)に
従 って い るか ど うか,5%の 表7.14
表7.12で
用 い た 数 値 を,コ
み よ う。 式(7.24)を 式(7.28)を
危 険 率 で 検 定 せ よ。
コ イ ンの 表 が 出 る 回数
ン ピ ュ ー タでχ2分 布 の 式(7.28)を
変 形 す る と式(7.28)に
用 いて求 め て
な る 。 し た が っ て,今
回 の計 算 で は
用 い る。
(7.28) プ ロ グ ラ ム7.3で プ ロ グ ラ ム7.2の
は,ガ
ン マ 関 数Γ(n2)の
サ ブ ル ー チ ン でx軸
値 を6行
とy軸
を 描 き,図7.11の
プ ロ グ ラ ム7.3
〔注 〕
座 標 軸 は プ ロ グ ラ ム7.2のSUB
axesを
目 か ら13行
用 い る。
目 で 計 算 し,
グ ラ フを 描 い た 。
図7.11 χ2分
プ ロ グ ラ ム7.3でnは χ2の
式(7.28)を
布 とガ ン マ 関 数 の 値
自由度 を表 す。
利 用 して,そ
れ ぞ れ5%と1%
の危 険 率 で検 定 す る と きの棄 却 域 を プ ロ グ ラ ムで 求 め て み よ う。 プ ロ グ ラ ム7.4で
は,自
由 度nが
あ ま
も ガ ン マ 関 数 を 式(7.25)∼
式
り大 き くな い場 合 の棄 却 域 を求 め る。 プ ロ グ ラ ム7.4で (7.27)を
用 い て 求 め,次
(7.29)お
よ び 式(7.30)を
に,f(x,n)の
面 積 が式
満 た すx0,x1の
最大 値
を シ ン プ ソ ン の 公 式 か ら求 め る。 た だ し,式(7.25) でf(0,1)=∞
だ か ら,n=1の
値 的 な 補 正 を し た 。 ま た,プ
(7.29),式(7.30)の
と きxに
つい て数
ロ グ ラ ム7.4で
両 辺 に2Γ(n/2)を
は式
掛 け て求 め
た。
図7.12
プ ロ グ ラ ム7.4
計 算例 ?7 7
14.07
18.50
(7.29) (7.30) ま た,ガ
ンマ 関 数 はnの
値 が 大 き く な る と 急 激 に 大 き く な る た め,n>20で
は 変 数 をn#,g#の
よ う に 直 して 倍 精 度 実 数 型 で 行 う 必 要 が あ る。
プ ロ グ ラ ム7.4か
ら,表7.15の
よ うに棄 却 域 が近 似 さ れ る。
表7.15 χ2検
定 の棄 却 域
χ2分 布 で 棄 却 域 を 設 定 して 行 う検 定 をx2検 を 行 う。 そ の 際,表7.15あ
定 と い い,〔 例 題5)の
手順 で検定
る い は プ ロ グ ラ ム7.4な
どを用 いて仮説 を棄却 す る
あ る学 校 で生 まれ た 月 を調 査 した と ころ,表7.16に
な った 。 この デ ー タ は各 月 で 同
か ど うか の判 断 を す る。
問9
じ程 度 に誕 生 日が あ るか 。5%の
危 険 率 で検 定 せ よ(プ
ロ野 球 の 選手 の 誕生 月 は7,8月
が
多 い と言 わ れ て い る)。 表7.16 誕 生 月 の度 数
[3] ク ロ ス集 計 2種 類 の 変 数x,yに
よ る 表7.17の
形 の 表 の こ と を ク ロ ス 集 計,分
割表 な ど と
い う。 ク ロ ス 集 計 の 特 性 をχ2検 定 で 調 べ て み よ う。 表7.17
〔 例 題6〕 表7.17は,大
セ ン ター試 験 問 題 の 難 易
学 入 試 セ ン タ ー の 数 学Iの
問 題 に 対 す る難 易 の結 果 で
あ る 。 文 系 と理 系 に つ い て 難 易 の 感 じ方 に 差 が あ る か ど う か,5%の
危険 率で検
定 せ よ。 〔 解〕 文 系,理
系 で 差 が な い と す れ ば,文
易 は4.9%,普
通 は29.2,難
は66%に
系 と 理 系 の 人 数 を 加 え た 合 計 人 数 か ら,
な る 。 こ の 比 率 で 文 系,理
系 の各項 目の
人 数 を求 め る。 例 え ば,理
系 で 易 と した 人 数 は982人
の4.9%だ
他 の か っ こ の 中 の 数 字 も こ う し て 求 め ら れ る。
か ら48人
で あ る 。 表7.20の,
(7.31) こ こ で,互
い に 無 関 係 な 項 目数 は難 易 で は3-1=2,文
理 で は2-1=1だ
か ら,
自由度 のχ2検 定 を 行 う。 表7.15か
ら 自 由 度2,危
険 率1%の
数 値 は9.21だ
か ら棄 却 域
は,
と な る の で,50.55と
問10 表7.18は,中
い う 値 は 棄 却 さ れ,文
系 と理 系 に差 が あ る と判 断 され る。
学 ・高 校 の 先 生 に対 し,コ ン ピュ ー タを 数 学 の 授業 に 取 り入 れ る際 の
障 害 につ いて の 調 査 を 行 った 結 果 で あ り,「 そ の 他 」 に は実 験 助 手 の 必要 性 も含 ん で い る。 各 年 代 に つ いて 差 が あ るか ど うか,5%の 表7.18
7.3 t分
危 険 率 で 検 定 せ よ。
教 員 の 年 代 と コ ンピ ュ ー タ観
布 の統 計
t分 布 は小 標 本 法,相 関 係数 の 分 析 な ど に利 用 さ れ る。 い くつ か の 問 題 を通 し てt分 布 利 用 法 と,そ の 意 味 につ いて 考 え よ う。
[1] t分
布 を 利 用 す る問 題
t分 布 の表 を利 用 して推 定,検 定 の問 題 を 解 い て み よ う。 (1) 推 定 の 問 題 〔 例 題7〕10人
の生 徒 の 数学 の 点xと,英
この数 学 の 点xに つ い て,t分
語 の点yが
布 を用 いて95%の
表7.22に
示 さ れ て い る。
区 間 推 定 を せ よ。
表7.19 数 学 と英 語 の点 数
〔 解〕
表7.19の
数 学 の 点xを,母
標 本 平 均 はx=5.5,標 式(7.32)のtは 2.26に
集 団 か ら と っ た 大 き さn=10の
標 本 と考 え る。
本 標 準 偏 差 はsx=1.746
自 由 度〔注〕n=n-1=9のt分
な る 。 こ れ を 式(7.32)に
布 に 従 う。 表7.20か
ら│t│≦
あ て は め て,
(7.32)
か ら,
(7.33) ゆ え に,95%の
信 頼 区 間 は,4.185≦x≦6.815で 表7.20
〔 例 題7〕 の解 を式(6.4)の 分 布 の場 合 と比 べ て5%程
あ る。
t分 布 の値
正 規 分 布 にあ て は あ て み る と,次 度 区 間 が広 くな る。
の 区 間 に な り,t
〔 例 題7〕 の 問 題 の よ う に,標
本 の 大 き さ が 小 さ く,ま
代 わ り に 標 本 分 散 を 使 う推 定,検 〔 注〕
自由 度n'=n-1に
問11 表7.19の
定 の 問 題 な ど でt分
つ い て は214ペ
英 語 の 点yに
つ い て,95%の
区 間推 定 せ よ 。
検 定の問題
t分
布 を 用 い て 標 本 の 検 定 を 行 う 問 題 も,次
表7.19の10人
た と い う 。 こ の10人
布 を 利 用 す る。
ー ジ の注 を参 照 の こ と。
(2)
〔 例 題8〕
た 母 分 散 が わ か らず そ の
の よ う に 設 定 さ れ る。
の 生 徒 を 含 む 全 生 徒 の 数 学 の 平 均 点 は,m=4.5で の 生 徒 の 数 学 の 点 は よ い と い え る か 。5%の
あっ
危 険率 で検定
せ よ。 〔 解〕
表7.19の
数 学 の 点 の 標 本 平 均 はx=5.5,標
あ る 。 帰 無 仮 説 を,平
本 標 準 偏 差 はsx=1.746で
均 点 に 差 が な い と す れ ば,次
の 式 でtは
自 由 度9のt分
布
に従 う。
(7.34)
表7.20か
ら,棄
却 域 はt≧2.26だ
か ら,次
の 式 でtは
棄却 域 に 入 らな い。
(7.35) し た が って,帰
無 仮 説 は 棄 却 で き な い 。t分 布 の 値 を 用 い て 行 う 検 定 をt検
定
と い う。
問12 全 体 の英 語 の平 均 点 が5.0で あ っ た と き,表7.19の
英 語 の平 均 点 と比 較 し,5%の
危 険 率 で 検 定 せ よ。
[2] t分
布 の プ ログ ラ ム
〔 例 題7〕,〔 例 題8〕 で 利 用 し た 分 布 は,式(7.36)あ 度 関 数 と す る 確 率 分 布 で,こ
れ を 自 由 度nのt分
る い は 式(7.37)を 布 と い う。
確 率密
(1) t分
布 のグラフ
式(7.37)を
も と に し て 自 由 度nのt分
布 の グ ラ フ を 描 こ う。
(7.36)
(7.37)
式(7.37)のB(0.5,0.5n)は
べ ー タ 関 数 と い い,ガ
ン マ 関 数 で 次 の よ う に表
さ れ る。
(7.38) プ ロ グ ラ ム7.5で の 値 を5行
は,ベ
目 か ら10行
目 で 計 算 し,プ ロ グ ラ ム7.2
の サ ブ ル ー チ ンaxesでx軸 規 分 布N(0,1)を
ー タ 関 数B(0.5,0.5n)
とy軸
描 い た 後,t分
を 描 き,標
準正
布 の 式(7.37)の
グ ラ フ を 描 く。 プ ロ グ ラ ム7.5(1)の こ の 図 でy軸
実 行 結 果 を 図7.14に
示 す。
と の交 点 の値 が最 も大 きい 曲線 が標 準
正 規 分 布 で あ る 。 自 由 度nが
大 き くな る と,t分
布
は 標 準 正 規 分 布N(0,1)に
近 づ く こ とが わ か る。
一 方 ,プ
ガ ンマ関数 の関数 サ ブ
ロ グ ラ ム7.5(1)は
ル ー チ ンgam(m)を ラ ム7.5(2)に
使 っ て い る が,こ
れ をプ ロ グ
示す。
図7.13
プ ロ グ ラ ム7.5(1)
プ ロ グ ラ ム7.5(2)
図7.14
(2) t分
布 の値
t分 布 の 式(7.37)を
利 用 して95%,99%の
め て み よ う。 表7.21は,自 の値を示す。
由 度nの
と き のt分
信 頼 区 間 の数 値 を プ ロ グ ラ ム で 求 布 の5%と1%の
棄 却 域 の境 界
プ ロ グ ラ ム7.6
計算 例 ?5 5
2.57
〔注 〕gam(m)は,プ
4.03
ロ グ ラ ム7.5(2}を
使 用 した 。
表7.21 t分
表7.21は
表7.20の
近 似 値 で あ る が,両
布の近似値
者 は3桁
の精 度 で ほぼ 一 致 す る こ と が
わ か る 。 さ ら に詳 しい 値 が プ ロ グ ラ ム で 必 要 な場 合 に は,プ 目 のh=0.001をh=0.0001の
問13 自由度n=13のt分
ロ グ ラ ム7.6の5行
よ うに修 正 して実 行 す る。
布 で,5%の
値,1%の
値 を そ れ ぞ れ求 め よ。
[3] 相関関係の分析 t分 布 を 使 う 多 変 量 の 統 計 へ の 応 用 問 題 と し て,回 検 定 を し て み よ う 。 こ の 推 定,検 (1)
帰 係 数 の推 定 と相 関 係 数 の
定 で相 関 関 係 の基 本 的 な分 析 が で き る。
回帰 係 数 の 推 定
い ま,n個
の デ ー タ の 組(x1,y1),(x2,y2),…,(xn,yn)か
ら回 帰 直 線
(7.39) が 求 め ら れ た と す る。 式(7.39)か 均 値x,yで 上 のn個
ら わ か る よ う に,回
決 ま る 。 こ こで は 回 帰 係 数pの
帰 直 線 は 回 帰 係 数p0と
範 囲 を,p0を
の デ ー タ の 組(xi,yi)と,式(7.39)にxiを
に つ い て,xiの
平
も と に 推 定 し よ う。 代 入 した値
標 本 標 準 偏 差 をsx,偏 差 平 方 平 均 をS2と して,次
の式 で 定 め る。
(7.40) (7.41) な お,S2はyi'と
の 差 の 平 方 和 な の で,自
次 の 式 は 自 由 度n-2のt分
由 度 をn-2と
して い る 。 こ の と き,
布 に 従 う こ と が 知 ら れ て い る。
(7.42)
式(7.42)を 〔 例 題9〕
用 い て 回帰 係 数 の推 定 を行 お う。
〔 例 題2〕 で は,表7.2の
数 学xと 英 語yの
回帰 直線 が
(7.43) で 表 さ れ た 。 こ の と き の 回 帰 係 数pを95%の 〔 解 〕 式(7.5)か
ら,sx=1.746で
デ ー タx1,x2,…,xnを
信 頼 区 間 で 求 め よ。
あ る。
回 帰 直 線 の 式(7.43)に
代 入 す る と,次
の 各 値 に な る。
yi とyi'の 偏 差 平 方 平 均S2は,次
の 値 にな る。
(7.44)
表7.2を 大 き さ10の 標 本 と考 え,そ の母 集 団 の回 帰 係 数 をpと す れ ば,
(7.45)
は 自 由 度n-2のt分 表7.23で
布 に 従 う。
自 由 度n-2=8のt分
よ っ て,pの95%の
値 は2.31だ
か ら,
信 頼 区 間 は次 の よ うに な る。
問14 プ ロ グ ラ ム7.7を 利 用 し,問3の プ ロ グ ラ ム7.7
布 の95%の
回 帰 係 数pを95%の
信頼 区 間 で求 め よ。
計算の結果 s=.1318742 s/√n
sx=.3738094
sx=9.108858E‐02
(2)
相関係数の検定
n組
の デ ー タ(x1,y1),(x2,y2),…,(xn,yn)か
標 準 偏 差sx,syお
よ び 共 分 散sxyを
ら得 ら れ る 相 関 係 数rは,
使 っ て,次
の 式 で 表 さ れ る。
(7.46) こ こで は,次 の 式 が 自由 度n-2のt分
布 に従 う こ とを利 用 す る。
(7.47)
〔 例 題10〕
〔 例 題2〕 の 相 関 係 数 はr=0.762で
あ る と い え る か,5%の
あ っ た 。 数 学 と英 語 に 相 関 関 係
危 険 率 で検 定 せ よ。
〔 解 〕 相 関 が な い と い う帰 無 仮 説 を たて る。 式(7.47)でn=10,r=0.762と
t=3.33は,自
由 度8の
が
して,
棄 却 域│t│≧2.31の
範 囲 に あ る か ら帰 無 仮 説 を 棄 却 し,
相 関 が あ る と判 断 す る。 問15 問3の 左 右 の視 力 に つ い て 相 関 が あ るか,検 定 を5%の 相 関 係数 はr=0.5601で
危 険 率 で 行 え 。 な お,こ
の
あ る。
練習問題 1. 次 の表 は各 年 令 に お け る男子 の 身長x〔cm〕 の表 か らxとyの
回帰 直線y=ax+6,お
と体重y〔kg〕 の 関係 を 表 し て い る 。 こ
よ び 回帰 曲線y=axbを
求 め よ。
前 者 は プ ロ カ指 数:
( 7.48)
後 者 は ロ ー レル指 数:
(7.49)
を 導 くと きの 考 え方 で あ る。 表7.22
各 年 齢 の 身 長 と体 重(男
子)
2. 次 の プ ロ グ ラ ム は,さ い こ ろ投 げの シ ミュ レー シ ョ ンで あ る。 乱 数 の 初 期 値 を100と して 実 行 し,一 様 に分 布 して い るか 否 か を5%の この 検 定 を 一 様 性 の 検 定 と いい,コ
危険率で行え。
ン ピ ュー タの 疑 似 乱 数 が 一 様 に 分 布 して い る か ど
うか を 調 べ る の に用 い られ る。 プ ロ グ ラ ム7.8
3. 次 の プ ロ グ ラ ム7.9は,コ
ン ピ ュー タの 疑 似 乱 数 で15組
の 数 を 作 る。 乱 数 の初 期 値 を
100と して 実 行 した デ ー タに つ い て,相 関 関 係 が あ るか ど うか プ ロ グ ラ ム7.1と 式(7.47) を用 い て5%の
危 険 率 で 検 定 せ よ。 ま た,100個
この検 定 を 無 規 則 性 の 検 定 とい い,隣
の デ ー タで は ど うな るか調 べ よ。
り合 った 疑 似 乱 数 が 無 規 則 に 分 布 して い る か ど
うか を調 べ るの に用 い る。 一 つ お きの疑 似 乱 数 の 無 規 則 性 の検 定 も同様 に す る。 プ ロ グ ラ ム7.9
4. コ ン ピ ュ ー タ で0と1の
間 の 疑 似 乱 数 をn=200個
上 昇 の 連 の 個 数s;xk-1>xk<xk+1<
作 り,次
のs,tを
… <xk+s>xk+s+1
数 え よ。
下降の連の個 数t; こ こで,n個
の乱 数 で連 の 個数r=s+tが,次
の 分 布 を す ると い う。
(7.50) s+tの
分 布 につ い て,5%の
危 険 率 でχ2検 定 を せ よ。 この 検 定 を 連 の 検 定 と い い,
乱 数 が 無規 則 に並 ん で い るか ど うか を調 べ るの に用 い られ る。 (注) 参考 資 料 ・厚生 統 計協 会 「国 民衛 生 の動 向 ・厚生 の 指数 」1995,8 ・共立 全 書 「 数 学公 式 集」1969 ,6 ・国立 天 文 台編 「 理 科 年 表 」1995 ,11
問およ び練 習問題の解答 (1) 問の解答 第1章
個数の処理
問1
5P3=60
問2
1,7,42,210,840,2520,5040,5040
問3
(a)34=81通
り,(b)25=32通
り
問4
問5
x3の
項 はxxx11,xx1x1,…,1x1xx,11xxxの10通
り で,
問6 問7
6C3=20通
問8
10C5・5C3・2C2=2520
り
問9
1,7,21,35,21,7,1
問10
例 え ば,x=4,y=2,z=1,u=0を
○ ○ ○ ○│○
○│○│の
よ う に 表 す 。9C3=
7H3=84 問11
a,b,cの3人
に 例 え ば4,2,1枚
問12
1,6,21,56,126,252,462
問13
プ ロ グ ラ ム1.4で6,7行
問14
プ ロ グ ラ ム1.5で,2,3行
と な る 。6C2=15〔
6行
を,if
8行
を,print
15,16行 25,16,33
問16
n(4の
問17
43×12=516
問18
4×3=12〔
問19
(a)23=8〔
人 か ら1枚
ず つ 取 り去 り ○ ○○│○
通 り〕
h=<i
目を削 除 す る。
and
の 間 にfor i=<j
and
h=1to j=<k
n'1000の
位
then
1000*h+100*i+10*j+k;
の 間 に,next
問15
分 け た と き,各
倍 数 ∩6の
hを
入 れ る 。 個 数 は5H4=70
倍 数)=100-n(4の
倍 数 ∪6の
個〕
倍 数)=100-33=67
通 り 〕
(b)8通
り を9格
子 に 描 くか ら
問20 n+1本
目の 直 線 でn+1個
(1) n=1の
の平 面 が で き るか ら,再 帰 式 が で き る。
と き,a1=(1+1+2)/2=2だ
か ら成 り立 つ 。
と す る と,ak+1=ak+k+1か
(2)
ら,ak+1=(k2+k
+1)/2+k+1={(k+1)2+(k+1)+2}/2だ
か ら,n=k+1で
も成 り
立 つ。 問21
(a) s=0
(b) プ ロ グ ラ ム1.8の3行
for
i=1 for
to
6
j=1
to
6
if i+j=6 next
と変 え る。 結 果,42925 or
i=j
then
s=s+1
j,i
print
s:end
か ら 10
問22
(a) 5C2・6C2=150
問23
プ ロ グ ラ ム1.4で,2,3行 6行
目を
s=s+k^2
(b) 縦 道5本,横 の 間 にfor
道4本 g=1
を 並 べ る 順 列 。9C4=126
to n:for
h=1
to nを
挿入
をa=(g-h)*(g-i)*(g-j)*(g-k)*(h-i)*(h-j)*(h-k)*(i-j) *(i-k)*(j-k)
7,8行
の 間 にif
10,11行
g=1 or
end 12行
h=2 or
i=3 or
j=4
or k=5
thenを
挿入
の 間 に else
をnext
ifの2行
j,i,h,gと
を挿 入
す る 。76個
問24 4!-(3!4-2!6+1!4-1)=9 問25
(1+0.01)5=1.0510100501
問26
2項 定 理 か ら,4C0+4C1+…+4C4=(1+1)4=24=16
第2章 問1
確 率 の基 礎 (a) 表h,裏tと
し,50回
ttthhthtth,hの
相 対 頻 度0.56,偶
(b) 小 数 点 以 下 第5n+k位 問2
0.6510
問3
奇 数11個
問4 問5
と 偶 数9個
でthhhthhhhh
thtttthhth 数 回 のhの
の 数 字 がk(1≦k≦5)で
hhhhthhtth
相 対 頻 度0 .64な
hhhhttttht ど
規 則 性 が あ る。
問6
10円
問7
(c)の 確 率 が0に
玉,100円
玉 の 順 に,表
問8 n=500∼2500で500お 問9
P(6ま
問11 1-P(共 問12 P(4の
裏,裏
表,裏
書 い た 札 を3枚
裏 各 確 率0.25 作 り,1枚
無 作 為 に 引 く。
き の 相 対 頻 度 は,0.246,0.25,0.246,0.2485,0.2488
た は7)=11/36,P(差
が1)=10/36で
問10 (a) P(A∪B)=11/26
問13 P(赤
表,表
な る 。a,b,cと
前 者 が有 利
(b) P(A∩B)=3/52
に奇 数) 倍 数)+P(6の
倍 数)-P(12の
玉2個)+P(白
倍 数)=0.25+0.16-0.08=0.33
玉2個)
問14
と も に3/10
問15
2/11
問16
P(A)P(B)=(1/2)(1/2)=1/4,P(A∩B)=1/6だ
問17
10行
第3章
確 率 分 布
問1
1/4=0.25
問2
(a) (1/3)10=0.00001694
問3
(a)
をp=p+2,12行
か ら従 属
をp=p-4と
す る 。 表2.8の
(b) 0.5110=0.00119
(b)
B君;1-0.4914=0.5086でB君
問4 A君; 問5
0.52,0.47,0.45,0.53,0.44,0.49,0.46,0.52,0.50,0.51
問6
男0女4;0.043,男1女3;0.248,男2女2;0.418,男3女1;0.248,男4女0;0.043
問7
0件0.206,1件0.343,2件0.267,3件0.129,4件
問8
0回;0.599,1回;0.315,2回;0.075,3回
問9
0;.0878,1;.2634,2;.3292,3;.2195,4;.0823,5;.0165,6;.0014
問10
2.1335人
問11
35/37-1×36/37=-1/37,だ
問12
〔例 題5〕6,〔
問13
分 散0.7821,標
よ うな推 移 に な る。
以 降 は0 以 降0,0,1,2で
か ら 平 均0.027ド 例 題6〕2
B(n,p)の
準 偏 差0.8844人
問14
V(X)=2,σ(X)=√2=1.414
問15
平 均 値108,標
問16
d/a=0.6
準 偏 差9.75か
の方が有利
ら88.5≦X≦127.5
平 均 はnp
約99%
ル の 損
問17
プ ロ グ ラ ム3.3の3行 7行
問18
目 をd=0.3:s=0:n=1000
目 をif a<dora>1-d
then
s=s+1と
す る。 確 率 は0 .6
平 均0.002
〔日 〕
分散
問19
N(10,25/3)
問20
(a)
(b)
問21
な どか ら 問22
平 均 値 はp=1/4,n=5の2項
分 布 と み て5/4=1.25
〔 枚〕 問23 問24
問25
コ イ ン投 げ,画 =0
鋲 投 げ で 表 が 出 る 回 数 を そ れ ぞ れY,Zと
.4,V(Y)=0.25,V(Z)=0.24だ
第4章
確率の応用
問1
2,3行
の 間 にfor
の 間 にprint
n=1
s;:next
to 20を nを
問3
s4=-4,-2,0,2,4
入 れ,6,7行
のprint文
を 削 除,終
入 れ る。
s>0は10個,s<0は9個,│s│>10は1個(初 問2
す る 。E(Y)=0
.5,E(Z)
か ら,
期 値41の
場 合)
わ り か ら1,2行
問4
問5 結果
n=5
-5
0.03125
for 0.02929
m=-n
to
n
step
2
p=1/2^n:r=(m+n)/2 -3
0.15625
1
0.1451-
0.3125
do
while
r>0
p=p*(n-r+1)/r
0.3229
:r=r-1
loop
問6
(a)
問7
(a)
1
0.3125
0.3229
3
0.15625
0.1451
5
0.03125
0.02929
print next
m,p,EXP(-m^2/10)*・3568
m
end
〔ビ ッ ト 〕
〔ビ ッ ト〕 (b) (b)
〔ビ ッ ト 〕
問8 問9
〔ビ ッ ト〕 1行
目 をcls:n=10,2行
=p1/10,終
目 をfor
わ り か
ら3行
p 1=1
目 をprint
to
9,3行
p,i,同2行
目 を 削 除,4行 目 をnext
目 をi=0:p
p 1
1.8436,2.3399,2.5667,2.6741,2.7064,2.6741,2.5667,2.3399,1.8436 問10
0000
問11
00011
00000
00010
10
問12
0001
010
001 00010
00011
011
010
10
00001
110
10
1110
101
011
100
00000
001
00010
00010
1101
011 10
行 の最 小 値2,-2の
小 値2の
あ るI,Ⅱ 成 分2を
と り,得 点-2を
1111
1101
011
00011
行3,2の
得 る。 ③ 以 下 同 じ繰 り返 し
から か ら
問16 問17 (a)2×2型 0.5463,
の正方行列
(c)0.8と0.75
(d)第2行1列
0.50471875
0.403775 0.557603
0.99
0.49528125 0.552997
0.442397
0.447003
0.008
0.01 10年
(b)2次
値は
0.4537
0.596225
問21
010
か ら
問15
問20
1100
最 大 値 の あ るⅠ,Ⅱ 成 分2を 得 る。 ②BはⅠ
問14
問19
100
3.437,3.44
問13 ①Aは
問18
001
00001
の1行
目の 和,2行
目の 和 を 求め,そ
0.992
後;0.981545:1.018455,20年
後;0.966155:1.033845
の比 を と る。
の 成分
最
第5章 デ ー タ 解 析 問1
問2
ヒス トグ ラ ム と相 対 度 数 多 角 形
問3 累 積 度 数 分 布 とパ レー ト図
問4
問5
女 子 平 均 点62.0で,男
問6
7.58
問7
214.80,度
子 の 平 均 点61.75点
と ほ ぼ 同 じ で あ る。
問8 z-ス
数 分 布 表 で は238.75 コ ア:-0.89,1.98,-1.23,-0.14,0.89,0.34,0.68,-1.43,0.41,-0.68 -1.02,-1.84,1.23,0.48,-0.48,0.82,1.50,-0.34,0.20,-0.48
t-ス コ ア:41,70,38,49,59,53,57,36,54,43,40,32,62,55,45,58,65,47,52,45 問9
平 均62.0,分
散239.75,標
問10
順 序,間
問11
メ ジ ア ン62.5点,モ
問12
メ ジ ア ン60点,モ
隔,名
義,比
準 偏 差15.45 率 の 各 尺 度
ー ー
ド55点
ド70点
問13 問14
男 女
男 子 の ち らば りが 大 き い。
問15
順 に65,100,80,85,95,40,90,65,75,20,30,30,50,20,60,50,10,10,40,5
問16
モ ー
ド10,メ
ジ ア ン10.25,下
位4分
位 数9.25,上
位4分
位 数11.19
問17
国語 と体 育;強
国 語 と社 会;相
い負 の 相 関
関な し
問18 y=6.0,sy=1.67,xy=34.0,r=0.342 問19 0.795,-0.92,-0.224,0.582,-0.630,0.043,0.703,0.271,-0.219,0.338 第6章
統計 的推 測
問1
例 え ば,各
問2
0.475で
級 の 度 数 は9,7,9,6,9(初
問3
(3+9)/2=6〔%〕
問4
m=2.84〔
問5
14≦x≦26,12≦x≦28
問6
一 例 は 表6.6の
問7
4.792≦m≦4.808
問8
0.118≦p≦0.202
期 値3768),11,7,7,9,6(初
期 値19370)
変 わ らな い。
時 間 〕,σ2=0.641
大 き さ30に
あ る 。 標 本 平 均0.58,標
5.89≦x≦10.1〔kg〕
本 標 準 偏 差0.76で0.74に
近 い。
問9 r=0.25,n=60の
母 比 率 の 推 定;
問10 危 険 率5%で
標 本 の大 き さはn=300
い びつ,危 険 率1%で
問11
は どち ら と もい え な い。(確率0.0107) だ か ら,ど
問12 (a)仮 説;不
良 品1%
問13 危 険 率5%: 問14 仮 説;1の
(c)棄 却 しな い。
危険率1%: 目 の 出 る 確 率1/6,N(16.67,13.89),棄
問15 仮 説;表 示 が 正 し い とす る。95%の 問16 95%の
ち ら と もい え な い。
(b)棄 却 域 p>0.189
却 域p>22.8で
範囲
出 やす い。
で棄 却 しな い。 だ か ら,正
片 側の範囲
し くな い。
で 何 と もい え な い。 優 位 性 の と き
問17
から優位 問18 5%の
と き,12行
1%の
目 をdata60,6,0,3.338と
と き,さ
ら に4行
修 正 。 棄却 せ ず。
と修 正 。 棄 却
目を
せず。 問19 5%の
と き,data
100,0.25,0,1667と
修 正 。 棄 却 す る 。 片 側 の と き,4行
目を
と修 正 。 棄 却 す る。
5行 目を 第7章 多変量 の統計 問1
問2 平均値
〓分散
問3 問4
から
問5
から
問6 省 略(図7.5を
参 照 せ よ)
問7
(自由 度3)で
異 な る。
問8 (自由度5)で 問9
何 と もい え な い。
(自 由度11)で
問10 年 代 で 差 が な い と仮 定,
同 程 度 で はな い 。
〓(自由 度15)で
何 と も いえ な い。
問11
問12
(自 由 度9)だ
か ら差 が あ る。
問13 5%;2.16,1%;3.01 問14
自 由 度n=13の
問15 n=15,
値2.16,
か ら, (自 由 度13),相
関 あ り。
(2) 練習問題 の解答 第1章 個数 の処理
総 数26=64
1.
2. (1) 35=243〔
通 り〕
(2) 3×5C1=15〔
通 り〕
(3) (4)
〔通 り 〕
3.
合計
4. (1)
(2) a,b各n枚 5.
declare
計2n枚
long
の カ ー ドか らaをn枚
cls:n=3 for
を3で
m=2to
取 り出 す組 合 せ の個 数 に な るか ら,
例 え ば5,55,555,5555
x
割 っ た 余 り は0,1,2の
どれ か に な る。
n+1
鳩 ノ 巣 原 理 か ら,余
s=0:x=0 fork=0
to
m
りは どれ か が 一 致 す る。
こ の 場 合,5と5555の
余 り が2に
な る。
x=x+5*10^k next
5555-5=5550=555×10で,10は3と
k
if x
mod
next
k=0
then
い に素
s=s+1
m
ゆ え に,555(上
print"重
れ る。
結 果:重
複 組=1
確 率 の基 礎
1. 全 体 で63=216〔 和 が7の 3;3通 和 が8の 4;3通
の 数 列 の ど れ か)が3で
複 組=";s
end
第2章
互
通 り〕
場 合,1+1+5;3通
り,1+2+4;6通
り,1+3+3;3通
り,2+3+
り,1+2+5;6通
り,1+3+4;6通
り,2+2+
り 場 合,1+1+6;3通 り,2+3+3;3通
り。
確率は前 者5/72,後者7/72で 2. プ ロ グ ラ ム2.1の
修 正 と,確
後 者 が 起 こ りや す い。 率,結
果 は 次 の と お り で あ る。
割 り切
5行 目 6行 目
3. プ ロ グ ラ ム2.1の
修 正 と,確
率,結
果 は次 の通 りで あ る。
6行 目 5行 目 削 除
10行 目 for i=0
4. 根 元 事 象23=8,1円
が 表,5円
to
が 裏,10円
3
が 表 を 表 裏 表 とす れ ば,求
め る 事 象 は,
{表表 裏,表 裏 表,裏 表 表},P=3/8 5. 0か ら19の 整 数 で0,1,2を 乱 数i,j,kが3未
不 良 品,3か
ら19を 良品 とす る。0か ら19の 異 な る整 数 の
満 に な る個 数 を数 え る。 相 対 頻 度 は1000回
の結 果 で あ る。
5行 目 6行 目 6,7行
10行
目 の間
目 for i=0
to
3
第3章 確率分布 1.
2. ぐ ー を0,ち
ょ き を1,ぱ
ー を2と
す る と(Bの
数-Aの
数)=1,-2の
と き,Aが
勝つ。
結 果:0.12
プ ロ グ ラ ム3.7 q=0:randomize for
n=1 for
to k=1
1000:p=0 to
4
x=int(rnd(1)*3):y=int(rnd(1)*3) if x-y next
mod
3=1
then
p=p+1
k
if p>2then next
q=q+1
n
print
q/1000
end
3.
4. 5行
a=rnd(1):b=rnd(1):c=rnd(1),6行
削 除
7行 結 果 は,例
え ば0.523≒
π/6に
な る。
5.
そ れ ぞ れ,平
均 値1,1.5,分
散0.5,0.75
実 験 プ ロ グ ラ ム3.2の3行n=2:p=0.5,お 6. n=4,p=8/15の2項
平 均 値np=2.13,分 k =0,1,2
,3,4に
プ ロ グ ラ ム3.2の3行
よ びn=3:p=0
.5
分布
散np(1-p)=0.996 対
し て0.047,0.217,0.372,0.283,0.081 をn=4:p=8/15と
す る 。
7. 平 均 値E(X1)=3.5
〓シ ミ ュ レ ー シ ョ ン は3行
目 のmを10に
す る。
〓
第4章 確率の応用 と 表4.2か
1.
2. 2n=2,4,6の
ら,
順 に
3.
平均情報量; 平 均 コ ー ド長;
4. (a) ゼ ロ和 ゲ ー ム;①A;Ⅲ の3,④B;Ⅱ
行Ⅰ 列 の-2,②B;Ⅲ
行Ⅱ 列 の-4,⑤A;Ⅰ
③ に 戻 り,③
行Ⅰ 列 の-2,③A;Ⅱ
行Ⅱ 列 の2,⑥B;Ⅰ
か ら ⑥ を 繰 り返 す 。
〓か ら
(b) 混 合戦 略; 〓Ⅰを と る確 率,A:p=0.5833,B:q=0.5,Aの
5. A:B:Cの
第5章
行Ⅰ 列
行Ⅰ 列 の-3,⑦,
最 善 利 得-0.5,Bの
最 善 利 得0.5
の 行 の 和 の比 を とる。
比5:3:3,
データ解析
1. (1) 平 均18.6,メ
ジ ア ン19,モ
ー ド16
(2) 平 均23.8,メ
2. 女 性;平
均27.08,標
準 偏 差6.90,メ
ジ ア ン26.33
男 性;平
均29.74,標
準 偏 差7.41,メ
ジ ア ン28.57
平 均 と メ ジ ア ン か ら 男 性 の 方 が 約2.5年 3. 標 準 化 す る と1回 4. 平 均 値5.53,標 5. 9,9,9,9の 1,1,9,9の
目 は+2,2回
ー ド16
遅 れ て 結 婚 す る。散 らば りは ほ ぼ 同 じ
目 は+1.333で1回
準 偏 差1.32で5±1の
ジ ア ン19.5,モ
目の 方 が で きが よ い。
範 囲 に60%が
と き 平 均 値 は 最 大 値9,1,1,1,1の と き 標 準 偏 差 の 最 大 値4,a,a,a,aの
入 る。
と き 最 小 値1 と き 最 小 値0(aは1か
ら9の
数)
第6章
統計的推測
1. す べ て の 保 護 者 が 回 答 す る と は 限 ら な い 。 こ の 場 合,経
済 的 に豊 か な方 に偏 る可 能 性 が
あ る。 2. 縦 と横 を 各100等
分 し,番
号i=1,2,…,100,j=1,2,…,100を
つ け,i,jを
ラ ンダ ム
に 抽 出 す る。
3.
大標本;内 部生
外部生
小標本;内 部生
外部生
大 標 本 を小 標 本 の 近 似 値 と 考 え る と,相
対 誤 差 は 内 部 生 の 場 合0.005,外
部生 の場合
0.004と な る。 4.
〓 とす る と,こ み に した 標 準 偏差 は,
内 外 に差 が な い とす る と,差
〓は棄却 域
〓に入 り,差 が あ る と判 断 す る。 5. 標 本 比 率p=0.6新
し い チ ョ コ レ ー トの 好 み が0
棄却域 は
.5と す る 。
〓(+0.5/n:連
続 性 の 補 正)
プログラム input
n
p1=0.5+1.64*sqr(0.24/n) p2=0.5+1.64*sqr(0.24/n)+0.5/n print end
p 1,p 2
連 続 性 の 補 正 な しの 場 合,n=66 補 正 あ り の 場 合,n=75以
降 で 有 意 差 が あ る。
第7章 多変量の統計 1. 直線 回帰 曲線 回帰 x,yの
2. 60回
常 用 対数 を と って 直線 回帰 を行 う
10,8に
の 反 復 で 理 論 値 は 各10回 な る。
に な る が,プ
ロ グ ラ ム7 .10の
実 行 結 果 は,19,8,7,8,
自 由度5のχ2検 3. プ ロ グ ラム7.1を
定 で は棄 却 域χ2≧11.07だ
か ら棄 却 しな い。
次 の よ うに修 正
1行
目;cls
2行
目;randomize
7行
目;a(i)=int(rnd(1)*100):b(i)=int(rnd(1)*100)
n=15:
下 か ら3行
目;print"相
下 か ら2行
目;print"t=";abs(r)*sqr((n-2)/(1-r^2))
関 係 数";vxy/sqr(vx*vy))
下 か ら1行
目;end
相 関 係 数r=-0.4048
〓 自由 度13の
棄 却 域t≧2.16だ
〓(自 由度48)だ
〓で は, 4. n=200の
と き の 個 数s,tと
自 由度2のχ2検
か ら何 と もい え な い。
理 論 値 はfrは,例
定 で,危 険 率5%の
か ら相 関 が あ る。
え ば 次 の よ う に な る 。(r=1,2,3)
棄 却 域 はχ2≧5.99だ
か ら棄 却 しな い。
索 あ 行 一 様 分 布
76
一 般 ゼ ロ和 ゲ ー ム 移 動 平 均
,83 123 144
エ ン トロ ピー
109
オ イ ラ ー数
15
同 じ もの を含 む順 列
5
か 行
引 片 側 検 定
193
偏 った標 本
166
空 事 象
39
空 集 合 φ
14
仮 平 均 法
141
間隔 尺 度
152
完 全 情 報 ゲ ー ム
118
幾 何 分 布
84
棄 却 域
190
記 述 統 計
135
疑 似 乱 数
31
カ イ2乗 分 布
215
期 待 値
ガ ンマ関 数
215
帰 無 仮 説
189
回 帰 係 数 の推 定
226
級
136
回 帰 直 線
204
吸 収 マ ル コ フ過 程
133
下 位4分 位 数
154
共 分 散
162
階 乗 χ 2検定
3 219
行 列
126
行 列 の 積
129
確 率 的 サ ンプ リ ング
167
行 列 の 累 乗
129
219
64
確 率 の 加 法 性
44
確 率 の 加 法 定 理
43
ク ロ ス集 計
確 率 の 乗 法 定 理
47
区 間 推 定
確 率 分 布
58
組 合 せ
確 率 分 布 関 数
74
組 合 せ 的 方 法
21
確 率 分 布 の 平 均 値
64
組 合 せ の 個 数
6
確 率 変 数
58
確 率 密度 関 数
74
経験 的 確 率
数 え あ げ 組 合 せ 論
25
検 出 力
194
数 え あ げ の 原 理
13
検定
188
71,173 6
29
順 列
2
コ ー ド化
112
順 列 の 個 数
3
コ ー ドの長 さ
112
上 位4分 位 数
154
包 除 の原 理
13
条 件 つ き確 率
構 成 的 組 合 せ
10
小 標本 法
174
情 報 量
106
資料
135
効 率 的 サ ンプ リ ン グ
172
誤 差 分 布
80
47
個体
166
信 頼 区 間
178
混 合 戦 略
121
信 頼 度
178
ス トラテ ジー
117
さ 行 サ ン プ リ ング
166
推 移 行 列
126
再 帰 式
17
推 移 ク ラ ブ
126
再 帰 的 方 法
22
推 測 統 計
135
最 小2乗
法
207
数 学 的 確 率 数 学 的 帰 納 法
シ ミュ レー シ ョ ン シ ミュ レー シ ョ ン プ ロ グ ラ ム シ ャ ノ ン線 図 時 系 列 デ ー タ 試 行 辞 書 式 の順 序 指 数 分 布
19,31,55
29 17
数 学 モ デ ル
207
126
Z―
147
144
ゼ ロ和 ゲ ー ム
19
29,53
ス コ ア
正 規 分 布 2
76
正 規 分布 曲 線
118 78 78
正 の 相 関
160
七 分 布
220
成 分
126
4分 位 区 間
156
正 方 行 列
126
収 束 性
28
積 事 象
40
従 属
49
積 の確 率 変 数
91
自 由度
214
積 の法 則
15
8
漸 化 式
17
重 複 組 合 せ の 個 数
9
全 事 象
重 複 順 列
4
全 数 調 査
2
全 体 集 合
重 複 組 合 せ
樹 形 図 順 序 尺 度
152
戦 略
37 166 14 117
相 関 係 数
162
ド ・モル ガ ンの 法 則
14
相 関 係 数 の 検 定
228
統 計 的 確 率
30
相 関 図
160
統 計 的 推 定
173
相 乗 平 均
143
同 様 に確 か ら し い
28
独 立
49
相 対 度 数
28
相 対 度 数 表
137
独 立 試 行
53
相 対 度 数 分 布
137
独 立 試 行 の 定 理
55
28
独 立 な確 率 変 数
92
相 対 頻 度 層 別 サ ンプ リ ング
171
た 行 第1種 の 過 誤
194
対 角 成 分
126
大 数 の 法 則
度 数
136
度 数 多 角 形
136
度 数 分 布
136
と も に成 り立 つ 事 象
54
な 行 96
第2種 の 過 誤
194
2×2ゲ
大 標 本 法
174
2項 定 理
25
167
2項 分 布
611
2項 分 布 の 平 均 値
65
根 元 事 象
37
単 純 ラ ンダ ムサ ンプ リ ング
抽 出 中 心 極 限 定 理 中点 値 超 幾 何 分 布
木 構 造
ー ム
118
166 96 136 は 行 86
112
ハ フ マ ンコ ー ド
112
パ ー セ ンタ イ ル順 位
157
パ ス カ ルの 三 角 形
25
147
パ レー ト図
デ ー タ
135
排 反
41
デ ジタ ル グ ラ フ
136
鳩 の巣 原 理
16
反 復 試 行
53
t― ス コ ア
出会 い数
23
出会 いの 問 題
22
138
定 状 状 態
132
ヒス トグ ラ ム
137
点 推 定
173
ビ ッ ト
109
非 確 率 的 サ ンプ リン グ
172
ひ げ
156
ポ ア ソ ン分 布
百 分 位
157
ボ ッ ク ス プ ロ ッ ト
156
標 準 化
147
方 略
117
標 準 正規 分 布 標 準 偏差 標 本
79 69,146 166
標 本 空 間
37
87
補 集 合
14
母 集 国
166
母 集 国 の 大 き さ
166
母 数
173
標 本 値
173
母 標準 偏 差
173
標 本 調 査
166
母 比 率
標 本 の大 き さ
166
母 分 散
173
標 本 標 準 偏 差
173
母 平 均
173
標 本 比 率
173
標 本 分 散
173
173,186
ま 行
標 本 平 均
173
マ ル コ フ過 程
比 率 尺 度
152
132
交 わ り
批 列 抽 出
171
復 元 抽 出
167
符 号 化
112
無 規 則 性
29
符 号 化 ア ル ゴ リズ ム
112
無 作 為 抽 出
29
27
無 作為 標 本
167
14
ミニ マ ック ス法
不 確 か な現 象
118
負 の 相 関
160
部 分 集 合
20
部 分 集 合 の個 数
21
メ ジア ン
153
不 偏 推 定 値
173
名 義 尺 度
152
分 割 表
219
明 示 式
分 散
結 び
14
17
69,45 モ ー ド
ベ ー タ関数
223
平 均 値
141
平 均 偏 差 変 量
モ デ ル化
22 や 行
68 135
153
余 事 象
41
ら 行 ラ ンダ ム
29
累積 度 数 曲線
138
累積 度 数表
138
累積 度 数分 布
138
136
ラ ンダ ム ウ ォー ク
100
乱 数 さい
168
レ ン ジ
乱 数 表
168
連続 確 率
72
連 続 型 の確 率
72
リー フ プ ロ ッ ト
36
離 散 確 率
73
離 散 型 の 一様 分 布
83
両 側 検定
累 積 度数 曲線
193
138
わ 行 和 事 象
40
和 の確 率 変 数
90
和 の原 理
13
和 の法 則
13,42
〈著者紹介〉 片 桐 重 延 学 職
歴 歴
東京教育大学理学部卒業(1953) 日本私学教育研究所研究員 日本数学教育学会監事 理学博士
室 岡 和 彦 学 職
新
歴 東京教育大学理学部卒業(1969) 歴 日本無線株式会社 東京都立井草高等学校教諭 お茶の水女子大学付属高等学校教諭 教育学修士
・数 学 と コ ン ピ ュ ー タ シ リ ー ズ6
確 率統計 1996年8月10日
第1版1刷
発行
著
者 片 桐 重 延 室 岡 和 彦
発行 者 学校 法 人 東 京 代 表 者 廣 発 行所 東 京 〒1Ol
電 機
電
機
川 大 学
大
学
版
局
利 出
男
東 京 都 千 代 田 区 神 田 錦 町2‐2 振 替 口 座 00160‐5‐71715
印刷 三功印刷(株) 製 本 (株)徳 住製 本所 装 丁 高橋壮一
〓
電 話 (03)5280‐3433(営
業)
(03)5280‐3422(編
集)
Katagiri
Shigenobu
Murooka
Kazuhiko
Printed
in Japan
*無 断 で 転 機 す る こ とを 禁 じま す。 *落 丁 ・乱 丁 本 はお 取 替 え い た しま す 。 ISBN
4‐501‐52530‐4
C3355
〓 〈日 本複 写 権 セ ンタ ー委 託 出版 物 〉
1996
プログラミング教科書 新 情報 テ キ ス ト
新情報テキスト
標 準C<
標 準C<
基 礎 コー ス >
杉山行浩 著 A5判 208頁 大変強力で,人 気の高いプログラミング言語である Cに ついて,ANSIの 標準規格に準拠 して入門者向 けに解説した。続刊として<発展コース>がある。
Pascalビ Turbo+sun
ギ ナーズテ キス ト Pascal
杉 山行 浩 著 A5判 192頁 ANSI規 格 準拠 のC言 語入 門書。 <基礎 コー ス >の 続 刊。 textbook The
Pascal
大 井 尚 一/小 山裕 徳 共 著 B5判 232頁 2色 刷 Turbo pascalとsun Pascalを 取 り上 げた誰にで も わか るプ ロ グラ ミングの入 門書。 例題 形式 で2色 刷 り,サ イ ドノー トを用い るな ど,わ か りや すい解 説 を心 がけた。
古 東 馨 著 A5判 264頁
学生 の た めの
学 生 のため の
C
MS‐DOS&Windows
中村 隆一 他 著 B5判 160頁 解 答別冊24頁 2色 刷 大学 ・専 門学校 な どのCプ ログラ ミン グ教 育の教科 書 ・演 習書 と して内 容 を精 選 して編集。 豊 富なプ ロ グ ラミング課題 を掲載。 さ らに初 心者 の独習 書 と し て最適。 学 生 のた め の FORTRAN JIS上 位 水 準 に よる 秋 冨 勝 他 共 著 B5判 180頁 解答別 冊 2色 刷 コン ピユー タ技術 者 を 目指 す学 生 や,情 報 処理 試
発 展 コー ス >
本書 は短大 及び大 学低学 年での初 等プ ロ グラ ミング 教 育の教科 書 または独習 書の副読 本 と して編 集 して ある。JIS企 画に 準拠 してお り,処 理 系 にか かわ り な く用い るこ とが でき る。
若 山 芳 三 郎 著 B5判 160頁 2色 刷 演習形式 でMS‐DOS6.2とWindows3.1を 学 ぶ。大 学 ・専 門学校な どの 情報教育 ・OA教 育の教科 書 ・演 習書,さ らに初心者 の独習書 として最適。 文 系学 生の ため の BASIC 清水 敬 子 著 B5判 146頁 2色 刷
験 を受験 す る人の た めに,JIS上 位 水 準 に基づ いた FORTRANテ キ ス ト。
文科系 の大学や 短大の テ キス トとして編集 した もの で,例 題 を通 してプ ログ ラミングが理 解 でき る。 特 に,視 覚的 に学びや す いグ ラフ ィックス を中心 に解 説 した。
学 生の た めの
学 生 のた め の
一 太 郎
Lotus1‐2‐3
若山芳三郎 著 B5判 96頁 2色刷 大学 ・専門学校などの情報教育 ・OA教 育のテキス トとして執筆。さらに初心者の独習書 として最適。
若 山芳 三 郎 著 B5判 132頁 2色 刷 短 大 ・大 学 ・専門学 校な どで情報 教育 ・OA教 育 を 行 う場合のテ キス トと して執筆。 豊富 な演 習課題 を掲載。
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P‐61
プログラミング教科書 高 校 生 の ため の FORTRAN JIS基 本 水 準 に よ る 秋 冨 勝 他 共 著 B5判 128頁 2色 刷 FORTRAN学 習 ・演習 のテ キス トとして,2色 刷 で
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若 山 芳 三 郎 他 共著 B5判 106頁 2色 刷 グ ラフ ィックか らファイル,実 用 的 なプ ログ ラムま で どの機 種で も学べ るよ うに解 説。口絵 にグラフ ィッ クの カ ラー 写真 をのせ,楽 し く学 べる。
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教 育 とコ ン ピュー タ
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秋冨 勝 著 B5判 168頁 現場の教師向けのコンピュータ解説書。 コンピュー タ理解の盲点について,読 みやすいように,Q&A 形式で見開き2ページにまとめてある。
教育 とコン ピュータ マル チ メ デ ィア と学 習 活 動 マ ル チ 学 習 カー ドで学 ぶ 後 藤 忠 彦/若 山 院 一 郎 共著 B5判 152頁 具体 的な活 用例 を中心 に,マ ル チメデ ィアの学 習指 導 につい て解説。 す ぐに使 え る体験 ソフ ト付 き。
*定 価,図 書 目録 のお 問い合 わせ ・ご要 望は出 版局 までお願 い 致 します.
P‐62
理工学基礎課程のための数学図書 電 気 ・電 子 ・情 報 系 の
電 気 ・電子 ・精 報 系 の
基 礎 数 学Ⅰ 線形数学 と徽 分積 分
基 礎 数 学Ⅱ 応用解析 と情 報数学
安藤 豊/松田信行 共著 A5判 288頁 本書は,電 気 ・電子 ・情報系の大学や短大 ・高専向 けの数学教科書 ・演習書である。「 公式」「例 題 」「 解 説」の順序で学習を進めてい く。
安藤 豊/大沢秀雄 共著 A5判 298頁 数学の理論的 ・抽象的な面をできるだけさけ,具 体 的な応用に重点をおいた教科書。具体的な応用にも 力点が置かれているので演習にも最適である。
電 気 ・電 子 ・情 報 系 の
Mathematicaに
基 礎 数 学Ⅲ 複素関数 と偏微分方程 式 安藤 豊/中野 實 共著 A5判 264頁 多くの題材 を電気 ・電子 ・情報系から取 り入れ,関 連する第Ⅰ,Ⅱ巻の定理や公式等を参照 しながら学習 を進めていく。
新訂版 電 気 用 数 学1
よる
工 科 の 数 学
田澤 義彦 著 B5判 184頁 FD 2枚 付(For Win 3.1/Mac) Mathematicaを 用 い て工科 系 の大学 で 学ぶ数 学 の 全体像 を概 観す るこ とを 目的 とし,す べ て実例 によ り,基 本 的 な機 能 と工科系 の数 学が把 握 できる よ う に配慮 した。
新訂 版
代 数 ・図 形 の 基 礎
電 気 用 数 学2 複素 数 ・三角 の基礎
須 川 哲 雄 著 A5判 208頁
須 川哲雄 著 A5判 172頁
高校1年 程度 を 目標 に,電 気 理論 を解 くの に必要 な 基 礎数学 を,各 節 ご とに 豊富 な例 題 と ともにわ か り やす く解 説 した。
高校1年 程度 を目標に,電 気理論を解 くのに必要な 基礎数学を,各節ごとに豊富な例題とともにわか り やすく解説した。
Mathematicaハ
ン
ドブ ッ ク
M.L.ア ベ ル/J.P.ブ レイ セ ル トン共 著 川 瀬 宏 海/五 島 奉 文/佐 藤 穂/田 澤 義 彦 共 訳 B5判 818頁 バー ジ ョン2.2対 応版 多 くの コマ ン ドに関す る豊 富な実例が示 してあ り,計 算結 果や 記号演 算 お よび グラ フィックス表示 の機 能 が視覚 的に理 解 でき る。 よ りて いねい な訳注 に よ り わか りやす い訳 を心 がけた。
電子 ・通信工学のための 確 率 論 序 説 改 訂 版 P.Z.ピ ー プ ル ズ 著 平 野 信 夫 訳 A5判 494頁 大 学 工科系 の ため の確 率 論 で原著 改訂 に伴 い改 訂。 例題 と各 章末 の問題 を豊富 に し,そ の 全解答 を巻末 に掲 載。
計算力養成
現 代 数 学 発 展 史
電気磁気の計算演習
現代数学の進展 −方法 ・概念 ・思想 ・変遷
東 京電 機 大 学 出 版 局 編 B6判 160頁
A.F.モ ンナ 著 鶴 見和之/新井理生 共訳 A5判 252頁 第1部では代数化を考えるために代数学 とは何かを 考え,第2部 では古典科学と現代数学の相違を考え, 第3部 では物理学及び他の分野と数学との関係,数 学の応用等を考察する。
問 題 解法の ための 重要 事項 をま とめ,豊 富 な基本 問 題 と練 習問題 に よ り計 算能力 を高 め,あ わせ て理論 の理解 が一層 深 め られ る。長 年読 者か ら愛用 され て いる ロングセ ラー
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S‐52