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が
小),ジ
ェ ッ ト軸 を 中 心 に 広 が っ て い て(
度 が 大 き い(
大)と
い う 推 察 が で き る.実
は
た は<θ>が
際,理
らか で
大),多
論 的 に は
予 言 で き る56).こ
重
→ ∞
の 比 は,グ
ルー
オ ンの カ ラー 電荷 の 自乗 平 均 を ク ォー クの カ ラー 荷 の 自乗 平 均 で 割 っ た量 で あ る.干 ee反 れ ば3ジ
渉 効 果 を 取 り入 れ れ ば,こ 応 で は,グ
ル ー オ ン は 第3の
ェ ッ ト現 象 の 中 で,最
な して 第1,第2の
の 比 は1に
近 づ く.
ジ ェ ッ ト と し て 現 れ る か ら,簡
もエ ネ ル ギー の低 い ジ ェ ッ トを グル ー オ ン と見
ジ ェ ッ ト と 比 較 す れ ば よ い.し
シ ャ ワ ー が 十 分 発 達 せ ず,グ に 見 え る と は 限 ら な い.実
か し,エ
ネル ギーが低 い と
ル ー オ ン と クォー クの 差 が ハ ドロ ン レベ ル で 顕 著 際,初
期 の
試 み は 結 果 が ま ち ま ち で あ り57), え る よ う に な っ た58).こ
単 に考 え
(DESY,
PETRA)で
の ト リ ス タ ン で よ う や く差 が 見
の 場 合 で も,グ
ル ー オ ン と クォー ク を 区別 す る た め に
は 運 動 学 的 条 件 を 適 切 に 選 ぶ 必 要 が あ り,例
え ば ヴ ィ ー ナ ス グ ル ー プ は,対
図8.34 ク ォー クジ ェ ッ トと グ ルー オ ン ジェ ッ ト内の 各 運 動 量 分 布 の 比 較60) LEPとTEVATRONで の ジ ェ ッ トを条 件 をほ ぼ 同 じ く して 比 較 し た.LEPで は,E=45GeVの 65GeVの
ジ ェ ッ ト,TEVATRONで
ジェ ッ トを拾 い,η(ラ
を中 心 に,E≧35GeV,R=(Δ ル ギー 分 布 を測 定 して,ジ
の
は,40<ET<60GeV,<ET>=
ピデ ィ テ ィ)-φ(方 位 角)平
面 で,ジ
ェ ッ ト軸
η2+Δφ2)1/2≦1の中 に 入 る ジ ェ ッ ト内粒 子 の エ ネ ェ ッ ト中 心 か ら 半 径r内 に 含 まれ る ジ ェ ッ トエ ネ ル
ギー量の相対比 ψ(γ)≡[∫E(x≦γ)dx]/[∫E(x≦R)dx]を 示す.
称
3ジ ェ ッ ト 現 象(qqg)と
γ+2ジ
ェ ッ ト現 象(qqγ)を
選 択 した うえで ジェ ッ ト
の 性 質 を 比 較 し て い る. エ ネ ル ギ ー が 高 く な れ ば 差 は 見 や す く な る.e+e-反 成 さ れ,グ
ル ー オ ン は ク ォ ー ク か ら2次
ギ ー 領 域 で は ジ ェ ッ トの80%以 応,特
に
応 で はqq対
的 に 放 出 さ れ る の で,LEPエ
上 が ク ォ ー ク 起 源 で あ る.一
の 大 き い 反 応 で は グ ル ー オ ン に よ る2パ
応 が 優 勢 で あ り(後
述 第9章),テ
に お け る デ ー タ で は,ジ
ΔR≦0.4の
ル ー プ は,解
示 す よ う に,ク
ル ー オ ン(CDFデ
ネ ル ギ ー が 高 く な る と,ク
方,ハ
ドロ ン 反
ー トン →2ジ
ェ ッ ト反 )
上 が グ ル ー オ ン 起 源 で あ る59).こ の こ 析 条 件 を 同 じ に し て,CDFデ
ォ ー ク ジ ェ ッ ト(OPALデ
中 心 部 に エ ネ ル ギ ー の90%(ΔR≦1の
を 含 む が,グ
ネ ル
バ ト ロ ン(TEVATRON:
ェ ッ トの80%以
と に 着 目 し て,OPALグ べ た .図8.3460)に
が ま ず生
ー タ)は75%し
ー タ と比
ー タ)の
場 合 は
総 エ ネ ル ギ ー に 対 す る 比) か 含 ま な い.こ
の よ う に,エ
ォ ー ク ジ ェ ッ ト と グ ル ー オ ン ジ ェ ッ トの 差 は 非 常 に
顕 著 で あ る.
参
1)
R.F.Schwitters
et
G.G.Hanson
et
考
文
献
al.:Phys.Rev.Lett.,35(1975)1320
al.:Phys.Rev.Lett.,35(1975)1609
2) VENUS;R.Arai
et
al.:Nucl.Instr.Methods,217(1983)181
3) TASSO;R.Brandelik
et
al.:Phys.Lett.,B114(1982)65;Z.Phys.,C22(1984)307
P.Darriulat:Ann.Rev.Nucl.Part.Sci.,30(1980)159 4)
E.Farhi:Phys.Rev.Lett.,39(1977)1587 J.D.Bjorken
and
5) D.P.B.Barker 6)
et
S.J.Brodsky:Phys.Rev.,D1(1970)1416 al.:Phys.Rev.Lett.,43(1979)830
J.Steinberger:Phys.Report,203(1991)345 L3:Paper
submitted
to Int.Conf.on
High
Energy
1998 7)
TASSO;M.Althoff
8)
VENUS;Phys.Lett.,B198(1987)570
9)
T.Sjostrand:Comput.Phys.Commun.,39(1986)347 T.Sjostrand
et
and
al.:Z.Phys.,C22(1984)307
M.Bengtsson:Comput.Phys.Commun.,43(1987)367
T.Sjostrand:Int.J.Mod.Phys.,A3(1988)751 10)
G.Marchesini
11)
K.Kato
and and
B.R.Webber:Nucl.Phys.,B310(1988)461
T.Munehisa:Phys.Rev.,D36(1987)61
Physics
at
Vancouver,July
23-29,
12)
L.A.Gribov
et
al.:Phys.Rep.,100(1983)1
A.Bassetto
et
al.:Phys.Rep.,100(1983)201
B.R.Webber:Ann.Rev.Nucl.Part.Sci.,36(1986)253 13)A.H.Muller:Phys.Lett.,B104(1981)161 B.J.Ermolaev:JETP
Lett.,33(1981)269
Yu.L.Dokshitzer:Sov.J.Nucl.Phys.,47(1988)1384 14)
Yu.L.Dokshitzer,V.A.Khoze R.K.Ellis
and
Physics,CERN 15)
and
S.I.Troyan:Rev.Mod.Phys.,60(1988)373
W.J.Stirling:Fermilab-Conf-90/164-T
1988
CERN
91-01
G.Marchesini
and
B.R.Webber:Nucl.Phys.,B238(1984)1
B.R.Webber:Nucl.Phys.,B238(1984)492 16)
R.D.Field
17)
Particle
and
R.P.Feynman:Nucl.Phys.,B136(1978)1
18)
C.Peterson
et
19)
P.Hoyer et
al.:Nucl.Phys.,B161(1979)349
20)
A.Ali
21)
X.Artu
Data
Group:Phys.Rev.,D54(1996),EPJ.,C3(1998) al.:Phys.Rev.,D27(1983)105
et al.:Phys.Lett.,B93(1980)155 and
G.Mennessier:Nucl.Phys.,B70(1974)93
X.Artu:Phys.Rep.,B97(1983)147-171 T.Sjostrand
and
M.Bengtsson:Comput.Phys.Communi.,43(1987)367
P.Mattig:Phys.Rep.,177(1989)142 22)
J.Schwinger:Phys.Rev.,82(1951)664;ibid.,93(1954)615 E.Brezin
23)
and
B.Anderson
C.Itzykson:Phys,Rev.,D2(1970)1191 et al.:Z.Phys.,C20(1983)317
X.Artru:Z.Phys.,C26(1984)83 B.Anderson,G.Gustavson,G.Ingelman
and
T.Sjostrand:Phys.Rep.,97(1983)31-
146 24)
G.Abrams
25)
OPAL:Z.Phys.,C47(1990)505
et
al.:Phys.Rev.Lett.,63(1989)1558
26)
W.Hoffman:Ann.Rev.Nucl.Part.Sci.,38(1988)279
27)
G.Sterman
28)
G.Kramer
29)
Z.Kunst:Phys.Lett.,B99(1981)429
DELPHI:Phys.Lett.,B240(1990)271
and and
K.Fabricius et
al.:Z.Phys.,C11(1982)315
F.Gutbrod B.Lampe
S.Weinberg:Phys.Rev.Lett.,39(1977)1436 B.Lampe:Z.Phys.,C34(1987)497
et and
al.:Z.Phys.,C21(1984)235 G.Kramer:Prog.Theor.Phys.,76(1986)1340;Z.Phys.,C34(1987)
497 30)
JADE;Phys.Lett.,B213(1988)235
31)
AMY;I.H.Park
S.Bethke
SLD;K.Abe 32)
L.R.Surguladze
et
al.:Nucl.Phys.,B370(1998)310 et
al.:Phys.Rev.Lett.,71(1993)2578
et al.:Phys.Rev.,D51(1995)962 and
M.A.Samuel:Phys.Rev.Lett.,66(1991)560
School
of
Erratum:ibid.,2416 S.Gorishny,A.L.Kataev 33)
S.Bethke
and
34)
E.Braaten,S.Narrison
35)
C.Basham
and
S.A.Larin:Phys.Lett.,B259(1991)144
J.E.Pilcher:Ann.Rev.Nucl.Part.Sci.,42(1992)
M.Schmelling:Physica
et
Scripta,51(1995)683 and
A.Pich:Nucl.Phys.,B373(1992)581
al.:Phys.Rev.Lett.,41(1978)1585;Phys.Rev.,D19(1979)2018;
Phys.Rev.,D24(1981)2382 A.Ali
and
F.Barreiro:Phys.Lett.,B118(1982)155
D.G.Richards
et
N.K.Falk
and
Z.Kunst
et
36)
F.Ciskor
37)
VENUS;K.Abe
al.:Phys.Lett.,B119(1982)193;Nucl.Phys.,B229(1983)317
G.Kramer:Z.Phys.,C42(1989)459
al.:Z.Phys.at
et
LEP,vol.1,CERN
89-08
al.:Phys.Rev.,D31(1985)1025 et
al.:Phys.Lett.,B240(1990)232
VENUS;A.Suzuki,Ph.D.Thesis,Osaka 38)
Univ.,1992
OPAL;Phys.Lett.,B252(1990)159 DELPHI;Phys.Lett.,B252(1990)1491 L3;Phys.Lett.,B257(1991)471
39)
FK;N.K.Falck
and
AB;A.Ali
and
KN;Z.Kunst
G.Kramer:Z.Phys.,C42(1989)459
F.Barreiro:Nucl.Phys.,B236(1984)269 et al.:Z.Phys.at
LEP,vol.1,CERN89-08,1989
RSE;D.G.Richards,W.J.Stirling
and
40)
J.Ellis et al.:Nucl.Phys.,B111(1976)253
41)
J.Ellis,M.K.Gaillard
42)
J.Ellis
43)
TASSO;R.Brandelik
44)
Ya.I.Azimov,Yu.L.Dokshitzer,V.A.Khoze
and
and
S.D.Eliis:Phys.Lett.,B119(1982)193
G.G.Ross:Nucl.Phys.,B111(1976)253
I.Karliner:Nucl.Phys.,B148(1979)141 et al.;Phys.Lett.,B97(1980)453 and
S.I.Troyan:Z.Phys.,C27(1986)
213;Phys.Lett.,B115(1982)242;Rev.Mod Phys.,60(1988)373 45)
Ya.I.Azimov
et
al.:Phys.Lett.,B165(1985)147
R.K.Ellis,D.A.Ross
and
Terrano:Phys.Rev.Lett.,45(1980)1226,Nucl.Phys
.,
B178(1981)421 46)
TPC;H.Aihara
et al.:Phys.Rev.,57(1986)945
MARKII,P.D.Sheldon,et
al.;Phys.Rev.Lett.,57(1986)945
47)
JADE;W.Bartel et al.:Phys.Lett.,B101(1981)129;Phys.Lett.,B134(1985)31
48)
A.H.Mueller:Nucl.Phys.,B213(1983)85 Ya.I.Azimov,Yu.L.Dokshitzer,V.A.Khoze
and
S.I.Troyan:Z.Phys.,C31(1986)
213 C.P.Fong
and
Yu.L.Dokshitzer 49)
B.R.Webker:Nucl.Phys.,B335(1991)54 et
al.:Rev.Mod.Phys.,60(1988)373
OPAL;M.Z.Akrawy
et
al.:Phys.Lett.,B247(1990)617
M.G.Albrow:Fermilab.Conf.97/073,QCD SLAC 50)
Summer
G.Altarelli
Institute and
in on
Particle
Hadron-Hadron
Physics,Aug.19-30,1996
G.Parisi:Nucl.Phys.,B126(1977)298
Collisions
,Talk
at
51)
AMY;Phys.Rev.Lett.,62(1989)1713
52)
S.Bethke
53)
M.Bengtson
et al.:Z.Phys.,C49(1991)59 and
O.Nachtman
and
P.Zerwas:Phys.Lett.,B208(1988)306 A.Reiter:Z.Phys.,C16(1982)45
54)
OPAL;M.Z.Akrawy
55)
L3;B.Adeva
et
al.:Z.Phys.,C49(1991)49
56)
S.J.Brodsky
57)
JADE;W.Bartel
et al.:Phys.Lett.,B123(1983)460
UA2;P.Bagnaia
et
et al.:Phys.Lett.,B248(1990)227 and
J.Gunion:Phys.Rev.Lett.,37(1976)402
al.:Phys.Lett.,B144(1984)291
HRS;M.Derrick et
al.:Phys.Lett.,B165(1985)449
MKII;A.Peterson UA1;G.Arnison
et et
al.:Phys.Rev.Lett.,55(1985)1954
al.:Nucl.Phys.,B276(1986)253
TASSO;W.Braunschweig
et
al.:Z.Phys.,C45(1989)1
58)
AMY;Phys.Rev.Lett.,63(1989)1772
59)
CDF;Phys.Rev.Lett.,70(1993)713
60)
OPAL;Phys.Lett.,B265(1991)462;Z.Physik.,C63(1994)197
VENUS;H.Takaki
et
al.:Phys.Rev.Lett.,71(1993)38
9 高 エ ネ ルギー ハ ドロ ン 反 応(ジ
ハ ドロ ン 反 応 の 大 部 分,す
な わ ち全 断 面 積 に寄 与 す る部 分 は,そ の ほ とん ど
が い わ ゆ る"柔 らか い過 程=soft 反 応"で
あ る.こ れ はQCDで
process=エ
ネ ル ギー 損 失 や 散 乱 角 が 小 さ い
は 非 摂 動 部 分 に あ た り,ま だ 第1原 理 か ら は い
ま だ 計 算 不 可 能 な 部 分 で あ る.柔 つ.第1は,エ
ェ ッ ト現 象2)
らか い過 程 は,次
の よ うに二つ の特徴 を も
ネ ル ギー が 上 が って ビー ム 方 向 に位 相 空 間 が増 大 した と き,位
相 空 間 の 特 定 の部 分 を選 択 す る力 学 的 要 因 は な く2次 粒 子 は位 相 空 間 内 に一 様 に 分 布 す る.高 エ ネ ル ギ ー 反 応 の 運 動 学 的 変 数 と して,ラ
ピデ ィテ ィ
(9.1) と,横 運 動 量pT,方
位 角 φ を使 う と便 利 な の は,ロ ー レ ン ツ 変 換 に 関 し て簡
単 な変 換 性 を もつ こ との ほ か に,こ れ らの 変 数 を使 えば,位 相 空 間体 積 要 素 が
(9.2) と 表 さ れ る の で,粒 図9.1(a),(b)に
子 分 布 が η に 関 し て 一 様 に な る と期 待 で き る こ と に よ る. 高 エ ネ ル ギ ー 反 応 の デ ー タ1,2)を 示 す が,上
け る も の と な っ て い る.ま ら ば 全 粒 子 数Nは
の範 囲 で生成粒 子 の数 が ほぼ一 様 な
ηmaxに 比 例 す る で あ ろ う.
で あ る の で,N∼lnsの 論 的 に は,N〓ln2sと
た,
記 の 期 待 を裏 づ
よ うに 成 長 す る答 で あ り,デ ー タ をほ ぼ再 現 す る.理 い うフ ロ ア ッサ ー ル上 限 が 存 在 す る.
第2の 特 徴 と して,柔
らか い過 程 で は 運 動 量 遷 移 が 小 さ い ため2次 粒 子 の 横
運 動 量 は 小 さ く(
増大 す るにつ れ指数 関数 的 に反 応率
が 減 衰 す る.し
か し,実
際 の 高 エ ネ ル ギ ー ハ ドロ ン 反 応 に は,指
少 し な い い わ ゆ る 大 き なpTの pTの
事 象(high
小 さ い と こ ろ と 大 き い と こ ろ を 区 別 し て み よ).こ
大 き なpT事
象 で あ り,QCDの
大 き なpTの
ring;
た4).し SppS
pp
か し,ISRで
pp-collider)を
の 章 で 扱 う の は,こ
の
ハ ド ロ ン 現 象 で ジ ェ ッ トが 観 測 さ れ る で あ ろ う こ と は 理 論 的 に
24+24GeV
(super
存 在 す る(図9.1(c),
摂 動 計 算 が 適 用 で き る 反 応 で あ る.
予 想 さ れ て い た こ と で あり3),歴 age
pT events)が
数 関数 的 に減
史 的 に はCERNのISR
collider, 1972稼
動)で
(intersecting
最 初 の ジ ェ ッ トが 観 測 さ れ
は ジ ェ ッ トは ま れ な 現 象 で,多
proton
antiproton
synchrotron,
待 た ね ば な ら な か っ た.陽
量 の ジ ェ ッ ト観 測 に は
=570GeV後
に630GeV;
子 の 中 の パ ー トン の 運 動 量 は 平 均
と し て 陽 子 の1/6程
度 し か な い の で,ISRで
GeV程
ェ ッ ト現 象 を 観 察 す る に は エ ネ ルギー
度 と な り,ジ
stor
は,パ
ー ト ン の 運 動 量 は〓4 が,し
た が っ てpT
も ま た 低 す ぎ た の で あ る. (c) (a)
(b)
図9.1
高 エ ネ ル ギ ー ハ ドロ ン反 応2次 (a),(b)と
横 運 動 量(pT)分
粒 子 の ラ ピ デ ィテ ィ(η)分 布
布(c)2)
9.1 大 横 運 動 量 の ジェッ
ハ ドロ ン衝 突 型 加 速 器SppSで 50GeVを
ト生 成
は,パ ー トン1個 あ た りの エ ネ ル ギー が優 に
超 え る の で 非 常 に 明 瞭 で 見 誤 り よ うの な い ジ ェ ッ ト現 象 を 多発 す
る.特 に 横 運 動 量 が ∼100GeVを
超 え る大 角 度 散 乱 現 象 は そ の ほ と ん どが
ジ ェ ッ ト を 含 む 反 応 で あ り,そ
の 中 で も2個
の パ ー トン が 弾 性 散 乱 を す る2→
2ジ ェ ッ ト反 応 が 大 部 分 を 占 め る. 図9.2に
は 初 期 のUA2グ
ル ー プ に よ っ て 得 ら れ た デ ー タ2,5)を 示 す.横
動 量pT(ま
た は ほ と ん ど 同 じ こ と で あ る が 横 エ ネ ル ギ ーET)が,∼75GeV
を 超 え る と球 形 指 数(sphericity)が を 表 し て く る こ と,ま
た2ジ
る こ と を示 し て い る.し
急 激 に 小 さ く なり ジ ェ ッ ト と し て の 特 徴
ェ ッ ト現 象 が 占 め る エ ネ ル ギ ー の 割 合 が 大 き くな
か も,優
に 放 出 さ れ て い る.こ
運
勢 な2個
の ジ ェ ッ トは ほ ぼ180度
れ ら の デ ー タ か ら,横
領 域 で は ほ ぼ す べ て が ジ ェ ッ ト現 象,そ
正 反対方 向
運 動 量 の 大 き い(pT〓100GeV)
れ も ほ と ん ど が2ジ
ェ ッ トの2体
反 応
で あ る と こ と が わ か る.
(a)
(b) 図9.2
ETが
(a) ET>75GeVでsphericityが
(c)
大 き くな る と ジ ェ ッ ト現 象 が 増 え る2,3)
急 速 に 小 さ く な る.
(b) h2=(ET1+ET2)/ΣET分
布.2本
の ジ ェ ッ トの エ ネ ル ギ ー がET>180GeVを
超 え る と優 勢 に な
る. (c) 2個
の ジ ェ ッ トの つ く る 方 位 角 の 差 の 分 布5).180°
こ れ ら の 現 象 は,図 Aの
式 的 に は 図9.3の
中 の パ ー ト ン の 一 つ が,ハ
乱 を し た 後,2個
方 向 に 出 る こ と は2体
よ う な 過 程 と 理 解 さ れ る.ハ
ドロ ンBの
観 者 パ ー ト ン:spectator
ま 前 方 に 進 ん で ビ ー ム ジ ェ ッ ト と な る が,こ か ら で な い の で,測 る の で,こ
ドロ ン
中 の パ ー ト ン と 反 応 し て,2体
の パ ー ト ン が ジ ェ ッ ト を 形 成 す る(2→2反
ら な か っ た 残 り の パ ー ト ン(傍
反 応 で あ る こ と を 示 す.
応).反 parton)は,そ
散
応 に加 わ の ま
れ は相 当部 分 が ビー ム パ イ プ の 中
定 器 に 捉 え ら れ る こ と が 少 な く,定
れ か ら の 考 察 の 対 象 か ら は 外 す こ と に す る.
量 的 取 扱 い が 困難 で あ
図9.3
ハ ド ロ ン 反 応 に お け る大 角2→2反 傍 観 者(spectator)パ
応 が 大 角 ジ ェ ッ ト を つ く る.残
りの
ー ト ン が ビ ー ム ジ ェ ッ ト を つ く る.
(a)
(b) 図9.4
ハ ド ロ ン コ ラ イ ダ ー に お け る ジ ェ ッ ト現 象6)
(a) 2→2ジ ェ ッ ト,(b) 2→3ジ ェット CDFグ ル ー プ の観 測 した ジ ェ ッ トを,η=-lntanθ/2と もつETを
の 円 を 描 き,こ とす る.
φ の 平 面 に ジ ェ ッ トの
高 さ と して プ ロ ッ ト した も の.η-φ 平 面 の 一 つ の ジ ェ ッ トの 周 囲 に の 円 内 の エ ネ ル ギ ー を ジェ ッ トエ ネ ル ギ ー
衝 突 型 加 速 器 実 験 の 場 合,測
定 器 は 衝 突 点 を 囲 む よ うに つ く る の で,粒
布 を衝 突 点 か ら の 極 角 θ と 方 位 角 φ で 方 向 を 表 す こ と が で き る.放 分 布 は θ で 表 す よ り,通
常 は ラ ピ デ ィ テ ィ(ま
デ ィ テ ィ η=lncot(θ/2))と トグ ラ ム(通
方 位 角 φ の2次
た は質 量 を無 視 す る疑 似 ラ ピ
よ く使 わ れ る.2次
粒子 の大部
平 面 で 一 様 に 分 布 す る か ら,こ
面 上 の あ る 特 定 領 域 に エ ネ ル ギ ー が 集 中 し た と き(energy ギ ー の 塊),そ
出粒 子 の
元 平 面 で の エ ネ ル ギー 分 布 の ヒス
常 レ ゴ プ ロ ッ ト*1)と い わ れ る)が
分 を 占 め る 柔 ら か い 過 程 の 粒 子 は,η-φ
cluster=エ
れ を ジ ェ ッ ト と見 な す の は 理 に か な っ て い る.図9.4に
ロ ッ ト に よ る2, 3ジ ェ ッ トの 一 例 を 示 す6).図9.4の 円 が 描 い て あ る が,こ
子分
れ は
の平 ネ ル レゴプ
ジ ェ ッ トの 一 つ の 根 元 に の 円 で,CDFグ
ループ
は こ の 中 に あ る エ ネ ル ギ ー を ジ ェ ッ トの エ ネ ル ギ ー と 定 義 し て い る.図9.4 (b)は,高
エ ネ ル ギ ー の パ ー トン の 一 つ が グ ル ー オ ン を 放 出 し て3個
トに な っ た と解 釈 で き る が(2→3反
応),囲
の ジェ ッ
い 込 み の 円 を 大 き く と れ ば2→2
反 応 と 見 な す こ と も で き る.
9.2
a. 断
面
パ ー ト ン2体
2→2反
応
積 反 応 のO(αs2)の
の 中 の パ ー ト ンaと
フ ァ イ ン マ ン 図 を 図9.5に
ハ ドロ ンBの
中 の パ ー ト ンbと
示 す.ハ
ド ロ ンA
が 衝 突 し て パ ー ト ンcと
dを 放 出 す る 包 含 反 応 を 考 え よ う.
(9.3) ab→cd反
応 が 堅 い(pTが
大 き い)場
合 の 反 応 断 面 積 は,(5.145)で
与 え ら
れ て い る.
(9.4) こ こ にσ は,パ
*1) Z=f(x
ー ト ン 反 応(ab→cd)の
,y)と す る と き,x-y平 で 表 す 表 示 の こ と.
断 面 積 で 始 状 態 の カ ラ ー につ い て は
面 を 四 角 な マ ス で 区 切 り,Zを
そ の マ ス上 の 柱 の 高 さ
平 均 を,終
状 態 の カ ラ ー に つ い て は 和 を と っ て あ る も の と す る.パ
系 の 全 エ ネ ル ギ ー をsと
ー ト ンab
す る と
(9.5) で あ る.パ ー トンの 散 乱 断 面 積 は
(9.6) で与 え られ る.δcdは 同 一 粒 子 の場 合 の 統 計 因子 で あ る. と す れ ば,
(9.7a) (9.7b) 4元 運 動 量pμ を,pT,方
位 角 φ,ラ
ピデ ィテ ィ で ηで 表 す と
(9.8) パ ー ト ンc, が,ハ
dの
ラ ピ デ ィ テ ィ を ηc,ηdと す れ ば,パ
ー ト ン 系 の2粒
子 重心 系
ド ロ ン 重 心 系 で もつ ラ ピ デ ィ テ ィ η とハ ド ロ ン 重 心 系 で の2粒
子 の相
対 ラ ピ デ ィ テ ィ(Δy)は
(9.9) で あ り,質
量0のパ
ー トンcの
パ ー トン 重 心 系 で の 散 乱 角 θ*は
(9.10a)
(9.10b) で 与 え ら れ る.生
成 さ れ た ジ ェ ッ トの ラ ピ デ ィ テ ィyc, ydが,パ
デ ィ テ ィ ηc,ηdと 同 じ で あ る と す れ ば,全
体(粒
子AB)の
ー トン の ラ ピ
重心 系 でのパー ト
ンの 運 動 量
(9.11) お よび エ ネ ル ギー 運 動 量 保 存 則 か ら,縦 運 動 量xa, xbと 横 運 動 量 は
(9.12a)
(9.12b) とい う関 係 式 か ら計 算 で き る.ま た2個
の ジェ ッ トの 不 変 質 量Mjj2は
(9.13) これ ら の変 数 を使 え ば,断 面 積 は
(9.14) ま た,
(9.15) を 使 え ば,
(9.16a) (9.16b) と も 表 さ れ る.さ
ら に(9.13)を
使 い,Mjj2/s=τ
と お い て,2ジ
ェ ッ ト生 成
断 面 積 を書 き表 す と
(9.17)
(a)
(b)
(c)
(d)
(f)
(g)
(h)
(i)
図9.5 (a) qq散 (h),(i) gg散
乱,(b),(c) qq散 乱
2→2反
(e)
応 に お け るO(αs2)過 程
乱,(d) qq→gg,
(e) gg→qq,
(f),(g) qg散
乱,
と な る.
(9.18) は,ハ る.た 〓uと
ド ロ ンAとBの だ し,親
反 応 に お け る パ ー ト ンa,
に よ る ジ ェ ッ トの 区 別 は で き な い の で,c=dの
し た 項 を 加 え るが
表9.1に,図9.5の 表9.1で
b衝 突 の ル ミ ノ シ テ ィ で あ
,角
度 に つ い て の 積 分 は90度
場 合 以 外 はt
で 止 め る こ と と す る.
フ ァ イ ン マ ン グ ラ フ に 対 応 す る 反 応 の│M│2を
注 目 す べ き は,大
与 え る7).
き な 断 面 積 を 与 え る の は 弾 性 散 乱 で あ り,特
ル ー オ ン が 関 与 す る と こ の 特 徴 が 著 し い.こ
に グ
れ は グルー オ ンが カ ラー を二 重 に
も っ て お り結 合 が 大 き い こ とか ら く る. 表9.1 2→2パ ー トン反 応 の 不 変 行 列 要 素 Σ│M│27) パ ー トン 質 量 は0と し,カ ラー と ス ピ ン につ い て は 始 状 態 の 平 均 と終 状 態 の和 を とっ て い る.g2=4π
αsで あ り,右 側 の列 の 数 値 は90度
で の 相 対 値 を示 す.
b. 実 験 と の 比 較 横 運 動 量 の 大 き い 現 象 を 捕 ら え る と,ジ た.こ
れ はSppSで
のUA1,
UA2グ
高 い エ ネ ル ギ ー を もつ テ バ トロ ン( に 比 べ て3倍 の エ ネ ル ギ ー で あ る)で
=1.8TeV,こ
ηdに つ い て 積 分 し,改
ら ば,は
れ はSppSの
るか に
∼630GeV
とに か くジ ェ ッ トを一 つ 捕 ま え て横 運 動
量 の 関 数 と し て ど う 振 る 舞 うか 調 べ よ う.こ で,(9.14)を
ェ ッ トが 際 だ っ て く る こ と は 述 べ
ル ー プ の 経 験 で あ る.な
れ は ジ ェ ッ トの 包 含 反 応 で あ る の
め て ηc=η と お き,さ
ら に ジ ェ ッ トの 質
量 を0と お く近 似 で
(9.19) 図9.6(a),(b)は,UA2, す8,9).UA2グ
CDFグ
ル ー プ に よ るpp衝
ル ー プ の デ ー タ は 第1近
O(αs2(Q2))の
寄 与 で 表9.1に
(NLO:
leading
next
似(LO: leading
与 え た も の)の
order=O(αs3(Q2)))10)の
突 で の 実 験 デ ー タ を示 order,す
計 算 と,CDFデ
な わ ち
ー タ は 第2近
計 算 と比 較 し て あ る.第1近
似 似
で ほ ぼ 満 足 す べ き 結 果 を与 え る も の の η の 大 き い と こ ろ で は や や ず れ て く る. 第2近
似 計 算 が9桁
に も わ た る デ ー タ を ±20%の
事 で あ る.図9.7に れ もQCDの
断 面 積 を2ジ
精 度 で再 現 して い る の は 見
ェ ッ トの 不 変 質 量 の 関 数 と し て 描 い た が,こ
予 想 値 と合 っ て い る9).
散 乱 角 θ*を 固 定 し た 場 合 の ジ ェ ッ ト質 量Mjj(=xaxbs)分 布 関 数 のx依 qqの
存 性 に よ り決 ま る.図9.8に
相 対 寄 与 を2ジ
優 勢 で あ る の は,xの
ー トン 分
各 過 程gg→gg,gq→gq,qq→
ェ ッ ト質 量 の 関 数 と し て 示 す.次
ジ ェ ッ ト生 成 は 弾 性 散 乱 過 程 が 主 成 分 で あ り,か と ん ど 関 係 な く一 定 で あ る.Mjjの
布 は,パ
節 に 示 す よ う に,2
つ 各 過 程 の 相 対 比 は角 度 に ほ
小 さ い と こ ろ(Mjj≦50GeV)でgg過
程 が
小 さ い と こ ろ で グ ル ー オ ン 分 布 関 数 が 大 き く,ま
散 乱 断 面 積 自 身 も 大 き い こ と に よ る.100〓Mjj〓200GeVで
(a)
はgq過
たgg 程 が,
(b) 図9.6 包 含 反 応d2σ/dpTdη
(a) UA2デ
ー タ8),(b) CDFデ
ー タ9)
(a)で は 実 線 でQCD第1近 似 計 算 結 果 を,(b)で は 実 線 でQCD第2近 は,Λ=1.4TeVと した 場 合 の 下 層 構 造 を付 加 した モ デ ル を示 す.
似 計 算 を示 し た.(b)の
点線
図9.7
dσ/dMjj:2ジ 分 布9) ー タ とQCD計
CDFデ
図9.8
2体
ェ ッ ト不 変 質 量 算 との 比較.
反 応 に お け る各 過 程
(GG;グ ルー オ ン-グ ル ー オ ン 融 合,GQ;グ ル ー オ ンク ォー ク反 応,QQ;ク
ォー ク-
ク ォー ク反 応)の 相 対 寄 与 をMjj の 関 数 と して表 す.
Mjj〓250GeVで
はqq過
程 が 優 勢 に な る の は,xし
た が っ てMjjが
こ ろ で ク ォ ー ク 分 布 関 数 が 大 き い こ と を 反 映 し て い る.2ジ が,表9.1の は,グ
大 きい と
ェ ッ ト生 成 断 面 積
中 に あ る 過 程 を 正 し く考 慮 し て デ ー タ が 説 明 で き る と い う こ と
ル ー オ ン の 関 与 す る 散 乱 す な わ ち グ ル ー オ ン-グ ル ー オ ン 結 合 の 存 在 の
明 白 な 証 拠 で あ り,QCDの c. 歴 史 は 繰 り 返 す(ジ
非 ア ー ベ ル 的 性 質 の 間 接 的 証 拠 と な っ て い る. ェ ッ トの ラ ザ フ ォ ー ド散 乱)
ジ ェ ッ ト現 象 が パ ー ト ン レ ベ ル で は2体
反 応 で あ り,QCDに
離 で は ク ー ロ ン 型 で あ る こ と を 考 慮 す る な ら ば,ラ
よ る力 は 近 距
ザ フ ォ ー ド散 乱 の 特 徴 を備
え て い る は ず で あ る.表9.1の
各 チ ャ ネ ル の 角 分 布 は そ れ ぞ れ 微 妙 に 違 う が,
θ〓90度
ャ ネ ル 交 換 項((1-cosθ*)-2に
で は,優
勢 な 項 はtチ
あ る こ と を 考 慮 す る と実 は ほ とん ど変 わ ら な い.そ
比 例 す る 項)で
こ で,qq→qq,qg→qg,
gg→ggの gg反
角 分 布 は ほ と ん ど 同 一 で あ る と し て,2→2反
応 で 代 表 さ せ る こ と が で き る10).こ
の 場 合,全
分 布 関 数 を 分 離 す る こ と が で き る.表9.1か
ら,各
応 の 角 分 布 は,gg→ 体 の 断 面 積 か らパ ー トン
チャネルの寄与 は
(9.20) で与 え られ る の で
(9.21) (9.22) (9.23) と な る.し
た が っ て,θ
∼0付
近 で,
と な り,よ
知 ら れ た ラ ザ フ ォ ー ド散 乱 と 同 じ形 に な る.小
く
角 で の デ ー タ比 較 に は 変 数 を
(9.24) に 変 え る と,
(9.25) と な り,χ>2で θ*とdσ/dχ π/2)で,断
ほ と ん ど 定 数 と な る の で 見 や す く な る.図9.9に,dσ/dcos の デ ー タ を 示 す が11,12),QCD計
算 と よ く合 っ て い る.χ<1(θ*>
面 積 が 上 向 き に 転 じ る の は,sチ
ャ ネ ル 寄 与 の せ い で あ る.
個 々 の パ ー トン 断 面 積 を 外 に 取 り 出 す こ と に よ り,パ で き る の で,2ジ
ェ ッ ト散 乱 デ ー タ か ら パ ー ト ン 分 布 関 数F(x)が
る.図9.10に,Q2=20GeV2で ト ン 分 布 関 数(図9.10の
と の 比 較 を 示 す14).こ
実 線)か
ら,(Q2=2000GeV2ま
の よ う に 高 いpT領
で 発 展 させ た 曲 線 デ ー タ か ら 決 め たF(x)
域 で は 構 造 関 数 は ほ と ん ど指 数 関 数
目す べ き はg+(4/9)(q+q)と(4/9)(q+q)と
ン の 寄 与(gg,gq,gq散
決 め られ
深 非 弾 性 散 乱 その 他 の デ ー タか ら決 め た パ ー
(点 線;Duke-Owens13))と,UA1のpT>70GeVの
的 で あ る.注
ー トン 分 布 関 数 が 分 離
乱)が
大 き い こ と を 示 し て い る.図
の 差 で,グ
ルー オ
に よ れ ば,xの
小
さ い と こ ろ で は ほ ぼ 純 粋 な グ ル ー オ ン ジ ェ ッ トが 取 り 出 せ る こ と,xの
大 きい
と こ ろ か ら は ほ ぼ 純 粋 な ク ォ ー ク ジ ェ ッ トが 取 り 出 せ る こ と を 示 す.ま
た,発
展 方 程 式 か ら 計 算 で 決 め た パ ー トン の 分 布 関 数(§5.6.2の
議 論 を参 照)が,
Q2発 展 を含 め て 正 し く実 験 値 を再 現 す る こ と を示 して い る.
(b)
(a) 図9.9 (a) dσ/dcosθ* (b) dσ/dχ
(a)で は,実 曲 線,(b)で
応 に お け る 角 分 布11,12)
Mij>635GeV,D0.
線 がQCD第1近 似,ダ は,実 線 がQCD第2近
図9.10 g:グ
2-2反
Mij>275GeV,D0.
2→2ジ
ル ー オ ン 分 布,q,q:ク
ッシ ュ 線 は パ ー トン モ デ ル で,ス ケー リ ン グ が 成 り立 つ と し た 似,ダ ッ シ ュ線 が 複 合 モ デ ル(Λc=2TeV)付 加 し た も の.
ェ ッ ト反 応 に よ り 求 め た パ ー ト ン 分 布 関14) ォー ク分 布
―:Q2=20GeV2,―:Q2=2000GeV2のDuke-Owensに
よ る パ ラ メ タ ー 化.
9.3 QCDの
理 論 と実 験 の 整 合 性15)
理 論 計 算 は デ ー タ の形 は正 確 に再 現 す る もの の絶 対 誤 差 は まだ 大 き く,特 に 対 数 第1近 似 の み で は,最 高2倍 か ら1/2く 在,測
らい の 範 囲 内 で不 定 性 が あ る.現
定 器 の性 能,デ ー タの 統 計 量 は 非 常 に 向上 して い て,理 論 的 不 定 性 の 方
が 大 きい.不
定 性 に は 次 の よ う な い くつ か の 原 因 が あ り,小 さ くす る努 力 が 続
け られ て い る.
9.3.1
スケ ール依存性
ハ ドロ ン 反 応 の 断 面 積 を算 出 す る と き は,素 過 程 の パ ー トン 反 応 断 面 積 に, μ に よ っ て 発 展 させ た ル ミノ シ テ ィ関 数 を掛 け 合 わせ る.素 過 程 の 計 算 に も, 繰 り込 み 点 の ス ケ ー ル μの 値 の不 定 性 が あ る.
(9.26) 物 理 量 は,μ に 依 存 しな い は ず で あ るか ら,
(9.27) パ ー ト ン 分 布 関 数 の μ 依 存 性 は,そ 反 応(第1近
似)に
トお よ びcollinear部
も そ も は パ ー ト ン の 素 過 程 と し て の2体
グ ル ー オ ン 発 生 を 考 慮 し(第2近 分 を,素
似),グ
過 程 か ら 切 り 離 し て 分 布 関 数 の 方 に 繰 り入 れ る
こ と に よ っ て 得 ら れ た も の で あ っ た(factorization).し の 計 算 に も 第2近
た が っ て,行
列 要素
似 ま で 含 め て は じめ て 整 合 性 の あ る 式 が 得 ら れ る.パ
ー トン
反 応 行 列 要 素 の μ(≡ μM)に
よ る 依 存 性 が,分
布 関 数 の μ(≡ μP;μPと
発 生 原 因 が 異 な る か ら 必 ず し も 同 じ も の と は 限 ら な い が,通 依 存 性 を,相
ルー オン の ソ フ
常 は 等 し く と る)
殺 し て 全 体 で μ 依 存 性 を 小 さ く す る と 期 待 さ れ る.ジ
含 反 応d2σ/dηdET計
算 の 第1近
ケ ー ル 依 存 性 を 図9.1115)に
似(O(αs2))と
示 す.第2近
善 さ れ て い る こ と が わ か る.μ
の 値 は,通
第2近
μMは,
似(O(αs3))の
ェ ッ ト包
計 算値 の ス
似 で は μ に 対 す る依 存 性 が 著 し く改 常ET∼ET/2の
間 で デー タに合 う
よ うに 決 め る. 上 記 の 過 程 に 限 ら ず 一 般 にQCD計
算 に お い て は,第2近
似(O(αs3))の ス
ケ ー ル 不 定 性 はO(αs4)と 期 待 され るか ら,不 定 性 の 少 な い理 論 計 算 に は,第 2近 似 まで 進 め る こ とが 大 切 で あ る こ とが わ か る で あ ろ う.
d2σ/dETdη
図9.11 QCD計 算 の スケ ー ル依 存 性15) をQCDO(αs2)計 算(LO,一 点 鎖 線)とO(αs3)計 算(NLO,実
で 比 較 す る.NLOま
9.3.2
線)と
でい くと μ に 対す る安 定 性 が よ くな る.
ジ ェ ッ トサ イ ズ
図9.12はUA1の
測 定 し た ジ ェ ッ ト
と,将
来 の 大 型 加 速 器 で 予 想 さ れ る ジ ェ ッ ト
に含 まれ
る エ ネ ル ギ ー の プ ロ フ ィ ー ル で あ る16).こ の 図 か ら 明 ら か な よ う に ジ ェ ッ トの エ ネ ル ギ ー は,η-φ
平 面 で 相 当 遠 く ま で 広 が っ て い る.ジ
物 は バ ッ ク グ ラ ウ ン ド と し て 紛 れ 込 ん で い る が,柔 て,η-φ
らか い 過 程 の 寄 与 を 含 め
平 面 で は 平 坦 な 分 布 を し て い る と 考 え ら れ る.切
ジ ェ ッ ト を 同 定 し て エ ネ ル ギ ー の 値 を 定 め る と き,ジ 何%を
ェ ッ ト以 外 の 生 成
捕 ら え て い る か,ジ
断 条 件 を定 め
ェ ッ トの エ ネ ル ギ ー の
ェ ッ ト以 外 の 寄 与 を ど れ だ け 取 り込 ん で い る か は,
ハ ドロ ン 化 モ デ ル の モ ン テ カ ル ロ で 計 算 す る .こ モ デ ル の 種 類 に よ っ て 差 が 生 じ る.ま
の と き,使
用 す る ハ ドロ ン化
た 一 つ の ジ ェ ッ トの 中 で い くつ か の 不 連
続 また は連 続 的 に 連 な って い る エ ネ ル ギー の 塊 を ど うつ な げ るか とい うジ ェ ッ トの 構 成 手 順(jet
clustering
algorithm:実
験 グ ル ー プ に よ り異 な る)に
て も で き あ が っ た ジ ェ ッ トの 中 身 は 異 な る*2).ジ
よっ
ェ ッ ト取 扱 い の 初 期 は こ う
し た ジ ェ ッ トの 内 容 に 対 す る 理 解 不 足 か ら く る 不 定 性 要 因 が 大 き か っ た. 低 エ ネ ル ギ ー ジ ェ ッ トで は,ハ
ドロ ン化 の モ デ ル が まだ 十 分 に は 理 解 で きて
い な い こ とか ら く る 理 論 的 不 定 性 が 大 き い が,高 は,堅
エ ネ ル ギ ー ジ ェ ッ トの 場 合
い グ ル ー オ ン 放 出 に よ る 広 が り が 大 き い.QCDの
ジ ェ ッ トサ イ ズRに
第1近
よ る 差 は 原 理 的 に 見 る こ と は で き な い.な
似 で は,
ぜ な ら,第1
近 似 で は ジ ェ ッ トは1個 の パ ー ト ン で あ り 空 間 的 に 広 が っ て い な い か ら,測
定
効 率 は 測 定 器 側 の 受 容 開 口 角 の 大 き さ に 無 関 係 と な る か ら で あ る.第2近
似,
す な わ ち グ ル ー オ ン 放 出 を 取 り入 れ る と放 出 グ ル ー オ ン と の 間 の 開 口角 に よ る ジ ェ ッ トサ イ ズ の 変 化 を 取 り入 れ ら れ る の で あ る.図9.13(a)は 化 を ジ ェ ッ ト を 同 定 す る た め のR切
断 の 関 数 と し て 描 い た も の で,理
と デ ー タ9)を 比 較 し た も の で あ る.R=0.7と 小 さ く で き る こ と か ら,CDFグ 切 断 値 と し て い る.た
断 面積 の変 論15,17)
とれ ば 理 論 に よ る不 定 性 を最 も
ル ー プ は,R=0.7を
ジ ェ ッ ト再 構 成 の 標 準
だ し対 象 と す る 過 程 が 異 な る と き は 別 の 値,例
図9.12
え ば 多重
ジエ ッ トエ ネ ル ギ ー の プ ロ フ ァ イ ル16)
黒 い ヒ ス ト グ ラ ム:UA1デ GeVでET>35GeVの ス ト グ ラ ム:モ ン;
ー タ: ジ ェ ッ ト.白
い ヒ
ン テ カ ル ロ シ ミュ レー シ ョ TeVで2<ET<3TeVの
ジ ェ ッ ト
*2) (前 頁)同 様 な 事 情 は 脚 注 を参 照 せ よ.
,ee反
応 に お け る ジ ェ ッ ト再 構 成 に お い て も 存 在 し た.§8.3.2の
図9.13
(a) 100GeVの ジ ェ ッ トサ イ ズ と 断面 積 との 関 係9) 線 は ス ケー ル を変 え た と きのQCD計 算 で,● がCDFデ (b) 100GeV,η-φ
を変 え た も の お よ びHERWIGパ (c) (b)と
ータ
平 面 上 で 円 サ イ ズ をR=1.0と し た と き の ジ ェ ッ ト内 粒 子 の 各 種 の 線 はQCD O(αs3)の 計 算 で ス ケ ー ル μ ー トン計 算(一
点 鎖 線)
同 じ.た だ しジ ェ ッ トエ ネル ギー を変 え る.
図9.14
d2σ/dETdη 包 含 反 応 デー タ とQCD計
(a) パ ー トン分 布 関 数 と してMRSDO'(理 論1)を 基 準 と し て,デ +QCDNLO計 算 との 相 対 的 な ズ レ を比 較 した もの. (b) 分 布 関 数 と し てCTEQHJを
使 用 した と きの デ ー タ との 比 較.
算 の 比 較9) ー タ(黒 丸)お
よび各種分布 関数
ジ ェ ッ ト分 離 の と き は0.4を
採 用 し て い る.図9.14(b)に
各 粒 子 の も つ 横 運 動 量 に つ い て,CDFデ 較,お
は,ジ
ェ ッ ト内 の
ー タ18)とO(αs3)のQCD計
よ び モ ン テ カ ル ロ プ ロ グ ラ ムHERWIGと
は ス ケ ー ル 依 存 性 が 多 少 残 っ て い る が,パ
算 との 比
の 比 較 を 示 す.QCD計
算 に
ー トン シ ャ ワ ー モ デ ル に よ る モ ン テ
カ ル ロ シ ミ ュ レ ー シ ョ ン の 再 現 性 は か な り よ い こ と が わ か る.第1近
似 のみの
場 合 に は2倍
に示す よ
う に,だ
程 度 の 変 動 が あ っ た が,第2近
い た い20%以
9.3.3
似 ま で 取 り入 れ る と,図
内 に お さ ま っ て い る こ と が わ か る.
パ ー トン 分 布 関 数
パ ー トンの ル ミノ シ テ ィ評 価 の 基礎 に な るパ ー トンの 分 布 関数qA(xa)に
も,
ま だ 実 験 デ ー タ が 十 分 で な く不 定 性 が 存 在 す る.こ の こ とに よ り断 面積 の 決 定 に 同 じだ け の 不 定 性 が 生 じる.図9.14(a)に
実 験 デ ー タ と各 種 の パ ー トン分
布 関 数 を 使 っ た 場 合 の 理 論 計 算 と の 相 対 誤 差 を 示 す.図(a)で GeVで
明 らか に理 論 値 か らず れ て くる.新 現 象?と
分 布 関 数 の わ ず か な修 正 で 図(b)の
はET>300
しば ら くの 間 騒 が れ た が,
よ うに 合 わ せ られ た の で(a)の
理論予 想
値 か ら の ず れ は 分 布 関 数 の 不 定 性 が 原 因 で あ る と解 釈 す る の が 正 し い で あ ろ う.ま
た こ の 図 は,§9.3.1で
行 っ た議 論,す
な わ ち 第2近 似 以 上 を使 う こ と
の 重 要 さ を確 認 す る デ ー タ と も な っ て い る.こ の よ う に,最 近 で は ジ ェ ッ トの サ イ ズ の 扱 い 方 につ い て は理 解 が 進 み,実
験 に よ る測 定 の 不 定 性 は20%以
内
に 入 る まで に追 い 込 ん で きた.
9.4 パ ー トン の 下 層 構 造 は 見 え る か?
これ だ けQCDの
再 現 性 が 正 確 で あ る と,QCDを
を新 現 象 と見 な す 解 釈 が 成 り立 つ.も ち,よ
り基 本 的 な粒 子(プ
信 頼 して そ こか ら の ず れ
し クォー クや レ プ トンが 下 層 構 造 を も
レ オ ン,preon)の
複 合 体 で あ る な ら ば,点 粒 子 と
して の 断 面 積 か らの ず れ が 観 測 され るで あ ろ う.そ の 効 果 は結 合 定 数gsに 形 状 因子
(9.28) を導 入 し て 表 す こ とが で き る.こ
こ にΛcは 複 合 体 の 大 き さ の 程 度(の 逆 数)
を 表 し,レ
プ ト ン に 関 し て はe+e-→llな
ど の デ ー タ か らΛcは,2∼3TeV
よ り 小 さ く は な い と わ か っ て い る19).さ が い え て い る.こ
ら にg-2の
実 験 か らΛc>670GeV
れ ら の 効 果 は 一 般 的 に は 断 面 積 を 減 ら す 方 向 に 働 くが,も
プ レ オ ン が 存 在 す れ ば プ レ オ ン を 交 換 す る 過 程 も 存 在 し,pTの で は こ ち ら の 方 が 優 勢 に な る こ とが い え る.パ
大 きい と こ ろ
ー トン や レ プ トン は 非 常 に よ い
近 似 で 点 状 粒 子 で あ る か ら プ レ オ ン の 相 互 作 用 は 非 常 に 短 距 離 で あ り,実 は 点 接 触 相 互 作 用 と な る.し ン間 の 反 応(LL)の
し
際上
た が っ て プ レ オ ン が 存 在 す る と き の 左 巻 きパ ー ト
実 効 ラ グ ラ ン ジ ア ン は,
(9.29) と 書 い て よ い.η=±1で,簡
単 の た め 通 常 はgs2/4π=1と
合 の 強 さ の 目安 を 与 え る こ と に な る.こ 存 在 す る が,パ
の ほ か にRR,LR結
ラ メ タ ー の 数 が 多 く な る の で,LL結
相 互 作 用 が あ る と,表9.1に け れ ば(9.29)の
与 え たQCD行
寄 与 は 小 さ く,干
お くの で,Λcが
結
合 も原 理 的 に は
合 の み に 話 を 限 る.こ
列 要 素 は 変 更 さ れ る.Λcが
の
大 き
渉 項 の み を補 正 と し て 考 慮 す れ ば よ い.例
えば
(9.30) と 表 さ れ る20).η
の 符 号 は 正 も負 も あ り う る の で,断
は 限 ら な い.図9.6(b),図9.9(b)に 合 の 曲 線(η>0)が
面 積 は 必 ず し も増 え る と
は こ う し てΛcを
示 し て あ り,デ
含 む効 果 を入れ た場
ー タ と 比 較 し て
の 低 エ ネ ル ギ ー 領 域 で は わ ず か な 補 正 で あ る が,エ りは る か に 大 き い と こ ろ で は,ち
TeVが
い え る12).
ネ ル ギ ー がΛcよ
ょ う ど ハ ドロ ン の ス ケ ー ル ∼mπ
を 大 き く越
え る とた くさ ん の 共 鳴 が 現 れ た よ う に プ レオ ンの複 合 体 の 共 鳴 が た くさ ん現 れ る 可 能 性 も あ る で あ ろ う.す
な わ ちQCDの
物 理 を 探 る一 つ の 方 法 で あ り,次
十 分 大 き な
,ET領
域 で新 しい
世 代 の ハ ド ロ ン 加 速 器 の 担 う課 題 で あ る.
9.5 ジ ェ ッ トの 多 重 生 成
終 状 態 にN個
の パ ー ト ン が 生 成 さ れ る 過 程 は 原 則 的 に はNジ
し て 観 察 さ れ る は ず で あ る.現 し て は,10個
ェ ッ ト事 象 と
在 ま で に 観 測 さ れ た 最 高 の 多 重 ジ ェ ッ ト発 生 と
の ジ ェ ッ ト現 象 が 観 測 さ れ て い る(図9.15)21).N≧3の
トは,2→2反
ジ ェ ッ
応 の 終 状 態 パ ー ト ン か ら の 子 パ ー トン 発 生 と し て 理 解 で き る.
しか し,グ
ル ー オ ン放 出 断 面 積 の 大 き い と こ ろ は グ ル ー オ ン が 柔 ら か い か(赤
外 発 散)ま
た は ジ ェ ッ ト主 軸 に 平 行 な 配 位(collinear
レ ベ ル で は 分 離 が む ず か し い.そ
図9.15
10ジ
qqgの
ドロ ン
ェ ッ ト事 象(各EJT>20GeV,CDF21))
験 的 に は 各 ジ ェ ッ ト の
N=3の
あ り,ハ
こ で 通 常 は 理 論 的 に も実 験 的 に も位 相 空 間 で
十 分 分 離 で き る 領 域 の ジ ェ ッ ト配 位 に 限 っ てNジ
間 で の ジ ェ ッ トij間
gluon)で
ェ ッ ト生 成 を 取 り扱 う.実 とす る.Rijは
η-φ空
の 距 離 で あ る.
場 合,
を 変 数 に と れ ばe+e-→
と き と 同 じ く位 相 空間 の 数 密 度 はx3-x4平
ダ リ ツ プ ロ ッ ト と な る.
面 で 一 様 で,境
界 は三角 形の
と す れ ば,
で あ
り,x3,x4→1で3ジ
ェ ッ ト 配 位 は2ジ
デ ー タ22)を 示 す.ダ
リツ プ ロ ッ トの 右 上 端 と 下 端 は そ れ ぞ れ 赤 外 発 散 と 平 行
配 位 部 分 に 対 応 す る.xi≒1の
ェ ッ ト 配 位 と な る.図9.16はCDF
と こ ろ は 発 散 を 防 ぐ た め 切 断 を 入 れ て い る.位
相 空 間 で 一 様 分 布 な ら ばx3,x4軸
へ の 投 影 は 直 線 状 に な る が,デ
ー タは
図9.16
3ジ
ェ ッ トデ ー タ の ダ リツ プ ロ ッ ト22)
断 面積 が位 相 空 間 に 比 例 す る な らば,x3-x4平 影 す る と破 線 の よ うに な る.実
線 はQCDの
面 で 一 様 分 布 と な り,x3,x4に 予 想.QCD発
投
散 を 防 ぐ ため カ ッ ト
を入 れ て あ る.
明 ら か に 位 相 空 間 配 置 か ら は ず れ て い て,QCD計
算15,23)が よ い こ と を 示 し て
い る. N≧3に
つ い て の 多 重 度 お よ び 質 量 分 布 デ ー タ を 図9.17(a)に,最
ル ギ ー を も つ ジ ェ ッ トの 角 分 布 を 図9.17(b)に 階 で は 第1近
似 し か な い が,計
再 現 し て い る.パ
示 す21).QCD計
高 エ ネ 算24)は 現 段
算 の で きて い る と こ ろ で は実 験 値 の傾 向 を よ く
ー トン シ ャ ワ ー モ デ ル を 使 っ て の シ ミュ レ ー シ ョ ン は,
く ら い ま で は デ ー タ を 結 構 よ く再 現 し て い る が,Nが す る傾 向 が 見 ら れ る.最
大 き く な る と過 小 評 価
高 エ ネ ル ギー ジ ェ ッ トの 角 分 布 が2→2反
応の角分布
と よ く一 致 す る こ とや,発
展 方 程 式 に 基 づ くパ ー トン シ ャ ワ ー モ デ ル が デ ー タ
を よ く再 現 す る こ と は,多
重 ジ ェ ッ ト発 生 に つ い て,2→2反
応+グ
ルー オ ン
放 出 に よ る シ ャ ワー 形 成 とい う図 式 が ほ ぼ 正 しい こ とを示 す とい って よ い で あ ろ う.
(a)
(b) 図9.17
ジェ ッ ト多重 発 生 とパ ー トン ジ ャ ワ ー モ デ ルの 比 較21)
(a) Nジ ェ ッ ト発 生 の ジ ェ ッ ト質 量 分 布,黒 丸 は デ ー タ,ヒ ス ト グ ラ ム はHER WIG予 想.曲 線 は分 布 関 数 やpT2カ ッ トを変 え た とき のNJETS予 言. (b) エ ネ ル ギー の 一 番 大 き い ジ ェ ッ トの 角 分 布.黒 丸 が デ ー タ,白 丸 がHERWIG, ヒ ス トグ ラム がNJETS,曲 線 は ラ ザ フ ォー ド散 乱 曲線(1-cosθ*)-2
9.6 フ ォ トン 直 接 生 成 過 程
pTの
大 き い フ ォ トン 生 成 と ジ ェ ッ ト生 成 は 密 接 に 結 び つ い て い る.し
主 に 寄 与 す る 過 程 が グ ル ー オ ン の 場 合 は(図9.18(c),(d)),ハ
図9.18
(a)
(b)
(c)
(d)
ド ロ ン(π
フ ォ トン 直 接生 成過 程 の フ ァ イ ン マ ン グ ラ フ
(a),(b)qq対 消 滅 に よ る直 接 γ(ま た は ベ ク トルV)生 (c),(d)グ ルー オ ン コ ン プ トン散 乱 の 寄 与
か も,
成
ま
た はp)の
中 の グ ル ー オ ン 分 布 を 探 る 良 好 の プ ロ ー ブ と も な る.フ
ォ トン は 破
砕 化 し な い の で ジ ェ ッ ト再 構 築 起 因 の 実 験 的 不 定 性 を 避 け る こ と が で き,方 向,エ
ネ ル ギ ー,数
を 精 密 に 決 め ら れ る 利 点 が あ り,QCD計
理 法 な ど に 良 好 な 比 較 基 準 を 与 え る.行
列 要 素 は 表9.2に
過 程 が 優 勢 に な る か は 実 験 条 件 に よ る.例 で のpp,p-原 いpp衝 CDFデ
算,ジ
え ばpTの
ェ ッ ト処
掲 げ た が,ど
あ ま り大 き くな い と こ ろ
子 核 衝 突 で は グ ル ー オ ン と の コ ン プ ト ン 散 乱 が 効 く.pTの
突 で は,qq対
消 滅 が 効 く.図9.19はpTの
ー タ1,25)とQCD計
ー タの 再 現 性 は 悪 く
な い. フ ォ トン直 接 生 成 過 程 の行 列 要素
フ ォ トン は 仮 想 と し,質 量Q2=s+t+uを せ て あ る.実
フ ォ ト ン の 場 合 はQ2=0と
もた す る.
カ ラー と ス ピ ン につ い て は 始状 態 で 平 均,終 で 和 を とっ て あ る.
図9.19
実 線 はQCDの
大 き
大 き い と こ ろ で のUA2,
算26)を 比 較 し た も の で あ る.デ
表9.2
ち らの
pp→γX25)
第2近 似 計 算 値 を 示 す.
状態
9.7
9.7.1
重 い ク ォ ー ク(c,b,t)の
生 成
重 いク ォークの生成断面積
軽 い ク ォ ー クu,d,sをqと こ と に す る と,QQ生
書 き,c,b,tな
ど の 重 い ク ォ ー ク をQと
成 の 最 低 次 の 過 程 は 図9.20で
の よ う に と る と 行 列 要 素 は 容 易 に 計 算 で き る.軽 重 い ク ォ ー ク の 質 量Mは
表 さ れ る.運
表 す
動 変数 を図
い ク ォ ー ク の 質 量 は 無 視 し,
考 慮 す る こ と と し て(p12=p22=0,p32=p42=M2),ス
ピ ン と カ ラ ー に つ い て 平 均 と 和 を と っ た 行 列 要 素 の 自乗 は
(9.31) (9.32) で 与 え られ る2).各 変 数 に つ け た^は
パ ー トン の 変 数 とい う こ とを示 す.行
列
要 素 を簡 素 化 し た形 で 表 す ため に,
(9.33) を 導 入 す る と(9.31)は
(9.34a) と な る.同
様 に
(9.34b)
(a)
(b) 図9.20
重 い クォ ー ク(QQ)生
(c) 成の最低次の過程
(a) 軽 い クォー ク対(qq)消
滅 に よる 生 成
(b)∼(d) グ ルー オ ン融 合 に よ る 生 成
(d)
と 表 さ れ る.パ
ー ト ン に よ るQQ生
中 に 代 入 す れ ば 得 ら れ る.最
成 断 面 積 は,上
終 状 態 のQQの
変 数 を 横 質 量MT=(pT2+M2)1/2,
ラ ピ デ ィ テ ィ η3,η4で表 す こ と に す る と,pp衝 (9.14)で
与 え ら れ る.実
記 の 行 列 要 素 を(9.6)の
突 に よ るQQ生
成 断 面 積 は,
験 室 系 で の エ ネ ル ギ ー 運 動 量 変 数 をEi,piと
す る と,
各運 動変数 は
(9.35a)
(9.35b) (9.35c) (9.35d) (9.35e) の よ う に 書 け る.エ
ネ ル ギ ー 運 動 量 保 存 則 よ り,
(9.36a) (9.36b) (9.36c) が 成 立 す る.
は ラ ピデ ィ テ ィの 差 で あ る.
上 記 変 数 を 使 っ て 断 面 積 の 表 式 を書 き直 す と,重 い ク ォ ー ク生 成 断 面 積 は
(a)
(b)
(d)
(e)
図9.21 (a)∼(c)
重 い ク ォー ク(QQ)生
実 の グ ル ー オ ン 発 生,(d),(e)
(c)
成 の高次過程の例 仮 想 グルー オ ン 交換
(9.37) (9.38a) (9.38b) と 表 さ れ る.現
在 は,図9.21の
よ う な 高 次 補 正 を 入 れ たO(αs3)の
理論 計算 が
で き て い る27).
9.7.2
重 い ク ォ ー ク生 成 過 程 の 特 徴
式(9.37),(9.38)の
形 を 眺 め れ ば,重
び 上 が っ て く る.通
常,断
い ク ォー ク生 成 断 面 積 の 特 徴 が 浮 か
面 積 は 交 換 粒 子 の 伝 播 関 数 の 分 母Dが0に
近 の 寄 与 が 最 も 大 き い.図9.20の
図 の 各 チ ャ ネ ル に つ い てDを
な る付 表 して み る
と, sチ
ャ ネ ル:
(9.39a)
tチ
ャ ネ ル:
(9.39b)
uチ
ャ ネ ル:
(9.39c)
と な り,M2の
お か げ でpT2→0の
と き,pT2∼M2で
の 特 異 性 を も た な い こ と が わ か る.QCDの ∼pT2で
あるか ら
く な り,摂 Mに
,pT2→0の
寄 与 が 優 勢 に な る よ う な 過 程 で は 通 常 αsが 大 き
動 展 開 は 信 頼 で き な い.し
あ る の でbク
ォ ー ク 生 成,そ
か し,重
い ク ォ ー ク 生 成 過 程 で は,質
し て 特 にtク
ォ ー ク生 成 に つ い て は 摂 動
減 少 す る か ら,pTの す る.こ
中 に あ り,断
面 積 は,MTの
大 き い と こ ろ(pT≫M)で
の こ とか ら,断
が わ か る.次
ォー クに つ い て は 質
必 ず し も こ の こ と は 明 ら か で は な い.pTの
は す べ て 横 質 量MTの
に,1+coshΔ
量
が 保 証 さ れ る.mb2,mt2≫1
展 開 の 近 似 の よ い こ と が こ れ で 保 証 さ れ る の で あ る.cク 量 が 小 さ く
∞
結 合 定 数 αs(μ)の ス ケ ー ル は μ2
よ っ て 自 然 な 切 断 が 導 入 さ れ て,
GeV2で
切 断 さ れ て,1/pT2→
依 存性
大 き い と こ ろ で はMT-4で の 断 面 積 はpT-4の
面 積 に 対 す る 寄 与 はpT2∼M2付
ように減 少
近 が 優 勢 とな る こ と
η と い う 因 子 に よ り,Δ η の 大 き い と こ ろ で 断 面 積
は 強 く減 少 す る こ と が わ か る.つ
ま り断 面 積 は
の と こ ろ が 大 き く,こ
れ はQとQの
ラ ピデ ィ テ ィ が 同 じ と こ ろに 生 成 され る傾 向 が あ る とい うこ と
で あ る.そ
し て,反
ク ォ ー ク ま た は グ ル ー オ ン の 分 布 関 数fa(x)は,xの
い と こ ろ が 大 き い か ら,生
成 はx1,x2が
と も に 小 さ い と こ ろ,す
小 さ
な わ ち90度
方 向 の 中 央 領 域 に 集 中 す る こ とが わ か る.
(a) 図9.22
(b)
香 りの 励 起 過 程(a)と (b)∼(d)の
(d)
(c)
グル ー オ ン励 起 に よ るQQ発
生(b)∼(d).(a)の
効果 は
中 に含 ま れ て い る.
な お 高 次 効 果 に は 香 りの励 起 と呼 ば れ る図9.22(a)の
よ う な過 程 が 存 在 す
る.こ れ は ハ ドロ ンの 中 に は グル ー オ ンか らの 励 起 に よ り重 い クォー ク(仮 想 粒 子)が 最 初 か ら存 在 し,グ ル ー オ ン 交換 に よ って,実 さ れ る とす る過 程 で あ る.グ ル ー オ ン は質 量 が0で Dがt→0で0に
の 重 い ク ォー クに 変 換
あ る の で,伝 播 関 数 の 分 母
な り う る.こ の 結 果 こ の 寄 与 が 優 勢 に な り最 低 次 の 計 算 は
必 ず し も信 頼 で きな い の で は な い か とい う心 配 が あ る.し か し,よ る と,こ れ は 図9.22(b)∼(d)の
く調 べ て み
過 程 の 中 に す で に取 り入 れ られ て お り,t∼0
の特 異性 は 相 殺 効 果 が 働 い て 現 れ な い こ と,し た が っ て,香
りの 励 起 過 程 は 摂
動 計 算 に 入 れ て は な ら な い こ とが い え る28).
9.7.3
デ ー タ との 比 較
理 論 的 不 定 性 は,αsの MeV)の
え ばM/2<μ<Mと
ャ ー ム の 場 合 はmc/2<1GeVと
る と は 限 ら な い で あ ろ う.に DD生
際 に はΛMSの
不 定 性,100<ΛMS<250
範 囲 内 で αsを 変 化 させ て み て 評 価 す る こ と が で き る.そ
積 の μ 依 存 性 は,例 あ る.チ
不 定 性(実
し て,断
面
変 化 さ せ て 評 価 し て み る こ とが 可 能 で な り,必
ず し も摂 動 計 算 が 信 用 で き
も か か わ らずmc∼1.5GeVと
とれ ば,摂
動計算は
成 断 面 積 の 実 験 デ ー タ29)を 比 較 的 よ く再 現 し て い る こ と が わ か る(図
9.23(a)).実
線 がmc=1.5GeVと
し た と き の 理 論 値 で,2本
囲 で μ を 変 化 させ た と き の 断 面 積 の 変 化 を 示 す.mc=1.2GeVと
の線 は上 記 の範 す る とか な
り再 現 性 が 悪 く な る.bク (b)に
ォ ー ク に つ い て の デ ー タ29,30)と の 比 較 を 図9.23
示 す.σ(pp→bX)を,pT>pTminに
と し て プ ロ ッ ト し てO(αs3)計
つ い て 積 分 し た も の をpTminの
算27)と 比 較 し た も の で あ る.理
比 較 的 よ く再 現 し て い る*3).こ
ー タ を
れ ら の デ ー タ に 裏 づ け ら れ た 議 論 か ら,ト
(a) 図9.23
論 は,デ
関数
ッ
(b) チ ャ ー ム(a)お
(a) ● デ ー タ,実線mc=1.5GeV,破
よ び ボ トム 粒 子(b)生
線mc=1.2GeVと
成 断 面 積29,30).
し て,mc/2<μ<mcの
ス ケー ル 変 化 の 幅
を 示 す. (b) pT>pTminを
す べ て加 え た 断 面積 と理 論 の 比 較
図9.24
QCD
実 線 がpp→tt+X,ダ
*3) CDFデ
ー タ31)は 理 論 値 の 約2倍
O(αs3)計
算 に よ るtt生
成 断 面 積271
ッ シ ェ 線 がpp→W+X,W→tbを
く らい あ る
.ま
た,D0の
表 す.
デ ー タ はQCDNLO計
算 と誤
差 の 範 囲 で 一 致 し て い る が,理 論 的 上 限 の と こ ろ に 位 置 す る.し か し, に お け るUA1デ ー タ32)は 理 論 と矛 盾 し な い 値 を だ し て い る の で,以 下 は 理 論 と 実 験 の 一 致 度 に この くら いの 不 定性 が あ る とい うこ とで議 論 を進め る.
プ 生 成 の 断 面 積 を か な り正 確 に 推 定 で き る.図9.24に で のtt生 理 論 的 不 定 性 を示 す.こ
テ バ トロ ン
成 断 面 積 の 計 算27)を 示 す.帯
の幅 が
の 図 は トップ 探 し の と きの 基 本 と な っ た 断 面 積 で あ
る.
9.8
9.8.1
e-e+反
e+e-コ
ラ イ ダ ー で は,
トッ プ ク ォ ー ク
応 に よ る トッ プ ク ォ ー ク 探 し で あ れ ば ト ッ プ が つ く れ る.ト
ク生 成 を 確 認 す る に は,ttが 測 っ て も よ い し,し
生 成 さ れ る と こ ろ で のRの
照).ト
リ ス タ ン やLEPで
が い え る33).こ
れ はmtが
ラ イ ダ ー で あ る.
デ ル に よ ら な い 普 遍 的 な 値 で あ る.し
のSppSで
テ バ トロ ン は,少
探 索 さ れ た が 見 つ か ら な か っ た34).
な く もエ ネ ル ギー 的 に は お よ そ 考 え られ る範 囲 内 に 対 し て 生 成 能 力 を もつ.
々 の 切 断 を入 れ て 偽 信 号 を落 と した後 で も十 分 な 量 の 信 号 を
残 す に 必 要 な 事 象 数,言 に か か る.必
か し,
さ れ た チ ャ ン ス は ハ ドロ ン コ
の す べ て の ト ッ プ ク ォ ー ク質 量 の 値 そ こ で 問 題 は,種
ち にmt>45GeV
標 準 理 論 で 予 想 さ れ る 以 外 の 崩 壊 モ ー ドを も っ て い
ラ イ ダ ー で 発 見 さ れ な か っ た 以 上 は,残
1.8TeVの
ラ ス トT)
ジ ェ ッ ト変 数 の 応 用 」参
は 発 見 さ れ な か っ た こ と か ら,直
て も 成 立 す る と い う 意 味 で,モ e+e-コ
変 化,ΔR=4/3を
き い 値 を 少 し 超 え た あ た り の ジ ェ ッ ト変 数(ス
を 見 る こ と に よ っ て も容 易 に 判 断 で き る(§8.1.3「
ップ クォ ー
葉 を変 え て い え ば加 速 器 が 十 分 な 輝 度 を提 供 で き るか
要 事 象 数 を 評 価 す る に は,tク
ォ ー ク 生 成 断 面 積 と生 成 さ れ るt
の も つ 力 学 的 性 質 を正 確 に 知 る こ と が 肝 要 で あ る.
9.8.2
トップ ク ォ ー ク の 崩壊 モ ー ド
トッ プ の 重 い質 量 を考 慮 す る と,ト ップ の 崩壊 モ ー ドに は,標 準 理 論 以外 の チ ャ ネ ル例 え ば 超 対 称 性 粒 子 や 荷 電 ヒ ッ グ ス粒 子 が 存 在 す る可 能 性 が あ る.す な わ ちtt生
成 は単 に トップ ク ォー クの 存 在 を確 か め る に と ど ま らず,新
しい
物 理 を見 つ け る実 験 工 場 に な る可 能 性 へ の 期 待 が か か る.こ の た め に は,標 準
理 論 で は 崩 壊 モ ー ドが ど う な る か と い う 範 囲 を 確 実 に 抑 え て お か ね ば な ら な い.小
林-益 川 行 列 の 特 性 か ら,tが
き る か ら,mt>mWで 述 さ れ る.t検
直 接sま
あ れ ばtの
た はdに
結 合 す る過 程 は 無 視 で
崩 壊 モ ー ド は,ほ
出 の た め に は,tか
ら 崩 壊 す るWの
ぼt→b+W+の
み で記
性 質 を調 べ て お くこ とが
重 要 で あ る. わ か りや す くす る た め,mbを0と ヘ リ シ テ ィ を もつ .こ z軸
を と れ ば,bは
す る 近 似 を と る と,Wは0ま
れ は 次 の よ う に 理 解 で き る.tの
ヘ リ シ テ ィ 負 を も つ.tの
ば,Wの
ヘ リ シ テ ィ は0で
あ る.ま
ば,Wの
ヘ リ シ テ ィ はbの
方 向 を 向 き,負
は,W→tbと 照 し て,崩
たtの
静 止 系 でb放
ス ピ ン がbの ス ピ ン がWの と な る.次
たは負 の 出方 向 に
方 向を向 いていれ 方 向 を向 いて いれ
に,t→bWの
崩壊 率
交 叉 対 称 の 関 係 に あ る こ と を 考 慮 す る と,第6章(6.6)を
参
壊 振幅 は
(9.40) と 与 え ら れ る.こ
れ か らmb=0と
お く近 似 で,
(9.41a) た だ し,│k│はtの
静 止 系 に お け るWの
運 動 量 の 絶 対 値 で,
(9.41b) で あ る.こ れ か ら,Wの
縦 偏 極,横
偏極成分 につ いて
(9.42a) (9.42b) (9.42c) を入 れ れ ば
(9.43) す な わ ち,mt≫mWの
近 似 で はtか
ら崩 壊 して で き るWは
縦偏極 してい るこ
とが わ か る.
9.8.3
ト ッ プ ク ォ ー ク の 発 見35)
a. 検 出 信 号 の 特 徴 ト ッ プ ク ォ ー ク検 出 に 使 用 で き る 崩 壊 モ ー ドは,W生 t→b+ud,us,cd,cs b+e+ν,μ+ν,τ+ν で あ る.bは
成 を経 由 して
分 岐 比 ∼2/3
(9.44a)
分 岐 比 ∼1/3
(9.44b)
崩 壊 し て 複 数 個 の ジ ェ ッ ト ま た は ジ ェ ッ ト+レ
の お の の チ ャ ネ ル の 分 岐 比 は,ク
プ ト ン に な る.お
ォ ー ク と レ プ ト ン の 数 を数 え て
(9.45a)
(36/81)
と な る.レ
3(12/81)
(9.45b)
3(2/81)
(9.45c)
3(1/81)
(9.45d)
プ ト ン を 含 ま な い チ ャ ネ ル(9.45a)は,QCDか
ウ ン ドが 大 き くて 選 別 が 困 難 で あ る が,レ 比 較 的 容 易 で あ る.レ
らの バ ック グラ
プ トン を放 出す るチ ャ ネ ル の 選 別 は
プ ト ン は そ の 出 所 に よ り特 徴 を も つ の で,tま
た はb,c
か ら の レ プ トン と 区 別 が で き る. tか ら(Wを もmW/2∼mt/2く
通 し て)出
て く る レ プ ト ン は,tの
静 止 系 で 平 均 と して 少 な く
ら い の エ ネ ル ギ ー を も つ か ら,tの
飛 来 方 向(tの
軸)に
ロ ー レ ン ツ ブ ー ス ト し た 後 で も 同 程 度 の 横 運 動 量pTを
て,こ
の レ プ ト ン は,ビ
ン と は,一
も つ.し
ー ム 軸 に 対 し て 大 き い 横 運 動 量 を も ち,か
面 上 で ジ ェ ッ トか ら 遠 く離 れ た"孤
立 し た レ プ トン"と
般 に レ プ ト ン 軸 を 中 心 に
ジェ ッ ト
な る.孤
たが っ
つ η-φ平
立 したレプ ト
の 円 錐 を つ く り,そ
の 中 に 入 る 他 の 粒 子 の エ ネ ル ギ ー が 小 さ い と い う条 件 を 設 定 す る も の で あ る (図9.25(a)). bが 崩 壊 し て 出 す レ プ ト ン は ∼mb/3,チ ∼mc/3の
ャー ム 崩 壊 か ら 出 る レ プ ト ン は
横 運 動 量 を そ れ ぞ れ の ジ ェ ッ ト軸 に 対 し て もつ .bク
ォ ー ク を 同定
す る の に,§4.7で
は ジ ェ ッ ト軸 に 対 す るpTが
t崩 壊 か ら のb,cは く,ジ
大 き い と い う 事 実 を 使 っ た が,
大 き な エ ネ ル ギ ー を も つ か ら ロー レ ン ツ ブ ー ス ト も 大 き
ェ ッ ト と レ プ トン は ほ と ん ど 同 じ方 向 に 出 る と い っ て よ い.こ
レ プ トン は ジ ェ ッ トの 中 に い る か,ほ と は な ら な い(図9.25(b)).ま
と ん ど密 着 し て お り,孤
の 場 合,
立 し た レ プ トン
た ビ ー ム 軸 に 対 す る 横 運 動 量 も,tか
らの レ
プ ト ン に 比 べ は る か に 小 さ い.
(a) 図9.25
(b)
(a) 孤 立 し た レ プ ト ン,(b)
レプ トン を 中 心 に,半
径
孤 立 し て い な い レ プ トン
ま た は 半 項 角 θの 円 錐 をつ く り,こ
の 円錐 の 中 に あ る レプ トン 以外 の粒 子 の エ ネ ル ギー 和ET=ΣETiを
測 定 し,
な らば 孤 立 して い る な らば 孤 立 し て い な い と定 義 す る.CDFで は,ΔR=0.4,Eiso=5GeVと
して い る.
b. 選 別 の た め の 切 断 条 件 以 上 を 総 合 す る と,tt生 (1) 1個 ま た は2個
成 の 際 だ っ た 信 号 は,
の 孤 立 し た レプ トン
(2) ニ ュ ー ト リ ノ の 存 在(大
き な 見 え な い エ ネ ル ギ ー)
(3) 2個 以 上 の ジ ェ ッ トの 存 在 (4) bク
ォー クの 存 在
と い う こ と に な る.bク
ォ ー ク の 存 在 は,bを
含 む ハ ドロ ンが 有 限 の 寿 命 を も
つ こ と か ら一 般 に 衝 突 点 か ら 少 し 離 れ た と こ ろ に ジ ェ ッ ト発 生 点 を も つ と い う 条 件,も
し く は 小 さ な 横 運 動 量 を も つ レ プ トン を 伴 う ジ ェ ッ ト と い う 条 件 に
よ っ て 他 の ジ ェ ッ ト と 区 別 が で き る. 2個 の レ プ ト ン を 要 求 す れ ば 最 も ク リ ー ン なtt信 計 数 率 が 非 常 に 低 い の で,最 ト(少
な く も1個 はbジ
号 は,1個
ェ ッ ト と い う 条 件 つ き)の
た る バ ッ ク グ ラ ウ ン ドは,W+ジ 数nを3以
初 のtt信
号 が 得 ら れ る.し の レ プ ト ン+n個
の ジェ ッ
チ ャ ネ ル で 得 ら れ た35).主
ェ ッ トの 直 接 生 成 か ら く る が,ジ
上 と 要 求 す る と 大 幅 に 減 ら せ る.tt生
か し,
成 反 応 の う ち,レ
ェ ッ トの プ トン
図9.26
pp→tt反
応 に お け る
pp→tt,t1,t2→b+W,W→l+Vま
ジ ェ ッ ト事 象(実
線)の 質 量 分 布35)
た はq1q2
点 線 は 雑 音 信 号(主 と してW+nジ ェ ッ トの 直 接 生 成),ダ ッシ ュ 線 はtt信 号+雑 ル ロ シ ミュ レー シ ョン.挿 入 図 は トップ 質 量 を変 え た と きの 最 尤 関 数 の 変 化
+4ジ
音 信 号 の モ ンテ カ
ェ ッ ト 事 象
に
つ い て は トップ 質 量 を再 現 す る こ とが 可 能 で あ る.図9.26にCDFグ の 得 たtt信 す.こ
号+(W+ジ
ェ ッ トの 背 景 雑 音 信 号)に
ループ
つ い て の 質 量 分 布 を示
の 結 果 トップ ク ォー クの質 量 は
(9.46a) と決 め られ た.CDFとD0を
合 わせ た最 近 の デー タ で は
(9.46b) と な っ て い る36). 上 記 の ト ッ プ ク ォ ー ク 質 量 の 値 が,種
々 の 過 程 の 精 密 デー タ を電 弱 相 互 作 用
反 応 の 放 射 補 正 計 算 と 合 わ せ て 間 接 的 に 算 出 し た トップ ク ォー クの 予 想 値 (PDG1)お
よ び §7.4の
議 論,た
だ しmH=mZと
す る)
(9.47) とよ く合 っ て い る こ とは,標 準 理 論 の信 頼 性 を再 確 認 す る こ と と な っ た. *4) m
H=300GeVと
す る とmtの
値 は5GeV大
き くな り,178GeVと
な る.
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G.Sterman:Nucl.Phys.,B263(1986)37
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al.:Z.Phys.,C48(1990)1
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1998
at
Int.Conf.on
High
Energy
Physics
at
Vancouver,July
23-29,
付
録
A 単 位,記
号,計 量
a. 自 然 単 位 本 書 で は 特 に 断 わ ら な い 限 り 自 然 単 位 を使 用 す る.す て,す
べ て の 物 理 量 を エ ネ ル ギ ー で 表 す.通
は,h,cを
位(m,kg,s)に
し 直す とき
入 れ て 次 元 を合 わ せ た うえ で
を 入 れ る.ま b. 3次
常 のMKS単
な わ ち,h=c=hc=1と
た 電 磁 場 は,μ0=ε0=1の
ヘ ビ サ イ ド-ロ ー レ ン ツ 単 位 を 使 用 す る.
元 ベ ク トル
太 字 も し くは →
を 付 け て 表 す.
V=(Vi=Vi;i=1,2,3) ス カ ラ ー 積:A・B=AiBi=A1B1+A2B2+A3B3 c.
(A.1)
ロ ー レ ン ツ ベ ク トル
反 変 ベ ク トル;
(A.2a)
共 変 ベ ク トル;
(A.2a)
ギ リ シ ャ 文 字 の 指 標 μ な ど は0∼3を
表 し,ラ
テ ン文 字 の 指 標i,jな
どは,1∼3を
す もの とす る. d. ロ ー レ ン ツ ス カ ラ ー
(A.3a) (A.3b) e. マ ン デ ル シ ュ タ ム 変 数(〓
は,E≫mの
近 似)
実 験室 系 重心系
(A.4a)
表
実 験室 系 重 心系 実験 室 系 重心 系
(A.4b) (A.4c)
B デ ィラ ッ ク方 程 式
(B.1) B.1 平 面 波 解(パ
ウ リ-デ ィ ラ ッ ク 表 示)
(B.2)
(B.3) (B.4)
B.2
γ
行
列
(B.5) a. 荷 電 共 役 変 換C
(B.6)
b. パ ウ リ-デ ィ ラ ッ ク 表 示
(B.7) c. ワ イ ル(カ
イ ラ ル)表 示
(B.8) パ ウ リ-デ ィ ラ ッ ク 表 示 で の ψ を ψD,ワ イ ル 表 示 で の ψ を ψWと す る と,ψDと ψWは
(B.9) で 結 ば れ て い る. d.
トレ ー ス 計 算
(B.10)
(B.11) B.3
レ ヴ ィチ ヴ ィ タの 反 対 称 テ ン ソ ル ijk=123の
偶 置換
ijk=123の
奇 置換
その他 μνρσ=0123の 偶 置 換 μνρσ=0123の 奇 置 換
その他
(B.12) B.4 カ イ ラ ル 固 有 状 態 ワ イ ル 表 示 で
(B.13) と書 き,デ
ィ ラ ッ ク 方 程 式(B.1)をχ,φ
の方程 式 として書 き直す と
(B.14a) (B.14b) 平 面波解 に対 しては
(B.15a) (B.15b) m=0で
あ れ ば,χ
と φ は 分 離 す る(ワ イ ル 解).こ
の と き,
χはE>0の
と き は ヘ リ シ テ ィh=-,E<0の
と き はh=+
φ はE>0の
と き は ヘ リシ テ ィh=+,E<0の
と き はh=-
m≠0の
と き,χ
と φ をヘ リシ テ ィ 固 有 状 態
で 展 開 し,(B.15)に
入 れ て 解 け ば,
(B.16a) (B.16b) Nは
規 格 化 因 子 で あ る.上 式 はEが
負 で も成 立 す る.E<0の
と きχ は
(B.16c) と書 き直 せ る の で,ヘ
リ シ テ ィ の 優 勢 な 成 分 が 逆 転 す る こ とが わ か る.
こ れ か ら,ψL∼χ,ψR∼
φ は,ワ
イ ル 解 にO(m/E)だ
け 逆 ヘ リ シ テ ィ成 分 を混 入
し た状 態 で あ る こ とが わ か る. マ ヨ ラ ナ粒 子
(B.17) はNC=Nを
満 た す.こ
れ が デ ィ ラ ッ ク方 程 式 を満 た す とい う条 件 を ワ イ ル 表 示 で 書
く と,ξ と η に 対 す る 方 程 式 が 得 ら れ る.
(B.18a) (B.18b) こ の 式 を 見 れ ば わ か る よ う に,ξ,η は そ れ ぞ れ 独 立 で か つ 異 な る方 程 式 を満 た す. (B.14)式
と比 較 す れ ば,m→0の
る こ とが わ か る.m≠0の か ら,ξ,η は,そ
極 限 で,ξ,η は そ れ ぞ れ ワ イ ル 解 φ,χに 一 致 す
場 合 で も,m≪E,pな
らば ワ イ ル 解 か ら の ズ レ は 小 さ い
れ ぞ れ 右 巻 き,左 巻 き成 分 が 優 勢 で あ る.そ
れ 右 巻 き,左 巻 き の マ ヨ ラ ナ 粒 子 と呼 ぶ.ξ の で,一 般 的 に は,ξ の もつ 質 量mRと
こ で,ξ,η を そ れ ぞ
と ηは それ ぞ れ独 立 な方程 式 を満 たす
ηの もつ 質 量mLは
等 し くな い.
B.5 行 列 要 素 の ス ピ ン 和
(B.19) 反 粒 子 の 場 合 は,m→-mと
す る.
良 く 使 わ れ る例:e(p1)+μ(p2)→e(p3)+μ(p4) (1)
VV散
乱;a=1,b=0,mi=mf
(B.20)
Mの (2) LL,LR,RL,RR散
と き
(B.21)
乱 の と き,
(B.22a) (B.22b) (B.23a)
(B.23b)
B.6
フ ォ トン の 偏 極 和
フ ォ トン の もつ4元
運 動 量 をqμ,偏
極 ベ ク トル を εμ(λ)とす る と,
(B.24) 実 の フ ォ トン は横 偏 極 の み を もつ が,仮
想 フ ォ トン(q2≠0)は
縦 偏 極 も もつ.静
止系
で 偏 極 ベ ク トル は そ れ ぞ れ
(B.25) 共 変 的 場 の理 論 の 扱 い の た め,ス q2=Q2≧
カ ラー 偏 極 ベ ク トル を 定 義 す る.
の とき
(B.26a) qμ=(ω;0,0,│q│)の
系 で は,
(B.26b) これ らの偏極 ベ ク トル は規格 直 交条件 と
(B.27) と完 全 性 の 条 件 を満 たす.
(B.28a) (B.28b) (B.28c) q2=-Q2<0の
と き は,qμ=(ν;q)と
お い て,
(B.29a) (B.29b) 第2式
は ブ ラ イ ト系(q0=ν=0の
系)で 成 立 す る.q2>0の
分 が 入 れ 替 わ っ て い る こ とに 伴 い,規
と きに 比 べ て 時 間 空 間 成
格 化 と完 全 性 は 一 部 次 の よ うに 変 更 され る.
(B.30a) (B.30b) (B.30c) C 断 C.1 S行
列 と状 態 密 度
体 積Vの
中 に 粒 子 が2E個
面
積
あ る よ う に 状 態 密 度 を 規 格 化 す る.こ
の と き,E∼E
+dEの
中 に あ る粒 子 の 状 態 密 度 は,
(C.1) (C.2) S行 列 と不変 散乱 行列T,不
変行 列要 素Mを
次式 で定義 す る.
(C.3) 断 面 積 は,
(C.4)
(C.5) (C.6) で 与 え られ る.Fは
入 射 フ ラ ッ ク ス,υ12は 相 対 速 度,m!は
合 の 補 正 因 子 で あ る.崩
壊 率 は,親
の 粒 子 の 指 標 を2と
同一粒 子が 存在 す る場 す る と き,p1=0,F=2m2
とお い て 得 ら れ る.
(C.7)
C.2 終 状 態 が2体
系 の断 面積
a. 重 心 系 の 断 面 積 重 心 系 で の 全 エ ネ ル ギ ー をWと
書 くと
(C.8) (C.9) た だ し,piは
始 状 態 の 運 動 量 を示 す.
(C.10) に よ っ て,運 変 え る.
動 量 の 積 分 は1を
与 え る が,同
時 に エ ネ ル ギー の 中 の 運 動 量 を も
を 実 行 す る た め に は,δ 関数の 中 のp3を
系 の 終 状 態 運 動 量pfで
含 む 関 数 をGと
して,重
心
表す と
(C.11)
(C.12) b. 実 験 室 系 の 断 面 積 簡 単 の た め,m1=m3=0,m2=m4=Mの
場 合 に 限 る.
(C.13) 位 相 体 積 は,
(C.14)
は1を 与 え るが,同 時 にエ ネ ル ギーE4の 中 の運 動 量 を も変 え る.
行 す る た め に は,δ 関 数 の 中 のp3を
こ こ で,q=p1-p3=p4-p2を
含 む 関 数 をGと
を実
し て,
導 入 す る.
(C.15) こ れ を
の 式 に 入 れ て,
(C.16) (C.17) (C.18) c. 不 変 断 面 積 しば しば 役 に た つ 表 記 法 と し て,立 体 角 の 代 わ りに 不 変 量tを
使 うや り方 が あ る.
重 心 系 で 評 価 す る と,
(C.19a)
(C.19b) (C.20) (C.19),(C.20)の
C.3
最 後 の 式 は,m1〓0,m2=Mの
パ ー ト ン(ス
ケ ー リ ン グ)変
と き 成 立 す る.
数
(実験 室 系)
(C.21a) (重心 系) た だ し,q=p1-p3
(C.21b) 〓 は ス ケ ー リ ン グ極 限
の近 似 式 で あ る.
(C.22) (C.23)
C.4 役 に 立 つ 関 係 式
(C.24) た だ し,
特 に,m3=m4=0の
場 合 は
(C.25)
C.5
コ ン プ トン散 乱
仮 想 フ ォ トン γ*の コ ン プ ト ン散 乱 公 式 を 与 え て お く.フ ォ ト ン は,k2=-Q2の 不 変 質 量 を もつ 仮 想 フ ォ トン とす る.
(C.26) こ こ で ε=γ
νενで あ る.こ
を と っ て,質
量mを
れ か ら│Mfi│2の
ト レ ー ス 計 算 を 行 い,高
エ ネ ル ギー 近 似
無視 す る と
(C.27) 断面積 は
(C.28)
C.6 分 割 関 数 の 計 算 法1) Bを 仮 想 粒 子 と し て,A→Bの ス 流 に,A+D→C+Fと が 粒 子Bと
分 割 関 数PBAを
求 め る.ワ
イ ゼ ッ カ ー −ウ ィ リア ム
い う過 程 をA→B+C,B+D→Fと
分 け て 考 え,粒
子A
い う ビ ー ム フ ラ ッ ク ス を提 供 す る と見 な す(図C.1).
(a) 図C.1
P関
(b) 数 を求 め る ため のA+D→C+Fを
A→B+C,B+D→Fと
分解 するの図
(C.29) とお く と,dP(z,Q2)が A→B+Cの
望 み の フ ラ ッ ク ス を 与 え る の で,PBAが
中 の 仮 想 粒 子 の 不 変 質 量 の2乗
は 運 動 量 無 限 大 の 系 で 考 察 す る.質
で あ る.以
量 を 無 視 す る が,粒
定 義 で き る.Q2は,
下 の 計 算 で は,運
動 学 変数
子 は常 に質 量殻 上 に あ る と
し,仮 想 状 態 へ の 遷 移 で は エ ネ ル ギー が 保 存 し な い と考 え る と,直 観 的 に 対 応 が 付 け や す い 時 間 順 序 を 考 え る摂 動 論 方 式 が 便 利 で あ る.こ
の場合
(C.30) で あ る.こ (n=中
こ に 分 母 の2EBは
状 態 和 の 規 格 化 因 子 と し て,EA-EB-ECはEi-En
間 状 態)か ら で て く る量 で あ る.
(C.31) は粒 子Aと 無 限 大 の 系 で は,各
粒 子Bの
間 の フ ラ ッ ク ス 因 子 で あ る.運 動 量
粒 子 の 質 量 を 無 視 して エ ネ ル ギ ー 運 動 量 を,pμ=(E;pT,p‖)の
よ う に 縦 運 動 量 と横 運 動 量 で 表 し次 の よ うに と る.
(C.32) こ の 変 数 を使 う と
(C.33a) (C.33b) (C.33c) で あ る の で,(C.31)に
入 れ,ス
ピン につ い て終 状 態 の和 と始 状 態 の 平均 を と る と
(Σ と書 く),
(C.34) dln(pT2)〓dln(Q2)で
あ る の で(C.29)と
比 べ て,
(C.35) グ ル ー オ ン に つ い て は,横 QEDの
計 算 例:αs→
偏 極 の 寄 与 の み 足 し上 げ る もの とす る. αと し
(C.36) に,(C.32)を
入 れ て 計 算 し て や る と,
(C.37) と な る.こ
れ は,カ
→ αs2/2)=4/3)を で,Q2の
ラ ー 因 子(始 状 態 平 均(1/3)×
考 慮 す れ ば,本
上 下 限 を 計 算 す る た め,(C.32)で で は
終 状 態 グ ル ー オ ン 和8×(1/2)(α2
文 中 の グ ル ー オ ン の 分 割 関 数 と 同 一 で あ る.こ 質 量 項 を 残 す.pAの
とす る と,
こ
エ ネ ル ギー 項 を,
と な る か ら,
を 使 え ば,
が 得 ら れ る.dpT2/pT2=dQ2/Q2で me以
あ る か ら,(C.34)を
積 分 し てlnの
中 のp(=E),
外 は 無 視 す る と,
(C.38) こ れ は ワ イ ゼ ッ カ ー-ウ
C.7
崩
a. π
壊 崩
ィ リ ア ム ス の 式 と し て 知 ら れ る2).
率 壊
遷移振 幅 は
(C.39a) (C.39b) とな る.た
だ し,u,
dはu,
dク ォ ー クの 場 の 演 算 子 で あ る.ハ
互 作 用 の 補 正 が 入 る の で,第1原 テ ィ を もつ の で,ロ
ドロ ン 部 分 は 強 い 相
理 か らの 計 算 は 簡 単 に は で き な い.π
は負 の パ リ
ー レ ンツ不変 性 よ り
(C.40) fπを π の 崩 壊 定 数 と い う.エ
ネ ル ギ ー 運 動 量 の 保 存 則 とデ ィ ラ ッ ク 方 程 式 か ら
(C.41) し た が っ て遷 移 行 列 は
(C.39c) な の で,崩 壊 率 は 容 易 に 計 算 で き て
(C.42) 崩壊率 の観 測値 よ り崩壊 定数 が
(C.43) と決 め ら れ る. b. μ
崩
壊
遷移 振幅 は
(C.44)
偏 極 して い な い μ の 場 合 は ス ピ ン の 和 と平 均 を と っ て,
(C.45a) (C.45b) た だ し,
で あ る(付
録(B.19),(B.23)参
照).
(C.46a) 付 録(C.24)よ
り,粒 子2と
粒 子3の
質 量 が0で
あ る とき
(C.47) で あ る の で,
(C.46b) 電 子の質 量 を無視 す れば
(C.48) (C.49a) を得 る.ま
た電子 の質 量 を無視 しない場 合 は
(C.49b) (C.49c) と な る. c. Kの3体
崩壊
(C.50) (C.51a) (C.51b) (C.51c) Kと
π は と もに パ リテ ィ が 負 な の で,軸
(p1-p3)2の
関 数 で あ り,T不
性 ベ ク トル 部 分 は 寄 与 し な い .f± はq2=
変 が 成 立 し て い れ ば 実 数 で あ る.
で あ り,レ プ トン カ レ ン トに 掛 け る と レ プ トン 運 動 量 の 部 分 は レ プ トン 質 量 に 比 例 す る.し
た が っ て レ プ トン が 電 子 の 場 合 はf-の
項 は 無 視 して よ い.CVC仮
説によ
り,保 存 す る ア イ ソ ス ピ ン カ レ ン トの 存 在 が 導 か れ た よ う に,こ
こ で もベ ク トル カ
レ ン トは 保 存 す る と考 え る と ア イ ソ ス ピ ン の 拡 張 で あ るSU(3)対
称 が 適 用 で きて,
f+(0)は
に な る.た
1→0.982±0.0083)と
だ し,SU(3)対
な る.実
称 は 厳 密 で な い の で実 際 は わ ず か に ず れ て,
験 デ ー タ の 解 析 は,
(C.52) と パ ラ メ タ ー 化 し て 行 う.Kμ3で ま る.Ke3の
はf±
が 両 方 決 め ら れ る が,Ke3で
電 子 ま た は π の エ ネ ル ギ ー ス ペ ク トル は,ml=0と
は,f+の
み が決
お いて
(C.53a) (C.53b) (C.54) と な る.た
だ し,(C.53a)を
求 め る と きは,f+のq2依
存 性 を 無 視 し て 定 数 と し た.
全 崩壊 率 は
(C.55) f(y)は(C.49c)で
与 え た 関 数 で あ る.
参考 文献
1)
Yu.L.Dokshitzer:Sov.Phys.JETP,46(1977)641 V.N.Gribov G.Altarelli
2)
M.S.Chen
and
L.N.Lipatov:Sov.J.Nucl.Phys.,15(1972)438
and and
H.Leutwyler
675
P.Zerwas:Phys.Rev.,D12(1975)187
S.Brodsky,T.Kinoshita 3)
and
G.Parisi:Nucl.Phys.,B126(1977)298
and
and
H.Terazawa:Phys.Rev.,D4(1971)1532
M.Roos:Z.Phys.,C25(1984)91
D 回転 と角 運 動 量 D.1
角運 動量演 算
単 位 ベ ク トルn(θ,φ)を
中 心 と して 角 度 αだ け 回 転 す る 演 算 子Rは
(D.1) 角 運 動 量 演 算 子Ji(i=1,2,3ま
た はx,y,z)は
(D.2)
は す べ て のJiと で,角
交 換 し 固 有 値
運 動 量 の 固 有 ベ ク トル は,jとJzの
を もっ の
固 有 値mを
指 定 す れ ば 決 ま る.J±=Jx
±iJyと す る と
(D.3) 軌 道 角 運 動 量 の 場 合:Ji=Li
(D.4) L2の
固 有 値 は
で 固 有 関 数 は,
として
(D.5) ス ピ ン角 運 動 量 の 場 合Ji=Siと
書 く.S=1/2の
場 合 は パ ウ リ行 列
(D.6) を 用 い て,Si=σi/2と
表 さ れ る.固
有関 数 は
(D.7) S=1の
場 合 は,固
有値
±1, 0の
固 有 関 数 をe±1, e0と
して
(D.8) と す れ ば,(D.3)を
使 って直 ちに
(D.9a) と求 め ら れ る か ら,
(D.9b)
D.2
角運 動量 の合 成
角 運 動 量J1とJ2を
合 成 して,Jを
つ くる と
で あ るの で,Jの
固 有 値J,
Mは,
(D.10) で 与 え ら れ,固
有 ベ ク トル│J,M>は,ク
レ プ シ ュ-ゴ ル ダ ン係 数 を使 っ て,
(D.11) 表D.1
表D.2
で 与 え ら れ る.ク の 場 合 を 表D.1,
D.3
レ プ シ ュ-ゴ D.2に
ル ダ ン 係 数 は 一 般 形 が 与 え ら れ て い る1).j2が1/2,
1
示 す.
回 転 行 列
a. j=1/2,1の │j,m>をz軸 も の は,mの
とき 周 りに 回転 して も位 相 が か か るだ け で あ るが,y軸
違 う状 態 が 混 じ る.│j,m>は
系 を つ くる の で,そ
の 周 りに 回 転 し た
角 運動 量 の大 き さが 変 わ らな けれ ば 完全
の 線 形 結 合 で 展 開 で き る.
(D.12) こ のdjn,m(θ)を
回 転 行 列 と い う.明
らか に
(D.13) d関 数 の 満 た す 性 質 は,
(D.14)
djn,m(θ)の 規格 条件 は
(D.15) 回 転 行 列 は 一 般 式 がWignerに (D.13)に
よ っ て 与 え ら れ て い る が1),j=1/2,1の
直 接(D.6)や(D.9b)を
場 合 は
代 入 して 求 め る こ と が で き る.
(D.16) 同 様 に して,J=1の
場合 も
(D.17)
も う少 し一 般 的 な例 を い くつ か 次 に あ げ て お く2). b
. j=L=整
数 の とき
例 えば
(D.18) c. j=L+1/2(半 P'L=dPL/dcosθ
整 数)の
と き
と して
(D.19)
参考 文献 1) M.E.Rose:Elementary 2) M.Jacob
Theory
and
G.C.Wick:Anals
of of
Angular
Momentum,New
York:Wiley(1957)
Phys.,7(1959)404
E C,P,T変
換性
場 が 各 種 変 換 で ど の よ うに 変 換 す るか を ま とめ て お く.以 下|q,p,σ 〉は,粒 ま た は 反 粒 子(q)の
空 間 運 動 量p,ス
換 の 位 相 ηPが,C,Tに
ピ ン状 態 σ を 表 す 状 態 量 とす る.Pに
は ηc,ηTが一 般 に は か か る が,簡
子(q) はP変
単 の ため すべ て位相 因子
を 省 略 した.
P:
(E.1)
(E.2) スカ ラー
擬 ス カラー ベ ク トル 軸 性 ベ ク トル
電磁場 デ ィ ラ ッ ク ス ピ ノー ル
デ ィ ラ ッ ク双1次
形 S P V A T
(E.3)
C (E.4)
ス カ ラー 擬 ス カ ラー ベ ク トル 軸 性 ベ ク トル 電磁 場
デ ィ ラ ッ ク ス ピ ノー ル
デ ィ ラ ッ ク双1次
形 S P V A T
(E.5)
(E.6)
T: (c-数)→(c-数)*
(E.7) (E.8) (E.9)
ス カラー
擬 ス カ ラー ベ ク トル 軸 性 ベ ク トル
電磁場 デ ィ ラ ッ ク ス ピ ノー ル
デ ィ ラ ッ ク双1次
形 S P V A
T
CP:
(E.10) (E.11) (E.12)
ス カ ラー
擬 ス カラー
ベ ク トル 軸 性 ベ ク トル
電磁 場 デ ィ ラッ クス ピノー ル
テ ィ ラ ッ ク双1次
形 S P V A T
(E.13)
演 算 を二 つ 以 上 組 み 合 わ せ る と,デ よ り最 終 結 果 の 位 相 が 異 な る.し
ィ ラ ッ ク ス ピ ノー ル の 変 換 式 は 一 般 に 順 序 に
か し,双1次
形 式 に つ い て は η*η=1で あ る の で 順
序 に よ ら な い.
CPT:
C,P,Tの
変 換 をす べ て 組 み 合 わせ る とCPT変
を 反 転 させ る と[(x,t)→(-x,-t)],T変
換 と な る.こ
の場 合 すべ ての座 標
換 を 含 む の で や は り ア ン チ ユ ニ タ リー で
あ り,遷 移 要 素 な ど は 複 素 数 を と る.CPT変
換 演 算 子 をΘ と 書 き演 算 の 要 素 を ま
とめ る と
(E.14) 数
数
(E.15)
(E.16) (E.17) ス カ ラー
擬 ス カラー ベ ク トル 軸 性 ベ ク トル
電磁 場 デ ィ ラ ッ ク ス ピ ノー ル
テ ィ ラ ッ ク 双1次
形 S
P V A T
(E.18)
F SU(N)の
数学 的準備
F.1 群 の 定 義 群G={A,B,C,…}と
は次 の 条 件 を満 た す 元A,B,〓
(1) 群 の 二 つ の 元A,Bに
対 し積ABが
(2) 結 合 則:(AB)C=A(BC)が (3) 単 位 元1が
存 在 し,こ れ も ま た群 に属 す る こ と.
成 立 す る.
存 在 し,す べ て の 元Aに
(4) す べ て の 元Aに 特 に,AB=BAが
対 し,逆 元A-1が
存 在 し,A-1A=AA-1=1.
元 平 面 で の 回 転 が 該 当 す る.AB≠BAの 次 元 の 回 転 やSU(N),N≧2な
る.コ
対 し,1A=A1=A.
成 立 す る もの を可 換 群(ア
き,リー(Lie)群
の 集 合 で あ る.
どが あ る.群
と い う.特
ンパ ク ト(compact)と
ー ベ ル 群)と
と き,非 可 換 群(非
え ば2次
進 演 算 や2次 い う.3
が連 続 パ ラメ ター の解 析 関 数 で あ る と
に わ れ わ れ が 興 味 あ る の は,コ は 簡 単 に い え ば,パ
体 積 内 に 閉 じ る もの を い う.例
呼 ぶ.並
ア ー ベ ル 群)と
ン パ ク ト ・リー 群 で あ
ラ メ ター の 変 数 領 域 が 空 間 の 有 限
元 空 間 の 回転 は,0≦
θ<2π で あ り コ ン パ ク
トで あ る.ロ ー レ ン ツ 群 は 非 コ ン パ ク ト群 の 例 で あ る. 群 の 表 現:群
の 任 意 の 元Aに
対 応 し て行 列U(A)も
し くは 演 算 子 が 存 在 し
単 位行 列 で あ る と き,こ の 行 列 の 集 合 を群Gの 間 を表 現 空 間,次 例1:回
元(n)を
表 現 と呼 ぶ.こ
の行 列 の 演 算 す るベ ク トル 空
表 現 の 次 元 とい う.
転 群 O(N)
実 数xi(i=1∼N)を
座 標 に も つN次
元 空 間 に お い て,
を 不 変 に す るす
べ て の 変 換. 例2:ユ
ニ タ リー 群 SU(N)
複 素 数uiを の 変 換 を,N次
座 標 に もつN次
元 複 素 空 間 に お い て,
元 の ユ ニ タ リー 変 換 群 とい う.そ
に す る も の を特 殊(special)ユ
ニ タ リー 群SU(N)と
を 不 変 に す るす べ て
の 中 で も変 換 の 行 列 式det
Uを1
い う.
(F.1) 条 件(F.1)を
満 た す 独 立 な行 列 は,N2-1個
存 在 す るの で,Uを
の和 の 形 に 書 く と,Fiは
エ ル ミー ト行 列 で あ り,det
U=1の
) (F.2)
条 件 は,
(F.3) こ こ に,θaはN2-1個 算 子(generator)と
の 独 立 な 連 続 実 変 数 で あ る.こ
のFiをSU(N)群
の生 成 演
い う.Fiは
(F.4) と い う関 係 を 満 た す.こ
こ にkに
合 が リー 代 数 を形 成 す る.群
つ い て は 和 を と る もの とす る.こ
の よ う なFの
集
の 性 質 は 生 成 演 算 子 の 交 換 関 係 に よ りほ ぼ 完 全 に 規 定
さ れ る.fijkは 構 造 定 数 と呼 ば れ る.fijkの 決 め 方 は ユ ニ ー ク で は な い.な Fiの 線 形 結 合 で 別 の 独 立 なFi'の
組 をつ くれ る か ら で あ る*1).fijkは,ijk添
ぜ な ら, 字につ
い て 反 対 称 に で き る. SU(N)のn×n次
の 表 現 行 列Uの
演 算 す るn次
元 ベ ク トル を ψ と書 く と,ψ は
(F.5)
(F.6) に よ っ て 変 換 さ れ る.n=Nの
場 合 を 基 本 表 現,n=N2-1の
場 合 を随 伴 表 現 とい
う. 随 伴 表 現(adjoint
representaion):n=N2-1の
表 現 行 列 は,構
造 定 数 を使 っ て 表
す こ と が で き る.
(F.7) 証 明:[A,B]=-[B,A]お
よびヤ コビの恒 等式
(F.8) に,A=Faな
ど を 入 れ て,(F.4)を
使 え ば,
(F.9a) (F.9b) が 示 せ る の で,こ
れ に(F.7)を
入 れれ ば
(F.10) よ っ て,FaはN2-1次
元 の 表 現 行 列 で あ る.(証
*1) 例 え ば 角 運 動 量 演 算 子Jiの
が 成 立 す る.
代 わ り に ,線
明 終)
形 結 合J±=J1±iJ2を
使 え ば,
ラ グ ラ ン ジ ア ン(ま た は 運 動 方 程 式)が,SU(N)変 Fkは
保 存 量 で あ る.同
SU(N)の
時 に 対 角 化 可 能 なFkの
ラ ン ク はN-1で
の 固 有 値(量
子 数)に
あ る.表
現 ベ ク トル(粒
よ り指 定 分 類 で き る.Fkよ
る行 列 を カ シ ミヤ(Casimir)演
の 群 の ラ ン ク と い う.
子)は,同
時 対 角 化 可 能 なFk
りつ く ら れ,す べ て のFkと
交換 す
算 子 と呼 ぶ.
ψの 複 素 共 役 ψ*の 表 現 行 列 はU*で の 交 換 関 係 を 満 た す か ら,ψ*も
換 に よ っ て 変 わ ら な い と き, 数 γ を,こ
あ る.そ
の 生 成 演 算 子(-Fi*)も
ま た(F.4)
ま た 表 現 ベ ク トル で あ り ψ の 共 役 表 現 と い う.ψ に
粒 子 を対 応 さ せ る と き は ψ*は 反粒 子 を表 す か ら,反 粒 子 の もつ 量 子 数 は 粒 子 の 量 子 数 の 符 号 を 変 え た もの と な る.こ
こ で,共
変 ベ ク トル,
(F.11) を定 義 すれ ば
(F.12) 表 現 行 列U(A)が,任
意 の 元Aに
対 し
(F.13)
の よ う に 書 け る と き,こ
の 表 現 は 可 約(reducible)で
あ る とい い
(F.14) の よ うに 書 く.こ の よ う な分 解 が で き な い と き既 約(irreducible)で 直 積 表 現:元A={Aj},B={Bk}を
あ る とい う.
もつ 二 つ の 表 現U(A),U(B)が
れnA,nB次
元 で あ る と す る.各
表 現 の 基 底 ξj,ηkの積 ξjηkはnA×nB次
張 る.こ
の 空 間 で の 表 現 はU(AB)は
あ り,そ れ ぞ 元の 空 間 を
(F.15) で 表 さ れ る.こ れ を直 積 表 現 とい い
(F.16) の よ う に書 く.直 積 表 現 は一 般 に 可 約 で あ る.
F.2 SU(3)群 基 本 表 現:以
下,物
理 的 に理 解 しや す い よ う に,SU(3)の
対 応 さ せ て 考 え る こ とに す る.各
ク ォ ー クqi=(u,d,s)を,基
基本 表 現 に クォー ク を 本 表 現 に 対 応 させ て
(F.17)
と表 す. SU(3)群
の 生 成 演 算 子λiを 決 め る た め に 次 の よ う に 考 え る.
換 は,SU(3)群
の 一 部 に 含 まれ るか ら,λi(i=1,2,3)をu,dの
のSU(2)変
み に演 算す るよ うに
(F.18) に と る と,λiは ア イ ソ ス ピ ン 演 算 子 で あ る.同 で あ るの で,ア
イ ソ ス ピ ン に な ら っ てVス
様 に
の 入 れ 替 え もSU(2)演
算
ピ ン と名 づ け,λ4,λ5,V3を
(F.19) に よ っ て 定 義 す る.同 様 に
をUス
ピ ン演 算 と名 づ け,λ6,λ7,U3を
(F.20) とす る.こ
れ で9個
の 行 列 が 定 義 で き た が,
(F.21) で あ る の で,
(F.22) を 定 義 す れ ば,独 る.こ
立 で 同 時 に 対 角 化 可 能 な 行 列 はI3とYの2個
で あ る こ とが わ か
れ ら の 行 列 は,
(F.23) (F.24) (F.25) を 満 た す.fijk,dijkは,添
字 に つ い て,そ
れ ぞ れ 反 対 称,全
る よ う な値 を もつ. 表F.1
SU(3)の
構造定数
対 称 で,表F.1に
示 され
術 語 の 定 義:Fa(n)をn次
元 の 表 現 行 列 とす れ ば
(F.26a) (F.26b) SU(N)の
場 合,n=NをF(fundamental),n=N2-1をA(adjoint)で
表す と
(F.27a) (F.27b) SU(3)の
場 合,
(F.28) C2(n)の 一 般 的 な 求 め 方 は §F.4で 述 べ る. V,Uス
ピ ン:V,Uス
ピ ン の 演 算 はIス
ピ ン の 昇 降 下 降 演 算 子 を 次 の よ う に 定 義 す れ ば,V,Uス
ピ ン の 演 算 子 と ま っ た く同 じ よ うに 扱 う こ とが で き る.
(F.29a) ク ォ ー ク モ デ ル で は,q=(u,d,s)が,そ
れ ぞれ 量子数
(F.29b) を も つ.I3-Y平 よ う に な る(ウ I3,Yを1/2,1/3だ
面 にu,d,sを
お き,原
エ イ ト図 と い う).積
点 か ら の ベ ク ト ル と し て 表 す と 図F.1aの
表 現 を つ く る と き,uを
掛 け 算 す る と い う こ と は,
け 増 加 す る こ と に 相 当 す る の で,I3-Y平
加 え る こ と に 相 当 す る.同
様 にd,sを
面 で は,uベ
掛 け 算 す る こ と は,d,sベ
ク トル を
ク トル を加 え る こ
と に 相 当 す る. 反 ク ォ ー ク の で,図F.1(b)の
を もつ よ う に な る.ま
た,
(a) 図F.1
u,d,sは(I3,Y)=(1/2,1/3),(-1/2,1/3),(0,-2/3)を の よ う な ベ ク トル と し て 表 せ る.(b)はu,d,sの
(b) も つ の で(a) ベ ク トル 図 で あ る.
(b)
(a) 図F.2 〓u
,U±
I±,V±,U± 演 算 はI3-Y平
はd〓s,-s〓dの
面 で 表 現 ベ ク トル を 図 の よ うに動 か す.
置 き 換 え(図F.2)に
対 応 す る.
F.3 直 積 表 現 の 既 約 化 a. メ ソ ン8重 項(octet) ク ォ ー ク と反 クォ ー クの 合 成 系 でつ くる ス ピ ン0の 表 現 で はqとqの
積 表 現 Φij=qiqjを
メ ソ ン を考 え て み よ う.SU(3)
つ くる こ と に な る.変 換 で,
(F.30) で あ るの で,
は,SU(3)変
換 で 不 変 で あ る.
(F.31) はSU(3)群 9個
の 規 約 表 現 に 属 す る 基 底 ベ ク トル で あ り,1重
の 積 ベ ク ト ルΦij=ξiξjか ら(F.31)を
項(singlet)を
構 成 す る.
引 い た 残 り の8個Pij=ξiξj-(1/
3)Tr(Φij)は 独 立 で あ り,変 換 に よ っ て互 い に 混 じ る の で これ 以 上 分 解 で き な い . 以 上 の 議 論 か ら,3個
のqiと3個
のqjの
積 表 現 は1個
こ とが 導 け た.こ
れ を
の よ う に 表 す.こ
れ を 別 の 見 方 か ら 導 い て み よ う.
と8個
の2組
に分 け られ る
(F.32) は,3に る.い
属 す るu,d,sに,3*に ま,3にuを
トル はuベ
属 す るu,d,sを
掛 け る こ と を考 え て み よ う.例
ク トル にdベ
よ うに,I3=1,Y=0の
の 直 積 表 現 の 基 底 ベ ク トル
掛 け 算 し た 九 つ の ベ ク トル よ り な え ば,I3-Y平
ク トル を 足 し て 得 ら れ,そ 位 置 と な る.3に
面 上 で,udベ
ク
の 位 置 は,図F.3(a)に
示す
属 す る す べ て の ベ ク トル に3*に
属 す るす
べ て の ベ ク トル を加 え た も の の 頂 点 を プ ロ ッ トす る と,図F
.3(b)の
こ の 全 体 で9個
の 点 は3重 点 で あ る.
の 点 は 六 角 形 を形 成 し,外 側 の 点 は 一 重 点,中
よ う に な る.
(a)
(b)
(c)
図F.3
(a) u,dは(I3,Y)と I3-Y平 (b) (a)の
し て(1/2,1/3),(1/2,-1/3)を
演 算 を す べ て の 要素
3重 点 の 一 つ は 既 約 表 現 の1重
項(1)に
も つ.
に つ い て 行 え ば,qiqjの
和 と し て 得 ら れ,(c)
と 中 心 の2重
も つ の で,udは
面 で は ベ ク トル 和 と し て 得 ら れ,(1,0)を
す べ て が,ベ
ク トル
と な る.
属 す るか ら,8重
項 は,六
角 形 の辺 の 各 点
点 か ら構 成 され る こ とに な る.
b. バ リ オ ン バ リオ ン をつ くる た め に,ま
ず ク ォー ク2個
よ りな る9個
の 変 換 性 を み て み よ う.こ れ は 一 般 に 既 約 で は な い.し
の 積 ベ ク トル
か し,
(F.33) の よ う に,対
称 な 部 分 と反 対 称 な部 分 に 分 け る こ とが で き る.対 称 性 は 変 換 に よ り
変 わ ら な いか ら,9個
の 積 ベ ク トルTijが,6個
に 分 解 で き た こ と に な る.す
の 対 称 な 表 現 と3個
の反対 称 な表 現
なわ ち
(F.34)
(a)
(b)
図F.4
パ リ オ ン 多 重 項:(a)
ベ ク トル 表 示 で は,図F す る こ と は,量
.4(a)の
子 数(I3,Y)を
,(b)
よ う に 表 さ れ る.3個
のAijが,3で
み れ ば 一 目 瞭 然 で あ る が,数
な く3*に
属
学 的 に は 次 の よ うに 証 明
す る.
(F.35) と す る と,
(F.36) は,SU(3)変
換 の 不 変 量 で あ る.な ぜ な ら,
(F.37) こ れ か ら ηの 変 換 行 列 は,(U-1)T=U*で Tijに さ ら に3の
あ る こ と が い え る か ら,η は3*に
ξkを 掛 け る と,(F.33)の
第1項
との 掛 け 算(Aijξk)から
属 す る. は,
(F.38) が で て く る こ と は メ ソ ン の 場 合 と 同 様 で あ る.た (F.33)のAijにξkを が1重
項 と な り,残
掛 け て 全 反 対 称 に し た も の(そ りの8個
が8重
項 と な る.Tijの
18個 の ベ ク トル が つ く ら れ る が,こ
の う ち3個
10個 が 一 つ の 既 約 表 現 を つ く り,残
りの8個
だ し,メ
ソ ン の 場 合 と違 い,
れ は(F.36)のBに 第2項
等 し い)
との 積(Sijξk)か
ら は,
の 添 字 す べ て に つ い て全 対 称 の も の
が 別 の 既 約 表 現 を つ く る.す
な わ ち,
(F.39a) とな り,結 局
(F.39b) 対 称 性: A が 導 け た.こ
の う ち1は3個
MA
MS
S
の 添 字 に つ い て 全 反 対 称(A=antisymmetric)で
あ り,
10は 全 対 称(S=symmetric)で る が,上 の2個
あ る.二
つ の8は,I3-Y平
面 で は 同 じ位 置 を 占め
記 の つ く り方 か ら わ か る よ う に 混 合 した 対 称 性 を示 し て お り,一 方 は 最 初
の 添 字 に つ い て 対 称(MS=mixed
(MA=mixed
and
and
antisymmetric)と
symmetric)で
あ り,他 方 は 反 対 称
対 称 性 が 異 な る.
これ ら既 約 表 現 の ル ー ト図 はF.4(a),(b)に
与 え て あ る.
c. 既 約 表 現 ル ー ト図 の 一 般 的 規 則 積 表 現 を既 約 表 現 の 和 に 分 解 す る 一 般 的 な 方 法 は ヤ ン グ 図 を使 っ て得 られ る(後 述 §F.5参 照).既
約 表 現 の ル ー ト図 に つ い て は 次 の よ う な定 理 が あ る.
定 理1:I3-Y平
面 に 既 約 表 現 の 多 角 形 を プ ロ ッ トす る と 以 下 の こ とが 成 立 す る
(証 明 略). (1) 多 角 形 は 必 ず 外 に 向 か っ て 凸 で あ り,一 般 に は 不 等 辺 六 角 形 を な す(図 F.5). (2) 一 番 外 側 の 辺 上 に あ る 点 は1重 点 で あ る. (3) 外 か ら2番
目 の 辺 上 の 点 は2重
点 で あ る.以
下一 つ 内側 に 入 るた び に 多重 度
が 一 つ 増 す. (4) 三 角 形 に な っ た と こ ろ で 多重 度 の 増 加 は 止 ま り,後 は どれ だ け 内 側 に 進 ん で も 多 重 度 は 変 わ ら な い.特
別 な 場 合 と して,三
角 形既 約 表 現 の 多重度 はすべ て
1で あ る.
F.4 テ ン ソ ル 算 一 般 の積 ベ ク トル ま た は テ ン ソ ル(p個 の とす る)T(p)(q)=Tij…mn…
は,
の よ う に変 換 す る.q=0の
と きp階
の 上 つ き添 字,q個
の 下 つ き 添 字 を もつ も
(F.40) ル,p,q≠0の す る.こ
の 反 変 テ ン ソ ル,p=0の
の 共変 テ ン ソ
と き 混 合 テ ン ソ ル とい う.こ の テ ン ソ ル の 全 体 を(p,q)で
の テ ン ソ ル の ウ エ イ ト図 は,上
な る(図F.5参
と きq階
照).pま
δij≡δji≡δijがp=q=1の
た はqの
辺 の 長 さ がp,下
い ず れ か 一 方 が0の
辺 の 長 さ がqの
六角形 と
と き は三 角 形 に な る.
混 合 テ ン ソル,εijk,εijkが そ れ ぞ れ3階 の 共 変,反
ン ソ ル で あ る こ と は 容 易 に証 明 で き るの で,こ ル で あ る.(F.40)で
表 す こ とに
表 さ れ る テ ン ソ ル は,一
変 テ
れ ら を掛 け 算 し た もの は や は りテ ン ソ 般 に は既 約表 現 に属 さず可 約 で あ るの
で,δij,εijk,εijkな ど と の 縮 約 を つ く り,階 数 を 低 くす る こ と が 可 能 で あ る.例 ば,(p,q)に
え
属 す る テ ン ソ ルTijk…abc… か らδaiやεabcを 使 っ て つ く る
(F.41a) (F.41b) は,そ
れ ぞ れ(p-1,q-1),(p-2,q+1)に
あ っ た り,す
属 す る テ ン ソ ル と な る.ト
で に 対 称 化 さ れ て い る も の は,こ
の 演 算 で0に
な り,そ
レー ス レ スで れ以上 階数 を
図F.5 辺 長pとqの
既 約 表 現DN(p,q)=D48(5,1)
不 等 辺 六 角 形 と な る.多
重 度 は 内側 に い くた び に1ず
形 に な っ た 後 は 増 加 し な い.φmaxは,最 る.φ1か
大 のI3を
ら φ2へ 移 る と き,→A(=I+)→B(V-)の
つ 増 す が,三
もつ 要 素(I3=(p+q)/2=3)で ルー トと,→C(U-)の
あ ルー ト
が あ る.多 重 度 が1の と き は,φ2は ル ー トに よ らず 唯 一 に 決 ま る.多 重 度 が2以 の と きは,道 筋 に よ りい きつ く状 態 が 異 な る.
低 く で き な い か ら そ れ は 既 約 表 現 で あ る.し つ き添 字 ま た は 下 つ き添 字 に つ い て は,す
た が っ て,既
角
上
約 表 現 の テ ン ソ ル は,上
べ て 対 称 化 し て あ り,か つ トレ ー ス レ ス
で あ る よ う な テ ン ソ ル で あ る.す な わ ち
(F.42) を満 た す.対
称 化 し て あ る か ら,ト
テ ン ソ ル 空 間 の 表 現 をDN(p,q)と
レー ス レ ス の 条 件 は(F.42)一
表 す.た
だ しNは
つ で よ い.こ
の
独 立 な 元 の 数 で,
(F.43) で 与 え ら れ る. 証 明:上
つ き 添 字ij…
に つ い て,11…222…33・ a個
の よ う に 並 べ る と,お
の お の の
b個 p個
に 対 し て,bは0∼p-aま が っ て,上
で の,(p-a+1)通
りの 選 び 方 が あ る.し
た
つ き添 字 の独 立 な 並 べ 方Nuは,
下 つ き の 添 字 に つ い て も同 じ く,
通 り の 並 べ 方 が あ る.次
通 りあ る の で,全
に ト レ ー ス レ ス の 条 件 は,p→p-1,q→q-1と
体 で,
した分 だ
け あ るの で,差
し引 く と,
(証明終) い くつ か の例:
(F.44) 次 に,ウ
エ イ ト図 で 三 角 形(pま
た はq=0)の
多 重 度 が1で
あ る こ と を示 そ う.
(F.45a) (F.45b)
で あ る か ら,q(ま
た はp)が0の
は 一 義 的 に決 ま る.す
と き は,p(ま
カ シ ミヤ 演 算 子: Fkの
た はq),I3,Yを
な わ ち ウ エ イ ト図 上 で の 多 重 度 は1で
指 定 す れ ば,n(q)
あ る.
の 求め 方
代 わ りに,I,V,Uス
ピ ン の 演 算 子 を 使 っ て 書 き 表 す と,
(F.46) 多 重 項 は,I3-Y平 (図F.5)に
面 で 必 ず 凸 で あ る の で,多
重 項 の 中 で 最 大 のI3を
も つ 要 素 φMAX
対 して,
(F.47) ゆ え に,こ
の φMAXのI3,Yが
わ か れ ば,
(F.48) 最 大 のI3は,p個 あ る.こ
す べ て をu,q個
の と き,Y=(p-q)/3で
す べ て をdと
し て 得 ら れ る か ら,I3=(p+q)/2で
あ る の で,
(F.49) 例:
(F.50) F.5 ヤ ン グ 図2) こ こ で,SU(N)で べ て お く.
の 積 表 現 を既 約 表 現 の 和 に 分 解 す る簡 便 な 方 法 を証 明 な し に 述
(1) ヤ ン グ 図 は,箱 (列)を
一 つ をN次
そ の 共 役 表 現N*に
元 の 基 本 表 現 に,N-1個
対 応 させ る.し
の箱 を縦 に並べ た もの
た が っ て, または
(F.51) (2) 任 意 の 既 約 表 現 を,縦(列)お
よ び 横(行)に
列 べ たn個
個 の 箱 の 配 置 は 左 上 に 向 か っ て 凸 で な け れ ば な ら な い.こ 数 をλ1,第2行
の 箱 の 数 を λ2…,最 後 の 第m行
の 箱 で表 す.こ
の 意 味 は,第1行
のn
の箱 の
の 箱 の 数 をλmと す る と き,
(F.52) を意 味 す る. 許 され る例
(3)
禁止例
行 方 向 の 任 意 の 要 素 の 交 換 に 関 して は 対 称,列
を も た せ る.こ SU(N)の
の 要 請 の た め,列
場 合 交 換 して 反 対 称 に で き る要 素 の 最 大 数 はNで
素 を全 反 対 称 に で き る 組 み 合 わ せ は た だ1通
り しか な い.し
箱 を も つ 列 が な く て も 次 元 数 は 変 わ ら な い の で,こ N=5に
方 向 に 対 して は 反 対 称 の性 質
方 向 の 箱 の 最 大 数 はN-1で
あ る.な ぜ な らば, あ り,し か もN個
の要
た が っ て,m≧N個
の
の 列 は 削 っ て よ い.こ
つ いて 図示 す る と
次 元表現
(4) あ る 表 現 に 対 して,そ う.例
の条 件 を
え ばSU(3)の
れ に つ な げ ばN×Nの
(b)
(c)
ら わ か る よ う に,(a)の
て(d)=(c)で
配 置 に な る表 現 を共 役 表 現 と い
場合
(a)
(c)は(b)か
(F.53)
あ る.よ
っ て,(a)の8は
(d)
共 役 表 現 で あ る.そ
し て(3)の
規 則 に よっ
共役 表 現が 自身 と同 じの 自己 共役 表 現 で あ
る(8*=8). 表 現Aと
表 現Bの
(ⅰ) 表 現Bの
積 を つ く る方 法
第1行
の 箱 す べ て に 数 字1を,第2行
の 箱 す べ て に2を,以
下順
に数 字 を詰 め て い く. (ⅱ) 次 に,表 現Aに
現Bの
第1行
か ら順 に す べ て の 箱 を,あ
つ な げ る.
この と き, (a) 左 上 に 凸 と い う条 件 は守 る.
ら ゆ る 可 能 な や り方 で 表
(b) 一 つ の 行 の 中 で は,左 (c) 同 じ列 の 中 で は,付
か ら右 へ 数 が 小 さ く な っ て は い け な い.
加 した すべ て の 箱 は違 う数 を も ち,か
つ 上 か ら下 へ 数 が
大 き く な ら な け れ ば なら な い. (d) 1行 目 に 右 か ら 入 り左 端 に 出 る.次 に2行
目 に 移 り,以 下 全 部 の 箱 を 右 か ら
左 へ 順 に 横 切 る 線 を 引 く.こ の 線 上 の 任 意 の 点 で そ れ ま で に 通 過 し た 数 字i の 数 をniと
例1
す る と き,ni≧ni-1で
なければ な らない. 禁止例
正 しい処 方
(A)
(A),(B)図
は(a)の
条 件,(C)は
で 止 ま る線 をつ くる とn2≧n1と 例2 SU(3)で
条 件(b)を
な る の で,条
(B)
(C)
(D)
満 た さ な い.(D)は 件(d)を
右 か ら最 初 の 箱
満 た さ な い.
をつ くる.
(F.54) 8に は 同 じ形 の ヤ ン グ図 が 二 つ あ るが,数
字 の 組 み 合 わ せ 方 が 違 う の で,別
の表現 と
な る. 既 約 表 現 の 多 重 度Dの D=F/Hで Fの
算 出 法:ヤ
+1,N+2,…),下 (a)).Fは Hの
数 え方
与 え られ る. ン グ 図 の 左 上 隅 の 箱 にNを に い け ば 順 に1ず
入 れ る.右
つ 減 らす(第2行
に い け ば1ず
第1列
つ 増 や し(N
な ら ばN-1)(図F.6
す べ て の 箱 の 中 の 数 の 積 で あ る.
算 出 法:任
意 の 行 に 右 か ら 入 り,任 意 の 箱 で 下 に 曲 が っ て 下 に 出 る 線 を 引 く.
これ を カ ギ と い う.一
つ の カ ギ の 道 筋 に あ る箱 の 数 をhと
す る と き,Hは
すべ ての
hの 積 で あ る(F.6(b)). 図F.6(c)の
例 で は,SU(3)と
して
(F.55) 例3:
例4:SU(4) 4種 の ク ォ ー クか らつ くれ るハ ドロ ン は,ヤ メ ソ ン:
ン グ図 を使 え ば容 易 に 計 算 で き て (F.56)
(a) F (c)
(b) Hカ
SU(3)の
例
ギの数え方
図F.6
ヤ ン グ図,次
元数D=F/Hの
数 え方
バ リ オ ン:
(F.57)
対 称 性:
A
で あ り,対 称 性 は,SU(3)の と こ ろ が4重
MS
MA
S
場 合 と ま っ た く 同 じ で あ る.SU(3)で
項 に な っ た の は,4個
関 数 を つ く る 組 み 合 わ せ が4通
の ク ォー ク か ら3個
り あ る か ら で あ る.SU(3)で
ク ォ ー ク を 含 む バ リオ ン を12個
を 加 え,10重
項 は10個
は1重
項 だっ た
の クォー クで全 反 対称 の 波動 の8重
項 は チ ャー ム
加 え た こ とに な る.
例5:SU(5)
(F.58) 例6:SU(6) ス ピ ン の 上 下,香 ↑,s↓))と
り のu,d,s状
し たSU(6)を
態 を 基 底 の ベ ク ト ル(ψT=(u↑,u↓,d↑,d↓,s
考 え る と,
メ ソ ン: バ リ オ ン:
対 称 性:
A
MS
MA
S
(
F.59)
(
F.60)
F.6 反 対 称 表 現 の 共 変 微 分 本 文 中 で 使 うの で,SU(5)の
の10,反
対 称 表 現)の
共変微分 を
求 め て お く. 基 本 表 現 ベ ク トル を ψa,10次 成 演 算 子 をLAab,χ ∼5)と
元 ベ ク トル ψ10の テ ン ソ ル 表 現 をχab,ψ 空 間 で の 生
空 間 で の 生 成 演 算 子 をLAabcd(以
書 く.χabは(ψaψb-ψbψa)の
上 す べ て,A=1∼24,a,b=1
よ うに 変 換 す る の で,微
小 変 換 を考 え る と,
(F.61) (F.62) が 成 立 す る.こ
れか ら
(F.63) が 導 け る.ラ
グ ラ ン ジア ン の 中 に は双1次
形 式 で 現 れ るの で
(F.64) で あ る.ゲ ー ジベ ク トル 場 の行 列 表 現
を使 え ば,ラ
グラ ン ジア ンの
中の運 動 量項 は
(F.65) と書 け る. 以 上 の 議 論 は,
とす れ ば,SU(N)で
参
1)
文
例 え ば,P.A.Carruthers:Introduction lishers,
a division
F.E.Close:An 2)
考
例 え ば,ジ
of
Wiley
Introduction
to
ョ ー ジ ア イ 著,九
&
Unitary
Symmetry,Interscience
Pub-
Sons(1966)
Quarks
and
後 汰 一 郎 訳:物
Leptons,Academic
Press(1979)
理 学 に お け る リ ー 代 数,吉
G 質 量 行 列 とT,
こ こ で は,K0とK0の2体
献
to
John
成 立 す る.
CPT変
岡 書 店(1990)
換
系 の 時 間 推 移 を 記 述 す る実 効 ハ ミル トニ ア ン と し て の
質 量 行 列 が ど の よ う に 表 され る か を厳 密 な 証 明 な し に 直 感 的 に 導 く.ど れ だ け の 近 似 が 含 まれ,ど ほ し い.K0と
の よ う な 条 件 で 有 効 か に つ い て は,原 そ の 反 粒 子 で あ るK0は,強
ジ ネ ス に よ っ て 区 別 さ れ る.強
し くは2)を
参 照 して トレ ン
い 相 互 作 用 で は ス トレ ン ジ ネ ス が 保 存 さ れ る の で,
両 者 が 混 合 す る こ と は な い.K0とK0は,CPが 選 ん で,
論 文1)も
い 相 互 作 用 の 固 有 状 態 で あ り,ス
よ い 量 子 数 で あ れ ば 位 相 を適 当 に
(G.1) の よ う に 定 義 で き る.弱
い 相 互 作 用 が 入 る と,ス
トレ ン ジ ネ ス を 保 存 し な い(ΔS=
1)過 程 が 可 能 で あ り,
(G.2) な ど を 通 し て 混 合 が 起 こ る.こ る.ハ
の 過 程 は,弱
ミ ル トニ ア ンHを,Hs(強
摂 動 の2次
い 相 互 作 用 の 少 な く も2次 の 効 果 で あ
い 相 互 作 用)とHW(弱
ま で を考 え る こ と に す れ ば,遷
い 相 互 作 用)に
移 を引 き起 こ すS行
分 け て,
列 は次 式 で与 え られ
る.
(G.3) 主値 積分 の記 号Pを
で あ る.K0,K0の2体
使 えば,
の 運 動 方 程 式 は,Kの
Miδij)を 加 え た 質 量 行 列Mに
静 止 系 で,こ
れ に 質 量 項(=
よ っ て 記 述 で き る.
(G.4) (G.5) (G.6) HWが
エ ル ミー トで あ る か ら,Mijお
ル ミー トで は な い.弱
よ びΓijも ま た エ ル ミー トで あ る が,Mijは
い 相 互 作 用 の 固 有 状 態 は,こ
のMを
対 角 化 し て得 られ,そ
エ の
固 有 値 を λσ,固 有 状 態 を│σ>と す れ ば,
(G.7) とな り,平 均 寿 命τ=(Γσ)-1で 崩 壊 す る状 態 を表 す. 次 に,│α>のCPT変
換 し た状 態 を<〓 α│で表 す こ と に す れ ば,CPT不
変 性 は,
(G.8) と表 さ れ る.│〓 α>は,│α>か (位 相 の 不 定 性 は 残 る.以 様 にT不
ら,粒
子 を反 粒 子 に,ス
ピ ン 成 分 を 反 転 して 得 られ る
下 他 の す べ て の 変 換 も 同 じ).Kの
場 合 は│〓K>=│K>.同
変 性 は,
(G.9) で あ り,│Tα>は,│α>の
運動 量 の符 号 とス ピン成分 を逆 に した もの に適 当な位 相 因
子 を 掛 け た もの で あ る.Kの
静 止 系 で は,│TK>=│K>.CP不
変 の 場 合 は,
(G.10) で,│CPα>は,│α>か
ら,粒 子 を 反 粒 子 に して,運
動 量 の 符 号 を 変 え,適
当 な位 相 因
子 とパ リテ ィ 固 有 値 を掛 け て得 ら れ る. CPT変
換 を質 量 行 列 に 適 用 す る と,質 量 項 お よ び(G.3)の
の ま ま適 用 で き る が,第2項
第1項
は(G.8)を
そ
に つ い て は,
(G.11) CPT変
換 は ス ピ ン の 向 き を変 え るの で,
な る.ま
たEi=Efで
あ るの で,結
で あ る が,和
を とれ ば 差 は な く
局
(G.12) が 言 え た こ と に な る.i=f=K0,〓K0=K0と
す れ ば,
(G.13) こ れ か ら,K0とK0は,同
じ質 量 と 同 じΓ(全
崩 壊 率)を
もつ こ と が わ か る.こ
議 論 は 一 般 化 で き て,す
べ て の 粒 子 と反 粒 子 は 同 じ 質 量,同
M21に 関 して は,CPT保
存 か ら は何 も 言 え な い が,CP保
の
じ寿 命 を も つ.M12と
存 を 適 用 す れ ば,
(G.14) が 結 論 さ れ る. 崩 壊 振 幅3):散 乱 行 列SをS0とSDに と きの 散 乱 行 列 で あ り,│A>を │ A>以
分 け る.S0は
崩 壊 を起 こ す 相 互 作 用 が な い
そ の と き の 固 有 状 態 つ ま り安 定 状 態 とす る.│B>を
外 の 状 態 とす れ ば,=0が
成 立 す る.S0,SDと
もに ユ ニ タ リー で あ る
か ら,
(G.15) こ れ を,AとBの
間 で 挟 め ば,
も し│B>が,S0の
散 乱 固有 状 態 で あ れ ば,
(G.16) (G.17) で あ る の で,SAB=δAB-i2π
δ(EA-EB)TABを
使 っ て,
(G.18) CPTが
保 存 す れ ば,(G.8)を
入 れ て,
(G.19) Tが 保 存 す れ ば,(G.9)を
入 れ て,
(G.20)
(G.20)は,崩
壊 振 幅 が,
(G.21) と書 け る こ と を 示 す.つ す れ ば(CPTが
ま り散 乱 の 位 相 を 取 り 出 し た 残 りの 崩 壊 振 幅 は,Tが
保 存 して い れ ば,CP保
保 存
存 則 で も 同 じ),実 数 で な け れ ば な ら な い.
参考 文献
1) E.P.Wigner
and
V.F.Weisskopf:Z.Phys.,64(1930);65(1930)18
2) O.Nachtman:Elementary
Particle
Physics,Springer-Verlag(1989)Appendix
I,
p.513 3)
P.K.Cabir:The
CP
(1968),Appendix
Puzzle;Strange
Decays
of
the
Neutral
Kaon,
Academic
Press
C
H
フ ィ ー ル ツ(Fierz)変
換
4-フ ェ ル ミ相 互 作 用 で デ ィ ラ ッ ク場 の 順 序 を変 え る際 の 変 換 式 の こ と. い ま ψ1,ψ2,ψ3,ψ4を デ ィ ラ ッ ク場 とす る と,4-フ
ェ ル ミ相 互 作 用 の ラ グ ラ ン ジ ア ン
は一般 に
(H.1) の 形 を して い る.こ
れを
(H.2) の 形 に 展 開 し た と きフ ィー ル ツ 変 換 を した と い う.こ
の よ うに 書 け る こ と を証 明 し,
Cijを 求 め る た め にΓiを 成 分 で 表 す と,
(H.3) (H.4) a, b, c, dは す べ て1∼4ま と見 な す こ とが で き る.し
で の 値 を と るか ら,a, た が っ て,16個
dを 固 定 す る とMac:dbは4×4行
の 独 立 な行 列Oiで
列
展 開 す る こ とが で き
る.
(H.5) Biを
求 め る た め に,両
Oi=1と
辺 に(Oi)bcを
掛 け て ト レ ー ス を と る.Γi=Vと
す ると
右 辺=BSad(1)bc(1)cb=4BSad,他 左 辺=-(γ
の 係 数=0
μ)ab(1)bc(γμ)cd=-(γμγμ)ad=-4δad
し て,ま
ず
表H.1
フ ィー ル ツ変 換 係 数
(H.6) 次 にOi=γν
とす る と
右 辺=BμadV(γν)bc(γμ)cb=4gμνBμadV,他
の 係 数=0
(H.7)
左 辺=-(γμ)ab(γν)bc(γμ)cd=+2(γν)ad→C22=1/2
以 下 同 様 に,す 係 数Cijを
べ て の16個
の 係 数 を 求 め る こ とが で き る.表H.1に
こ う して 求 め た
示 す.
(H.8) の 場 合 は,上
の 変 換 式 で γ5ψ2→ ψ2'と お け ば,
(H.9) と書 け る こ と を使 う と,同
じ よ う に 計 算 で き てC'ij=Cijを
与 え る.表
から
(H.10) が 証 明 で き る が,こ
れ は2回
変 換 す れ ば 元 に も ど る こ と を考 え る と 当 然 で あ る.特
別 な 場 合 と して
(H.11) I フ ァ イ ンマ ン規 則
フ ァ イ ン マ ン 図 とそ の 取 扱 い に つ い て の 詳 細 は,GWS理 に 関 し て は 第6章,第7章 GWS理
を,QCDに
関 し て は 第5章
論 のW,Zに
関 す る過 程
を 参 照 され た い.こ
こ で は,
論 の フ ァ イ ン マ ン規 則 を ま とめ る.
一 つ の 例 と して,ee→ よ う に 表 さ れ,散
μμの 散 乱 振 幅 を計 算 す る.フ
ァ イ ン マ ン 図 は,図I.1の
乱行 列 か ら
(I.1) で 定 義 さ れ る振 幅Mは,フ
ァ インマ ン規 則 を使 って
(I.2)
図I.1
と表 さ れ る.い
ee→
μμ対 生 成 過 程 振 幅 をつ くる た め の フ ァ イ ンマ ン規 則
っ た ん 散 乱 振 幅 が得 ら れ れ ば,微
分 断面積 は
(I.3) (I.4) に よ っ て 計 算 で き る.た が1,質
量 が0の
で あ るが,通 にRゲ
だ し,ス
ピ ン偏 極 を見 な い 場 合 は 始 状 態 に つ い て は ス ピ ン
ゲ ー ジ ボ ソ ン の 伝 播 関数 は,一
常 は ξ=1と
般 的 には
お くフ ァ イ ンマ ン ゲ ー ジ を使 う.GWS理
ー ジ が 使 わ れ るが,本
書 で は 物 理 的 なU(ユ
論 で は 多 くの 計 算
ニ タ リー)ゲ ー ジに 限 定 し て い
る. 外 線,内
線 に は エ ネ ル ギ ー 運 動 量 を 特 定 す る 必 要 が あ る.線
外 線:
(I.2a)
(I.2b)
(I.2c)
図I.2外
線(波 動 関 数)に 対 す る フ ァ イ ン マ ン 規 則
が 交 わ る とこ ろ
内線: (I.3a)
(I.3b)
(I.3c)
(I.3d) 図I.3
内 線(伝 播 関 数)に 対 す る フ ァ イ ン マ ン規 則
(I.4a)
(I.4b)
(I.4c)
図I.4
ゲ ー ジボ ソ ン と フ ェ ル ミオ ン の結 合 に対 す る フ ァ イ ンマ ン規 則 Vjiは 小 林-益 川行 列 要 素 を表 す.
(ヴ ァ ー テ ッ ク ス)で は,エ
ネ ル ギ ー 運 動 量 が 保 存 す る よ うに 設 定 し な け れ ば な ら な
い.こ
の た め,外
線 の4元
運 動 量 を設 定 す れ ば,そ
動 的 に 決 ま る.し
か し,内
線 が 閉 じ る ル ー プ の と こ ろ で は,内
由 に とれ る の で 積 分 を す る必 要 が あ る.フ た め ル ー プ の 数 だ け-1を
れ につ なが る内 線 の運 動 量 は 自 線 の4元
乗 じ な け れ ば な ら な い.以
交 換 性の
下 に各種 の フ ァイ ンマ ン規則
を図 示 す る.
(I.5a)
(I.5b)
(I.5c)
図I.5
運動量は 自
ェ ル ミオ ン ル ー プ の 場 合 は,反
ゲ ー ジ ボ ソ ン同 上 の 結 合 に 対 す る フ ァ イ ンマ ン規 則
(a)
図I.6
(b)
(c)
(d)
(e)
(f)
(g)
ヒ ッ グ ス との 結合 に 対 す る フ ァ イ ンマ ン規 則
J フ ェル ミオ ンル ー プ に よ る放 射 補 正 の 計 算
こ こ で は,ゲ
ー ジ ボ ソ ン の フ ェ ル ミオ ン ルー プ 補 正 を 評 価 し,本 文 中 に 現 れ たΔ γ
と〓 γZ(S)を 計 算 す る.
J.1 ゲ ー ジ ボ ソ ン の 伝 播 関 数補 正 ベ ク トル ボ ソ ンVの
伝 播 関 数 の ル ー プ 補 正 は,ユ
ニ タ リー ゲー ジ で
(J.1)
(J.2) で 与 えら
れ
る.g,
(1) υ1=υ2=W±
g',υ,υ',
a, a'は
の と き
(J.3a) (2) υ1=υ2=Z
(J.3b) (3) υ1=γ,υ2=Z
(J.3c) (4) υ1=υ2=γ
(J.3d) トレ ー ス を計 算 す る と
(J.4) で あ るの で,Σμν は 次 の 形 に 書 け る.
(J.5) 散 乱 行 列 の 中 で は,偏
極 ベ ク トル と縮 約 を と る の で,第2項
は 寄 与 し な い.ΣLは,
ゲー ジ の と り方 に よ り変 わ る 項 で あ る.物 理 的 に 意 味 が あ る の は 第1項 幅 ΣTの み で あ り,こ れ は ゲ ー ジ に よ ら な い の で,以
の横 方 向 振
下 は ΣTの み を考 慮 す る こ と に
す る.
(J.6) を考 慮 す る と,ΣTを
求 め る に は,次
の 形 の 積 分 を計 算 す る 必 要 が あ る.
(J.7a) (J.7b) (J.7c) (J.7d) た だ し,
とい う省 略 型 を 使 い
(J.8) は,こ
れ か ら示 す 次 元 正 規 化 法 に よ る積 分 を 表 す.こ
れ ら の 式 を 使 う と,ΣTは,
(J.9) と表 さ れ る.
J.2 次 元 正 則 化 法 に よ る積 分 計 算 代 表 例 と し てB0を あ る.そ
こ で,積
計 算 す る.こ
れ は,kの
分 を集 束 さ せ るた め,4次
べ き を 数 え れ ば 対 数 発 散 をす る積 分 で 元 か らD次
元 へ 移 る こ とに す る.
(J.10a) (J.10b) (J.10c) (J.10d) こ こ で,μ
は 積 分 の 次 元 を正 し く保 つ た め に 導 入 し た エ ネ ル ギ ー ス ケ ー ル パ ラ メ ター
で あ る.D-4<0で
あ れ ば 積 分 は 集 束 す る.後
析 関 数 で あ る の で,Dを4よ →4の
解
り大 き い整 数 と して 形 式 的 に 計 算 を 実 行 し,最 後 にD
極 限 を と る こ とが 許 さ れ る.ま
入 し て 書 き 直 す.
に 明 ら か に な る よ う にB0はDの
ず,次
の フ ァ イ ン マ ン の パ ラ メ ター 変 数 を導
(J.11) 積 分 が 収 束 す る こ とが 保 証 さ れ る の で,積
分 の 順 序 を変 えて も よ い.
(J.12a) (J.12b) k+zpを
改 め てkと
変 数 変 換 した う え で,
を導 入 す る と,分 母 は
(J.13) で あ る か ら,ω-iε
と-ω+iε
に 極 を もつ.そ
こ で,k0→ik0と
し て,積
分 路 を90
度 回転 す れ ば,
(J.14) と な る.γ はD次
はD-1個
元 ユ ー ク リ ッ ド空 間 で の 長 さ で あ る か ら,極 座 標 を 採 用 す れ ば
の角変 数 につ いては 積 分 が行 えて,D次
元空 間の 全 立体 角ΩDを 与
え る. D次
元 の 全 立 体 角ΩDは
次 の よ うに して 求 め られ る. を 使 っ て,
(J.15a) を極 座 標 で 計 算 す る と,
(J.15b) で あ る の で,Γ
関数 の定 義
(J.16) を 使 え ば,
(J.17) を得 る.(J.17)を
使 っ て,(J.12)の
積 分 を実行 すれ ば
(J.18) (J.19) を得 る の で,整
理すると
(J.20)
こ こ で,ε
を 微 小 量 と し,4-D=ε
とお い て
(J.21a) (J.21b) を使 え ば(た
だ し,γEは
オ イ ラー の 定 数 で あ る),
(J.22) (J.23) を得 る.第2項 数Dの
は 有 限 な 解 析 関 数 で あ り,無 限 大 に 発 散 す る 部 分 は 第1項
極 と し て 現 れ る こ とが わ か る.無
し 引 くの が 最 小 限 引 き算 法(minimal 第3項
限 大 を 処 理 す る 方 法 と し て,2/ε
subtraction)で
ま で は 常 に一 体 と し て 現 れ る の で,ま
算 法(modified
minimal
subtraction;通
す な わ ちMS引
き算 法 とは
あ る が,(J.23)の
の次元変 の み を差 第1項
か ら
とめ て 引 き 算 す る の が 修 正 最 小 限 引 き
常MSと
い う記 号 を つ け て 示 す)で あ る.
(J.24) と置 き換 え る こ とに 等 しい.QCDで ケ ー ル が 不 定 で あ るの で,MS引 α,GFが,p2の
特 定 の 値(例
は,結
合 定 数 αs(μ)の参 照 す べ きエ ネ ル ギー ス
き 算 法 が 通 常 使 わ れ る が,電
え ばp2=0)に
弱 相 互 作 用 の よ う に,
対 して 与 え ら れ る と き,そ
準 に と る こ と が で き る(質 量 殻 引 き算 法:on-shell
scheme).こ
こ での 値 を基
の と き,Δ は 保 持 し
て お い て も物 理 量 の 中 に は 相 殺 して 現 れ な い よ うに な っ て い る.以 下 はlnμ2を
状況
に 応 じて Δ の 意 味 に も使 うこ と に す る. B0以 外 の 他 の 積 分 も同 様 に し て 計 算 で き る.以
下,p2=sと
書 く こ と に して ま と
め る と1)
(J.25a) (J.25b) (J.25c) (J.25d) B1やB22な
ど は,(J.7c)や(J.7d)をpμ,gμν
な ど と縮 約 し て 得 ら れ る が,そ
の際
(J.26a) で あ り,
(J.26b) な どは,有
限 な 量 で あ る こ と に 注 意 す る 必 要 が あ る.
J.3
自 己 エ ネ ル ギ ーΣT(s)
(J.22),(J.25)を
使 っ て 整 理 す れ ば,
(J.27) WやZの
自 己 エ ネ ル ギー 関 数 を求 め る に は,g,g',υ
… に具 体 的 な値 を入れ れ ば よ
い .
m1,m2を
そ れ ぞ れ ア イ ソ ス ピ ン ±1/2の フ ェ ル ミオ ン の 質 量 と し,
(J.28) を 定 義 し て 整 理 す れ ば 次 式 が 得 られ る2).ク ォ ー ク の 場 合 は カ ラ ー 因 子Nc=3を じ,レ プ トン の 場 合m1→0に
乗
も って い く.
(J.29)
(J.30) (J.31) (J.32) こ こ に,F関
数 はB0か
ら得 られ,次
式 で 定 義 さ れ る 量 で あ る.
(J.33a) (J.33b)
(J.33c) F関
数 は 次 の よ う な 性 質 を もつ.
(J.34a) (J.34b) S≪m12,m22の
と き は
(J.34c) S≫m12,m22の
と き は
(J.34d) m1=m2の
と き は 特 に 簡 単 と な り,
(J.34e) J.4
Δγ,ΠγZ(S)の
ま ず,次
計 算
式 に よ っ て Σ11,Σ33,Σ3Q,ΣQQ,ΣVV'(s)を
定 義 し て お く.
(J.35a) (J.35b) (J.35c) (J.35d) (J.36) Δρ,Δγ,ΠγZ(S)は,
(J.37)
以 下,Σ
はReΣ
を 意 味 す る もの とす れ ば,
(J.38a) (J.38b) こ こ で,Δ
α,ε2,ε3は 次 式 で 定 義 さ れ る 量 で あ り,
(J.39a) (J.39b) (J.39c) 計算 過程 で
(J.40a) (J.40b) な ど を使 っ た,同 様 に
(J.41a) (J.41b) も 導 け る. 以 下,Δ
α,Δρ,ε2,ε3は(し
た が っ てΔγ,ΠγZ(mZ2)も)発
な 寄 与 は Δα と Δ ρ の 中 に あ り,ε2,ε3は
散 を 含 ま な い こ と,大
き
小 さ い こ と を 示 そ う.
a. フ ォ トン を含 む 項 ま ず,Σγγ(0)=0は
ゲ ー ジ不 変 性 よ り保 証 さ れ て い る が,フ
い て は ΣγZ(0)=0も 成 立 す る こ と は,式(J.31),(J.32)を
ェル ミオ ン ループ に つ
見 れ ば わ か る.具
体的に
書 き下 ろ す と
(J.42a) (J.42b)
(J.42c)
(J.43) Πγ(s)は発 散 項 を 含 ま な い.な
おΣ の 和 は ク ォ ー クに 対 し て は カ ラー の 和 を 含 む も
の とす る.上 式 か ら,Πγ(s)は 軽 い フ ェ ル ミ オ ン(s≫mf2)か 重 い フ ェ ル ミオ ン(s≪mf2)の
寄 与 は 無 視 で き る(decoupleす
ら の 寄 与 を 受 け る こ と, る とい う)こ
とが わ か
る.
(J.44)
b. Δ ρ 次 に,各
世代 につ いて
(J.45a) (J.45b) が 成 立 す る の で,世 代 ご とのΔ ρ=Δ ρg
(J.46a) は 発 散 項Δ を 含 ま な い.因 子3は きい の で,近
カ ラー の 和 か ら く る.ト
ップの 質 量 が圧 倒 的 に大
似 的 に,
(J.46b) と表 され る. c. ε2と ε3 次 に,ε2と
ε3が 有 限 で あ る こ と を 示 す.Πγ(0)のΔ
を 含 む 部 分 をSing{Π
γ(0)}の
ように書 くと
(J.47a) (J.47b) (J.47c) (J.47d) こ こ で,υi=I3i-2QiSW2,ai=I3iを
を 考 慮 す る と,式(J.35)か
入 れ,
ら
(J.48a) (J.48b) (J.48c) が 導 け る.(J.48)を が っ て,r1,r2も 次 に,Π 示 す.r1,r2の
使 う と ε2と ε3は お の お の が 有 限 で あ る こ と が わ か る.し
た
ま た 有 限 で あ る.
γ(mZ2)に
は あ っ たln(mZ2/mf2)の
中 の 軽 い フ ェ ル ミ オ ン(mZ≫mf)の
項 が,ε2,ε3の 寄 与 は
中 に は存 在 しな い こ とを
(J.49a) (J.49b) (J.49c) (J.49d) と な る の で,lnmZ2を な っ て 現 れ る.し
含 む 項 は,常
にlnμ2(こ
こ で は Δ=lnμ2と
た が っ て ε2,ε3に 対 す るlnmZ2の
と 同 じ 理 由 に よ っ て0と
な る.よ
っ て,ε2,ε3に
寄 与 は,Δ
お い た)と
の 係 数 が0に
組 に な るの
は 軽 い フ ェ ル ミ オ ン から の 大 き な 寄
与 は な い. ε2,ε3へ の 優 勢 な 寄 与 は ト ッ プ ク ォ ー ク か ら く る.比
較 の た めΔρ,ε2,ε3へ
の トッ
プ お よ び ヒ ッ グ ス ル ー プ の 寄 与 を 書 き 下 ろ す と4),
(J.50a) (J.50b) (J.50c) で あ り,ε2,ε2の 寄 与 はΔρ に 比 べ 相 対 的 に ∼O(mW2/mt2)だ ル ー プ の 寄 与 を(計 算 な しに)含 め た の は,こ
け 小 さ い .ヒ
ッグ ス
の近似 では もはや 無視 しえ ない項 だか
らで あ る. 以 上 を 総 合 す れ ば ゲ ー ジ ボ ソ ン の 真 空 偏 極 に よ る補 正 は,Δα,Δρ,ε2,ε3に集 約 さ れ る と結 論 で き る.こ
の う ち 大 き な項 は Δα とΔρ で あ り,標 準 理 論 に お い て は この
二 つ を考 慮 す れ ば 大 抵 の 場 合 十 分 で あ る .Δ α に は 軽 い フ ェ ル ミ オ ンが 寄 与 し,Δ ρ に は 重 い フ ェ ル ミオ ンの 寄 与 が 効 く.
(J.51a) (J.51b) ε2,ε3は標 準 理 論 で は 小 さ い が,新
理 論 の 構 成 い か ん で は 優勢 に な る 場 合 が あ る.
例 え ば,Δ ρは ア イ ソ ス ピ ン の破 れ の 効 果 で あ り,質 量 が 大 き く と も 多重 項 の 中 で 縮 退 し て い る と き は 効 果 は 小 さ い.こ
の と き は ε3にそ の 効 果 が 現 れ るの で,例
ク ニ カ ラー 理 論 な どの 標 準 理 論 を 越 え る新 理 論 の 検 証 に 有 効 で あ る.
えば テ
参考 文献
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A,Ruiz,
索
ア acoplanarity→ AMY
ふ く らみ 指 数
288
38, 365
SU(2)
37, 43, 50
SU(3)
7, 42, 304, 367 55, 59
エ ネ ル ギ ー 運 動 量 テ ン ソ ル 29
面指 数
ー ジ 55
R値
SU(n)
SU(2)×U(1)
aplanarity→非平 Rゲ
行
引
エ ネ ル ギ ー 相 関 291, 292
69, 70, 111, 135
エ ミ ッ タ ン ス 181
ア イ ソ ス ピ ン 37, 38, 51, 56, 368 oblateness→偏平
― の 破 れ 238 ア イ ソ ス ピ ン0標
的 81, 82, 107
ア イ ン シ ュ タ イ ン の 方 程 式 29
OPAL
283, 293,
度 301, 304,
307
重 い ク ォ ー ク 333
ア ド ラー の 加 算 則 83
カ
ア ハ ロ ノ フ-ボ ー ム 効 果 24, 34, 35, 37
行
γ行列 346 eD)散
乱 99
e-e+→ff反 e-e+→
μ+μ-反 応 68
ep深非弾性散乱 ε,δの 方法 eμ散乱
γ-Z混合 232 回転行列 360
応 110
回転 群 365 同 転 と角 運 動量 358 カ イ ラ リテ ィ 70
74 285
カ イ ラ ル固 有 状 態 348
67
異 常 次 元 163
カ イ ラ ル表 示 347
位 相 変 換 22
改 良 ボル ン近似 215, 242, 244
1重 項 分 布 関 数 158, 一般相対論 23
167
ヴ ァ ー テ ッ ク ス 補 正 213, 237,
香 りの 保 存 4 香 りの 励 起 336 247
角 運 動 量 の 合 成 359 隠 され た 対 称性 44
ヴ ィ ー ナ ス 測 定 器 259, 260
角 整 列 274 加 算則 82
LPHD近
カ シ ミヤ 演算子 124, 367, 375
MS引 MS処 MLLA
似 298, 302 き算 法 → 修 正 最 小 限 引 き算 法 方 の ワ イ ンバ ー グ角 225, 250 298, 301
仮 想 度 270, 273 仮 想 フ ォ トン 77, 79, 130, 151, 152 荷 電 カ レ ン ト 60, 88
nジ ェ ッ ト 288, 289, 291
荷 電 カ レ ン ト反 応 107
S行 列 と状 態 密 度 350
荷電 共 役 変換 346, 362
Sパ ラ メ ター 254
荷 電 対称 演 算 81
― の干 渉効 果 274, 298
可 約 367 カ ラ ー1重
― の 自 己結 合 302, 303, 304, 305
項 10
カ ラ ー 因 子 126, 187, 299, 305 カ ラ ー 交 換 力 121 カ ラ ー 自 由 度 9, 10, 122
―
― の ス ピン 296, 297, 298 の性 質 296
カ ラ ン-グ ロ ス の 式 77, 79, 80
― の偏 極 159 グ ル ー オ ン ジェ ッ ト 306, 321
慣 性 系 31
グ ル ー オ ン多重 発 生 200 グ ル ー オ ン伝 播 関 数 127
Q-プ
ロ ッ ト 264, 265, 268
QCD
17, 42, 120
QCD干
渉効 果 301
QCD結
合定 数 294, 295
QCDコ QCD補
ンプ トン 141, 143, 154 正 111, 135, 137, 187, 208
QED
15
QEDコ
ンプ トン 142
基 本表 現 38
グ ル ー オ ン場 122 グ ル ー オ ン分 布 関 数 157, 167, 169, 171 グ ルー オ ン放 出 141, 144, 197 グ ル ー オ ン放 出 断 面 積 297 ク レ プ シ ュ-ゴ ル ダ ン係 数 360 グ ロ ス-レ ウ ェ リ ン-ス ミス の 加 算 則 83 ク ー ロ ン グ ルー オ ン 131 群 の テ ン ソ ル算 373 群 の 表現 365
既 約 367 既 約 化 370 既 約 表 現 374
K因
Kの3体
子 86, 174, 178 崩 壊 357
球 形 指 数 265, 313 共 変 ゲ ー ジ 159
形状因子
5, 73, 327
共 変 微 分 20, 30, 32, 39, 41, 379
ゲ ー ジ 原 理 15, 18, 20
行 列 要 素 の ス ピ ン和 349
ゲ ー ジ セ ク タ ー 59
行 列 要 素 の 方 法 270, 293
ゲ ー ジ 場 の 幾 何 学 的 解 釈 18, 26
局 所 ゲ ー ジ変 換 19
ゲ ー ジ 理 論 15
形 態 変 数 263
局 所 対 称 性 33 局 所 ロ ー レ ン ツ不 変性 31, 34
構造関数
曲線 座 標 27, 33
構 造 定 数 38, 121, 366, 368
曲率 24, 28, 33
ゴ ー ス ト 55
曲率 テ ン ソ ル 29
75, 82, 152, 163, 168, 171
ゴ ッ ト フ リ ー トの 加 算 則 83 孤 立 し た レ プ ト ン 340
ク ォー ク 2, 16, 65 ― の 結 合 定 数 92 ― の サ イズ 5 ― の ス ピ ン 266
ゴ ー ル ド ス トー ン 定 理 46 コ ンパ ク ト ・ リ ー 群 365 コ ン プ ト ン 散 乱 141, 353
サ
― の 分 布 関 数 85, 169, 170 ク ォー ク ジェッ ト 306, 321
最 小(限)引
ク ォー クモ デ ル 7
坂 田 モ デ ル 7
靴 紐 の 理 論 16 クー パ ー 対 12, 48
行
き算 法 134, 391
左 右 非 対 称 222
ク ラ ス ター モ デ ル 275
C(変
繰 り込 み 15, 52, 54, 228 ― の 引 き算 項 233
CDF CP(変
換)
繰 り込 み可 能 17, 62
CPT
364, 379, 382
繰 り込 み 群 方 程 式 134, 138 繰 り込 み 処 方 227 ク リス トッ フ ェ ル の接 続 記号 26, 29
C, P, T変
換 性 362
CVC仮説
17
GIM機
構 104
グ ル ー オ ン 65
GWS理
論 17, 55, 62, 88, 90
換)→
荷 電 共 役 変 換
307, 315, 319,
325
363
JADE 287 shape variable→
Zの 質 量 60, 217, 218 形態 変数
ジ ェ ッ ト 14, 181, 258
Zの 生 成 断面 積 208 Zの 崩 壊 幅 208, 217, 218
―
の 再 構 築 287
Zボ ソ ン 207
―
の 多 重 生 成 329
生 成 子 38, 39, 121, 366
― の 分離 266, 285 ジ ェ ッ トサ イズ 324, 326
正 則 化 し た ル ー プ 関数 234
ジ ェ ッ ト識 別 変 数 286 ジ ェ ッ ト軸 114, 263
接 続 係 数 26, 27, 28, 33, 39
ジ ェ ッ ト質量 319, 320
全 曲 率 25
ジ ェ ッ ト多 重 発 生 331 ジ ェ ッ ト変 数 263, 268, 282
漸 近 自由 17, 129, 133, 283 ― の テ ス ト 295
軸 性 ゲ ー ジ 160
前 後 非 対 称 112, 216, 217
赤 外 発 散 145 遷移行列 要 素 67
軸 性 ベ ク トル カ レ ン ト 80
チ ャー ムの―
軸 性 ベ ク トル 結 合定 数 93 次 元 正則 化 の 方 法 134, 145, 389
bの―
114
116
自 己エ ネ ル ギ ー 392
相 対 運 動 量 155
自 己 エ ネ ル ギ ー 補 正 236
相転移
自己 相 互 作 用 53, 54, 127
測 地 線 23, 26, 28, 32 ソ フ トグ ル ー オ ン 298
自然 単 位 345
45
磁 束 の量 子 化 35, 36
タ
実 験 室 系 の 断 面 積 352
行
実 効 結 合定 数 232, 244
TASSO
実 効 ワ イ ンバ ー グ角 213, 243
Wの
質量 60, 193
質量 殻 94 ― に お け る ワ イ ンバ ー グ角 224
Wの
ス ピ ン 191
Wの
崩壊 幅 185, 188, 193
質量殻 処 理 法 228
Wの 横 運 動 量 分 布 197, 202
質量 行 列 379
Wボ ソ ン 180 W,Zの ハ ドロ ン生 成 188
質量特 異性
145
自発的 対称 性 の 破 れ 17, 44, 54
268, 298
重 心 系 の 断 面 積 351
大 域 ゲ ー ジ 変換 19 大 域 対 称 性 33
修 正 最小(限)引
対 称 性 の 自発 的破 れ 18, 47
き算 法 134, 391
重 力 の幾 何 学 的 解 釈 23
対 数 第1近 似 133, 137, 147, 319
真 空 偏 極 132
対 数 第2近 似 136, 319 第2近 似 319
深 非 弾 性 散 乱 152, 167, 290
縦 波 偏 極 ベ ク トル 77, 78 sphericity→球形指
数
随 伴 表 現 38, 366 数 値 解 法 166, 169 ス カ ラ ー偏 極 ベ ク トル 78, 350
ダ リツ プ ロ ッ ト 329 断 面 積 350
ス ケ ー リ ン グ 17, 79, 259, 261, 262
秩 序 パ ラ メ ター 45 チ ャー ム生 成 断面 積 337
ス ケ ー リ ン グ極 限 153
中 性 カ レ ン ト 60, 88, 92, 99
ス ケ ー リ ン グ変 数 76, 353
中 性 カ レン ト結 合 定 数 98
ス ケ ー ル 依 存性 137, 138, 139, 323, 324
中 性 カ レ ン ト反応 90, 106
ス ケ ー ル パ ラ メ タ ー 213 ス ダ コ フ 形 状 因 子 273
中 性 ベ ク トル ボ ソ ン 60 超 電 荷 19, 56
ス ピ ン 回 転 218
超 伝 導 12, 36
ス ラ ス ト 263, 268, 282
直 積 表 現 368, 370
DGLAPの
発 展 方 程 式 79, 150, 157,
158, 168,
177, 270, 272
―
の 運 動 量 76
―
の 下 層 構 造 327
T(変
換) 363, 379,
Tパ
ラ メ タ ー 254
パ ー ト ン シ ャ ワ ー の 方 法 272, 272
デ ィ ラ ッ ク 方 程 式 346
パ ー ト ン シ ャ ワ ー モ デ ル 273, 330
デ カ ル ト座 標 系 23, 26, 27
パ ー ト ン フ ラ ッ ク ス 150
テ ク ニ カ ラ ー モ デ ル 255
パ ー ト ン 分 布 関 数 171, 176, 177, 319, 321, 322,
電 子-核
382
パ ー ト ン 258
子 弾 性 散 乱 73
327
電 磁 カ レ ン ト 73
パ ー ト ン 変 数 71, 76, 353
点 接 触 相 互 作 用 328
パ ー ト ン モ デ ル 6 , 65, 75, 82, 85, 150, 153
伝 播 関 数 の 繰 り 込 み 230
パ ー ト ン ル ミ ノ シ テ ィ 177
伝 播 関 数 補 正 212, 388
バ リ オ ン 3 , 9, 371 バ リ オ ン 多 重 項 372 パ リ テ ィ の 破 れ 100
等 価 原 理 30, 31, 32, 33 特 殊 ユ ニ タ リ ー 群 365 独 立 破 砕 モ デ ル 276
b-ヴ
閉 じ 込 め 10, 14
P(変
―
の 超 伝 導 モ デ ル 13
PEP
ト ッ プ ク ォ ー ク 338 ― の 発 見 340 ―
ァ ー テ ッ ク ス 248 換) 362 284
非 ア ー ベ ル ゲ ー ジ 結 合 202 非 ア ー ベ ル 理 論 18
の 崩 壊 モ ー ド 338
ト ッ プ ク ォ ー ク 質 量 341,
342
非1重
項 関 数 158, 167
非1重
項 モ ー メ ン ト 164
トポ ロ ジ ー 291
非 可 換 ゲ ー ジ 場 37
トポ ロ ジ ー 変 数 263
光 円 錐 変 数 147, 276
ド レ ル-ヤ
ン過 程 84, 172, 175, 201
引 き 算 項 228, 234 非 対 称 パ ラ メ タ ー 111
ナ 内 部 空 間 南 部-ゴ
行
ピ ー タ ー ソ ン 関 数 277 ヒ ッ グ ス 機 構 18, 48, 50
21, 40
ー ル ドス トー ン ボ ソ ン 46, 47, 48, 50
ヒ ッ グ ス ス カ ラ ー 50, 57, 58 ヒ ッ グ ス セ ク タ ー 59
ν-e散 乱 94, 247
ヒ ッ グ ス 粒 子 63
2→2ジ
非 平 面 指 数 265
ェ ッ ト 314
2→3ジ
ェ ッ ト 314
ビ ー ム ジ ェ ッ ト 313,
2→2反
応 315, 317, 318, 322
紐 効 果 299, 300
入 射 フ ラ ッ ク ス 67, 351
紐 モ デ ル 10, 279, 281
ニ ュ ー ト リ ノ ク ォ ー ク 散 乱 72, 79
標準 理 論 63
314
ニ ュ ー ト リ ノ に よ る 深 非 弾 性 散 乱 79 ニ ュ ー トリ ノの 質量 4
factorization
ニ ュ ー ト リ ノ の 種 類 数 220
VENUS→
ハ
Vス 行
87, 176, 323 ヴ ィー ナ ス 測 定 器
ピ ン 368,
369
フ ァ イ ン マ ンx 85
π 崩 壊 356
フ ァ イ ン マ ン 規 則 383
ハ イ パ ー チ ャ ー ジ 7 , 19
フ ァ イ ン マ ン ゲ ー ジ 55, 127, 384
パ ウ リーデ ィ ラ ッ ク 表 示 347
フ ィ ー ル ツ 変 換 382
箱 型 図 補 正 213,
破 砕 関 数 141, 259, 発 展 方 程 式
フ ェ ル ミ オ ン 伝 播 関 数 127
237 260, 262, 276, 278,
→DGLAPの
発展 方 程 式
ハ ドロ ン 化 モ デ ル 270, 275 ―
の 検 証 282,
283
279, 280
フ ェ ル ミ オ ン の 質 量 項 57 フ ェ ル ミ オ ン ル ー プ 388 フ ェ ル ミ理 論 88, 90 フ ォ ト ン 直 接 生 成 331
フ ォ トンの 偏 極 和 350
―
の 方 法 163
ふ く らみ 指 数 263, 265, 269 ヤ
不 変 断 面 積 352 ブ ヨル ケ ンス ケ ー リ ン グ 75, 151
ヤ コ ビ の 恒 等 式 42, 366
ブ ラ イ ト系 78, 350
柔 ら か い 過 程 311
+(プ ラ ス)関 数 160, 198 プ ラズ モ ン 48
ヤ ン グ 図 375
行
ヤ ン-ミ ル ズ 理 論 17, 18, 37, 39
プ レオ ン 327 フ ロア ッサ ー ル 上 限 311
Uゲ
ー ジ 55
分割 関 数 148, 158, 160, 173, 302
Uス
ピ ン 369, 370
Uパ
ラ メ タ ー 254
―
の 計 算 法 354
PETRA
267, 284
UA1
181, 183, 184, 318
UA2
183, 184, 318
β関 数 134, 135 平均曲率 25, 29
有 効 結 合 定 数 239, 240, 296 優勢項近似
137
平行移動 33, 40 平 面 波 解 346 ベ ク トル結 合 定 数 93
誘 電 分 極
129, 130
ベ ク トルの 平 行 移 動 24, 25,30
ユ ニ タ リ ー 群 365
― の 対 数 第2近 似 136 ヘ リ シテ ィ固 有 状 態 348
横運動量
偏 極eμ 散 乱 70
横 運 動 量 分 布 149, 202
偏 極 ベ ク トル 350
横 質量 194
偏 光 ビー ム 101, 102
横 波 77
偏 平 度 264
横 波 偏 極 ベ ク ト ル 78
幽 霊 ス カ ラ ー 127 ユ ー ク リ ッ ド空 間
24
202
余 剰 角 24, 25, 29
崩壊 率 356
ヨ ー ヨ ー 280
傍 観 者 パ ー トン 313
4フ
ェ ル ミ相 互 作 用 61
包 含 反 応 289, 319, 326 ラ
放 射 補 正 211, 223, 388
行
Λ 133, 139
放 射 補 正 量 223, 225 ボ トム 粒 子生 成 断 面 積 337
ラ ザ フ ォ ー ド散 乱 5, 320
ボ ル ン近 似 225
ラ ピ デ ィ テ ィ 85, 177, 184, 311, 316 ラ ピ デ ィ テ ィ分 布 312
マ
行
MARK-J 266, 267 マ イス ナ ー 効 果 12, 36
leading
log approximation→
対 数 第1近
リ ー 群 365
曲 が っ た 空 間 26, 28, 32, 33 マ ヨ ラナ 粒 子 348
ル ー ト図 373
マ ンデ ル シ ュ タ ム変 数 345
ル ー プ 補 正 230, 232, 388 ル ミ ノ シ テ ィ 181
ミュ ー オ ン崩 壊 235, 357 レ ヴ ィ チ ヴ ィ タ の 反 対 称 テ ン ソ ル 347
メ ソ ン 3, 9
レ ッ ジ ェ 軌 跡 11, 12
メ ソ ン1重 項 123
レ プ ト ン 2, 3, 16
メ ソ ン8重 項 370
―
の 結 合 定 数 92, 221
メ ラ ン変 換 163
―
の サ イズ 5
―
の 前 後 非 対 称 221
モ ー メ ン ト 165
似
ρ-パ ラ メ タ ー 226, 395 ロ ー ゼ ン ブ ラ ス の 公 式 73
ワ
ロ ー レ ン ツ ス カ ラ ー 345
ycutの 方 法 286
ロ ー レ ン ツ 不 変 性 31, 34
ワ イ ゼ ッ カ ー-ウ
ロ ー レ ン ツ 不 変 な 位 相 体 積 67
ワ イ ル 解 348
ロ ー レ ン ッ ベ ク ト ル 345
ワ イ ル 表 示 347 ワ イ ン バー
行
ィ リ ア ム ス の 式 148, 356
グ 角 59, 94, 99, 103, 109, 252
著者略歴 長
島 順 清
1938年 東 京都 に生 まれる 1965年 東京大学 大学院 数物系 研究科 博 士課程修 了 現 在 大 阪大学 名誉教 授 理 学博士
朝倉物理学大系5 素 粒 子標 準 理 論 と実験 的 基 礎 1999年3月20日 2006年4月20日
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初 版 第1刷
第3刷
著 者 長
島
順
清
発行者 朝
倉
邦
造
株式 発行所 会社 朝
倉 書 店
東 京 都 新 宿 区 新 小 川 町6-29 郵便 番号 電
162-8707
話 03(3260)0141
FAX 03(3260)0180
〈 検 印省 略〉 C1999〈 ISBN
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